ウマ娘忍たまダービー   作:223系新快速

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第8話 所属学年決定大会の段後編

学園長「では次に、三年生との対決じゃ。用意、始め!」

 

ドオーン

 

孫兵「行けっ、ジュンコ!」

 

毒蛇のジュンコが向かってくる。

 

ファイン「毒蛇はどうすればいいかな。」

デジタル「ナメクジがいれば、退散出来るのですが。そういえば、一年は組の喜三太さんが持っていましたね。」

クリスエス「いいのか、デジタル。他人の持ち物を使って。」

デジタル「外部の人間が支援するのは禁止です。しかし、当事者が外部から持ち込むのは禁止されていません。」

ファイン「ルール違反でない以上セーフ、だね。」

 

3人は喜三太の元に駆け寄る。

 

デジタル「喜三太さん、ナメクジを貸してください。」

喜三太「ちょっと、僕のナメクジさんをどうするのさ。」

デジタル「毒蛇を追い払うのに使います。」

喜三太「えーっ!?」

左近「良いぞ、存分にやれ。」

三郎次「こいつのナメクジは気持ち悪いからな。」

喜三太「ちょっと先輩、それはないんじゃないですか。」

 

だが、左近と三郎次はお構いなしにナメクジを壺ごと渡す。

 

喜三太「ああ、僕のナメクジさんが...。」

デジタル「さあ、貴方の嫌いなナメクジですよ!」

孫兵「ジュンコの嫌いなナメクジ!?」

ジュンコ「シャーッ!?」

 

ジュンコはナメクジを嫌って孫兵の元に戻る。

 

左近「やったー、ナメクジがジュンコを退散させたぞ!」

三郎次「生物委員会にはいつも迷惑を掛けられているから、偶には痛い目に遭って貰わないとね。」

左近「それが生物同士での争いならなお良しという訳だ。」

孫兵「ジュンコ、ごめんよ、嫌な思いをさせちゃったね。棄権しようかな。」

数馬「不味い、孫兵が戦意喪失している。なんとかしないと。」

戸部先生「伊賀崎孫兵、戦意喪失により失格。」

数馬「遅かった…。ところで左門は?」

戸部先生「神崎左門、学園の敷地外へ飛び出しのため失格。」

数馬「そんな、僕一人で三人を相手するの!?」

 

この状況を木の上から伺う他の三年生。

 

藤内「不味い、幾ら数馬の影が薄いといっても、三対一では嫌でも意識される。」

作兵衛「作戦は失敗だ…。」

 

その後の戦況はその言葉通りになる。

 

学園長「この勝負、三人の勝ちじゃ!」

ファイン「初めて勝ったね。」

クリスエス「ああ。」

デジタル「でも、まだ何が起こるか分かりません。気を引き締めていきましょう。」

 

 

学園長「では次に、二年生との対決じゃ。用意、始め!」

 

ドオーン

 

二年生に対し、力の差で押すデジタル達。

 

左近「くっ、力の差がここまでとは…。」

三郎次「諦めるな。」

久作「と言っても…。」

 

防戦一方の二年生は、とうとう力尽きて倒れてしまう。

 

学園長「そこまで。この勝負、三人の勝ちじゃ!」

 

 

土井先生「いよいよ一年生ですね。」

山田先生「問題は上級生相手に勝ち目を作れるくらいに力量差がある相手にどう立ち向かうか、だな。」

安藤先生「ま、優秀な我がい組の生徒なら、大丈夫です。」

土井先生「安藤先生、今回はそれは通用しませんよ。」

安藤先生「え?」

伝七「うわあ。」

左吉「ぐっ。」

彦四郎「ううっ。」

 

い組の生徒三人が、あっという間にやられてしまう。それも、クリスエス一人に。

 

安藤先生「そんな、我が優秀ない組の生徒が、たった一人にやられるなんて。」

クリスエス「動きが単調過ぎる...。それくらいなら、本職でない私でも、一つ先の動きを読める...。本職なら先の先まで読み切れる...。」

デジタル「さっきまでの私達と同じで、型枠に嵌り過ぎです。それじゃ格上の相手には一瞬でやられてしまいますよ。」

土井先生「ということは、予想だにしない行動をする我がは組が有利...。」

山田先生「土井先生、こりゃ思ったよりいけるかもしれませんな。」

 

 

続くろ組はデジタルが相手をする。

 

デジタル「一年生相手に少々やり過ぎな気もしますが、これも勝負です。」

 

デジタルはそういうと懐から手鏡を取り出す。

 

怪士丸「何をする気だろう。」

伏木蔵「すっごいスリル...。」

 

デジタルは鏡で太陽の光を反射して影を消す。

 

怪士丸「!?」

デジタル「貴方方は日陰を好むようなので、日陰を消してしまうことにしました。」

伏木蔵「ええっ!?」

 

