宿儺と相討ちになったら宿儺が増えた   作:新菜 椎葉

10 / 10
 ネット小説読んでたら遅れました!



 今回から原作時間に入る⋯⋯

 ほう、原作時間に入るとどうなる?

 知らんのか?
 宿儺の指が本格的に登場する

 素晴らしい
 鏖殺だ


宿儺の指

 宮城県からこんにちは。特級術師の加茂殲景です。

 本日は、杉沢第三高等学校に宿儺の指を回収しに参りました。原作だと伏黒恵が来てましたね。原作の流れに重要な部分に毎回俺が抜擢されるのは何故なのか、これがわからない。

 

 百葉箱に封印(?)されているはずなので、ちゃっちゃか回収して牛タン食って帰りたかったです。

 とはいえ、日中に堂々と侵入する訳にもいかない。なんせ、こちとらもう二十歳(はたち)過ぎてから八年立ってますからね。二十八ですよ二十八。

 学校関係者でもない二十八歳が、白昼堂々と敷地内にいたら通報されてしまいます。だから、夜まで待つ必要があったんですね。

 昼はそこそこの有名店で特上芯タンの定食食べました。牛たんには、麦飯とトロロが一番合うと思います。

 

「それにしても呪霊が多い。餌が多い分には困らないんだけど、強いやつだと学校が壊れたりするから困るなぁ」

 

 原作だとオカ研だかが封印解いちゃうんだっけ? 迷惑しちゃうぜ。因縁もあるし、早いとこ回収したい。

 廊下に収まるサイズまで縮小させた喰蛇を伴い、校舎の中を進んでいく。部室の場所なんて知らないけど、探知系の術式はいくつかある。

 早いとこ行かないと人死が出るからね。

 

「って、明かりついてるじゃん」

 

 まあ、夜の校舎内で何の明かりもなしに呪物の開封とかしないよね。夜目が効くとかそういう次元じゃないし。

 

「へーい、ワルガキ諸君? こんな時間に何やってるのかな?」

「「っ!?」」

「あまり怯えないで欲しいな。別に何かしようって訳じゃないんだ」

「ど、どなたですか⋯⋯?」

 

 警備員って格好でもないし、ましてや教師でもないからね。そりゃ警戒するか。⋯⋯いや、まず真夜中の学校に知らない人がいたら警戒するよね。服装以前の問題だった。

 

「俺は⋯⋯あー、そうだな⋯⋯。なんて名乗るべきか⋯⋯」

「け、警察呼びますよ!?」

「いやいや、不法侵入は君らもでしょ。もう一回言うけど、その手に持った“それ”を渡して欲しいんだよね。渡してくれたら大人しく帰るからさ」

「さ、佐々木。大人しく渡した方がいいんじゃないか?」

「そうだよ。大人しく渡した方が良い。それはそんじょそこらにある心霊グッズとか、ホラースポットなんかとはモノが違う。入り口に張り紙があったけど、心霊現象研究会なんてものを名乗るなら、コトリバコとかは聞いたことがあるでしょ? その手にあるものは、それを現実に引き起こすような危険物なんだよ」

「っ⋯⋯ほ、本当ですか?」

「そうだよ。どうせ何も起きないだろう、なんて甘い考えしてるんだと思うけどさ。⋯⋯死ぬよ?

「「っ!!」」

 

 スリルを味わいたいなんて言う人間の心理は、非日常を楽しみたいだけで死にたいわけじゃない。

 そもそも、スリルというものは平和な日常とのギャップがあって、それで初めて実感出来るようなもの。

 非日常に憧れるのはわかるが、命をかけてまで非日常に身を置きたいなんて考えるやつはどれほどいるか。

 

「ほら、大人しく渡して帰った帰った。今なら十万石まんじゅう*1もあげちゃう」

「えぇ⋯⋯?」

「ほら、外まで送ってあげるから早く早く」

「は、はい」

 

 

 

 ──という訳で、虎杖くんとの接点ができませんでした。

 でも、出生的に呪力はあると思うんだよね。原作でも宿儺と殴り合いみたいなことしてたし、なんか謎の力もあるみたいだからポテンシャルはある⋯⋯はず。

 脹相の弟らしいし、鍛えれば戦えそう。⋯⋯どうしようかな。

 迷っていたら電話が鳴った。

 

