遠い昔、炎で全てを失った少女は世界を渡り、奇しくも炎の力を手に入れた。少女はその力を人々を守るために使ったが、炎は少しづつ少女を蝕み、少女はやがて炎を制御することが出来なくなってしまった。
その少女の名はシズエ・イザワ。炎の最上位精霊イフリートをその身に宿し、爆煙の支配者と呼ばれた伝説の英雄だった。
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「一応聞くがイフリート!お前の目的はなんだ!?」
「…」
シズさんから主導権を奪い取ることが出来たイフリートは、シズさんの姿から本来の自身の姿へと変えた。
そんなイフリートに、リムルは目的があるかどうかを聞くも、イフリートは何も言わずに上を指さした。
そして次の瞬間、イフリートが自身の頭上に作っていた火球を俺ら目掛けて投げ飛ばしてきた。
「うおっ!」
ハリネズミ! ショウボウシャ…ベストマッチ!
火球が飛んでくる中、腰に装着しているドライバーにハリネズミと消防車のフルボトルを刺し込み、レバーを回転させた。
Are you ready?
「変身!」
レスキューケンザン! ファイヤーヘッジホッグ! イェーイ!
「リュ、リュウトさん!?どうなっているすかぁ!?」
仮面ライダービルド、ファイヤーヘッジホッグフォームに変身した俺にカバル達が驚いている中、俺は左手イフリートに向けた。
「リムル!」
「嗚呼…水刃!」
左手から俺は水を勢いよく出し、リムルはリムルで水の刃をイフリートにぶつけようとした。だが、俺らの水の攻撃はイフリートに当たることなく、蒸発してしまった。
「我が主らよ!精霊種には爪や牙などの攻撃は通用しません!」
リムルを乗せたランガが、俺の隣にやってきては物理攻撃が効かないことを教えてくれた。
となると、ハリネズミによる攻撃は効かないだろう。
少量の水だと奴には効かない…どうする、どうやったらイフリートを倒せる?
そうこうしているとイフリートは複数に分裂し始め、俺らを囲った。
攻撃手段が効かないのに、分裂はまずいな…
「
イフリートに効く攻撃手段はないか悩んでいると、エレンの声が聞こえたので、視線をそっちに向けた。
エレンを守るようにギドカバルが武器を構えており、一方のエレンは杖を光らし、魔法陣から氷の塊をイフリート目掛けて放っていた。
エレンの氷をぶつかったイフリートの分身体は、攻撃が効き消滅して行った。
魔法…か……助言者さん、魔法を使えるようにして貰える?
《了。解析鑑定を開始します。》
助言者に魔法の解析鑑定を任せている間、俺は一気に片付けるために新たなフルボトルを作り出し、ドライバーに刺し込み、レバーを回した。
ライオン!ソウジキ… ベストマッチ! Are you ready?
「ビルドアップ」
タテガミサイクロン! ライオンクリーナー! イェーイ!
「リュウトの旦那の姿が、また変わった!?」
「今は後!……もういっちょお…水氷大魔槍《アイシクルランス》!」
ビルドアップで、ライオンクリーナーフォームに変わった俺を見て驚いているカバルをエレンは注意し、もう1回先程の魔法をイフリートに放ったが、その魔法の前にリムルが出てきて、そのままエレンの魔法を食らった。
「リルムさん!?私の魔法どうなっちゃったんですかぁ!!?」
リムルの行動に驚いているエレン達だが、今は説明している暇は無いようで、リムルはそのままイフリートの方を見た。
「
リムルは背後に大量の魔法陣を作り出し、エレンの魔法のアレンジ技をイフリートの分身体に向けて放った。魔法陣から大量の氷の塊がイフリート目掛けて飛んでいき、それによりイフリートの分身体は次々と消滅して行った。
「残るはテメーだけだ、イフリート」
「…」
分身体を片付けたリムルは、イフリートを睨みながらそう告げた。イフリートは両手の掌を俺らに向け、掌から大量の炎を俺ら目掛けて放ってきた。
「これはマズイでやす!」
焦るギド達を尻目に、俺は冷静に左腕を炎に向けた。すると、左腕にある掃除機のようなものが吸引音を立てながら炎を次々と吸収し始める。
「炎はもう効かないぞ?」
炎を吸いきった俺は、イフリートに決めゼリフのように言い、リムルのようにイフリートを睨み付けた。
「……………
リムルと俺の下に魔法陣を作り出したイフリートは、そこから炎を立ち上がらせ、俺らを焼き殺そうと試みた。だが、俺もリムルも熱変動耐性を持っているので、炎を無効化することが出来ている。
「リュウト」
「嗚呼」
俺が左手を突き出し、炎を吸い込みながらイフリートを近くまで引き寄せると、リムルが包まれている炎の中から1本の糸が出てきてイフリートを拘束した。
「悪いなイフリート…俺らに炎は効かないんだ………さて、シズさんを返してもらうぞ…
イフリートとの間を詰め、リムルはそのまま液状になってイフリートを包み込んだ。
イフリートを引き剥がしたことで、シズさんが元の姿に戻り、その場に倒れようとしたのをリムルはキャッチした。
