夢の扉   作:紅茶は21分

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潔癖症の友人

私には潔癖症の友人がいた。彼は夏でも長袖を着て、白い手袋をしていた。店で食事をするときも、使う前に除菌シートでテーブルや椅子、食器や箸を拭いていた。彼は汚れや菌に対して異常な恐怖を抱いていたのだ。

 

彼になぜそんなに潔癖なのかを聞いたことがある。彼は母親のことを話し始めた。彼の母親はすでに亡くなっていたが、彼は幼いころ母親から厳しくしつけられていたと言った。手洗いや歯磨き、風呂に入ることなど、清潔に関することは何でも徹底させられたと言った。母親は汚れや菌が嫌いで、彼が少しでも汚れて帰ってくると、容赦なく叱りつけたり罰したりしたと言った。

 

彼は最初は手を洗い忘れたら母親に叱られる夢を見たと言った。それがだんだんエスカレートして、少しでも汚いことをすると夢に母親が出てきて、罵声を浴びせたり暴力を振るったりしたと言った。彼はその夢から逃れることができなかったと言った。

 

私は彼の話を聞いて、心配になった。彼は心理的な問題を抱えているのだと思った。彼に心療内科に行ってみることを勧めたが、彼は拒否した。彼は自分は病気ではなく、ただ清潔に生きているだけだと言った。彼は母親の教えを守っているだけだと言った。

 

私はしばらく彼と連絡を取っていなかった。忙しかったし、正直言って彼の潔癖ぶりに疲れてしまっていたからだ。それでも、彼が元気であることを願っていた。

 

数年後、私は偶然にも彼の死亡記事を見つけた。彼は自宅で首を吊って自殺していたと書かれていた。遺書も残していなかったと書かれていた。私はショックを受けた。彼がどんな苦しみに耐えていたのか、想像することもできなかった。

 

私は彼の葬儀に参列した。彼の遺体は棺桶の中に入れられていたが、その棺桶は白く塗られており、鍵がかけられていた。誰も中身を見ることができなかった。私は不思議に思ったが、何も聞けなかった。

 

葬儀の後、私は偶然にも彼の家族と話す機会があった。彼の父親や兄弟や親戚だった人々だった。私は彼らにお悔やみの言葉を述べると共に、彼の死の原因について尋ねた。彼らはしばらく沈黙した後、私に真実を教えてくれた。

 

彼らは言った。彼の母親は潔癖症ではなかったと。彼の母親は清潔に関することに厳しかったが、それは普通の範囲内だったと。彼の母親は汚れや菌を嫌っていたが、それは普通の人と同じくらいだったと。彼の母親は彼を叱ったり罰したりしたことはなかったと。

 

彼らは言った。彼の潔癖症は、彼自身が作り出したものだったと。彼は母親を亡くしたショックから、母親のイメージを歪めてしまったと。彼は母親の教えを忠実に守ろうとして、自分に過剰な清潔さを強いたと。彼は自分が汚れていると思うと、母親に罰される恐怖に駆られたと。

 

彼らは言った。彼の遺体は、見るも無残な姿だったと。彼は首を吊る前に、自分の体を切り刻んでいたと。彼は自分の体についた汚れや菌を取り除こうとして、自分の肉や皮や血を削ぎ落としていたと。彼は自分の体を白く塗って、母親に許しを請うようなメッセージを書いていたと。

 

私は彼らの話を聞いて、恐怖に震えた。私は彼がどんな地獄を見ていたのか、想像することもできなかった。

 

私はその日から、夢に彼が出てくるようになった。彼は白く塗られた棺桶から出てきて、私に近づいてくる。彼は血まみれの手で私に触ろうとする。彼は泣きながら私に言う。

 

「助けてくれよ。汚れてるんだよ。母さんに怒られるんだよ」

 

私はその夢から逃れることができない。

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