勿論手鏡一つで日陰を全部消せるわけはないのだが、意外過ぎる攻め方をされてろ組は完全に浮足立ってしまう。その隙をデジタルに突かれ、苦無で次々に致命傷判定される。

 

学園長「そこまで!三人組の勝利じゃ!」

 

その様子を見て、自信を無くすは組。

 

団蔵「どうしよう、これじゃ勝ち目はないよ。」

伊助「せめて鉄砲が得意な虎若がいれば...。」

金吾「それだったら、剣術を習っている僕も。」

伊助「やっぱり、庄左ヱ門の考えは浅かったんじゃ?」

きり丸「大丈夫。これまでの戦いで、相手の動きはある程度理解した。だから、その裏をかけばいい。」

三次郎「珍しくきり丸がやる気だ。」

きり丸「だって、アルバイトの手伝い増えると思って、アヘアヘアヘ。」

兵太夫「乱太郎としんべヱ、土井先生、六年生の先輩だけじゃなくて、編入生にまで手伝って貰うなんて...。」

 

 

いよいよは組の番となる。

 

ファイン「私達が助けた三人組だね。」

クリスエス「だが、手加減はしない...。」

デジタル「いざ、勝負です。」

 

ドォーン

 

きり丸「先手必勝!しんべヱ、鼻水攻撃だ。」

しんべヱ「了解。」

 

ビューッ

 

しんべヱが鼻水を吹き出す。

 

デジタル「いきなり奇策ですか。」

ファイン「でもこれを食らったら不味いね。」

 

3人が鼻水を避ける。

 

きり丸「避けたところへ、手裏剣!」

 

きり丸が手裏剣を打つ。だが、忍たまのお約束で、手裏剣はデジタル達に向かわず、他のは組の元へ向かう。

 

庄左ヱ門「皆、避けろー!」

「「「うわ~!」」」

 

は組の面々が一斉に避ける。

 

きり丸「よし、狙い通り!」

デジタル「え、何が狙い通りなんですか?」

きり丸「教えなーい。」

しんべヱ「作戦成功だね。」

きり丸「俺達が手裏剣を打てば、味方めがけて思いもよらない方向へ飛ぶ。こうして皆が避ければ、相手は俺達が何を考えているか分からず、読みを外せるってわけだ。」

乱太郎「きりちゃん、不味いよ。土井先生が怒っているよ。」

きり丸「へ?」

土井先生「こらー!きり丸、勝負事で他力本願とは何事だー!」

安藤先生「土井先生、あの手を使ってもよろしいですかな。」

土井先生「ええ、仕方ありません。」

安藤先生「では。」

 

チャリーン

 

きり丸「アハッ、小銭ー!」

ファイン「隙あり。」

きり丸「ギャン。」

 

ファインが手刀できり丸を気絶させる。

 

戸部先生「きり丸、気絶により失格。」

金吾「ちょっと安藤先生、きり丸に小銭の音で隙を作るのは反則じゃないんですか。」

安藤先生「先に他力本願をしたのはきり丸君ですし、土井先生の許可も得ています。」

金吾「うっ…。」

 

クリスエス「よし、一人抜けて邪魔が減った。火縄銃で狙い撃つ。」

 

ダァン

 

乱太郎「不味い、火縄銃なら、幔幕で防がないと。」

 

二人は幔幕で火縄銃をやり過ごしにかかる。

 

虎若「流石乱太郎。火縄銃の対策を分かっている。」

山田先生「いや、これは乱太郎の判断ミスだな。」

虎若「でも、幕で弾を防ぐのは合っているんじゃないんですか?」

土井先生「確かに人数が多くて、かつ自分達が兵士ならば、その通りだ。だが、少人数の忍者でかつ相手だけが飛び道具を持っている場合、自分達が劣勢と判断し、距離を置いて仕切り直すのが正しいやり方だ。」

三次郎「どうしてですか?」

土井先生「幕を張ったら、そこから動けなくなる。そこに敵が射撃をしながら間合いを詰めてきたら、どうしようもないからだ。忍者は自分達が生きるのが第一だ。不利な状況でその場に留まるのは、基本的に外からの救援の見込みがあるときだけだ。」

虎若「じゃあ、乱太郎達はどうすればよかったんですか?」

山田先生「相手が火縄銃を持っていると分かった時点で、自分達も火縄銃を持ち込むしかないな。」

 

山田先生の言葉通り、デジタル達が動く。

 

デジタル「どうやら、向こうは幔幕でどうとでもなると思っているようです。」

クリスエス「ならば、煙玉で燻り出すか。」

 

シュッ

 

ドォン

 

乱太郎「ゲホゲホ、煙玉だー。」

デジタル「よし、出てきました!」

乱太郎「しんべヱ、逃げるよ!」

 

しかし、デジタル達はウマ娘である。それに追いつかれないようにするには、相当速く走らなければならない。

 

しんべヱ「ボク、もう無理...。」

乱太郎「このままじゃ追いつかれる。しんべヱ、終わったら何か食堂でおごるから、元気出して。」

しんべヱ「え、本当!?よーし!」

 

