イナズマイレブン 火竜のストライカー   作:SKーYM

7 / 7
非公式の対決

雷門夏未と神門杏奈がマネージャーになってから数日が経ち、俺達雷門イレブンは河川敷で練習をしていた。

なぜ学校のグラウンドで練習ができないのか、それはラグビー部や野球部といった別の部活が使っているためまだ成績を残していないサッカー部はグラウンドを使用する許可がなかなか下りてこないのだ。

「半田!染岡にパスだ!」

円堂の指示のもと俺達の練習は進む、次の対戦相手は御影専農中との試合だ。マネージャーからの情報によるとデータを使用した機械的なサッカーが売りらしい。

それも帝国が対策をするようなかなり強敵だ。データと聞いて大体は正確なパスやブロックをされることが予想される。

まだまだシュート以外の必殺技が少ないからか、なかなか構想できるような動きができない気がする。これを機に新しい必殺技、それもドリブル技を覚えた方がいいな。

「ドリブル技ならテクニックかスピードだな。正直テクニックは自信ないけどスピードなら…いや、風丸の方が早いな」

よし、風丸に早く走るコツでもあるか教えてもらおう。

 

「風丸ちょっといいか?」

水分補強している風丸を見つけて話しかける。

「どうしたんだ?」

「実は新しい必殺技でスピードを生かしたものにしたいんだけど俺風丸みたいに早くはないからさ、コツってわけじゃないけど早く走るためにしている姿勢とか、足の使い方あるかなって思って相談したいんだ。」

少し考えるしぐさをしてから

「そうだな、足を速く前に出すように意識したり、走っているときの風圧を抑えるために姿勢を低くしたりだな、陸上なら最後の最後にスピードアップするときに使うからほんの一瞬の動きのみになるな。」

「んじゃ、まずは姿勢を直してみるか、ありがとな風丸。」

礼を言ってからドリブルを始める。意識的に上半身を下げるとつま先が地面とぶつかって勢いよく転ぶ。それもものすごくかっこ悪く。

「おいおい、大丈夫か?めちゃくちゃ爺さんに見えたぞ」

手を差し伸べる円堂の手を取るが誰が爺さんだ。俺はまだぴちぴちの14だぞ。

「ん、わるい」

立ち上がってから1年たちの様子を見ようとすると何やら橋の方や河川敷の上に違う学校の制服をきた奴らがいた。あるものはメモを取っているような、あるものは写真やビデオを撮っているように見える。

「円堂、練習は中止だ。河川敷じゃもうできないかもしれない。」

「え?なんでだ?」

すぐさま中止を提案すると不思議そうな顔で円堂が訪ねてくる。

「あれが何かわかるか?」

「俺達の応援をしてくれてる『ファン』ってやつだろ!俺達も有名人になって来たな!」

ああ、このサッカー馬鹿は何でもポジティブに捉えやがる…。

「あれはファンじゃない。おそらくは他校の偵察だと思うぞ、カメラやメモをっとている奴等が大半だ。ここで必殺技や連携が見られたら次からの試合が不利になる。」

「ええ―!!ファンじゃなかったんですか…トホホ…」

少林がものすごく落ち込むが同様に1年ズも落ち込んでいる。

「その通りよ。ここでの練習は禁止にします!」

後ろからやってきた夏未と神門もやってきた。

「それは賛成だけど連携や必殺技の練習はどこでやるんだ?さすがに夏未嬢でもほかの部活に雷門中のグラウンドを渡せなんて横暴はできないだろう?」

「そうよ。でももしかしたら練習場所を見つけたかもしれないから少しの期間だけでも連携や必殺技の練習は控えて頂戴。」

夏未の言うとおりだ。ならできることは体力作りやリフティングといったシンプルなものになるか。

「よし、円堂今は走り込みをしようぜ。」

「えー!ボールに触れないのか!?」

駄々をこねる子供の用に潤んだ目で俺を見てくる。やめろ、野郎の顔でやられてもうれしくねえ。

「しゃあねえな、ならパス練習もするか。」

あれ、なんで俺は決めたことを緩くしたんだ?おかしいな…ま、いいか。

 

 

 

 

 

 

あれから2日経った。いつも通り走り込みとパス練習のほかにシュート練習も始めた。同じようなことのみをしているとだんだんと情報を得られないと気づいたのか続々と偵察が減っていた。

