仮面ライダー龍騎 金色の翼   作:ムカ着火騎士

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ども、筆者です。
先週は更新サボってしまい大変申し訳ございませんでした。
今回はお詫びを込めて、とにかく考えて考えて書いたので、少しは充実した内容になっているかなと思います。
それでは皆様、どうぞ最高(笑)の暇潰しを。


第10話 考える男

青空も、鳥のさえずりも、全てが宵闇に呑まれている早朝。

 

 

 

 

男は目が覚めてから、やはり宵闇に包まれた空間を一通り見回すと、静かに扉を開いてその空間を抜け出し、階段を登って行く。

 

 

 

 

まだ辺りは仄かに薄暗く、僅かに開いたカーテンから、街灯の青白い光のみが視界を照らす。

時計は5時を回っている。

 

 

 

 

暗闇の中、男は一人考えに耽る。

 

 

 

 

昨日は状況が状況で、落ち着く事など以てのほかだった。

 

 

 

 

だが、今は違う。

 

 

 

 

冴え渡る思考と感覚。

 

 

 

 

毎日の騒がしさに掻き消されて聞こえようのない静かな音も、

角砂糖ほどの大きさにも満たない小さな虫の気配も、

今なら全てを感じ取れる、そんな気がする。

 

 

 

 

それにしても今思えば、平凡な運命の分かれ道は、突然やって来た。

前なら、こんなことが起こっているなんて夢にも思わず、ただ夢もなく希望もなく虚しい感覚に苛まれ、自分の存在するこの世界でたった一つのあまりにも小さすぎる希望を糧に生きる、そんな人生をこれからも送るのだろうと考えては虚しさに次ぐ虚しさが空っぽの心を突き、体中から力が抜けてゆく毎日だった。

 

 

 

 

それまでの日々をぶち壊す様な耳鳴りを感じ始めた、1週間前。

 

 

 

 

耳鳴りがかなり酷くなっていった、4日前。

 

 

 

 

極度に苛立っていた、何かをぶち壊したくなる衝動に駆られた、飛び散る破片に脇目もふらずガラスを叩き割った、あてどもなく街を彷徨った、忌まわしい記憶を残すあの場所へ赴いた、だが同時に自分を暖かく、そして力強く包み込んでくれる二つの存在を感じた昨日。

 

 

 

そんな存在が身近にいてくれたことが、ただ素直に嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺は、生きている。』

(もしかすると、今まで気付いていなかっただけなのかもしれないな…………)

 

 

 

 

そんな充実した感情をいつ以来からか久々に心の中に詰め込み、男は希望溢れる、朝焼けの広がる街へと踏み出してゆくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっベーーーーー!!!!!遅刻遅刻ーーーーー!!!!!」

 

朝から堂々、お決まりのセリフを言いつつ階段を駆け上がる真司。

 

「「おはよう。」」

 

しかし、もはやこの「花鶏」において、そんなことは当たり前の現象になっているらしく、優衣と沙奈子は驚きもせずにいつもと変わらない調子で真司に声を掛ける。

 

「おばちゃん、パン持ってくね!!!」

「あぁ〜、はいはいはい!行ってらっしゃい真司ちゃん!」

「真司君、行ってらっしゃい!」

「行って来まーす!!!!!」

 

(バタン!)

 

勢いよく扉を閉め、勢いよくバイクに跨って冬の寒さで冷えきったエンジンを無理やり点け、勢いよくヘルメットを被り、勢いよく発進していくスクーターバイクを花鶏の中から見届ける優衣と沙奈子。

 

「ハッハッハッ、遅刻しそうな時だけはほんっと勢いいいねぇ真司ちゃん…………………」

「ホントね………………ああいうタイプの人は今までで初めて見たよ。いつも寝坊ついでに遅刻してるけど、どんなに言われようが特に気にしないで結局毎日遅刻しちゃうタイプ。」

「なら今日は、遅刻しないといいねぇ、真司ちゃん。ささ、アタシらもさ、そろそろ準備始めよっか!」

「そうだね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少しして、OREジャーナル。

 

