先生達が、緊急職員会議を開いている。
山本先生「という訳です、学園長。平均的なくノ一の身体能力ではついていけない以上、男子生徒に混ぜるべきだと思いますが。」
学園長「フーム、確かにな。」
安藤先生「しかし、そうなるとどの学年にするかが問題ですな。身体能力はプロ並み、技術は下級生と同程度、この辺りの知識は疎い。どこに配属しても、異質さが出てしまいます。」
学園長「ではこうしよう。彼女達三人は、遊撃要員として、適宜各学年に参加させるというのは。」
だが、それに先生達は難しい顔をする。
土井先生「それは色々と問題ですよ。生徒がそういう扱いをされると成長の芽を潰します。」
山田先生「プロの忍者として金を貰うなら、給料の内といえますが、生徒として金を払っているんですよ。学園としての意義を問われかねませんな。」
学園長「分かった。では、各学年と対戦させて、それで一番しっくりくる学年に所属させよう。」
土井先生「という訳だ。」
ファイン「ありがとうございます。でも、どの学年に所属するのが良いのかな?」
デジタル「デジタルが観察した限りでは、基本から学ぶ一年生、編入生が複数いる四年生、一番学年の近い六年生のどれかですね。」
クリスエス「だが、選り好みするのは良くない...。その学年の代表的存在を知りたい...。」
山田先生「良く分かった。」
◇
庄左ヱ門「各学年の代表が集められるって、どういう事だろう。」
彦四郎「さあ。」
学園長「静かに。それでは、これから編入生所属学年決定大会について説明する。」
勘右衛門「何ですかそれ?」
学園長「どの学園に所属するか、話し合っても上手く決まらないので、戦いで決めることにした。」
山田先生「ルールは、各学年の代表三人が、編入生三人と戦う。一年生は人数が多いから、各クラスから三人だ。」
タカ丸「その勝負に勝てば、その学年に所属してくれるのですか。」
学園長「そう考えて貰ってよい。もっとも、選ぶのは向こうだから、忠勝だけではなく、自分達の良さを見せる必要もある。」
仙蔵「ようし、今こそ忍術学園忍たまの実力を見せる時だ!」
オオーッ!
◇
~六年生長屋~
伊作「今日の校外実習は中止になったけど、一体どうしたんだろう。」
文次郎「今仙蔵が先生から話を聞いている。」
六年生が集まって話をしていると、仙蔵が戻ってくる。
仙蔵「一大事だ。あの三人が、各学年の代表と戦うことになった。上手くアピールすれば、我が六年生の数が増える。」
留三郎「よし来た、俺が戦う!」
文次郎「なにおう、俺だ!」
留三郎と文次郎がぶつかる。
仙蔵「喧嘩せずとも、三対三なのだから、二人は選ばれる。」
「「それを先に言え!」」
喧嘩を止める二人。
仙蔵「それより、残り一人を誰にするかだが…。」
伊作「僕は遠慮しようかな。長次や小平太の方がやりたそうだし。そういう仙蔵は?」
仙蔵「未知の相手に自分の実力を試したい気持ちはあるが、今回は辞退する。」
小平太「じゃあ、私と長次のどちらかだな。じゃんけんで決めよう。」
長次「モソ(いいぞ)。」
小平太「じゃんけん、ポン!」
小平太がチョキを、長次がパーを出す。
小平太「私の勝ちだ!」
長次「モソモソ(頑張れよ、文次郎、留三郎、小平太)。」
~五年生長屋~
三郎「学級委員長の勘右衛門が、委員会会議でもないのに呼び出されるって、何があったのかな。」
雷蔵「さあ。」
兵助「お、その勘右衛門が戻って来たぞ。おーい勘右衛門、何があった?」
勘右衛門「今先生から聞いてきた。例の三人組が、各学年と勝負して、どの学年に所属するかを決めるそうだ。」
三郎「おおっ、なら誰を選ぶか決めないとな。」
八左ヱ門「よし、なら俺と勘右衛門と兵助の三人だな。」
兵助「八左ヱ門、決めるの早くないか?」
八左ヱ門「いや、雷蔵は優柔不断で、三郎は雷蔵と共に行動するのが基本。となれば、この三人の組み合わせになるのが自然だ。」
兵助「それもそうか。」
~四年生長屋~
タカ丸「皆―、ビッグニュースだよー!」
三木ヱ門「タカ丸さん、ビッグニュースって?」
タカ丸「例の三人が、うちの学年に入るかもしれないんだって。それで、その学年の実態を知るために、三対三で戦うんだって。」
それを聞いて滝夜叉丸と三木ヱ門が張り切り始める。
滝夜叉丸「それならば、実技の成績も教科の成績も学年で一番で、戦輪の得意なこの私、平滝夜叉丸と、」