「もう少し経てばまたここで練習ができそうだな。」

そんなことを考えていると突然トラックが河川敷の上にやってきて何やらガチャガチャした機械と共に人が出てきた。

「…なんだあれ」

思わず突っ込んでしまったと考えるが…いや、マジでなんだよあれ

「竜咲、あれは御影専農中の車だ。今見えている背の高いやつがキャプテンの杉森だ。おそらく俺達の情報を確認しに来たんだろう。情報を渡さないように気を付けるぞ。」

今日のペアの豪炎寺に教えてもらいまた再開し始めた。

背が高いことよりも頭がトゲトゲしてるあの髪は何だよこえーよ。

繰り返しパス練習を何分か続けていると杉森とピンクの髪の奴が河川敷におりてきた。

「おいおいおい…こりゃダメだろ…。悪い豪炎寺一旦ストップだ」

円堂もストップの号令をかけると怒った顔してトゲトゲの方に向かう。

「御影専農のキャプテンだよな?練習中にグラウンドに入らないでくれよ!」

次の対戦相手である雷門の練習を邪魔しに来たともなればサッカー協会が黙っていないとは思うが一体どうなってんだ?

「…なぜ必殺技の練習を隠す。」

返事をするのかと思いきやあの杉森とかいうやつ意味わかんねえこと言い始めたぞ。情報を洩れないようにしているんだから当たり前だろ。

「うぇ?」

ほら円堂も予想もしていない返答に変顔になってるぞ。おい染岡、円堂を笑うな。

「今更隠しても無駄だ。すでに我々は君たちの能力を解析している。」

ピング髪が理由を述べ始めた。

「なら解析してるんなら来る意味ねーだろ。無駄足するくらいなら来るなよ。」

「…竜咲夏希、君の評価はD-だ。」

「…は?」

何言ってんだこいつ。評価?D?意味わからねえ。

「評価ってなんだ?勝手に偵察に来て勝手にグラウンドに入って勝手に練習の邪魔して勝手に評価して、一体なにがしてーんだよ。」

ドスの効いた声で言い返すがこいつらはなんもわかってないようだった。

「話にならんな、我々は事実を伝えたまでだ。我々には100パーセント勝てない。」

杉森がそう答えると呆けていた円堂も

「勝負はやってみなくちゃわからないだろ?」

自信満々に答えてくれるがピンクの髪の奴からとんでもない言葉が出る。

「勝負?そんなわけがない。これは害虫駆除だ。」

「…なんだと?」

ここで俺の頭は真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

円堂side

「勝負?そんなわけがない。これは害虫駆除だ。」

御影専農の生徒にそんなことを言われた俺はめちゃくちゃムカっときた。

「害虫ってなんだよ!」

「ムカつくでやんす!」

「酷いわ!」

「サイテ―!!」

「俺が追い出してやる!」

宍戸、栗松、木野、音無、そして染岡、チームのみんなが怒っているが俺だってかなり怒っている。

だけど今は…

「やめろ!」

声を出してみんなを止める。

「確かに害虫って言われて腹が立つ!けど暴力や暴言で解決したらダメなんだ!」

副キャプテンである夏希も何も言ってないのも多分また問題を起こさないように自分を抑えているんだ!でもみんなを害虫扱いしたこいつらは許せない!だから!

「…キャプテンから炎が見えるっス。」

怒りに任せないよう冷静に、冷静に…

「…俺達を害虫扱いしたことを取り消せ。」

そうだ取り消してもらうように言うんだ。でも俺の思いもこいつらに届かない。

「…事実を述べたのだが…」

「理解できないとは思わなかった。」

そんなことを言ってきた。俺は頭に血が昇りすぎた。

「…もう絶対…ゆるせねえ!!!俺達の必殺技を見せてやる!今すぐ決闘だ!!」

「いいだろう、ならばお互いがシュートをして止められた方が勝ちとしよう。」

提案を受け入れた杉森たちはユニフォームに着替える。

「ゴールはもちろん俺が守る!シュートを打ってもらうのは…」

夏希、豪炎寺、染岡が候補にあがるな。そういえば結局怒りに身を任せちゃったけど夏希は大丈夫かな。

俺が夏希に声をかけたが放心状態で止まっている。

「夏希?おい、夏希!」

「…」

「円堂、竜咲どうしたんだ?」

染岡が心配して俺達を見ている。

「いや、夏希の反応がないんだ…。おい、夏希!」

体を強く揺さぶるとようやく反応した。

「ブチ…」

小さく何かつぶやいているのが聞こえたがよくわからなかった。俺達が聞き耳を立てていると大きな声で突然叫んだんだ。

「ぶち〇してやる!どっちが害虫か教えるまでもない…!握り潰してやるよ…!」

こんな風に切れた夏希を見たことはなかった。

 

sideOUT

 

