夢の扉   作:紅茶は21分

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影のアイドル

美咲はミラクル☆ハートの大ファンだった。彼女は日本で人気のアイドルグループで、5人のメンバーがそれぞれカラフルな衣装とキャラクターでファンを魅了しているグループだった。美咲は特に最年少で、紫色の衣装と髪飾りがトレードマークの天真爛漫な子供役のルナが好きだった。彼女はルナの歌声やダンスに心を奪われていた。

 

美咲はある日、ミラクル☆ハートの握手会に参加した。彼女は長い列に並んで、一人一人のメンバーと握手を交わした。彼女はメンバーたちに感謝や応援の言葉を伝えた。そして、最後にルナと握手をした時、美咲は驚いた。ルナは美咲に笑顔で「あなた、私に似てるね」と言った。美咲は自分の顔を見て、確かにルナと似ていることに気づいた。彼女は照れながら「そうですか?ありがとうございます」と言った。ルナは「私たち友達になろうよ」と言って、美咲に自分のメールアドレスを教えた。それが2人の出会いのきっかけだった。

 

美咲とルナはメールでやり取りを始めた。彼女たちは自分の趣味や夢、悩みなどを話した。美咲はルナがアイドルとして活動する中で、どんな苦労や喜びを感じているのかを知った。ルナは美咲が普通の女子高生として生活する中で、どんな楽しみや不安を感じているのかを知った。彼女たちは次第に仲良くなっていった。

 

ある日、美咲はルナから「今度会える?」というメールを受け取った。ルナは「私、あなたに会いたいんだ」と言って、自分のスケジュールを教えてくれた。美咲は嬉しくなって、「もちろんです」と返信した。彼女はルナと会う日を楽しみに待った。

 

しかし、その日が来ることはなかった。

 

その日の朝、美咲はテレビで衝撃的なニュースを見た。「人気アイドルグループ・ミラクル☆ハートのメンバー・ルナが失踪した」というニュースだった。美咲は信じられなかった。彼女はすぐに携帯電話を見たが、ルナからのメールや着信はなかった。彼女は何度もルナに電話やメールをしたが、返事はなかった。

 

美咲は心配して、ミラクル☆ハートの事務所に電話した。しかし、そこでは「現在捜査中ですので、詳しいことはお答えできません」という冷たい対応だった。美咲は泣きながら電話を切った。彼女はルナがどこにいるのか、何があったのか、知りたかった。

 

美咲はルナを探すためにインターネットで調べたり、アイドルグループの関係者に聞き込みをしたりした。しかし、何も分からなかった。ルナの失踪については、誰も何も知らないか、知っていても話そうとしないかのどちらかだった。美咲はどんどん絶望していった。

 

そんな中、美咲はある夜、自宅のポストに一枚の写真を見つけた。写真にはミラクル☆ハートのメンバーたちが笑顔でポーズを取っている姿が写っていた。しかし、その中央にあったはずのルナの姿が消えていた。美咲は恐怖に震えながら写真を見つめた。その時、彼女の携帯電話にルナからのメールが届いた。メールには「助けて」とだけ書かれていた。

 

美咲はルナからのメールに返信した。彼女は「どこにいるの?大丈夫?私が助けるから」と書いた。すると、メールにはミラクル☆ハートの事務所の住所が送られてきた。美咲はすぐにその場所に向かった。彼女はタクシーに乗って、事務所まで行った。

 

しかし、そこは廃墟と化したビルだった。美咲は驚いて、タクシーの運転手に尋ねた。「ここ、ミラクル☆ハートの事務所じゃないんですか?」運転手は首を振って言った。「ここは昔火事で焼けてしまったビルですよ。ミラクル☆ハートの事務所は隣のビルです」美咲は混乱した。「でも、この住所が送られてきたんです」と言って、携帯電話を見せた。運転手は目を見開いて言った。「それ、本当ですか?この住所は5年前に火事で亡くなったアイドルグループ・シャドウ☆スターの事務所だったんですよ」

 

美咲は衝撃を受けた。「シャドウ☆スター?」運転手は頷いて言った。「そうです。彼女たちは5年前にデビューしたばかりの新人アイドルグループでした。5人のメンバーがそれぞれカラフルな衣装とキャラクターでファンを魅了していました。でも、ある日突然、事務所で火事が起きて全員死んでしまったんです」美咲は息を呑んだ。「それって…」運転手は続けて言った。「その後、彼女たちの死因が明らかになりました。実は彼女たちは火事ではなく、殺されていたんですよ。犯人は他でもない、ミラクル☆ハートのメンバーだったんです」

 

