アナジェネ 平ジェネWORLD番外編   作:Naniro

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またまたバッファの後日談です。


勇者くんは認められたい

新たなケミーを仲間に加え、ひとまず体を休める猛達、ジャスティンのゴージャスな料理が用意され、それにハジメや生徒達は唖然とする。

 

「まるで宝石のような彩りのある料理じゃねえか…」

 

「…なんか食べるのがもったいない気がする」

 

ハジメとユエがそう呟き、生徒達もうんうんと頷く。しかし猛はそのゴージャスな料理をなんのためらいもなくつまんでいた。

 

「うめぇなこれ。おい、お前らも食えよ。こんな料理、なかなか味わえねえぞ」

 

猛がそう言い、生徒達も戸惑いつつも料理に手を付け始めた。するとネルムがテュークをつつく。

 

「ん?」

 

「あれ見てよ」

 

ネルムが指差す方向に目をやると、そこにはレベルナンバー10のケミー達に話しかけている光輝の姿があった。光輝は爽やかな笑顔で何かを話しているが、レベルナンバー10のケミー達は鬱陶しそうにしていた。するとアルガンが光輝の腕を掴んだ。

 

「そのへんにしておきなさい。ケミー達が鬱陶しがっている」

 

「そんな!違います!俺はただこれからともに戦う仲間なんですから交流を深めようと…!」

 

『だから都合が良すぎなんだよ。どうせ僕達の力が目的なんでしょ?』

 

「そ、そんなわけ…!」

 

その瞬間、今度はジャスティンが割り込んだ。

 

「ゴージャスの欠片もない貴様にケミーの力を使いこなせるわけがない。ただでさえ味方の足を引っ張るやつがよく言えたものだな」

 

ジャスティンの言葉に光輝はイラッと来たのか、言い返す。

 

「あんたこそ一体何なんだ。派手な衣装で気取ってるだけで何もしてないじゃないか!」

 

「何もしてない?ジャスティン様は城の外にいた魔物を蹴散らしていた。ほぼ全滅させたのはこのジャスティン様だ」

 

「冗談は格好だけにしてくれないか。着飾ってチャラチャラしてるだけのくせに!」

 

「…なんだと?」

 

光輝の発言にジャスティンの目つきが変わり、光輝を睨みつける。

 

「貴様、このジャスティン様が実力がないとでも言いたいのか?いいだろう、ならば思う存分見せつけてやろう」

 

ジャスティンが指を鳴らすと料理が置かれたテーブルが移動し、場所が開け、簡易決闘場のようなものができた。

 

「こんなチャラチャラしたやつに負けるわけない!」

 

「どうかな?俺は強いぞ?」

 

ジャスティンは少しドスの効いた声になり、レジェンドライバーを装着する。

 

「変身」

 

CHEMYRIDE

 

LE-LE-LE-LEGEND

 

「さあ、ゴージャスタイムだ」

 

「こんな見掛け倒しで!」

 

光輝はレジェンドに向かって聖剣を振るう。しかし、レジェンドは最低限の動きだけで避けていく。

 

「どうした?ジャスティン様に負けるわけがなかったんじゃないか?」

 

「くっ…!このぉ!」

 

レジェンドの挑発に光輝は頭に血が上り、聖剣を振るう速度を上げるが、レジェンドには一向に当たらない。

 

「やれやれ、こんな勇者に使われる聖剣が哀れで仕方が無い。ジャスティン様ならもっとゴージャスに扱ってやるというのに」

 

「う、うるさい!」

 

光輝は聖剣をレジェンドに振り下ろす。レジェンドはそれを片手だけで受け止めた。

 

「何…!?」

 

「少し戦い方を変えるか」

 

レジェンドはそう呟きながら取り出したのはセイバーのケミーカードだった。

 

CHEMYRIDE

 

GO-GO-GO-GORGEOUS

 

SABER

 

ブレイブドラゴン!

 

烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!

