夢の扉   作:紅茶は21分

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笑う男

「笑う男」のリメイク撮影現場は、昔ながらの洋館でした。この洋館は、かつて「笑う男」の事件が起こったとされる場所で、その後、何度も映画やドラマの舞台になっていました。

 

しかし、そのたびに、現場で不気味な出来事が起こり、撮影が中止になるという噂がありました。

 

今回のリメイクは、その呪われた洋館での撮影に挑戦するという壮大な企画でした。監督は、オリジナルの映画に敬意を表しつつも、現代的な要素を加えて、新しい恐怖を生み出そうとしていました。俳優たちは、それぞれの役柄に合わせて、熱心に演技の準備をしていました。

 

しかし、撮影が始まってからすぐに、現場で奇妙な出来事が起こり始めました。最初は些細なことでした。機材の故障やスタッフの体調不良などでした。

 

次第に事態は悪化していきました。撮影班の中には、以前の「笑う男」映画に参加したことのあるスタッフがいて、彼らは映画の撮影時に不気味な出来事を経験していたことを話し始めました。

 

「あの時もこんな感じだったんだよ。最初は小さなトラブルだったけど、だんだんエスカレートしていって……」

 

「何があったんですか?」

 

「あれは忘れられないよ。笑う男の仮面を被った役者が突然暴走して、スタッフや共演者を襲ったんだ。血だらけになってさ……」

 

「それは大変でしたね……」

 

「それだけじゃないよ。仮面を取ろうとしたら、役者の顔が仮面と一体化していて、剥がせなかったんだ。笑顔を保ちながら苦しみ続けて……」

 

「それは恐ろしいですね……」

 

「それからというもの、この洋館では笑う男の仮面が見えるようになったんだ。どこかから聞こえる笑い声も……」

 

「それは気のせいじゃないですか?」

 

「気のせいじゃないよ。本当にあるんだよ。笑う男はこの洋館に住み着いてるんだよ……」

 

そんな話を聞いても、他のスタッフや俳優たちは信じませんでした。ただの都市伝説だと思っていました。しかし、それは間違っていました。

 

笑う男の仮面を被った役者は、次第に役になりきりすぎて、彼の演技が現実との境界を越えるようになりました。彼は笑顔を保ちながら、周囲のスタッフや共演者に奇妙な発言や行動をするようになりました。

 

「君も一緒に笑わないか?笑えば楽しくなるよ」

 

「あのさ……本番じゃないんだから、その仮面を取ってくれないか?」

 

「仮面を取るなんて、とんでもないことを言うね。これは私の顔なんだよ。笑う男の顔なんだよ」

 

「ははは……冗談だよね?」

 

「冗談じゃないよ。本当のことだよ。君も笑う男になってみないか?」

 

「やめてくれよ……」

 

彼はそう言って、仮面を被ったまま、スタッフや俳優たちに迫りました。彼らは彼の笑顔に恐怖を感じました。彼の笑顔は、人間の笑顔ではありませんでした。それは、笑う男の笑顔でした。

 

撮影が進むにつれて、スタッフや俳優たちは、笑う男の仮面を被ることで、自分たちの心に闇を抱えたような感覚を抱くようになりました。そして、奇怪な事故や事件が発生しました。

 

ある日、洋館の地下室で、スタッフの一人が死体として発見されました。彼は首を吊っていました。彼の顔には、笑う男の仮面が被せられていました。

 

別の日、洋館の屋根裏で、俳優の一人が死体として発見されました。彼はナイフで刺されていました。彼の顔にも、笑う男の仮面が被せられていました。

 

また別の日、洋館の庭で、スタッフの一人が死体として発見されました。彼は火あぶりにされていました。彼の顔にもやはり、笑う男の仮面が被せられていました。

 

現場には、いつも同じメッセージが残されていました。

 

「笑えば楽しくなるよ」

 

現場は本物の恐怖に包まれました。スタッフや俳優たちは、誰が犯人なのか分からず、互いに疑心暗鬼になりました。しかし、真相はもっと恐ろしいものでした。

 

最終的に、撮影現場に取り残されたスタッフや俳優たちは、笑う男の仮面の呪いが現実になってしまったことを受け入れざるを得ませんでした。彼らは仮面を取り除こうと試みましたが、それは簡単なことではありませんでした。

 

仮面を被った者は、仮面と一体化してしまっていました。仮面を剥がそうとすると、肉も皮も剥がれてしまいました。血と痛みに苦しみながらも、彼らは笑顔を保ち続けました。

 

「笑えば楽しくなるよ」

 

「笑えば楽しくなるよ」

 

「笑えば楽しくなるよ」

 

彼らはそう言って、残った者たちに襲いかかりました。そして、彼らもまた、笑う男の仮面を被せられました。

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