夢の扉   作:紅茶は21分

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オマジナイの本

私は祖父の家に遊びに行った日のことをよく覚えている。祖父は私に書斎を見せてくれた。書斎には古い本や地図や絵がたくさんあって、私は興味津々だった。祖父は私に好きな本を選んで読んでもいいと言ってくれた。私は書斎の中を見回した。すると、本棚の一番奥に真っ黒な本があるのに気づいた。その本は表紙も背表紙もすべてが真っ黒で、タイトルも書いていなかった。しかし、私はなぜかその本が気になってしまった。私はその本を手に取ってみた。その本は重くて厚かった。私は祖父に内緒でその本を開いてみた。

 

その本には様々なオマジナイが書いてあった。探しものが見つかるオマジナイや好きな人と偶然出会えるオマジナイなど些細なものから、嫌いな人が不幸になるオマジナイや偶然大金を手に入れることができるオマジナイなどすごいものまであった。そのオマジナイは特定の言葉を唱えたり、特定の物を用意したり、特定の時間や場所で行ったりすることで効果が現れると書いてあった。私はその本に興味を持ってしまった。私は祖父にバレないようにその本を持ち帰った。

 

家に帰ってから、私はその本に書かれているオマジナイを試してみることにした。まず、探しものが見つかるオマジナイをやってみた。そのオマジナイは「見つけよう」という言葉を三回唱えるだけだった。私はそれをやってみたら、すぐに失くしていた指輪が見つかった。私は驚いた。次に、好きな人と偶然出会えるオマジナイをやってみた。そのオマジナイは「出会おう」という言葉を三回唱えてから外出するだけだった。私はそれをやってみたら、学校で好きだった先輩と街でばったり会った。しかも、先輩は私に声をかけてくれて、一緒にコーヒーを飲むことになった。私は嬉しかった。

 

その日から、私はその本に書かれているオマジナイをどんどん実行していった。そのおかげで、私は恋人ができたり、大金を手に入れたり、友達が増えたり、成績が上がったり、幸せを謳歌した。私はその本に感謝した。私はその本が祖父の秘密だということを忘れてしまった。

 

しかし、その幸せは長くは続かなかった。私は次第に自分の周りで不幸な出来事が起こることに気づいた。恋人が浮気をしたり、大金が盗まれたり、友達が裏切ったり、成績が下がったりした。私は不安になった。私はその本に書かれているオマジナイをやめようと思った。しかし、その本は私を離さなかった。その本は私にさらに強力なオマジナイを教えてくれた。嫌いな人が不幸になるオマジナイや偶然大金を手に入れることができるオマジナイだった。私はその本の誘惑に負けてしまった。私はその本に書かれているオマジナイを実行し続けた。

 

そして、ついに最悪のことが起こった。私は祖父から電話がかかってきた。祖父は怒っていた。祖父は私がその本を持ち帰ったことを知っていたのだ。祖父は私にその本の恐ろしい真実を教えてくれた。その本は祖父が若い頃に手に入れた禁断の本だった。その本に書かれているオマジナイはすべて代償が必要だったのだ。オマジナイをすることで得られる幸せは一時的なものであり、やがてそれ以上の不幸が訪れるのだ。しかも、その不幸は自分だけでなく、自分の大切な人や関わった人にも及ぶのだ。祖父は私にその本をすぐに返すように言った。祖父は私に謝罪した。祖父は自分も若い頃にその本に魅せられてオマジナイをしてしまったことを告白した。その結果、祖父は自分の妻や子供や孫を失ってしまったのだ。

 

私はショックを受けた。私は自分がどんなことをしてしまったのか気づいた。私は祖父に謝ろうとした。しかし、その時、電話が切れてしまった。私は慌てて電話をかけ直そうとした。しかし、つながらなかった。私は急いで祖父の家に向かおうとした。しかし、外に出ると、大きな事故が起こっていた。車やバスや自転車が衝突して炎上していた。人々が叫んで逃げ惑っていた。私は恐怖に震えた。私は事故の原因が自分のオマジナイだと思った。

 

私は黒い本を捨てようと思った。しかし、その本は捨てられなかった。その本は私の手から離れなかった。その本は私にささやいた。「もう一つだけオマジナイをしよう」と。「すべてを元に戻すオマジナイだ」と。「ただし一つだけ代償があるよ」と。「それはあなただ」と。

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