 

レジェンドはゴージャスセイバーにフォームチェンジし、火炎剣烈火を構える。

 

「ジャスティン様の剣捌き、貴様に見きれるか?」

 

「この…舐めるなぁ!天翔閃!」

 

光輝はレジェンドに向かって大きな斬撃を飛ばす。それと同時にゴージャスセイバーもレジェンドライバーを操作する。

 

GORGEOUS ATTACK RIDE

 

そして火炎剣烈火を振るうときらびやかな炎の斬撃が天翔閃とぶつかると相殺した。

 

「なっ!?」

 

「火炎ゴージャス斬!!」

 

すかさずゴージャスセイバーが光輝に追撃を加える。

 

「ゴージャスに…散れ!」

 

SA-SA-SA-SABER

 

ドォオオオオオオン!!

 

「ぐああああああああ!!!」

 

ゴージャスセイバーの一撃を受けた光輝はその場に倒れた。

 

「安心しろ、火加減はしておいた」

 

レジェンドはそう言いながら変身解除する。猛はジャスティンに拍手を送っていた。するとバトラーが光輝に駆け寄り、ケミーライザーにケアリーをセットして、光輝を治療する。

 

「大丈夫ですか?」

 

「……」

 

バトラーが声をかけるが、光輝は負けたことが余程ショックだったのか返事はない。するとバトラーが語りだす。

 

「マイロードが輝くことにこだわるのは周囲に被害を出さないためでもあるのです。輝いて目立つことで敵を自分自身に向けさせ、無力な市民の被害を防ぐ。これがマイロードのやり方なのです」

 

ジャスティンが輝きやゴージャスを求めるのは自分自身をデコイとして敵を自分自身に向けさせるという彼なりの人の守り方だったのだ。それを聞いた光輝は驚いた表情をする。

 

「口だけなのはお前だよ天之河、相手に偉そうにどうこう言っときながら自分は何もできてねえ」

 

猛のその言葉に光輝は何も言い返せなくなる。猛はふんと鼻で笑い、料理を頬張った。

 

 

ハジメはテューク達と今後の打ち合わせをしていると雫が声をかけてきた。

 

「南雲君達はこれからどこへ向かうの?大迷宮を目指すの?」

 

「あぁ、東の大樹海だ。そこに大迷宮がある。それと魔人族の国の近くにある雪原だ」

 

「ケミー達が言うには、その樹海にはコズミックケミーレベルナンバー10、ガイアードがいて*1、雪原にはファンタスティックケミーレベルナンバー10、ドラゴナロスがいるみたい*2

 

残り2つの大迷宮にはそれぞれ、神星、神竜と呼ばれたケミー、ガイアードとドラゴナロスがいることがケミー達から語られたのだ。するとリリアーナが話に入ってくる。

 

「では、帝国領を通っていくのでしょうか?」

 

「そうなるな」

 

次に向かう大迷宮のある樹海はヘルシャー帝国を通り過ぎたその先にあるため、帝国の領土を通っていくことになる。リリアーナはハジメに頼み事をする。

 

「でしたら、私も着いて行ってよろしいでしょうか?」

 

「え?なんでだ?」

 

「今回の王都侵攻で帝国とも話し合わなければならないことが山ほどあります。会談は早ければ早いほうがいいですし」

 

「ちょっとまって王女様、ヘルシャー帝国に行く気なんですか!?」

 

「リリアーナ王女、悪いことは言いません。今一度考え直してはいかがかと」

 

リリアーナがヘルシャー帝国に向かおうとしていることにテュークとネルムが引き留めようとする。

 

「送ってやってもいいが、帝都に入る気はないぞ。皇帝との会談なんて絶対付き添わないからな」

 

「そこまで図々しいことは言いませんよ」

 

それを聞いたレンチスは溜め息をつきながら立ち上がる。

 

「なら俺が護衛として着いていきます。一国の王女が1人であんな治安の悪い国を歩くのは感心しませんから」

 

「レンチスさん…、ありがとうございます」

 

すると今度は光輝も立ち上がり、声をあげる。

 

「だったら俺達も着いていくぞ!」

 

「お前は着いてくるな」

 

