転生したら兎で仮面ライダーだった件   作:盈月さん

9 / 14
08話 大鬼族対クローズドラゴン

「落ち着け、傷は浅い」

 

大袈裟に叫びながら転がり続けるゴブタと満身創痍のリグルにリムルは回復薬(ポーション)を使った。

 

「リムル様!助かったす!」

「リグル、状況を説明してくれ」

「まず、倒れている者達は魔法で眠らされているだけのため無事です…」

 

リムルに状況説明を求められたリグルは今の状況について説明を始めてくれた。

 

「強力な妖気(オーラ)を感じ警戒していたのですが…まさか大鬼族(オーガ)と出くわすとは思わず…面目ありません」

 

リグルの目線の先には、赤色の髪、桃色の髪、紫色の髪、そして白髪の髪の4人だった。

大鬼族(オーガ)って言えば、ごつくてデカいイメージがあったのが、その4人を見ると身なりはしっかりとしていた。

そして何よりも目に付くのは腰に刀があることだ。

ドワーフ達が作るのは西洋系の剣が殆どなのだが、今大鬼族(オーガ)達が持っているような日本刀を作ることは無いはずだ。

となると、大鬼族(オーガ)達が自分達で作り出したと言って良いはずだろう。

さらに眠らせている魔法を使うということはそれだけの知力はあるという事だ。

俺らが相手を観察していると、空の上から金属音がぶつかるような音が聞こえてきたため、俺らは上を見上げた。

空中ではランガと青色髪と黒色髪の大鬼族(オーガ)二体がぶつかっていた。

 

「ランガ!」

「主らよ!」

 

空中で戦っていたランガは、地面に降りてきて俺らの元に駆け寄ってきた。

 

「申し訳ございません、我がいたにもかかわらず、このような事になってしまい…!」

 

ランガが謝罪する中、俺らはランガと戦っていた2人を見た。

これで大鬼族(オーガ)は計6人となった。

 

「事情は知らんが、話し合いに応じる気はあるか?」

 

話し合いをするためにリムルはそう大鬼族(オーガ)達に尋ねた。

 

「……正体を現せ、邪悪な魔人共め!」

「「…は???」」

 

桃髪の女大鬼族(オーガ)が赤髪の大鬼族(オーガ)と何か話した後、赤髪の大鬼族(オーガ)はリムルを見て訳が分からないことを言い始め、俺らはつい声を漏らしてしまった。

 

「待て待て、俺のどこが邪悪な魔人なんだよ!?」

「魔物を使役するなど、普通の人間ができる芸当ではあるまい!見た目を誤魔化し、妖気(オーラ)も抑えているようだが甘いな。オーガの巫女姫の目は誤魔化されん」

 

スライムであるリムルは、肩を落としながらため息を吐いて落ち込んだ。

どうやらこちらの話を聞く耳は持っていないようだ。

 

「ふん、答えを聞くまでもない…貴様の正体は全てその仮面が物語っている」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)は刀を鞘から抜きながら、そのようなことを述べた。

 

「ちょっと待て!この仮面はある(ひと)の物で…!」

「同胞の無念、その億分の一でも貴様の首で贖ってもらおう」

 

完全にやる気なのか、赤髪の大鬼族(オーガ)は切先を俺らに向けながらそう宣言した。

 

(どうするリムル?)

(うーん…訳ありっぽいけど…先ずは話を聞いてもらうために頭を冷やしてもらおうか)

(了解)

 

大鬼族(オーガ)達に頭を冷やしてもらうため、俺らはそれぞれ戦闘態勢へと入った。

 

「ランガ、お前は魔法を使う奴の牽制を頼む、残りは俺らがやる」

「それでは、御二方が5人を相手にすることに…」

「大丈夫だ、負ける気がしない…クローズドラゴン!」

 

ギャォォ!

 

クローズドラゴンを呼び、俺はクローズドラゴンをガジェットモードへと変形させ、作り出したドラゴンフルボトルをセットした。

 

ウェイクアップ!

 

ボタンを押し、腰に装着させたビルドドライバーにガジェットモードにさせたクローズドラゴンをセットさせた。

 

クローズドラゴン!

 

ビルドドライバーのレバーを回転させ、変身ポーズを取った。

 

Are you ready?

「変身!」

ウェイクアップバーニング! ゲットクローズドラゴン! イェーイ!

