ウマ娘忍たまダービー   作:223系新快速

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2024/2/20追記:うどん屋の下りの展開を、お約束に近づけました。
2025/4/19追記:DLを可能にするために、歌詞を削除しました。


第3話 アルバイトの手伝いの段

翌日、皆はきり丸のアルバイトをするため、土井先生の家へ出発する。

 

ファイン「アルバイトって、何をするの?」

きり丸「今日のアルバイトは、野菜の配達、裁縫の内職、犬の散歩の3つ。」

クリス「凄い...、それだけこなせるとは...。」

土井先生「多過ぎてこなしきれないから、私が手伝っているんだ…。」

クリスエス「成程。野菜の配達なら、トレーニングに丁度いい。私に任せてくれ。」

きり丸「そうだな。じゃあよろしく。お客さんには、きり丸の代理と言えば伝わるから。」

クリスエス「了解した...。」

ファイン「じゃあ私は犬の散歩だね。」

デジタル「デジたんは手先が器用なので、内職を手伝いますね。」

乱太郎「私達も、内職だね。」

しんべヱ「うん。」

 

 

皆は家に着き、きり丸の指示の下、アルバイトを始める。

 

きり丸「しかし、アルバイトの内容を、トレーニングに丁度いいって言うなんて、まるで潮江先輩や中在家先輩みたいですね。」

土井先生「きり丸、手が止まっているぞ。」

きり丸「そんな、ちゃんと手は動かしていますって。」

土井先生「デジタルを見ろ、もうあんなに出来ているぞ。」

きり丸「嘘!?」

 

デジタルは、1人で既に半分を作り上げていた。

 

きり丸「けど、俺の分担が減るから楽じゃん。」

土井先生「何を言っている。アルバイト代は、実際に作った分の比率で分配するから、このままだと取り分が減るぞ。」

きり丸「それは困る!」

 

きり丸は急いで手を進める。そこへ、

 

クリス「終わった...。」

きり丸「え、もう!?土井先生、今の時刻は?」

土井先生「水時計によると、まだ半時(1時間)位しかたっていないな。」

きり丸「隣村へは1里(4km)はあるんすよ。あの重い荷物を引いて、そんなスピードで飛ばしたら、野菜が傷つきますよ。そうなったら弁償もので、アルバイト代が減るんすよ。」

クリス「それは問題ない...。傷付けないように、揺らさないのもMissionのうち...。バランスの鍛錬も兼ねて走った...。少々傷ついてもいいのなら、今の半分の時間で運ぶことも出来た...。」

きり丸「嘘ー!?」

 

きり丸は開いた口が塞がらないという顔をする。

 

ファイン「ただいまー、お散歩終わったよ。」

きり丸「早過ぎるでしょ。犬は長い距離を走らないと満足しないのに。」

ファイン「それは知っているよ。だから、全力で走ったら、犬達の方がばてちゃった。今度から、もう少し抑えて走るべきかな。」

きり丸「馬が人の姿となった存在だと理解はしたけど、改めてその能力を見せつけられると言葉が出ない…。けどこれって、もしかして、お金持ちになれるチャンス!?アヘアヘアヘ。」

土井先生「それはどうかな。」

 

捕らぬ狸の皮算用をするきり丸。だが、土井先生は半信半疑な顔をする。

 

 

町のうどん屋で次々にお代わりをするウマ娘3人。

 

ファイン「おいしかったー。ラーメンとはまた違うこの食感がたまらないよね。」

デジタル「可能であれば、バリエーションを増やしたいところですね。」

きり丸「はあ、早く終わった分アルバイト代はいつもより稼げたけど、食事代も嵩むから、結局プラマイゼロじゃんかよー!」

土井先生「きり丸、馬並みの能力を出せるということは、食べるのも馬並みだ。鯨飲馬食、牛飲馬食という言葉があるだろう。昨日、彼女達がどれだけ食べたか見ただろう。」

きり丸「そ、そうだった…。」

クリスエス「ん、なんでそんな涙目なんだ?」

土井先生「実はな…。」

 

土井先生の話を聞いて、クリスエスが頭を下げる。

 

クリスエス「それは...済まなかった...。」

デジタル「でも、いっぱい食べて元気が出ましたし、またアルバイトをこなせば…。」

きり丸「それが駄目なんすよ。」

デジタル「どうしてです?」

きり丸「アルバイトっていうのは、人手が足りない分を補うためのもの。だから、今日請け負えるバイトはみんな終わっちゃったんすよ。」

ファイン「じゃあ、なければ作ればいいんだよ。」

 