「はいっ、ただいま出社しましたーーーーー!」

「ハッハッハッハッハッハッ、まったく勢いだけはいいこったなあ真司!今日は20分オーバーだが、ま、昨日までの頑張りに免じて許してやるとしようか。」

そう言ってOREジャーナルの編集長である大久保大介は、真司を珍しくやすやすと許した。

 

「編集長、そうしてやすやすと許してしまうから城戸君の遅刻癖が直らないのでは?」

 

そうしてあいも変わらず編集長にキツめの言葉を投げかけるのは、OREジャーナルきっての優秀な記者である桃井令子だ。

 

「ああ、令子、悪りい悪りい。ま、いつものことじゃないからよ。あ、そういえばお前昨日一回戻って来たと思ったら急に飛び出して行っちまったけど…………もしや例の蟹の件、スクープネタでも掴めそうだったのか?」

(あっ………)

 

「…………い、いえ、何でもないです。でも、行方不明者2人の、共通点が見つかりました。」

「……………そうか。分かった。じゃあ今日はまだ取材依頼ぜんぜん来てねえから、その辺で暇潰してこい。」

「あ、ありがとうございます。」

 

 

 

 

「編集長〜、真司君どうかしちゃったんですか?」

 

システム担当の嶋田奈々子が口を挟む。

 

「う、う〜ん、いや、その、あいつの言う通り、何でもないんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

(あのバカ、明らかに何か隠してんな……………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり無理だ。

やっぱり何も無かったかのように、過ごすなんて、自分には出来ない。

 

徐々に近付く、赤い龍。

身体を包んでゆく、赤い鎧。

鏡に吸い込まれていく、不思議な感触。

佇んでいる、蜘蛛の怪物。

初めて持つ、剣の重み。

地面が次第に遠のき、後ろに熱気を感じながらかなりの勢いで急降下していく、あの感覚。

耳に鳴り響く、あの轟音。

 

自分にとって、全てが新鮮で、同時に恐怖の対象だった。

 

 

 

 

『もしかしたら、今自分が追っている金色の蟹は昨日倒した蜘蛛と同じで、あの鏡の中に住まう、怪物なんじゃないか?』

 

そんな考えが脳裏をよぎり、一瞬はそれを否定した。

だが同時に、その考えを肯定してしまう条件が嫌というほど揃っていた。

 

『ショーウィンドウから、蟹の様な怪物が現れて、私は一瞬目を疑いました。』

『怪物が、鏡から現れるんです!』

『人を喰らおうとするんだよ、あの怪物。』

『あのね、かがみからかにさんがでてくるまえね、たべられちゃうひとがね、こまったかおしてたんだよ。』

 

もし自分の推測が正しければ、見たかぎり、蜘蛛の怪物はこれら全てに当てはまる行動をとっていた。

 

 

仮に、金色の蟹が蜘蛛と同じ、怪物だったとしたら、自分たちが知らないだけで、この2体以外にも怪物がまだまだいるのかもしれない。

よくよく落ち着いて考えれば、取材の中で、金色の蟹がとる行動と明らかに違う方法で人が消えたと話した人もいた。

 

でも、もしこんな事を記事にしたとして、それが何になる。

こんなバカみたいな話を必死に読もうとする人間が、世の中にどれだけいるのだろうか。それに、元々の情報源も巷の噂でほんの少し広がっているだけの不確かなものだ。

何より折角の数少ない読者からのクレームが殺到して、零細企業のOREジャーナルには大打撃となってしまうだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよっかな………………」




ヒッシャドゥエース。
イツモヨンデクダサルカタガタ、タイヘンウレシーカギリデゴザイマース。
ザンネンナガラコンドハキマツシケンガセマッテイルノデアリマース。
ソンナワケデ、ジカイノトウコウハ12/12(ゲツ)イコウニナリマース。
タイヘンメイワクヲオカケシマスガ、ジカイカラハフユヤスミニトツニュウシマスノデジャンジャンコウシンシテイキマース。
ソレデハジカイもコウゴキタイ。
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