三木ヱ門「過激な武器の得意な、この田村三木ヱ門にお任せあれ!」
タカ丸「うん、いいね。でも、三人だから、後一人選ばないとね。」
滝夜叉丸「ならば、ここは忍者としての修行をしていた浜守一郎が良いと思う。」
三木ヱ門「異議なし。」
守一郎「いや、喜八郎の方がいいんじゃないか?」
守一郎が喜八郎に譲ると言い出す。
喜八郎「譲ってくれるのは嬉しいけど、良いの、守一郎?」
守一郎「俺は忍者としての知識は、火薬以外は一通り身に着けているが、逆に言うと際立った特徴がない。身体能力は向こうの方が上である以上、悔しいが押し切られる可能性が高いだろう。なら、仕掛け罠の得意な喜八郎の方が、相手の虚を突けるはずだ。」
喜八郎「それもそうだね。」
守一郎「その代わり、絶対勝ってくれよ。」
喜八郎「勿論。」
~三年生長屋~
三年生が、話を聞いてきた富松作兵衛を中心に集まっている。
藤内「成程、学年毎に代表を三人選んで勝負し、一番の学年に編入するんだね。」
作兵衛「それで、方向音痴の左門と三之助は除外する。その上で、虫獣遁の術を使う孫兵は確定だ。」
孫兵「うん、良いね。」
作兵衛「影が薄くて相手から警戒されにくい数馬も確定だ。」
数馬「そういう理由で選出されるのって、複雑だな…。」
藤内「あとは、俺と作兵衛のどちらかだけど…。」
作兵衛「藤内の予習癖をどうとるかだな。普通に考えたら、どう動くか分からない、未知の相手に予習は出来ないが…。」
藤内「じゃあ、作兵衛がやってよ。」
作兵衛「よし、決まりだ。」
~二年生長屋~
話を聞いてきた川西左近を中心に話をしている。
左近「問題は、誰を選ぶか、だけど…。」
石人「僕は最近来たばかりだから、他の人に譲るね。」
久作「それなら、同じい組の俺達三人で固めるのが得策じゃないかな。」
三郎次「よし、それでいこう。」
~一年生長屋~
い組、ろ組、は組がそれぞれ相談をしている。
彦四郎「じゃあ、い組は僕と伝七、佐吉で。」
伝七「お任せあれ。」
佐吉「優秀な忍たまは、我が優秀な一年い組にこそ相応しい!」
伏木蔵「じゃあ、ろ組は僕と怪士丸と平太だね。」
「「「異議なし。」」」
喜三太「成程、代表三人の選出か。」
団蔵「しっかり者の庄左ヱ門、剣術の心得がある金吾、火縄銃の得意な虎若が良いんじゃない?」
庄左ヱ門「いや、もっといい方法がある。」
伊助「良い方法って?」
庄左ヱ門「は組の代表は、乱太郎、きり丸、しんべヱだー!」
きり丸「えーっ!?」
乱太郎「庄左ヱ門じゃないの!?」
庄左ヱ門「先生の出した条件をよく見て。代表的存在とは書かれていても、最強の存在とは書かれていない。であれば、は組を代表する三人組として、君達三人を選ぶのは当然だよ。」
きり丸「まあ、こういう実戦には強いし、何とかなるか。」
◇
一方のデジタル達は…。
デジタル「土井先生、勝負をする前に、それぞれの得意な武器が何かを見極めておきたいです。」
土井先生「そうだな。用具倉庫に行って、どれがしっくりくるか試すべきだな。用具委員会顧問の吉野先生が管理していらっしゃる。」
デジタル「分かりました。」
デジタル達は用具倉庫へ行き、吉野先生に説明する。
吉野先生「事情は分かりました。では、ここにある様々な武器を使ってみてください。くれぐれも壊さないように。」
「「「はい!」」」
3人は色々な道具を見る。手裏剣、撒菱、鎖鎌、手甲鉤...。忍者が使う道具が揃っている。
ファイン「2人は、見当ついているの?」
デジタル「はい、デジたんは苦無です。穴を掘ったり、塀をよじ登ったり、投擲も出来る忍具。まさに、これ一つで何でも出来る万能の道具です!」
ファイン「まさにデジタルちゃんに相応しい道具だね。クリスは?」
クリスエス「私はこの火縄銃だ...。遠距離からの狙撃こそ、私に相応しい...。」
ファイン「領域がそうだものね。私は…、何にしようかな。」
だが、すぐに見つかる。
ファイン「私は四方手裏剣かな。忍者が使う道具と言えばこれだから。」
吉野先生「であれば、すぐに練習してください。」
「「「はい。」」」
ファインが手裏剣を投げ、デジタルが苦無を使って穴を掘って塀を登り、クリスエスが火縄銃で的を狙う。
吉野先生「最低限、形にはなっていますね。当日は持ち込む武器に制限はないので、他にも必要な武器があれば貸し出します。」
「「「はい。」」」