勝手にセイバーマリオネットJ   作:ニラ

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Prologue

 

 

 Prologue

 

 

 数百年以上も昔の話、22世紀も終りの頃。

 加速度的に増加した人類は、最早地球という一つの星の中で生きるにはその数を増やし過ぎていた。

 住む場所の問題、貧困の差、他にも多くの問題を抱えていたが、それらに加えて最も厄介なのが食糧問題だ。

 既に人類は、地球の中だけでそれらを処理することは出来なくなっていたのだ。それ程までに人は増え、増加していったのだ。

 

 改善されることの無い、種々の問題。にも関わらず、それでも尚増え続ける人口。

 当時の地球人類は、其の問題を打破するために一つの方法を選択した。

 それは、人類にとっての新たな揺り籠――第二の地球を開拓することである。

 惑星間航行機能を有した移民船を使い、人類を未だ見ぬ、新たな新天地へと旅立たせようと言うのだ。

 

 要は、総人類移民計画であった。

 地球でのそのような試みから数百年……。地球から遠く離れた銀河の端、そこに存在する惑星テラツー。

 

 この星には、『新天地を求めて旅だった地球人』達によって、新たな文明が築かれていた。

 

 時間にして300年前。

 惑星間航行艦、『メソポタミア号』に乗ってやって来た者達。

 その末裔たちによって富み、栄えた新たな地球である。

 

 地球に於ける人類の歴史から見れば、それはほんの微々たる時間でしか無い300年と言う僅かな月日の中で、人々は増え、広がり、そして文明を桜花していった。

 道を作り、都市を作り、生活圏を広げ、此処は正に人類にとって第二の地球――テラツー(TERRA tow)と呼ぶに相応しいまでになったのだ。

 

 ……だが、ただ一つ。

 そう、たった一つを除いて、この星は地球と似ても似つかない所が存在した。

 

 それは――この星には、『女』が全く居ないのだった。

 

 もっとも、それは300年前の段階からして、既に問題を孕んだ状態だったのだ。

 この惑星テラツーの大地に降り立ったのは、なんと僅かに6人。

 

 徳川家安、

 ゲルハルト・フォン・ファウスト、

 アレクサンドル・キーシン、

 ジョイ・ヒューリック、

 王庸平、

 ヴィレイ・メディチ

 

 3000人居た乗組員の内、無事にテラツーの大地に足を踏み入れたのは僅か6名だけだった。

 そのうえ、彼らは皆が男だったのだ。

 女の居ない環境で子を成すことが出来るはずも無く、彼らの取れる方法は限られていた。

 皆が其々星を渡り歩き、自身の安住の地となる場所に其々の体細胞から培養、クローニングした子孫を伴って国家を作り上げたのである。

 

 故に、この星には女は居らず、ただ男が存在するのみ。

 

 そして女という、男にとって……いや、生き物にとって切り離すことの出来ない存在を無くしたまま、彼らは文明を築きあげてきた。

 とは言え、だからといって彼らが女という存在を忘れたのか? と言うと、決してそうではない。

 彼らは女という存在を忘れないために、それを模した存在を作り出したのだ。

 機械の身体と人工の肉体を併せ持った存在――通称マリオネットを。

 

 

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