ファインが楽しそうに言う。

 

きり丸「なければ作る?どういうこと?」

ファイン「きり丸君、この街に、貸衣装屋ってある?」

きり丸「あるけど、それが何か?」

ファイン「日本には、芸者っていう、皆を楽しませる人がいるんだよね。私達、その心得があるんだ。」

きり丸「そうか、それでお客さんが集まれば銭儲けになる!アヘアヘアヘ。」

乱太郎「でも、良いんですか?生徒がこういうことして?ましてやきり丸ですよ?」

土井先生「いや、これも忍術の勉強になる。」

しんべヱ「どういうことですか?」

 

乱太郎としんべヱははてな顔だ。

 

ファイン「それよりきり丸君、上手くお金を集めるために、取り仕切ってくれるかな?」

きり丸「それなら任せとけ!」

 

 

貸衣装屋「女物の衣装を貸してほしい?」

きり丸「知り合いの3人組の芸者がこの辺りで舞を踊るので、是非。」

貸衣装屋「駄目駄目、うちはつけはお断りなんだ。」

きり丸「そう言うと思って、おじさんには一回タダで見せますよ。」

 

タダという言葉に、貸衣装屋の心が動く。

 

貸衣装屋「下手だったら出て行ってもらうぞ。」

きり丸「大丈夫、きっと気に入りますよ。では、どうぞ!」

 

きり丸の合図と同時に、3人が音頭を踊り始める。

 

一踊りして反応を見る。効果は抜群だ。

 

貸衣装屋「これは本物だ、わしの衣装を好きなだけ貸すから、他の者にも宣伝してくれ。」

きり丸「えー、そこんとこはお互い商売です。お代は今すぐは払えませんが、ちゃんと価値が出るものを渡しますよ。」

貸衣装屋「どうやって?」

きり丸「ここに、観戦のチケットがあります。衣装の代金分、おじさんに渡しますから、それで舞を楽しめるという寸法です。もちろん、いらないのであれば、他の人にあげても構いませんよ。」

貸衣装屋「な、なるほど。しかし、まるで借金の証書だな。土倉の抜天坊みたいだ。」

きり丸「何言っているんすか、利息を取らない分、土倉より良心的っすよ。」

貸衣装屋「これは一本取られたな。」

 

結局、デジタルがピンク、ファインが白、クリスエスが緑の浴衣を着て踊ることになった。

 

 

きり丸の作業は手早い。同じ手を使って布屋から陣幕を、木こりから木材を、貸し物屋から太鼓と茣蓙(ござ)を借り、大工を呼んで即興のステージを組み上げた。

 

ファイン「凄い、こんなにすぐに出来るんだ。」

土井先生「金の為なら何でもやるからな。」

 

用意が出来るときり丸が呼び込みをする。

 

きり丸「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、3人組の芸者が舞を披露するよ~。立ち見1文、座って3文。観戦チケットがあれば、タダ!」

 

きり丸の上手な宣伝によって、町の人が次々にやってくる。

 

 

ウマ娘3人の舞に、街の人は満足する。

 

「凄く上手かったな。」

「また見に来たいね~。」

しんべヱ「お客さんからの評判も上々だね。」

きり丸「けど、土井先生、これのどこが忍術の勉強なんですか?」

土井先生「これから分かる。」

ファイン「さあさあ、時間がある方は特別サービスだよー。」

「「「特別サービス?」」」

ファイン「私達に面白い話、耳寄りな話を聞かせてくれたら、次回以降使える観戦チケットをプレゼントしちゃうよー!」

「おお、それは凄い。」

「儂の話を聞いてくれ。」

デジタル「はいはい、押さないで押さないで。一列に並んでください。」

 

それを聞いてきり丸達も理解する。

 

きり丸「成程、芸者に化けて情報を収集する、これぞまさしく忍者だ。」

土井先生「その通り。これを続ければ、穴丑にもなれる。」

乱太郎「タカ丸さんのおじいさんが確かそうでしたね。」

土井先生「そうだ。情報というのは、定期的に収集してこそ、十全たる効力を発揮する。そのためには、町の人に信用されなくてはならない。だから、今後も定期的に開催する必要がある。」

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