「…なぁ、リュウト……これを見てくれ」
「ん?どうし……え?」
シズさんが無事なことを確認していると、リムルに呼ばれリムルの方に俺は視線を向け、見た物に驚いた。
「…リムル様、そのお姿は?」
丁度、俺らの様子を見に来たリグルドは、リムルの今の姿を見ては少し驚いた様子で姿について尋ねた。
無理もない、今のリムルの姿は…まるでシズさんの子供の頃のような姿になっているのだから。
「シズさんを捕食した時に擬態ができるようになったんだよ」
制作したイフリートが取り憑き、すやすやと寝ているシズさんの傍で、ガルムに至急で作って貰った服を着たリムルは俺に今の姿を説明した。
水色かかった銀色の長髪に金色の目、そしてシズさんの子供の頃のような顔。
髪を黒色に染めれば、シズさんと姉妹と言っても違和感はないだろう。
「魔素を足せば……こんなのにもできるぞ?」
黒い靄を身体に纏わせば、リムルは成人男性の姿へと変わった。
「なるほどな…てことは、シズさんに寄せることも出来るのか?」
「一応な…」
再びリムルは魔素を身体に纏わせ、成人女性…と言うよりもシズさんと瓜二つの姿へと変わって行った。
「……これ、シズさんが見たら恥ずかしがると思うからやめるか」
「だな」
少しお互いにリムルの山を見つめた後、シズさんが恥ずかしがる可能性があるため、リムルは元の姿へと戻って行った。
「さて、俺はこれからごちゃごちゃになっているスキルの整理をするから、今から封印の洞窟に行くけど、お前も来るか?」
「ん〜…俺も色々と試したいから一緒に行きたいけど…シズさんが心配だな…」
「……私は大丈夫だよ?」
「「!!?」」
スキルを調べに行きたいけど、シズさんが心配だった俺たちだが、寝ていたはずのシズさんは目を開けて俺達にそう言った。
「シズさん!?起きてたの!?」
「うん、スライムさんが私に擬態した所から…」
「「…」」
さっきまでバレたら恥ずかしいことをしていた俺らは、顔を真っ赤にした。
「ふふふ、私は一人でも大丈夫だから、二人とも行ってきていいよ」
「「はい…」」
恥ずかしさのあまり消えたいと思いながら、俺らは脱兎の如くテントから出て行き、外で待っていたランガの上に跨り、町の中心からリムルが言っていた封印の洞窟に向かっている道中、人の姿になっているリムルはすれ違うみなに挨拶されていた。
あの姿でもリムルだと分かるのか?
そんな疑問を抱きながら歩いていると、リグルドと出会った。
「これはこれは!リムル様にリュウト様!御二方ともお出かけですかな?」
「ああ」
「まぁな」
リグルドの質問に俺とリムルは笑みを浮かべながら答えた。
イフリートにより一時期混乱していた町だが、リグルドの統率力により俺らがシズさんの看病をしている間に建設を再開していた。
「あっ、ゴブリン・ロード達は役立ってるか?」
「はい!お陰様で…!」
リムルは思い出したかのようにリグルドにゴブリン・ロード達についてき聞いた。
流石にリグルドだけではしんどいと思った俺らは新たに4人、リグルドの元の部下となるゴブリン・ロードを作ることにした。司法、立法、行政を行うルグルド、レグルド、ログルドのホブゴブリン3名、生産物の管理大臣のゴブリナのリリナをそれぞれ任命した。
ここまで来れば国と言ってもおかしくないだろう。
「所でリムル様、今日もお食事は必要ないでありますか?」
「うーん、スライムは味覚がないかr………」
味覚がないリムルは今日の分の食事を断ろうとしたが、何かに気づいたのか目を見開いた。
「待て…今日から俺も一緒に飯を食べることにする」
「なんと!では、リリナにご馳走を用意するようリリナに申し付けておきましょう」
「嗚呼、頼んだぞ!」
リグルドに食事を用意するように頼んだリムルは、ウキウキの状態で封印の洞窟へと向かった。
そうか、今のリムルはシズさんの人間の姿に擬態できるから味覚とかがあるのか…リムルに取って数ヶ月ぶりの食事はきっと楽しみなのだろう。
────────────
封印の洞窟に向かうために森を進んでいると、周辺警備兼食材調達を行っていたリグル達と出会った。
「おお、リグルお疲れさん」
「リムル様」
「今日はご馳走らしいから、美味しい食材を頼むよ」
笑顔でリムルはリグルにそう頼んだ。
「リムル様も食べるっすか?」
「おうよ!この身体なら味覚があるしな!」
