ケモだら!-ケモミミだらけの異世界に転生したら顔の良い男に拾われた件について- 作:疾風怒号
寝落ちして起きたら大陸版情報で爆撃され、コーデメテオさんが美人すぎて大爆発した今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
燭騎士ヴィヴィアナ・ドロステ実装!!!!やったね!!!!(歓喜)石貯めないとね!!!!(絶望)
吹雪の荒ぶイェラグを出立してからはや一週間、岩山に座り込むヴィーヴルの眼下で、岩陰に鎮座する装甲車じみた輸送車が数人の手によって取り囲まれている。野盗、追剥の類ではない。雪原仕様の車両では平地を走るには限界があるからして、車輪や諸々の装備を取り換える必要がある。その為に同乗した作業員達だ。
文字にしてみれば簡単だが、実際にはそう単純な話ではない。
「エンシレント」
「何です、お嬢様」
平原の彼方を眺めていた男に、年若い……というより成人すらしていないであろう少女が声を掛ける。日を浴びて輝く銀鼠の髪にフェリーン特有の三角耳、快活さがそのまま表出したような紅顔に嵌め込まれた灰水晶色の双眸は、今は退屈に細められていた。
エンシア・シルバーアッシュ。それがこの少女の名であり、客観的には彼女の意味を示す言葉そのものでもある。イェラグの三貴族の一角、シルバーアッシュ家の末娘にして登山家。彼女をとある場所に送り届けるというだけで、眼下の大型車両とそれに伴う膨大な物資・人員が動いているといえば、その存在の大きさも知れるというもの。生まれ持った名は、この大地に於いては『向こう側』よりもずっと重い意味を持つという事は、エンシレントと呼ばれた男も理解していた。
「いや、何でもないんだけど……」
「暇なら、下で作業でも見ていればいいのでは?そう見物出来るものではありませんよ」
「『危ないから近付かないで』って言われちゃった」
「……さいですか」
作業員の注意は全く正しい。飛散した源石粉塵の近くに寄るのはそれだけで感染の危険性を伴うからだ。そして
ヴィーヴルの蜂蜜色の目が、ついと少女の腿に向けられた。しなやかなそれに巻き付いた黒い装飾の影には彼と同じ、しかしずっと小さな感染者の証。
「余り、俺に寄るのも良くないですよ」
「大丈夫、何かあったらエンシレントがすぐ教えてくれるでしょ?」
「……だから大丈夫じゃないんですけどね。俺、一応見張りですよ」
「
「…………さいですか」
『お前に怪我をさせて大目玉を喰らうのは俺なんだ』という言葉をどうにか噛み殺して、エンシレントは視線を地平の彼方に戻した。周囲に張り巡らせたアーツによる電磁波が、反射波を通して周囲の状況を彼に伝え、感染者特有のアーツユニットを介さない術がさながら生体レーダーとして機能することで、彼の斥候としての適性を大きく引き上げていた。
やがてその燐光を帯びた頭角が、緩やかに隆起と陥没を繰り返す地形に、車両のスピードで走行する物の反応を検知する。トランスポーターの類なら良いが、物体の大きさは眼下の車両程もある。
「とか言ってたら大丈夫じゃなさそうなのが来ましたよ、お嬢様」
「車?」
「恐らく、下に降りていてください」
「分かった!」
ひょいと立ち上がって軽快に岩肌を降りていくエンシアを見送って、反応があった方向を双眼鏡で眺める。
「あー、あー、全員聞こえるか?こっちに近付いて来る車両がいます、どうみても盗賊の類です、訓練通りに備えるように。大きさからして人数は知れてるけど、他に本命がいないとも限らない」
稜線に見え隠れする車体は、廃材やらなにやらでごてごてと覆われていた。上手く隠れて接近してはいるが、流石に人間レーダーが獲物に混ざっている事までは想定出来なかったらしい。
襟に括りつけた通信端末に指示を出しながら、エンシレントはその奥でくつくつと唇を歪める。実に数か月振りの荒事である、騒ぐ血を抑える理由は思い当たらなかった。
###
計画は完璧だった筈だ。
数日前に観測者を任せた部下が立派な輸送車両を発見し、依頼轍を辿ってその進行が止まるまで追跡を続けてきた。こういった平原を通る者が停泊する場所は、決まって岩陰になるから逃げ道も塞ぎやすい。だから整備や補給のタイミングを狙い、一気に距離を詰めて襲い、奪う。
いつも通りの襲撃と強奪、今日もそうなると思い込んでいた。ほんの数分前までは。
「あがッ、が、ががが……ッ」
「あーい三人目」
僅かばかりの回想に浸る野盗の眼前で顔面を鷲掴みにされた屈強なミノスの男が、全身を激しく痙攣させて頽れる。力を失い白煙を上げる体躯をゴミのように放り捨てて、エンシレントはさも退屈そうに鼻頭を擦った。
「どうせ襲うならもっと景気良く来いよ。このままじゃ剣も杖も出番が無え」
「…………」
最初に車両から飛び出した数人が、クロスボウの矢に脚を貫かれて行動不能、前衛が狼狽えた隙に幾人か取り押さえられ、残った数人の腹心すら眼前のヴィーヴルにあっさりと三人がノックアウト。残りは
二十余人いた面子が、である。夜盗の一派は文字通りの壊滅の憂き目にあっていた。
「どうする、続けるならお前にも寝て貰うけど」
「ハっ、決まってる」
エンシレントの問いに野盗の頭目は背負った大斧を諸手に構え、叫ぶ。
「こちとらガキの頃からコレでおまんま食って来てんだ!!嘗めんじゃねぇ!!」
「っしゃそう来ねえとなァ!!」
同時に激発、肉薄。大上段から振り下ろされる斧と腰から抜き放たれた長剣がぶつかり合い、けたたましい激突音を響かせた。
エンシレントは好戦的で気楽な性格に書くよう心がけています。リメイク前が陰キャすぎたとも言う。
一話何文字程度がいい?
-
もっと短く
-
2500文字前後
-
3500文字前後
-
もっと長く