「じゃあ改めて自己紹介、俺はテューク・リヴェンジャー。商人でもあり、冒険者。またの名を仮面ライダーガッチャードさ」
「レンチス・リヴェンジャー。またの名をヴァルバラド」
オルクス大迷宮から無事戻った猛達は、商人兄弟こと、レンチスとテュークはライドケミーカードを取り出す。
「この子達はケミーといって、かつて俺達の先祖の錬金術師が生み出した人工生命体なんだよ」
「ケミーは全部で101体いる。そいつらをすべて回収するのが俺達の務めだ」
ケミーについて簡単な説明を終えると光輝が口を開く。
「1つ聞きたい。そのケミーがなぜ一部の人間と融合して怪人になったんだ?」
「…ケミーは、人の悪意に反応して融合してしまう性質があるんだ。それがさっきの怪人。俺達はマルガムと呼んでる」
「そんな危険な存在なら、いっそのこと回収じゃなくて駆除したらどうなんだ?」
光輝がそう言った瞬間、ケミー達が騒ぎだした。
『ホッパー!ホッパー!』
『スチーム!』
『スッケボー!』
『ルーパー!ルーパー!』
『ウィール!!』
『ダーッシュ!!』
ケミー達は光輝が言ったことに対して怒っているようだった。テュークは不機嫌そうな表情をしながら、光輝に説明をする。
「ケミー達は純粋で悪い奴らじゃない。ケミー達だって好きでそうなって生まれてきたわけじゃないんだ。駆除だなんて物騒な物言いはやめてもらおうか」
するとレンチスも光輝に抗議する。
「ケミーは俺達と共に戦う同志だ。つまりは仲間…、今貴様は俺達の仲間を駆除しろって言ってるようなものだぞ」
「だがこいつらは清水と檜山に取り憑いたんだぞ!また誰かに取り憑くかもしれないじゃないか!」
すると2人の表情がさらに険しくなる。これ以上言わせておけばひと悶着が起こりかねないと思ったのか、猛が割って入る。
「さっきの話を聞いてなかったのか?天之河、ケミーが融合するのは悪意のある人にだけ、つまりは普通の人なら大丈夫ってことだよ」
「じゃあ、清水と檜山は悪い奴と言いたいのか!?」
「檜山はそうだな。だが清水の場合は半分お前のせいだ。天之河」
「な…!?どういうことだ!?」
光輝はなぜ自分が原因なのか分かっていないようだった。
「清水から直接聞いたんだよ。お前、ハジメの時と同じ事言ってるじゃねえか*1それでお前に対しての憎悪を募らせていたんだよ。」
「それは清水も術だけじゃなく、訓練にも参加した方がいいと…」
「バカかてめぇは!!不得意なところを鍛えても変わらねえだろが!!後方支援をバカにしてんのか!!」
猛の怒鳴り声で周囲が静かになる。
「え?後方支援の人を最前線にいかせるつもりだったの?」
「お前、それはその人に死ねと言ってるようなものだぞ」
テュークとレンチスも呆れていた。光輝はなぜ怒られているのかわからないようだった。
「な…何を怒っているんだ吾妻。俺はただ清水の事を思って…」
「それは余計なお世話なんだよ!そんなんだったら香織や谷口や中村にも最前線で戦えって言ってるようなもんだぞ!!*2」
「女子に最前線で戦えなんてそんなことできるわけないだろ!!」
「もぉーーーーーーー!!!#」
ああ言えばこう言う光輝の態度に猛はイラつきのあまり叫び出す。
「猛の奴、ストレスで倒れるんじゃねえか?」
「あの勇者、すごい面倒くさい」
「猛さんも大変ですね…」
ハジメ、ユエ、シアも猛に同情する。するとレンチスがヴァルバラッシャーを光輝に向ける。
「天職の得手不得手も理解できないのか貴様は」
「違う!俺はただ自分の身も守れる様になって欲しくて…!」
「無理を強いるのがリーダーのやることか?いじめと何ら変わらんな。」
「お、俺はいじめてなど…!」
「現に彼は嫌がっていたのにそれを強制したのはお前だろう!!」
「…っ!!」
「ちょっと良いか?」
光輝が黙り込むとティオが割り込み、光輝の前に立つ。ティオのその手にはゾンビバックルが握られていた。
「お主、このゾンビバックルを邪悪な力と言ったな?」
「あ、あぁ、こんな邪悪な力を使う吾妻はいずれ…」
パァン!