「⋯⋯こちら加茂殲景」

『もっし〜? グッドルッキングガイの五条でーっす!』

「悟か。どうかした?」

『今仙台でしょ? 喜久福買ってきてくれない? ずんだ生クリーム味の』

「⋯⋯それだけ?」

『それだけ』

 

 アイツマジでぶっ飛ばしてやろうかな。

 

「お前どうせアレだろ? 傑にも言ったんだろ」

『よくわかってんね。以心伝心ってヤツ?』

「ほざけ。確か北海道だっけ? 俺の分の白い恋人も買ってきてくれるよう言っといて」

 

 ⋯⋯よし、虎杖くんは仲間に引き入れよう。

 呪術師として鍛えるにせよ、宿儺の器にするにせよ、役に立つ可能性は高い。

 原作より特級術師が二人多いとはいえ、人手不足なのは変わりない。上層部のバカ共が、貴重な戦力をくだらない理由で減らしてくれるから、余計にそう感じる。

 人手は一人でも多い方が良いよね!

 俺は勧誘しないけど!

 

 だって指食ってない虎杖悠仁とか、どうやって関わらせろっちゅうねん。

 秘匿死刑なって無いし、なんの接点も無いで。

 

 

 

 窓に勧誘できたらやって欲しいことだけ伝え、京都校に帰ってきた。

 途中で東京校に寄って喜久福渡したりしたけど、誤差だね。

 

「国内でも国外でも呪霊やら呪物やらで特級ばっか。どんだけ特級あるんだよ」

「また特級絡みの任務帰り? 特級術師も大変ね」

「あ、雑魚姫。今回は特級呪霊出てこなかったからマシだよ」

「雑魚じゃねーよ! てか、特級ってそんな簡単に出てくるもんじゃないでしょ!?」

「そう? 俺が行く任務、一割くらい特級絡みだけど」

「⋯⋯マジ?」

「マジ。一級から成り上がった特級呪霊とか、呪物食って特級になったやつとか、最初から特級の呪霊とか」

 

 おかしいよね。

 原作より特級術師多いのに、特級呪霊とか特級呪物とかがポンポン湧いてくるんだよ。

 

「それよりお土産いる? 食べ物なんだけど」

「⋯⋯あんた、お土産買ってくるような気遣いできたのね」

「はい、宿儺の指」

 

 思いっきり地面に叩きつけられた。

 特級呪物に対する扱いが雑すぎるだろこのアマ⋯⋯。

 

「殺す気かーー!!!」

「指食ったらビックリするけどね。見るからに食べ物じゃないし」

「ったく、特級術師ってロクなやつがいないのかしら」

「呪術師にロクなやつが居ないでしょ」

 

 お詫びに十万石まんじゅうを渡した。

 CMで美味すぎるとか言ってるけど、美味すぎるって言うほど美味いかと言われると、人によって好みがあるから断言はできないとしか答えられない。

 牛タンの方が良かったと文句を言われたので、次仙台に行く時はずんだ餅を買ってきてやろうと決めた。

 

「私、甘いもの苦手だって知ってるでしょ? なんで甘味なのよ」

「歌姫に牛タンは勿体ないかなって」

「は?」

「牛タンって一本一万円くらいするんだよ? 彼女でもない相手に一万円のプレゼントは重いでしょ」

「じゃあ彼女になってあげるから最高級の牛タン買って来なさいよ」

 

 こいつプライドとか無いんか⋯⋯?

 口ぶりからして、真に受けて牛タン買ってきたら捨てられるやつでしょ?

 君も大概ロクデナシじゃないか。

 

「歌姫、親から孫の顔はいつ見れるのかとかせっつかれてるのかもしれないけど、だからって牛タンと自分の人生を比べるのはダメだ」

「⋯⋯あんた、マトモな事言えたのね」

「牛タンと君ごときを比べるなんておこがましい。恥を知れ恥を」

「期待した私がバカだったわよ! バーーーカ!!」

*1
埼玉銘菓。普通にうまい。レンジで温めたり、トースターで焼いてもうまい。




 という訳で虎杖不在の原作が始まりました。
 多分、そのうちナックルダスター的な呪具を装備した虎杖が合流すると思います。知らんけど。
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