イナズマイレブン 火竜のストライカー   作:SKーYM

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5話 流石に掲示板に隠れられないだろ。

壁山が高所恐怖症ということで円堂や豪炎寺も予想していなかったのか振り出しに戻り意気消沈し始めている。

「どうしたんだよお前ら。別にイナズマ落としができなくたって俺達がもっと練習すればいいだろ?」

染岡も前の尾刈斗中との試合で自信を取り戻したのか堂々と言い放つ。

「そうだな。俺達ならイナズマ落としだけじゃなくてほかの必殺技もできるはずだ。それにFFの1回戦なんだ。あきらめるような奴じゃないだろ?俺達のキャプテンは。」

そう続けると円堂もハッとしたように顔を上げ、笑顔で立ち上がる。

「そうだよな!俺達はイナズマイレブンになるんだ!こんなことで立ち止まってられない!みんなは練習をしててくれ!俺と壁山は高いところを克服できる特訓をする!いくぞ壁山!」

バンッと壁山の背中を叩き立たせるが壁山はどうしてもやりたくないと駄々をこね始める。

「円堂。俺も練習はここまででいいから手伝うよ。豪炎寺のジャンプ練習は染岡や風丸もいるし。」

「助かるよ!よーし!壁山、頑張ろうぜ!!」

 

 

 

夕方になっても壁山の高所恐怖症は成長の兆しを見せず、学校自体が閉鎖の時間になってしまった。各々帰宅する中壁山は悩んでいるのかとぼとぼと鉄塔広場へと足を運んでいた。

「やっぱり俺には無理っす…。」

そう呟いていると広場から声が聞こえた。気になって見に行くと豪炎寺が1本のロープに括りつけられた木の棒からジャンプの練習をしていた。

その光景をじっと見ていると自身が来た方向から円堂と竜咲が来た。円堂は「やってるな!」と言って豪炎寺のもとに走っていく。2人が来たことに驚いた壁山は掲示板の裏に隠れていた。

「…壁山…お前そこで何してんだ…。」

困ったような顔をして声をかける竜咲に気づき。

「ば、ばれてたんすか⁉」

壁山もまさかばれるとは思わなかったとでも言うように驚いた。

「普通はきづ…いや、あそこのサッカーバカには気づいてないみたいだな。どうしたんだ?お前も練習をしに来たのか?」

竜咲の言葉にまた壁山の雰囲気が暗くなっていく。

「いや、そういうわけじゃないっすけど…。」

指を合わせながらもごもごと話し始める。

「俺、まだ高いところが怖いんす。でもああやって豪炎寺さんが練習するところを見て俺も頑張らなきゃって思っててもいざ下を見たらまた怖くなって…。竜咲さん、俺どうすればいいんすか…。」

壁山の問いに竜咲は黙っている。何分経ったのかわからないが竜咲の口からは。

「今、お前は成長の壁にぶつかっているんじゃないのか?超えることは自分を見つめ直すことでもある。体が動こうとしても恐怖で動けないなら原因は何かを見つけることだ。それが見つかればどう対策する?それは俺達からの言葉じゃ克服はできない。お前が気づいてお前が自分なりの答えで見つけるしかないんだよ。」

竜咲からの言葉は甘えた言葉ではなく厳しい言葉だった。

「そんな!じゃあ俺はずっとこのままにしかなれないっす!俺にもわかんないんすよ!」

壁山はその言葉を受けるも反論をするしかできなかった。自分は円堂や豪炎寺の手で優勝すると思っていたのかとでもいうような発言だ。

「俺にも知らん。けど俺から、いや俺達からお前に言えることは『逃げるな』だ。俺は今度の試合の勝利にはお前と豪炎寺が必要だと感じてる。なんでかはわからないけどな。」

そう言って竜咲は後ろを向き行ってしまった。

「竜咲さん…。」

壁山の細い声は届いているのかわからないが気づかずにその場から立ち去った。

 

竜咲side

悪いな壁山。自分で気づかなきゃ克服は無理なもんだ。

俺は壁山のいた鉄塔広場から家へと向かい始めていた。そんな時横から夏未と神門が現れた。

「優しいのね。」

「優しいのかな…。自分で言うのもあれだけど無責任ってことにも聞こえるんじゃないか?」

「それを決めるのは壁山君自身よ。わたしからしたら雷門に汚名を着せなければいいわ。」

「そっか、わざわざ悪いな。そういや円堂は鉄塔広場で練習してるから気合入れ直すためになんか行っといたほうがいいんじゃないか?」

「ふふっ、そうするわ。あなたも気が利くじゃない。神門さん行きましょ。」

「はい、それでは先輩、さようなら。」

「じゃあなー。」

夏未たちと別れ俺はそのまま帰路へとつく。結局明日の試合までに完成は間に合わなかったイナズマ落としは試合で使えるのか怪しいが俺も何もしていなかったわけじゃない。必殺技が2つもできたんだ。絶対使ってやる。

 

そして試合当日、野生中へとついた俺達雷門中メンバーと夏未と神門、山に囲まれた場所が嫌いなのか夏未が文句を言っていると夏未が乗ってきた車に人が乗ったりバンパーを開けたりしていた。

「あいつら…なんだ…?」

俺達がうろたえてるとマネージャーの音無の情報によるとあれが野生中サッカーのメンバーらしい。

「てことはあれと俺達は戦うのかぁ!?」

みんなが驚いてる中拍子抜け過ぎて力なく俺は崩れ落ちた。

「これがFF…思ってたのと違う…。」

「まあまあ、でも負けないぞ!俺達が勝つんだ!」

円堂の声にみんなうなづきウォーミングアップをはじめ、ポジションを決める。

 

「試合開始!」

今回のキーマンである壁山は最初はDF、あれからどうなったのか気になったが今は相手に意識しなければ。

「豪炎寺!」

染岡がパスを送るとファイアトルネードの体制に入る。しかし野生中のキャプテン鶏井の驚異的なジャンプ力によりボールが奪われてしまう。

「マジか!豪炎寺より高く飛ぶとか信じらんねえ!」

各々が驚いているがすぐにボールを奪い返す。

「竜咲、こっちだ!」

奪ったボールを染岡に渡す。

「それなら地上はどうだ!『ドラゴンクラ』」

「染岡!危ない!」

染岡が気づいたときにはDFの獅子王がボールのごとく転がって染岡とぶつかる。

「そめおかぁ!」

急いで染岡のもとに向かうと足を抑えている光景が広がった。

「木野!救急箱を!」

応急処置をしようにも強くひねったらしくこの状態では試合ができないとのことだった。

染岡自身も迷惑をかけたくないのか交代を受け入れる。交代するのは新しく入部した土門だ。

そしてFWには円堂の考えで壁山が務めることとなった。

「やっぱりこの試合に勝つためにはイナズマ落とししかない!頼んだぞ!壁山!豪炎寺!」

 

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