 

仮面ライダークローズへと変身を完了させた。

 

「若、あの者の姿は儂でも見たことはありません…ご油断召されるな」

 

白髪の老大鬼族(オーガ)は仮面ライダークローズの姿を警戒しており、若と呼ばれる赤髪の大鬼族(オーガ)に警戒を促した。

 

「たった二人で我らに挑もうとするその度胸に敬意を払い、その挑発に乗ってやろう……後悔はするなよ?」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)はそう言うと、黒髪と紫髪の大鬼族(オーガ)が襲いかかってきた。

紫髪の大鬼族(オーガ)はリムルに任せ、俺は黒髪の大鬼族(オーガ)と対峙した。

黒髪の大鬼族(オーガ)はハンマーを片手に持ち、それを俺目掛けて振り下ろしてきた。

 

「おっと!」

 

咄嗟に作り出したビートクローザーでハンマーを一度受け止めては、そのまま押し返した。

自分よりも小柄な俺に押し返されたことに黒髪の大鬼族(オーガ)は驚愕し、俺は戸惑っている間にグリップの部分で溝落を入れた。

 

「ぐぉ…!」

 

黒髪の大鬼族(オーガ)は顔を歪め地面に跪いた。

 

「少し寝ておいてくれ」

 

トンっと首に手刀を当て、黒髪の大鬼族(オーガ)を気絶させた後、リムルの方を見た。

リムルの方では紫髪の大鬼族(オーガ)を糸で拘束させ、次に襲いかかってきた青髪の大鬼族(オーガ)の刀を身体装甲で折った後、そのまま殴り飛ばした。

 

「仮面の者はブラックスパイダーの『粘糸・鋼糸』、甲殻トカゲ(アーマーサウルス)の『身体装甲』…不意打ちへの反応速度を見るに『魔力感知』も持っておるでしょう…変身した者は無から武器を作り出した所、何かしらのユニークスキル保有しているでしょうな…他にも多数の魔物の業や能力を隠し持っているかもしれません」

 

俺らの戦い方を観察していた白髪の老大鬼族(オーガ)は洞察力と知識が凄いのか、リムルが奪っていた魔物の業、俺がユニークスキルでビートクローザーを作り出したことを推測した。

 

「ここら辺にしないか?俺らの言い分も聞いて欲しいんだけど…」

「黙れ、邪悪な魔人め」

 

ある程度力を見せ、話をしたい俺らだったが、思ったようなにいかなかった。

 

「確かに貴様らは強い…だからこそ確信が深まった。やはり貴様は我等の里を滅ぼした邪悪な豚共を操っていた奴らの仲間なのだろう?たかが豚頭族(オーク)如きに我等が敗れるなど考えられぬ。全ては貴様ら魔人の仕業なのだろうが!!」

 

ちょっと待って、アイツ、今豚頭族(オーク)って言わなかったか?

豚頭族(オーク)が上位種である大鬼族(オーガ)を滅ぼした!?俺、大鬼族(オーガ)頼みできたんだけど!?

 

「ちょっと待て、それは俺達じゃ…」

 

俺は赤髪の大鬼族(オーガ)の誤解を解こうとしたその時だった。

 

「「あっぶねぇ!」」

 

俺らの魔力感知を掻い潜った白髪の大鬼族(オーガ)が背後から、斬りかかってきた。

リムルは片腕を切り落とされ、刀は俺の腕の装甲とぶつかり、金属音のような高い音を立てて止まった。

 

「……むむ…ワシも耄碌したものよ…両方の頭をいっぺんに跳ねたと思ったが………次は外さんぞ…」

 

白髪の大鬼族(オーガ)は刀を鞘に納め、再び居合いの構えを取った。

 

「右腕を失い、発狂しない胆力は褒めてやる…だが、2人で俺たちを相手取ろうとしたその傲慢さが、貴様らの敗因だ…!」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)は刀を大きく振り上げ、俺ら目掛けて力一杯振り下ろしてきた。

俺らはそれぞれ左右に分かれ、リムルは切り落とされた片腕を回収しそのまま吸収した。

 

「確かにな…すぐに調子に乗るのは俺の悪い癖だな…忠告痛み入るよホント…ああもう超痛い…………まぁ…『痛覚無効』と『超速再生』が無ければの話だがな」

 

仮面を外し、抑え込んでいた魔素を一気に解き放ちた。

そして、切り落とされた右腕を超速再生で再生させ、再生させた右腕を赤髪の大鬼族(オーガ)達にリムルはヒラつかせて見せた。

 

「ば…化け物め!!鬼王の妖炎(オーガフレイム)!!」

 

リムルに恐怖を感じたのか、赤髪の大鬼族(オーガ)は奥の手であろう炎熱攻撃を放ってきたが、

俺はロックフルボトルをビートクローザーにセットし、グリップエンドを3回引っ張った。

 

スペシャルチューン! ヒッパレー! ヒッパレー! ヒッパレー! メガスラッシュ!