美咲は信じられなかった。「ミラクル☆ハートが…?」運転手は続けて言った。「ミラクル☆ハートとシャドウ☆スターは同じ事務所に所属していましたが、実はライバル関係にありました。シャドウ☆スターはミラクル☆ハートのパフォーマンスを盗み見て、自分たちのものにしようとしていました。ミラクル☆ハートはそれに気づいて、激怒しました。彼女たちはシャドウ☆スターを罠にはめて、事務所に火をつけて殺したのです。その後、彼女たちはシャドウ☆スターの衣装やキャラクターを奪って、自分たちのものにしました。それがミラクル☆ハートの今の姿なんですよ」

 

美咲は呆然とした。「そんなことが…」運転手は首をかしげて言った。「でも、なぜあなたにこの住所が送られてきたんですか?あなたはシャドウ☆スターと何か関係があるんですか?」美咲は思い出した。ルナが自分に「あなた、私に似てるね」と言ったことを。美咲は恐る恐る言った。「もしかしたら…私はシャドウ☆スターのメンバーだったのかもしれません」

 

運転手は驚いて言った。「えっ、本当ですか?でも、それならあなたも死んでいるはずじゃないですか?」美咲は震えながら言った。「私は…記憶がありません。私は5年前からこの町に住んでいますが、その前のことは何も覚えていません。私はどこから来たのか、どうしてここにいるのか、分からないんです」運転手は呆れて言った。「それじゃあ、あなたは幽霊なんですか?」美咲は泣き出した。「私は人間です。私は生きています」

 

美咲はビルの中に入ろうとした。彼女はルナがそこにいると信じていた。彼女はルナを助け出したかった。運転手は美咲を止めようとした。「やめてください。危ないですよ。あそこに入ったら二度と出られなくなりますよ」美咲は振り払って言った。「関係ありません。私はルナを助けます」彼女はビルの入口に駆け込んだ。

 

美咲はビルの中に入ると、すぐに火の匂いを感じた。彼女は咳き込みながら、階段を下りて地下室まで降りた。そこにはルナが繋がれている姿を見つけた。ルナは美咲に助けを求めるように目で訴えた。美咲は走ってルナのもとに駆け寄った。

 

美咲はルナの縄を解こうとした。しかし、その時、ビルの入口にユキが現れた。ユキは白色の衣装と冷静な態度がトレードマークのクールビューティーだった。彼女はミラクル☆ハートのリーダーで、他のメンバーやスタッフからも一目置かれていた。しかし、彼女は実は自分の立場に不安を抱えており、特にルナに対しては嫉妬心を隠せなかった。彼女はルナが失踪したことについて何か知っているようだったが、美咲には一切話そうとしなかった。

 

ユキは美咲に向かって言った。「あなた、何者なの?どうしてここにいるの?」美咲は怯えながら言った。「私は…ルナの友達です。ルナを助けに来ました」ユキは冷笑して言った。「友達?そんなの嘘でしょ。あなたはシャドウ☆スターのメンバーだよね。私たちが殺したアイドルグループのメンバーだよね」美咲は驚いて言った。「シャドウ☆スター?私は…」ユキはさらに言った。「あなたはシャドウ☆スターのルナだよね。紫色の衣装と髪飾りがトレードマークの天真爛漫な子供役だよね。私たちが火事で焼き殺したルナだよね」

 

美咲は呆然とした。「私が…ルナ?」ユキは頷いて言った。「そうだよ。あなたは死んだはずなんだけど、どうして生きてるの?どうしてここにいるの?どうして私たちのルナと仲良くなったの?」美咲は混乱した。「私は…分からない。私は記憶がないんです。私は5年前からこの町に住んでいるんです。その前のことは何も覚えていないんです」ユキは怒って言った。「嘘つき!あなたは復讐に来たんでしょ!私たちを殺そうとしたんでしょ!」

 

ユキは美咲に襲い掛かった。美咲は必死に抵抗した。2人は地下室で格闘した。その時、ビルに火がついた。火事の原因は不明だったが、おそらくユキが仕掛けておいた罠だった。ユキは「さようなら」と言って逃げ出した。美咲はルナを助け出そうとしたが、火が迫ってきた。

 

美咲はルナと一緒に死ぬことを決めた。彼女はルナを抱きしめて言った。「ごめんね。私がこんなことになるなんて思わなかったよ。でも、私は本当にあなたのことが好きだったよ。あなたと友達になれて幸せだったよ」ルナも美咲を抱きしめて言った。「私もごめんね。私がこんなことに巻き込んでしまって。でも、私も本当にあなたのことが好きだったよ。あなたと友達になれて幸せだったよ」

 

2人は互いに笑顔で見つめ合った。そして、火の中で消えていった。

 

 

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