引っ叩く音が部屋に響く。ティオが光輝をぶったのだ。その表情は怒りで満ち溢れている。
「見ただけで邪悪と判断するでない!これは妾の恩人の形見なのじゃ!!」
「な…!?」
「妾の恩人…、竜騎士様はそのゾンビバックルの力を振るい、幾度となく妾達を救ってくれたのじゃ。当時幼かった妾にとっての英雄であり憧れの人であった。そして妾を守る為にその身を犠牲にしてまで最後まで戦った…!竜騎士様は妾にこのゾンビバックルを託した。遠い未来、また新たな仮面ライダーが現れた時にこれを渡してほしい、と…!そして今この場にいる吾妻猛…、仮面ライダーバッファに託したのじゃ!ゾンビバックルを邪悪と言うことは、竜騎士様を邪悪呼ばわりするのと同じ事じゃ!!」
ティオが話し終えると、今度はテュークが口を開く。
「天之河君、どんな力でも悪用すれば邪悪になるんだよ。勇者の力だってそう。力なんて使い方次第で善にも悪にもなるからね」
「……」
光輝は黙り込み、とりあえずこの場は解散することになった。
◇
「全くあのクソ勇者は…」
その日の夜、猛は宿のベランダに出て、星を眺めながら気分転換していた。すると後ろから気配を感じる。
「猛」
振り向くとそこには、雫が立っていた。
「雫…」
「猛、大迷宮に行く前日に私が見た夢の話を覚えてる?」
「あぁ、俺が暴れ回ってるっというやつな」
「あれは暴れてるんじゃなくて、守る為に戦っていたのよ。今ならそう言える」
「……」
「ありがとう、猛。それとね…」
すると雫は顔を赤らめるとモジモジしだした。
「実は…その…」
「好きだ」
「…ふぇ?」
猛の突然の告白に雫は驚く。
「ずっと前から言おうと思っていた。俺は…」
「私も…」
猛は雫を見ると雫は涙を流していた。
「私も…猛が好きなの…!」
「雫…」
雫は猛に抱き着き、猛はゆっくりと手を雫の背中に回し、しばらく抱き合った。
「ホッパー…!」
一体のケミーが見ていたことも知らずに。
◇
翌朝、ハジメ達が出発する時にテュークが話しかけてきた。
「ハジメ君、俺を同行させて欲しいんだ」
「ん?なんでだ?」
「君はこれから残りの大迷宮の攻略に行くんだろ?実は大迷宮には一部のレベルナンバー10のケミーがいるんだ」
「レベルナンバー10?」
「ケミーにはそれぞれ属性があって、昆虫型のインセクト、動物型のアニマル、植物型のプラント、乗り物型のビークル、職業型のジョブ、人工物型のアーティファクト、超常現象型のオカルト、古代生物型のエンシェント、天体型のコズミック、幻獣型のファンタスティックがあって、それぞれ10体ずついてレベルが1から10まであるんだ。例えばホッパー1ならインセクトでレベルナンバー1。スチームライナーならビークルでレベルナンバー9。とまあ、そんな感じで振り分けられているんだ。レベルが高いほど強くて、とくにレベルナンバー10は9までの他のケミーとは一際強大な力を持っているんだよ」
「それが大迷宮にいるってか?俺達が行ったオルクス大迷宮とライセン大迷宮にそれらしい奴はいなかったが?」
「その2つはもう攻略済みさ。今手元には2体のレベルナンバー10のケミーがいる」
そう言うとテュークは2枚のカードを取り出した。一枚には魔法使いのような人型のケミー、もう一枚には要塞のようなケミーがいた。
「オルクス大迷宮にいたアーティファクトのレベルナンバー10、テンフォートレス!」
『フォートレス!』
「ライセン大迷宮にいたジョブのレベルナンバー10、クロスウィザード!」
『やあ!よろしくね~』
「こいつ、喋れるのか…!」
クロスウィザードが人語を話せることに驚くハジメ達。
「それにクロスウィザードは神代魔法を受け取れるから、損はないと思うよ」