 

「はぁっ!!」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)が放ってきた炎熱攻撃をビートクローザーで受け止め、さらに刀身に黒炎を纏わせて切り払った。

 

「なんだと!?」

 

炎熱攻撃を切り払われた赤髪の大鬼族(オーガ)は目を見開いて驚いた。

 

「ざっとこんなものか…リムル、あとは頼むぞ」

「嗚呼…さてと、本当の炎を見せてやろう……よく見ておけ」

 

俺からパスを受け取ったリムルは右腕を空に突き上げ、黒炎を空に目掛けて放った。

 

「あ、あの炎は…!周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!炎の形作っているのは純粋にあの者の力のみ…!炎の大きさがそのままあの者の力……!!」

 

ランガに牽制されていた桃髪の女大鬼族(オーガ)だったが、リムルが作り出した黒炎を見ると、恐怖の表情を浮かべていた。

一方、赤髪の大鬼族(オーガ)はビビっているようで、悔しそうな表情を浮かべた。

 

「若、姫を連れてお逃げ下され…ここはワシが」

「黙れ爺」

 

リムルの黒炎を見た白髪の老大鬼族(オーガ)は赤髪の大鬼族(オーガ)と、恐らく桃髪の女大鬼族(オーガ)に逃げるように伝えたが、

 

「無惨にも散った同胞の無念を背負った俺が……ようやく見つけた仇の前で逃げろだと?冗談ではない、俺には大鬼族(オーガ)の次期頭領としての誇りがある!生き恥をさらすくらいなら、仇に一矢報いてくれるわ!」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)は刀を構え直し、俺らを睨みつけた。

 

「若…それならば、ワシもお供致しましょうぞ!」

 

赤髪の大鬼族(オーガ)の言葉を聞いた白髪の老大鬼族(オーガ)は、居合いの構えを取り直した。

圧倒的な力を見せ、降伏させようと狙ってみたが、それが完全に裏目に出たようだ。

どうしようか考えていた時だった。

 

「お待ちください、お兄様!」

 

ランガが牽制していた桃髪の大鬼族(オーガ)が、俺らの間に入ってきた。

 

「そこをどけ!」

「いいえ!この者達は敵ではないかもしれません!」

 

どうやら桃髪の大鬼族(オーガ)は、俺らが敵では無いと分かってくれたようだ。

 

「考えてみてください、これだけの力を持っている魔人様方が、態々豚頭族(オーク)に私達の里を襲撃させるなど不自然です。それに、昏睡の魔法を抵抗(レジスト)してみせたあのホブゴブリン達や、私を牽制していた狼はこの者達に信頼して、慕っているようでした…それは豚頭族(オーク)を率いていた魔人の有様とは、あまりにも違うと思うのです」

「……確かに…」

 

桃髪の大鬼族(オーガ)に説得させれた赤髪の大鬼族(オーガ)は、戸惑った様子で俺らを見た。

 

「ようやく話を聞いてもらえるようになったな…じゃあ、これはもう要らないな」

 

話をできると判断したリムルは、自身の捕食者で黒炎を喰らい、俺はドライバーからクローズドラゴンを抜き取り、元の形へと戻した。

 

「い、今…何を……」

「捕食したんだよ、あんなの適当に投げたら死人が出るだろ」

 

黒炎を捕食したリムルは俺らの間にピッタリと引っ付いていたランガの上に跨りながら、驚愕している大鬼族(オーガ)達に説明した。

 

「…結局何者なんだ?お前は…」

「俺?俺はただのスライム、スライムのリムル…!そしてこっちが…」

兎人族(ラビットマン)のリュウトだ!」

「そんな馬鹿な…」

 

信じられない様子だった大鬼族(オーガ)達に、リムルはスライムの姿へと変わり、俺は耳をしっかりと見せた。

 

「ほ、本当に…」

 

俺らの正体を知った大鬼族(オーガ)達は戸惑いを見せた。

 

「ここで立ち話もなんだし、俺らの町に来ないか?」

「いいの…か?」

「勿論!…色々と聞きたいことがあるし…」

 

リムルの提案で、俺らは大鬼族(オーガ)達を休ませるのと、事情を詳しく聞くために、町に迎え入れることにした。

 

────────────

 

植物が何もない干からびた大地に、一体の豚頭族(オーク)が倒れ込んでいた。

そんな豚頭族(オーク)の前に一人の魔人が空から降り立った。

 

「ふむ…飢えた豚頭族(オーク)の若者か……」

 

降り立った魔人はしばらく豚頭族(オーク)を眺めた。

 

「ほう、これは豚頭帝(オークロード)…いや豚頭魔王(オークディザスター)になるかもしれん」

 

そう言い、魔人は豚頭族(オーク)の前に肉の塊を置き、肉の塊を見た豚頭族(オーク)は無我夢中で食べ始めた。

 

「お前に名をやろう…」

 

豚頭族(オーク)が肉の塊を食べ進める中、魔人は豚頭族(オーク)にそう告げた。

 

「貴方様は…?」

「ゲルミュッド…俺のことは父と思うがいい……そして、お前の名はゲルド、ジュラの大森林を手中に納め、豚頭魔王(オークディザスター)になる者だ」

シズさんどうする?

  • 生存ルート
  • 原作通り
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。