 

 

 

 

「円堂俺にやらせろ」

「わ、わかった。けど…」

「暴力は絶対にしない。あくまでサッカーであいつらに赤っ恥をかかせてやる。」

まずは円堂とピンクの髪、下鶴改とのPK対決だ。少なくとも円堂にはゴッドハンドがあるがシュートのスピードによっては熱血パンチを使うだろうと予想ができる。

「行くぞ。」

下鶴はジャンプして必殺技の体制に入るが何やら見たことあるモーションだなと思っていた。そして発動した必殺技に驚愕する。

『ファイアトルネード!』

豪炎寺のファイアトルネードだった。円堂もその光景には驚くもののすぐにキャッチの体制に入る。

『熱血パンチ!』

円堂の必殺技がボールの中心を殴ると必殺技のぶつかり合いが起こる。

「グギギギ…!」

踏ん張ってボールをはじこうと円堂のこぶしにまた力が込められるとボールは大きくはじかれゴールポストに当たった。

「何だと⁉」

杉森と下鶴が驚いたように声を上げた。

「ふぅ…どうだ!俺の勝ちだ!」

ニカッと笑って手を前に出しVサインを俺達に送った。全くすごいな、うちのキャプテンは。

「…次は俺の番だな。」

ボールを蹴ってシュートポジションに入ると困惑の表情を浮かべながら杉森もゴールの前に立つ。

「どうしたんだよ?ロボットみたいな顔が人間になってるぜ。よかったな人様に昇格できてよ。」

煽るように言葉を発するが杉森は困惑した表情をしたままなにかブツブツと言い始める。

「ありえない…こんなデータはあり得ない…!」

どこまでもデータを気にする奴だな。こんな脆い相手が俺達を害虫呼ばわりしてきたのか、またムカついてきたぞ。

「んじゃあ始めるぞ。害虫に食われる気分でも味わうんだな。」

 

 

 

円堂side

夏希がシュート体制に入ろうとしたとき、なにやら夏希の後ろからオレンジ色のオーラが出ているのを見た。

「あちゃー。あいつ相当キレてんな…。」

額に手をやる円堂に豪炎寺が話しかける。

「円堂、竜咲のあのオーラはなんだ?まるで炎のように見えるが…。」

「ああ、豪炎寺は知らないんだよな。あいつがあの状態になるのが…」

説明をしようとすると1年の宍戸が話し始めた。

「あの状態の時の竜咲さんは集中や怒っているときに出るものなんですよ。前に怒らせた2年生がいたんですけどその時はこぶしで壁を壊していたんですね。」

帝国学園との試合前に起こったことだな。あいつあの後かなり落ち込んでいたもんな。

「それにビビった人や見た人がまるでオレンジ色のオーラを放っているように見えたらしくて、蛇ににらまれたカエルのように動けなかったとかなんとかで竜咲さんの苗字と炎みたいなオーラを例えてから通り名がついたってのがあるんですね。」

ふむ、と豪炎寺が返事すると竜咲が必殺技を放った。

『火竜の…砕牙ァ!!』

足に纏ったオーラが火の爪に形を変えてボールを蹴り込んだ。

ボールは一直線に飛び杉森の頬ギリギリを掠りゴールへと突き刺さった。

「やった!シュートが決まったぞお!俺達の勝ちだ!」

意気揚々として杉森に近づき

「どうだ!害虫って言ったこと、取り消してもらうぞ!」

何も反応ができなかった杉森は困惑の表情を変えれずに「あ、あぁ…」とつぶやいた。

「ん!」

俺が手を出すと杉森は何だこれはとでも言うようにとぼけた顔をした。

「握手だよ!これで恨みっこなしだ!試合では正々堂々全力で戦おう!」

sideOUT

 

円堂の手を握り返した杉森を見て円堂は『ニカ―!!』と笑った。杉森たちはそのまま御影専農のトラックと共に帰って行った。

 

そんな中豪炎寺は説明をしていた宍戸にとあることを聞こうとするが1年達で盛り上がっていて聞けずにいたところを染岡が見つけ声をかけた。

「豪炎寺どうしたんだ?」

「いや、竜咲の通り名っていったい何だったのか知りたくてな。」

その話を振ると染岡は苦笑いして

「あいつは知らねえんだけどな、あいつさ、火を使った必殺技が多いだろ?」

「ああ、『火竜の』とつけているな。」

「そうそう!だからあいつの通り名は」

 

 

火竜(サラマンダ―)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。