だが、デジタル達は慌てない。

 

デジタル「やっとしんべヱさんのブーストがかかりましたね。」

クリスエス「このブーストは無理に深追いせず、切れたところを捕まえる。」

 

その言葉通り、暫くするとしんべヱは相手が一向に深追いしてこないが故に集中力が切れ、空腹が酷くなる。

 

しんべヱ「無理、もうボク本当に動けない…。」

 

しんべヱが目を回して動けなくなる。

 

戸部先生「福富しんべヱ、空腹により失格。」

ファイン「さあどうする?」

乱太郎「こうなったら、三十六計逃げるに如かず、校舎内を逃げて逃げて逃げまくって、引き分けにしてやる~!」

 

乱太郎が物凄い勢いで逃げだす。

 

デジタル「不味い、向こうは破れかぶれの逃げ切りに入りました。」

クリスエス「なら捕まえないと不味いな。」

藤内「戸部先生、孫兵は失格で、乱太郎は失格にならないのは何故ですか。」

戸部先生「乱太郎は勝つために逃げている。つまり、忍者としての任務を果たすことを諦めていない。孫兵は自分のペットの事を優先して任務を疎かにしたので失格だ。」

藤内「うっ...。」

デジタル「デジたんが追います。二人は待ち伏せしてください。」

「「分かった。」」

 

乱太郎の後をデジタルが追いかける。だが、幾ら一年生とはいえこの学園の事については乱太郎の方が詳しい。ただ逃げるだけでなく、姿を変えたりするため、デジタルもなかなか捕まえられない。

 

学園長「そこまで。このままでは埒が明かないので、この勝負引き分けとする。」

三次郎「やったー、引き分けだー!」

金吾「乱太郎が大手柄だ!」

庄左ヱ門「まあ、引き分けたからって、は組に来るかは別問題だけどね。」

団蔵「庄ちゃんて、」

伊助「相変わらず、」

金吾「冷静ね。」

 

 

デジタル達が部屋で反省をしている。

 

ファイン「五年生の後の反省会で、自分達らしさを生かすことを心掛けたのが良かったね。」

デジタル「ええ、忍者は走る事が大事な職業、ならば自分達らしさを生かす機会は十分にある。」

クリスエス「そして、走るためには生きなければならない...。」

ファイン「それにしても、あの一年は組の乱太郎君、凄かったね。」

デジタル「まさかウマ娘であるデジたんと互角に走れるとは思いませんでした。」

クリスエス「上級生には私達と身体能力が互角の者もいるが、これはまだ早い...。」

ファイン「となれば、所属するのは一年は組一択だね。」

 

 

~翌日~

学園長「では、昨日の結果を踏まえて、どの学年のどのクラスに所属するか発表する。」

デジタル「私達三人の所属先は、一年は組です。」

「「「えええーっ!?」」」

タカ丸「理由は?」

ファイン「走りで勝てなかったことだよ。」

クリスエス「私達は走る事に本能レベルで喜びを感じる...。その走りで勝てない相手がいる以上、その相手に勝つまで、その学年より上の学年に所属するわけにはいかない...。」

土井先生「凄いじゃないか、乱太郎、大手柄だぞ。」

ファイン「だから、これからは私達と共に競い合ってね。あ、同じクラスの三次郎君もね。」

「「ええっ!?」」

山田先生「こりゃ二人とも、大変だぞ。」

乱太郎「えっ?」

安藤先生「確かに、大変ですね。」

三次郎「安藤先生!?」

乱太郎「どういうことですか?」

 

話が呑み込めない二人。

 

安藤先生「これまで一年は組は、忍術学園の中で一番駄目駄目なクラスとされてきました。そして、生徒達もその状況に甘んじていた。言ってみればぬるま湯です。ですが、それに風穴を開ける存在が出てきました。あの三人は、確かに経験不足から上級生入りする事は出来ませんでしたが、一年生としては破格の実力があるのは事実。その三人がライバル意識剥き出しで向かってくるのです、これまでのような状況は、許してくれないでしょう。」

左吉「ですが安藤先生、三人がは組に失望して捨て置くことも考えられますよ。」

安藤先生「左吉、自分達より優れている点が一つでもある限り、それはありえません。一つ優れたものがあれば、それだけで忍者として生活出来ます。そして足の速さは、十分評価に値するものです。」

きり丸「安藤先生が親父ギャグや嫌味を言わないなんて、雪でも降るんすか?」

安藤先生「これでも教育者です。やるべき時はきちんとやりますよ。それに、これはい組のレベルアップにも繋がりますからね。同じ学年からの突き上げがないと、二年生に上がる事は出来ません。」

しんべヱ「結局それじゃないですか。」

安藤先生「自分の受け持つクラスを一番に考えることは当然です。」




少々強引ですが、一年は組に在籍させました。正直、こうしないと話が作れないので…。
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