ついに始まった姉妹校交流会。先輩達が歌姫達に負け、サマーオイルは不戦勝。団体戦の勝敗は特級同士の戦いに委ねられた!
お互いの最大火力は無効化され、ゴリラ廻戦の名に恥じぬ殴り合いへと戦況は移っていく⋯⋯!
殲景「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ⋯⋯オラァ!(黒閃連打)」
五条「(土埃パンパン)」
殲景「キッショ、なんで生きてんだよ(メロンパンスマイル)」
起き上がった悟に外傷らしい外傷は見られない。
ノーダメージと言うより、全力で回復した感じに思える。実質ノーダメージとはいえ、呪力は減らせたから良しかな。
これで倒せないとなると、取れる手段は気絶させるか拘束するか。拘束は獄門疆でもなきゃ無理だし、気絶狙いは下手したら即死するだろうし⋯⋯。
「痛ってぇな⋯⋯。殺す気か!?」
「急所は外したでしょ? 関節は狙ったけど」
「痛えもんは痛えだろ」
「そりゃあね」
本格的にどうするか⋯⋯。
喰蛇は強いけど、流石に真正面から戦うのは分が悪い。領域使うのはもう殺し合いだし、無量空処耐えるのも不安。
「お前のやってたやつ⋯⋯こんな感じ?」
「⋯⋯マジ?」
悟の速度が目に見えて上がる。
反転術式による肉体強化。それを見ただけで再現しやがった。
確かに普段から呪力で強化してるし、やろうと思えば反転術式でもやれないことは無いのだろう。とはいえ、それを見様見真似で再現するってどうなってんだ。
六眼チート過ぎだろ⋯⋯いや、マジで。
「なるほどなぁ⋯⋯。やけに速いと思ったけど、こういうカラクリだったわけ」
「再現早すぎ!」
困った⋯⋯。〈般若〉切らないと負ける。
それ以上はいくら悟相手でも過剰だし、何よりあとが辛いから模擬戦ごときで使いたくない。
「術式反転──」
「させるか⋯⋯よォ!」
──使う隙がない⋯⋯!
無理やりにでも距離を⋯⋯離れない! こいつ、磁石みたいに引っ付いてくる!
「このまま押し切るつもりか、抱き合わせチート野郎め⋯⋯!」
「失礼しちゃうね、実力だよ」
無駄にいい顔と無駄に楽しそうな表情しやがって⋯⋯!
悟がさっきより加速したせいで黒閃がキメられない。打撃のタイミングが合わせられない。
──よく観察しろ。速くなっただけで動きそのものは大きく変化していない。
──タイミングを合わせろ。目に見える時点で反応できる速さでしかない。
条件はイーブンだ。むしろ、悟よりこの強化に慣れている俺の方が戦い慣れて⋯⋯
もう一度、悟の動きを観察する。
術式を纏った強力な拳撃、着地の瞬間を狙った蹴撃、それらは共に手足の分のリーチしかなく、宿禰とたまに行う模擬戦*1と何が違う?
いや、むしろ──
──命中=死の宿禰よりマシでは?
「そっか。当たっても痛いだけか⋯⋯」
「あぁ!? いきなり何言って⋯⋯?」
そう。命中しても死にやしない。
急所さえ外してやれば、当たっても
死ななきゃ安い。特に、反転術式で治せる俺らは。
悟の拳に合わせ、後ろに跳ぶ。完全にダメージを逃がすことは出来ず、左肩の肉が少し弾けた。少し痛いが、
「術式反転『
「クソっ、止まらねぇ⋯⋯!」
般若面が顔を覆い、装甲が手足を護り、刀が手に収まる。
変化に気付いた悟が術式で急制動を掛ける。──が、もう既に捉えた。
スカイフィッシュの呪霊から得た術式で撹乱しつつ距離を詰め、領域展延と同じ状態の刀を肩に突き刺し、その状態で術式を発動させる。
「ぐっ⋯⋯から、だ⋯動か⋯な⋯⋯」
「安心していいよ。致死性が無い即効性の麻痺毒だからね」
発動したのは、ヒュドラが持っていた“あらゆる毒を生成できる術式"。毒に対する恐れから産まれた奴の術式は、存在しない
効果を上手く制御すれば、あらゆる毒、病を治療できるヤベー術式であり、使い方次第で世界すら滅ぼせる。
「それまで! 勝者、京都校二年の加茂!」
「俺の勝ち。最強の名は俺が貰うね、悟」
「ちく、しょ⋯⋯」
「悟が⋯⋯負けた⋯⋯?」
「夏油くん、呪霊操術の術式反転は見せた。これを活かすのも殺すのも君次第だよ」
あー、勝ててよかった⋯⋯。
宿禰相手だと、反転無しにここまで近づかれた時点で負け確定だからね⋯⋯。何度手足を切り飛ばされたか⋯⋯。
「加茂ぉぉぉ!!」
「っべー! ヤッベーわ!」
「あの五条悟に真正面から勝つとかお前が最強だよ!!」
「見習ってくれていいですよ、雑魚先輩方?」
『できるか!?』
できるできないで物事を考えるから雑魚なんだよ。呪術なんて縛り次第でいくらでもドーピングできるんだから、使い方を根本からねじ曲げるレベルで知恵絞れ。
どうせ負けりゃあ死ぬんだから、縛りに命なんて賭け得なんだよ。できるできないじゃなく、やるんだよ。
式神操作中は身動き取れないとか、刀使う時は抜刀術しかしないとか、準備にめちゃくちゃ時間がかかるものしか触媒にできないとか、いくらでもやりようはあるでしょうが!