「…いっぱい食べたら、シズさんのように胸も育つっすかね?」
リムルも食べるか聞いてきたホブゴブリンのゴブタは、サラッとセクハラ発言をしたため、ランガから降りたリムルに回し蹴りをプレゼントされた。
「リムル様、申し訳ございません…ゴブタにはしっかりと教育しておきます」
「大丈夫だから…それより良い獲物を頼むな」
「お任せください、今森の奥から移動してきた魔獣が豊富に居ますので…その中でもより良いものを狩ってきます」
「…何かあったのか?」
「たまにですが、環境の変化などで魔獣が移動するのです。大したことはないとは思うのですが…警備態勢は強化しています」
リグルから聞いた俺は考え込んだ。
「…よし、ランガ…一応警備隊に同行してくれないか?何かあった時のために」
「しかし、御二方共出かけている最中なのでは…」
「いいよいいよ、目的地はもう少しだし」
ランガに乗っていた俺はランガから降り、リムルはランガを警備隊と同行されることにした。
「遠慮は要らぬ、我を連れて行けリグル殿」
かっこいいことを言うランガだが、リムルからの頼み事が嬉しかったのか、尻尾を激しく回転させて喜んでいたため台無しになっていた。
「じゃあ俺らは洞窟に居るから、何かあったら行ってくれ」
「あっ、リムル様…森を巡回中にこれを見つけましたので、お渡しします」
洞窟に向かおうとした俺らをリグルは止め、懐からシズさんの仮面を取り出し、リムルに渡した。
「探してたんだ、ありがとうな」
シズさんが使っていた仮面をリグルから受け取り、俺らは洞窟へと向かった。
────────────
リグル達と別れた俺達は、封印の洞窟と呼ばれる場所のさらに奥にある地下空間にやってきた。
「ここって…」
「俺が異世界に来てから初めて出来た友達…ヴェルドラが封印されていた場所だよ」
「……………はぁ?!」
リムルからヴェルドラと言う名を聞いた俺はその場で固まった後、地下空間に鳴り響く声量の声を出してリムルの方を見た。
「ヴェルドラって……暴風竜ヴェルドラ!?」
「そうだけど?」
リムルの言葉を聞き、俺はくらっと立ちくらみを引き起こした。
イフリートと戦った時にリムルが見せたユニークスキル捕食者…そして暴風竜の突然な消滅…全て繋がった気がする……
「おめーが犯人か、リームールー!!」
「ふぇ!?なひか!?」
人の姿のリムルの頬を俺は両手で思いっきり引っ張り、引っ張られているリムルは何を言っているか分かっていない様子だった。
「お前がヴェルドラを食らったせいで、色々と大変なことになってるんだぞ!?」
「まっへ、訳がありゅから、頬離して!」
仕方なく俺はリムルの頬を離し、リムルの話を聞くことにした。
「封印されているヴェルドラを解放するためだよ、昔は暴れていたようだけど反省しているようだから、出してあげようと…そのために捕食者で食べて胃袋に入れているんだよ」
「封印の解除…ね〜……」
ヴェルドラの封印の解除…解放後暴れても俺はどうにも出来ないけど大丈夫なのか?
「取り敢えず、互いにスキルついて調べようか」
「嗚呼…」
リムルに言われ、俺はリムルと少し距離を取った所にある岩の上に移動した。
さて助言者さん、ステータス表記お願いします。
《了。》
名前:リュウト
種族:兎人族
加護:暴風の加護
称号:仮面ライダー
魔法:元素魔法
HL:3.4
技能:ユニークスキル『製作者』
『助言者』
『変質者』
エクストラスキル『魔力感知』
『自動演算』
『炎熱操作』
『分身体』
『炎化』
『範囲結界』
コモンスキル『自己再生』
『思念伝達』
固有スキル『跳躍』
『聴覚』
『嗅覚』
耐性:熱変動耐性
刺突耐性
あれ?増えてね?
ステータスを見た俺から出た言葉はこれだった。
《解。個体名シズエ・イザワにイフリートを宿す際に解析鑑定を行い、個体名シズエ・イザワからユニークスキル『変質者』、エクストラスキル『炎熱操作』を獲得し、イフリートから『分身体』、『炎化』、『範囲結界』を獲得しました。なお、個体名リムル=テンペストと魂の回路を繋いだ際に『思念伝達』を獲得しました。》
お、おう…抜け目ないな……
至極当然の如く助言者さんは手に入れた経緯を教えてくれた。
《ユニークスキル『変質者』の統合で新たに獲得出来るスキルがあります。スキルを統合させますか?Yes/No》
取り敢えずYesで!