「まあ、確かにお前は結構実力もあるしな…。わかった」
「ありがとう!じゃあ行ってくるよ兄ちゃん」
「気をつけろよテューク」
こうしてテュークはハジメ一行に加わることになった。そして出発しようとしたとき、香織がやってくる。
「ハジメくん、私もハジメくんに付いて行かせてくれないかな? …ううん、絶対、付いて行くから、よろしくね?」
「…は?」
香織が突然ハジメに着いていくと言い出し、ハジメだけでなく、ユエやシア、ティオ、テューク、猛、レンチス達も目を丸くする。するとユエが前に出る。
「お前にそんな資格はない」
「資格って何かな? ハジメくんをどれだけ想っているかってこと? だったら、誰にも負けないよ?」
香織はハジメと向き合うと深呼吸をして、意を決したかのように自分の思いを伝えた。
「貴方が好きです」
「白崎…」
香織の目には偽りのない思いと覚悟があり、ハジメもそれは感じていた。
「俺には惚れている女がいる。白崎の想いには応えられない。だから、連れては行かない」
「…うん、わかってる。ユエさんのことだよね?」
「ああ、だから…」
「でも、それは傍にいられない理由にはならないと思うんだ」
「何?」
「だって、シアさんも、少し微妙だけどティオさんもハジメくんのこと好きだよね? 特に、シアさんはかなり真剣だと思う。違う?」
「それは…」
「ハジメくんに特別な人がいるのに、それでも諦めずにハジメくんの傍にいて、ハジメくんもそれを許してる。なら、そこに私がいても問題ないよね? だって、ハジメくんを想う気持ちは……誰にも負けてないから」
香織の決意のこもった眼差しにハジメは思わず圧倒される。ハジメは猛の方を見るが、猛は諦めの表情をし、首を横に振りながらお手上げの状態になっていた。
「…なら付いて来るといい。そこで教えてあげる。私とお前の差を」
「お前じゃなくて、香織だよ」
「…なら、私はユエでいい。香織の挑戦、受けて立つ」
「ふふ、ユエ。負けても泣かないでね?」
「…ふ、ふふふふふ」
「あは、あははははは」
2人の間に電撃が走り異様な雰囲気に包まれた。その光景にハジメ達は顔を引きつらせる。
『何だろう…あの光景を見てると寒気がする…』
『ホッパー…』
『ウィール…』
『スチーム…』
ケミー達までもが震えあがっていた。するとそれに異議を唱える者がいた。
「ま、待て!待ってくれ!意味がわからない!香織が南雲を好き? 付いていく?どういう事なんだ?なんで、いきなりそんな話になる?南雲!お前、いったい香織に何をしたんだ!」
「「「は?」」」
『スッケボー?』
『ルーパー?』
『ダーッシュ?』
『フォートレス?』
光輝のご都合主義な頭にその場にいた全員やケミー達も呆気にとられる。すると雫が諌めにかかった。
「光輝。南雲君が何かするわけないでしょ? 冷静に考えなさい。あんたは気がついてなかったみたいだけど、香織は、もうずっと前から彼を想っているのよ。それこそ、日本にいるときからね。どうして香織が、あんなに頻繁に話しかけていたと思うのよ」
「雫…何を言っているんだ…あれは、香織が優しいから、南雲が一人でいるのを可哀想に思ってしてたことだろ? 協調性もやる気もない、オタクな南雲を香織が好きになるわけないじゃないか」
地味にディスってくる光輝にハジメはイラつく。すると香織が光輝達に向く。
「光輝くん、みんな、ごめんね。自分勝手だってわかってるけど…私、どうしてもハジメくんと行きたいの。だから、パーティーは抜ける。本当にごめんなさい」
女子はキャーキャー言いながらエールを送り、男子は苦笑いしながらも手を振った。だが光輝は納得できない。