「皆……ありがとう……」
全員に礼を言い、シズさんはそのまま眠りについた。
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《────のことが推測されます。》
「…」
イフリートをシズさんから引き剥がしてから1週間経った。エレン達は報告をするために帰っており、1週間経っても起きないシズさんは俺らが面倒を見ていた。今はリムルがテント内で付きっきりでシズさん見守っているおり、俺は近くの切り株に座り込んでシズさんが眠っているテントを見ていた。
中々シズさんが目覚めないため、俺は助言者さんに原因を調べてもらうように頼み、その結果を助言者から聞いた俺は何も言えなかった。
リムルなら、何とかする方法があるかもしれないな。
そう思い、俺は立ち上がってリムルとシズさんが居るテント内に入った。
「どうしたんだ?」
「ちょっと…な」
シズさんのすぐ側に居たリムルは、俺の気配に気がつくと俺の方を向いてきた。
「リムル…今から言うことを聞いてくれ……」
「分かった」
俺はリムルの傍に座り込んみ、真剣な眼差しでリムルを見た。リムルは話の内容を察しているだろうが、俺の話を聞いてくれるようだ。
「俺のスキルでシズさんの状態を調べたんだが……恐らくもう長くない…」
「……」
「イフリートはシズさんを延命させていたんだよ…例えるのなら心臓とかに付けるペースメーカーみたいなイメージだな…」
「俺らがやったことは…」
「ペースメーカーを無理矢理外した…という事だな……まぁ、シズさんはきっとあのままイフリートに乗っ取られ暴走するより、こうして欲しかったんだろう」
「……」
助言者さんから聞いた原因を述べると、リルムも薄々気づいていたのか、感情が高ぶることは無かった。
だが、悲観するにはまだ早い…俺は助言者さんからある提案をされたのだ……それにはリムルの協力は必要不可欠だ。
「シズさんを助けることが出来るかもしれない方法がある」
「!!?」
俺の言葉に衝撃を受けたリムルは、俺の方を見た。
「イフリートを食らっただろ?その時解析鑑定は済ませているか?」
「あ、嗚呼…」
「解析鑑定したイフリートのデータを元に新たなイフリートを作るんだよ…それも暴走しないように自我を書き換えた上で……そして、そのイフリートをシズさんに宿せば、シズさんは生きることができるかつ、炎も使えるという算段だ」
「なるほど……」
原因を探っていた助言者さんは、どうやら同時に助かる方法も調べていてくれたらしく、原因を報告してくれた後、助かる方法も教えてくれたのだ。
「……でもさ、俺の大賢者でもいくらデータがあるとしても最上位精霊を作るとなると相当時間が掛かるし、それにイフリートを宿すためにはスキルとか無いといけないだろ?」
「最上位精霊に関してはお前のその…大賢者だっけ?そのスキルと俺の助言者があればなんとかなるだろうと思うけど……問題はイフリートを宿す方法なんだよな…」
そう、この案の最大の難問はイフリートを宿す方法。
「……それなら、私の
「「シズさん!?」」
俺らの話を聞いていたのか、寝ていたはずのシズさんは目を開けながらそう行った。
「前見た…スライムさんのあの黒い雷……君が元々持っていたスキルじゃないでしょ?…スキルをコピーすることが出来るのなら、1度…私を食べてコピーして……今回の旅が最後のつもりだったけど…スライムさんやウサギくんを見て、まだ生きていたいという気持ちが湧いてきたよ……」
「…分かった」
短くリムルは返事をし、ゆっくりとシズさんを優しく包み込み捕食した。
「リムル、ここからは…」
「頼むぞ」
俺はリムルに触れ、目を瞑った。
《告。個体名リムル=テンペストと接続しますか?Yes/No》
Yes
《…解。個体名リムル=テンペストと魂の回路の設立を確認…完了しました。続けて個体名リムル=テンペストの保有スキル、ユニークスキル『
淡々と俺の助言者とリムルの大賢者はシズさんを助け出すための作業を行い、数分足らずで新たに作り出した炎の最上位精霊を憑依させてくれた。
そして、シズさんの延命が成功したことを聞き、俺はその場に座り込んだ。
「良かった〜…」
「だな…シズさんを出すか」
俺同様疲れたのか、1度溶けたアイスクリームのような姿になったリムルは、元に戻ってシズさんを中から出てきた。
青い猫型ロボットのポケットみたいだなっと思ったのは内緒だ。
シズさんはスヤスヤと眠っており、イフリートが暴れた時のような高い魔素は確認できない。
後はシズさんが目覚めるまで待つだけとなった。
シズさんどうする?
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生存ルート
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原作通り