《解。『炎化』とエクストラスキル『炎熱操作』を統合により消滅。新たに『黒炎』とエクストラスキル『分子操作』を獲得しました。続けてユニークスキル『助言者』とエクストラスキル『自動演算』を統合したことによりエクストラスキル『自動演算』が消滅。さらに、エクストラスキル『範囲結界』と獲得している耐性をリンク、『多重結界』となり、常に身体に纏わせることが可能です。『多重結界』を常時発動させますか?》
「お、おう…」
淡々と助言者さんはスキルを統合し始めた。
そのスピードは凄まじく、少し引いてしまった。
その結果、ステータスはこうなった。
名前:リュウト
種族:兎人族
加護:暴風の加護
称号:仮面ライダー
魔法:元素魔法
HL:3.4
技能:ユニークスキル『製作者』
『助言者』
『変質者』
エクストラスキル『魔力感知』
『黒炎』
『分子操作』
『分身体』
『多重結界』
コモンスキル『自己再生』
『思念伝達』
固有スキル『跳躍』
『聴覚』
『嗅覚』
耐性:熱変動耐性
刺突耐性
自動演算と炎化、炎熱操作が無くなり、黒炎と分子操作が追加された感じだ。
…助言者さん、ステータスのHLって何?
ずっと気になっていたステータスのHLについて俺は助言者に聞いた。
《解。HLはハザードレベルを示すモノとなっています。そのため、ハザードレベルの高さにより変身できる仮面ライダーは変わってきます。》
あっ、ハザードレベルだったのね。このHLっては…
今は3.4だから……ビルドとクローズだけ変身できるのか…劇中の通りなら、変身し続けたらハザードレベルは上がっていくはず、ということは、ゆくゆくグリスやローグ…あまり気は進まないけどエボルトにもなれるのか。
よし、今変身できるフォームを調べてみるか…
そう思った俺は製作者で今作れる各形態の変身アイテムを作り出すことにした。
そうして作り出せたのは、全フルボトル(一部除く)、ラビットタンクスパークリング、ハザードトリガー、クローズドラゴンだった。
よし、取り敢えずハザードトリガーは封印だ、うんそうしよう。
今の状態で使ったら、あのトラウマが再び起きてしまうからな…フルフルラビットタンクボトルが作れるようになるまでは使用禁止にしよう。
ラビットタンクスパークリングは、切り札として使った方が良いな。
となると、通常で使えるのはベストマッチフォーム、トライアルフォーム、そしてクローズドラゴンか…
……クローズドラゴンのドラゴンって動かせれる?
ふと思った疑問を俺は助言者さんに聞いた。
俺もリムルのランガみたいな仲間が欲しいため、劇中のように飛び回ったりとかして欲しいのだ。
《解。対象は名前が無い状態のため、名付けをすれば進化を果たして自律行動を始めると思われます。》
マジか!?
助言者さんの回答を聞いた俺はテンションが上がり、早速名付けをすることにした。
「まぁ…名付けって居ても名前はクローズドラゴンにするんだけどな」
そう呟いた時、魔素がごっそりと無くなるあの感覚を感じ、手元にあったクローズドラゴンを見ると黒い靄に包まれた。
おっと?これは…
そう思いながら見ていると、黒い靄は徐々に晴れて行き、サンバのような鳴き声を出しながらクローズドラゴンが飛び出てきた。
ギャォォ!!
サンバのような鳴き声で鳴きながら、クローズドラゴンは俺の周りを飛び回った。
そうこうしていると、リムルの方も大体終わったようで、俺の傍に近寄ってきた。
「終わったか?」
「ちょうどな…って、なんでお前が仮面付けてるんだ?」
「ふふふ、良いだろう…」
いつの間にか仮面を付けていたリムルと共に歩きながら話して洞窟を出た時だった。
(リムル様!リュウト様!)
思念伝達で脳内にランガが焦った様子で脳内に語り掛けてきた。
「リムル!」
「嗚呼!」
ランガからSOSを受け取った俺らは、魔力感知でランガ達の場所を探りながら、走り始めた。
────────────
ランガ達の元に駆け付けると、ホブゴブリンと
「ぎゃあーーーっ!!痛いっす!死んじゃうっす!!」
斬られたゴブタが大袈裟に転がり苦しむ中、リムルは
「…なんなんだ…お前ら……」
シズさんどうする?
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生存ルート
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原作通り