呪霊なんて、基本的に頭に必殺技叩き込みゃあ祓えるんです。なら、俺たちにできるのは
「最速で最強の攻撃を急所に当てる。二級相手には十分でしょ」
「あのな、加茂?」
「なんです?」
「それができりゃ苦労してねえのよ」
「⋯⋯確かに!」
俺ら*2が当たり前にできることをできないから、二級〜準一級で燻ってるんだったわ。
「じゃあ、雑魚先輩達はまず強みをレベルアップさせることから始めましょう。式神使いの雑魚先輩は一体の強力な式神を作るとか」
『はーい』
「⋯⋯これではどっちが先達かわからんの」
ノウハウが違うよ、ノウハウが。
御三家の嫡孫であることを抜きにしても、前世で宿儺と相討ちになったのは伊達じゃないんだ。
今だって世界中で特級呪霊狩りまくってるしね。学業そっちのけで。
転入生とか居ないの? 居ない。そうですか。
二日目は俺と悟不参加。初日で実質個人戦しちゃったし、特級の相手が務まる人居ないからね。
くじ引きで夏油くんと当たった先輩が絶望しながらボコボコにされていた。夏油くんはやっぱり術式反転を習得していたようで、慣らすように二級の呪霊を身にまとって戦っていた。
特級認定も遠くないね、こりゃ。
そんなこんなで交流会は終了し、総合戦績で今年も東京校の勝ちになった。
二連覇おめでとうと賛辞を送ったところ、地味に嫌そうな顔で返事をされたのが一番キツかったかもしれない。
あーあ。また明日から任務だよ⋯⋯。
国内任務なだけマシかもしれないけど、少しはお金を使う時間が欲しいよね。減るより増える方が早いから、どんどん貯金額が膨れ上がっていく。
成人したら投資とFXと競馬でじゃんじゃん使うぞ!
──2007年9月。
また交流会の季節がやってきた。今年は宿禰も参加。
近況を聞くと、また灰原くんが死にかけたらしい。彼、呪われてるんじゃないかな?
一級以上の呪霊は俺が東奔西走しながら祓いまくってるから、多分そのおかげで助かったんだと思う。知らんけど。
宿禰が参加したかいあって、今年は京都校(というか俺と宿禰)が勝った。二年連続で負けた悟がめっちゃ悔しそうだった。いくら夏油くんが特級に上がったとはいえ、宿禰が相手じゃ分が悪いよね。
また明日から学業返上で任務だ⋯⋯。
どうしよう、任務地がミミナナの村だった⋯⋯。
羂索の体どうするの? 百鬼夜行とかこのままじゃ絶対起きないよ!?
特級術師なんてそうは死なんし、死滅回遊どうなるんだ⋯⋯。
ちなみにミミナナは高専の
なんで東京校かって? 根明な性格の灰原と、
後半駆け足で申し訳ない。過去編で宿禰をチラチラ出すより、そろそろ宿儺にスポットライト当てたいんや⋯⋯。
【原作との乖離点】
・五条悟が最強じゃない
・灰原が生きている
・夏油が呪詛師堕ちせず、強化されている
・百鬼夜行が起きない
・五条悟が最強の代名詞じゃない
・ミミナナが高専側
・転生組がいる
・五条悟が最強じゃない
【原作と変化がない点】
・五条悟はやっぱりクズ