「なっ…!?」

 

光輝は自ら名乗り出たが、レンチスにバッサリと一蹴される。

 

「個人的な理由で味方の妨害をするお前に着いてこられると迷惑であることこの上ない。城で大人しくしてろ!」

 

「うぅ…!でも南雲や吾妻がこの世界を救う気がないのは事実だ!ならば俺が救う!!今度こそヘマはしない!!」

 

それを聞いた一同はダメだこりゃと言いたげに天を仰ぐ。

 

「その為には力が必要だ。神代魔法の力が!お前に着いていけば神代魔法が手に入るんだろ!?」

 

「いや、場所ぐらい教えてやるから勝手に行けよ。着いてくるとか迷惑極まりないっつーの」

 

ハジメと光輝が言い争っていると雫が口を挟む。

 

「南雲君、お願いできないかしら?一度でもいい。1つでも神代魔法を持っているかいないかで、他の迷宮攻略にも決定的な差が出るわ」

 

「お、おい雫!?」

 

迷宮攻略に参加しようとしている雫に猛は目を見開く。

 

「鈴からもお願い!南雲君!もっと強くなってもう一度恵里と話をしたい!」

 

「谷口まで…!」

 

「頼めねえか南雲。せめて自分と仲間くらい守れるようになりてえんだ!」

 

「龍太郎お前もか!」

 

鈴と龍太郎も大迷宮攻略に参加すると言い出し、猛は困惑する。ハジメは少し黙り込んだ後、口を開いた。

 

「……夜明けには出発するぞ」

 

「ありがとう南雲君!」

 

「その代わり、猛、お前も着いてきてくれるか?」

 

「はぁ…、わーったよ。ほんと世話が焼ける」

 

ハジメは猛にも同行してくれるよう頼んだ。猛も雫のことが心配なので断るという選択肢はなかった。するとふとあることを思い出す。

 

(そういや檜山の死体がなくなっていたが、誰か片付けたのか?それか魔物に食われた?……まあいいか)

 

出発の準備をしている最中、ユーフォーエックスは何やら心そこにあらずな様子だった。その様子に気付いたクロスウィザードが声をかける。

 

『ユーフォーエックス、どうしたんだい?』

 

『……ユーフォー』

 

『もしかして、彼のことが気がかり?』

 

ユーフォーエックスは静かに頷く。どうやら快斗のことが心配なようだ。ヒマワリジャマトが一緒にいるとはいえ、やはり気がかりで落ち着かないようだ。

 

◇一方、快斗一行は…◇

 

「よう、俺はデザスト。ギャングライダーズにいたが、つまんねえからお前についていくことにした。というわけでよろしくな」

 

「いきなり何言ってんだこいつ…」

 

「ジャー…」

 

「「……」」

 

デザストと名乗る謎の怪人がいきなり現れたかと思いきや、快斗についていくと言い出した。これには快斗、ヒマワリジャマト、猫とネズミも困惑するしかなかった。

 

 

◇???◇

 

「無様にやられたものだな。檜山大介」

 

真っ黒な空間の中、檜山の死体に声をかけるのは3つの光る目。その声は檜山を嘲笑っている。

 

「ほう?この期に及んでまであの仮面ライダーのせいだというのか。とんだ捻くれものだな!気に入ったぞ。お前、我が使徒になれ。力をやろう。そうすればお前も復讐ができるぞ。それだけじゃない、お前が思いを寄せるあの女も手に入る。さあ、どうする?」

 

明らかに怪しい勧誘だが、今の檜山に断るという選択肢はなかった。

 

「交渉成立だな。…ん?我が何者かと?そうだったな、まだ名乗っていなかったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我は冥黒王。遥か昔に解放者達によって封印されし者…」

*1
樹海にいたケミー達談。

*2
ギガバハムとクロアナ談




残り2つの大迷宮、樹海にはガイアード、雪原にはドラゴナロスがいることが判明しました。なお、快斗が連れている猫とネズミについては平成ジェネレーションズWORLD詳しく書かれています。
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