「嘘だろ? だって、おかしいじゃないか。香織は、ずっと俺の傍にいたし……これからも同じだろ? 香織は、俺の幼馴染で…だから…俺と一緒にいるのが当然だ。そうだろ?香織」
「えっと…光輝くん。確かに私達は幼馴染だけど…だからってずっと一緒にいるわけじゃないよ? それこそ、当然だと思うのだけど…」
「そうよ、光輝。香織は、別にあんたのものじゃないんだから、何をどうしようと決めるのは香織自身よ。いい加減にしなさい」
「そういうことだ。香織が決めたことにお前が口出しする権利なんかねえんだよ」
雫と猛にも言われるが、光輝はそれでも認められない。
「香織。行ってはダメだ。これは、香織のために言っているんだ。あいつに付いて行っても不幸になるだけだ。だから、ここに残った方がいい。いや、残るんだ。例え恨まれても、君のために俺は君を止めるぞ。絶対に行かせはしない!」
突然とち狂ったようなことを言い出した光輝に再び全員が唖然とする。
◇
352:ありふれバッファ
【● LIVE】
『君達もだ。これ以上、その男の元にいるべきじゃない。俺と一緒に行こう! 君達ほどの実力なら歓迎するよ。共に、人々を救うんだ。シア、だったかな? 安心してくれ。俺と共に来てくれるなら直ぐに奴隷から解放する。ティオも、もうご主人様なんて呼ばなくていいんだ』
(゚Д゚;)
353:名無しのギーツ
(゚Д゚;)
354:グレア司令官
(゚Д゚;)
355:素晴らしい世界の狸
(゚Д゚;)
356:シンフォギアナーゴ
(゚Д゚;)
357:ヒーロー科のパンクジャック
(゚Д゚;)
358:シローは元シャドウガーデン
(゚Д゚;)
359:乙女ゲーはパンダにも厳しい
(゚Д゚;)
360:ハイラル跡地の雀科学者
(゚Д゚;)
361:弦巻家の山羊さんメイド
(゚Д゚;)
362:学園都市の梟
(゚Д゚;)
363:狼はモナドと共に
(゚Д゚;)
364:女神に追われる犬
(゚Д゚;)
365:ハクビマギカ
(゚Д゚;)
366:ペンギン提督:好感度-100
(゚Д゚;)
367:幻想郷の羊
(゚Д゚;)
368:シーカーはISを壊したい
(゚Д゚;)
369:サポーター・ジーン
(゚Д゚;) あ、みんな久しぶり('ω')ノ
◇
光輝の誘いに彼女達の返答は、“無言の拒絶”だった。それに腹を立てた光輝は聖剣を抜き、地面に突き立てると、ハジメに向けてビシッと指を差し宣言する。
「南雲ハジメ! 俺と決闘しろ! 武器を捨てて素手で勝負だ! 俺が勝ったら、二度と香織には近寄らないでもらう! そして、そこの彼女達も全員解放して―」
「アー◯パーンチ!!」
バゴォーン!
「ぐべらぁああああ!?」
突然光輝が宙を舞った。何故なら、モンスターフォームとなったバッファが光輝を殴り飛ばしたからだ。光輝は地面に落ちると気絶する。
「早く行きな!こいつが目を覚ます前に!」
「わりぃ!猛!」
ハジメは車を出し、テュークはビークルのレベルナンバー7のケミー、ゴルドダッシュを召喚し、急いでその場を去っていった。
内容を詰め込みすぎて長編になっちゃったよ…。あとジーンの存在忘れてた(汗)
光輝
ケミーを魔物と同一扱いしている。その為ケミー達からは評判が悪い。
クロスウィザード
ジョブのレベルナンバー10の魔法使いのケミー。ライセン大迷宮にいた。ミレディとは仲が良く、彼女からはクロちゃんと呼ばれている。神代魔法を継承できる。他のケミー達と違い、人語を話せる。ハジメ達が来る前に攻略したガッチャードニキ達に回収された。
テンフォートレス
アーティファクトのレベルナンバー10の城塞型ケミー。オルクス大迷宮にいた。ハジメ達が来る前に攻略したガッチャードニキ達に回収された。