土井先生「という訳で、本日から
ファイン「皆、よろしくね。」
「「「よろしく~。」」」
歓迎の拍手の下、席に着く3人。
土井先生「それでは早速授業を始める。今日は火薬についてだ。」
クリスエス「火薬…。」
土井先生「火薬は、火をつけると煙が上がり、敵に発見されやすくなる。だから、これを防ぐために工夫が必要だ。」
クリスエス「ならば、煙の出ない火薬を使えばいいのではないか...。」
土井先生「そうだな。忍術学園の関係者だと、早すぎた天才さんがそのような火薬を研究している。」
デジタル「その逆もありじゃないですか。」
土井先生「ん、なんだデジタル。」
デジタル「あちこちに煙を立ち昇らせてしまえば、敵はどれが本物の火薬か分からなくなるはずです。」
土井先生「おおー、流石デジタル!」
それを聞いて土井先生が嬉し涙を流す。
デジタル「土井先生、どうかしたのですか?」
土井先生「いや、これほど出来のいい生徒がは組に入ってきたことが嬉しいんだ。君達は、一を聞いて十を知る事が出来ている。」
きり丸「土井先生、じゃあ俺達は?」
土井先生「十を聞いて一を知る、だ。」
きり丸「そんなー、酷いっすよー。」
土井先生「では、これを忍法で何という?」
しんべヱ「えーと、トカゲの胎児?」
きり丸「違うよ、お金が大事だよ。」
伊助「いやいや、小雨の大事故だよ。」
土井先生「全員違ーう!デジタル、正しくは?」
デジタル「確か、木陰の大事、だったはずです。」
土井先生「正解だ。」
乱太郎「木陰の大事?」
きり丸「そんなの、」
しんべヱ「習ったっけ?」
「「「覚えてませーん!」」」
土井先生「教えたはずだ教えたはずだ教えたはずだ!」
きり丸「でも俺達、実戦には強いもんねー。」
ファイン「…。」
◇
山田先生「それでは、午後の授業を始める。マラソンにしゅっぱーつ!」
マラソンを始めるが、しんべヱが早々にバテる。それをフォローするために乱太郎ときり丸も遅れる。
デジタル「あれ、乱太郎君はどこですか?」
山田先生「おそらく、またしんべヱのフォローをしているのだろう。」
ファイン「それっていつもの事ですか?」
山田先生「いつもの事だ。」
ファイン「じゃあ、山田先生、私達3人で乱太郎君達を焚き付けてきます。」
山田先生「そ、そうか。なるべく遅れないようにな。」
3人は乱太郎達のところに戻る。
デジタル「では、しんべヱ君、私より先にゴールしたら、このお菓子をあげますよ。」
しんべヱ「本当!?」
デジタル「ちゃんとゴールしないと駄目ですよ。」
しんべヱ「わーい、やったー!」
しんべヱがものすごい勢いでダッシュする。
ファイン「きり丸君、私より先にゴールしたら、この小銭をあげるね。」
きり丸「うおおお、小銭、小銭!」
きり丸もものすごい勢いでダッシュする。
クリスエス「では、友達が足手纏いになる事もなくなったし、私と真剣勝負だ。」
乱太郎「よ、よーし。」
2人がダッシュする。
◇
ゴール地点では、山田先生が待っている。
山田先生「後は乱太郎達とデジタル達か。お、見えて来たぞ。」
きり丸としんべヱが猛スピードで走り、それをデジタルとファインが追いかける。その後ろでは、乱太郎とクリスエスが競走している。ギリギリのところでデジタル達が乱太郎達を追い抜く。
山田先生「よくやったぞ。今日は3人共時間通りだな。」
だがきり丸としんべヱは浮かない顔である。
山田先生「どうした。こんなに早くゴールしたことはないのに。」
きり丸「だって、ファインさんとの競走に負けたから、小銭が貰えないんだ。」
しんべヱ「僕だって、デジタルさんに負けたからお菓子を貰えないよ~。」
山田先生「成程そういうことか。」
ファイン「大丈夫。明日以降、また同じことをするから。」
きり丸「本当!?アヘアヘアヘ。よーし、頑張って足を早くする練習をするぞー!」
しんべヱ「僕もー!」
2人が俄然やる気を出す。
乱太郎「うわー、銭とお菓子が絡むと凄いやる気だ。」
◇
土井先生「いやー、山田先生、あの三人が入ってくれて助かりました。」
山田先生「いやほんと、その通りですな。」
安藤先生「おや、山田先生、土井先生、どうしたんですか、そんなににこにこして。何か嬉しいことでもあったんですか。」
2人は今日の授業の事を安藤先生に話す。
安藤先生「物で釣っているだけじゃないですか。それじゃあ本当の意味で、自分の意志で動いているとは言えませんよ。」
デジタル「安藤先生、いいんですよ、偽物の動機でも。」
安藤先生「どういうことですか。」
デジタル「これまで、は組の生徒は普段の授業でやる気を出すことが少なかったようです。だから、実戦には強いものの、危ない場面も何回となくあったはずです。」
安藤先生「確かに。」
デジタル「ですが、普段から実戦と結び付ける、あるいは趣味嗜好に結び付くのであれば、やる気も出るというものです。」
安藤先生「成程。では、土井先生と山田先生もやってみてはどうです。」
土井先生「それは難しいですね。」
山田先生「特定の生徒を過剰に贔屓すると、全体のバランスが崩れますからなあ。」
◇
放課後になる。二年生の左近と三郎次が、悪戯を企てている。
左近「さーてと、今日は一年は組にどんな悪戯をしてやろうか。」
三郎次「あいつらまた引っ掛かるぞ。特にらんきりしんの三人組は。」
左近と三郎次が持っているのは、開けると顔面パンチを食わせるドッキリ箱である。三人組が通りそうな場所に転がしておく。
左近「さあ、もう来る頃だ。」
だが、そこに来たのはデジタルである。
デジタル「…。(これは明らかに罠ですね。)」
左近「不味い、
デジタル「良いもの拾いました。乱太郎君にあげましょう。」
三郎次「へ?」
ダッ
左近「しまった、見失った。」
三郎次「いや待て、乱太郎にあげるというのなら、乱太郎を探せばいいはずだ。」
左近「そ、そうか。」
暫くして、2人は乱太郎を見つける。そこにデジタルがやってくる。
左近「いたぞ。」
三郎次「よーし、渡した。」
だが、2人に乱太郎が近寄ってくる。
乱太郎「左近先輩、三郎次先輩、これ先輩達のものですよね。」
左近「えっ!?」
三郎次「そ、そんな事ないぞ。」
乱太郎「変ですね。
左近「そそ、そんなことはないぞ乱太郎。」
乱太郎「じゃ、今ここで開けてみますね。」
パカッ
ボカッ
乱太郎が開けると、顔面パンチが繰り出され、左近と三郎次を吹っ飛ばす。
左近「イテテテ…。」
三郎次「そんな、何で失敗したんだ。」
山田先生「それは当然だ。」
三郎次「山田先生!?」
山田先生「
左近「そんな…。」
山田先生「悪戯は忍者の勘を鍛えるが、もう少し上手くやるように。」
「「はーい。」」
このことはすぐに学園中に広まった。
八左ヱ門「乱太郎が二年生の悪戯を出し抜いたって?」
兵助「
三郎「少しは忍たまとしての自覚が出て来たってところかな。」
ユキ「これじゃあ悪戯がやりにくくなるわね。」
トモミ「あの三人がいない時にやればいいじゃない。」
ユキ「それもそうね。」