エンターテイルズ   作:セカラボ

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第7章 潜入作戦

「よし、着いた。皆、お疲れ様」

「着いたミィ! でもまだまだこれからだミィ!」

「そうでござるね、姉ちゃん。頑張ろうでござる!」

「よし、では人目がない場所で……」

 

ガサゴソとマターが持ってきたバッグに手を入れる。取り出したのは一冊の本。それをペラペラと捲り、ある程度行くとそのページを開いたまま

 

「描画、召喚!」

 

と、言った。その後、マターの持つ本から、黄色の作業着が2着分出てきた。

 

「な、なんだこれ?」

「これはここの従業員の制服だよ」

「何でこれを出したんだ……?」

「これを着て従業員のフリをしてジョートとラミィをぬいぐるみとしてあの施設に入ろうとする子供に渡すんだ。そこで、一緒に中の様子を見てもらう。渡した後はまた普段着に戻るよ」

「お、おぅ……」

「そして、中の様子はジョートが作ってくれた小型カメラか

ら、僕のスマホにも分かるようにしてる」

「て、徹底してんな……」

「よし、じゃあ行くよ」

「ようこそ!ここに来られたお客様にこちらのぬいぐるみをプレゼントしております!ささ、どうぞ」

「わ~い!スタッフさん、ありがとう!ぬいぐるみかわい~!」

「……ほら、テメェも」

「こら、ナガレさん!すみません、まだまだ入ったばかりで口の聞き方が……ごめんね?怖がらせちゃったかな?」

「うぅん。大丈夫だよ、スタッフさん。それよりも、僕にもく

れるの?」

「うん、勿論さ!君にはこっちの水色の帽子のぬいぐるみをあ

げちゃおう!」

「わ~!ありがとう!これ持ってあそこ行こうよ!」

「うん、行こう行こう!」

 

ラミィとジョートを抱えた2人の子供達が黄色を基調としたテントの中へと入っていく。その様子を見ていると、その子達の母親らしき人が話しかけてきた。

 

「ぬいぐるみのプレゼントなんてしていたのですね」

「えぇ。限定で行ってますよ~」

「あの子達ったら、あの場所がすごい気に入っちゃって……この間も来たんですけど、また行きたいって言ってどうしても聞かなくて……」

「そうだったのですね」

「……あそこ、大人は入れないって仕組みですけど。どうなってるんです?大人が入ってはいけない理由でもあるんです?」

「……」

 

やばい、どうしよう。こんなこと聞かれるなんて思っていなかった。ガキ共にラミィ達を持たせて終わりと思ってたから予定にない事に面食らってしまった。俺は咄嗟にマターに耳打ちする。

(おい、どうすんだよ!?俺たち本当のスタッフでもないのにど

うやって説明すんだよ!?)

(大丈夫、任せて。ちゃんと考えてあるから)

俺に向かってウィンクをし、マターはその母親に向かって話し始める。

 

「そうですね。そこでは将来の夢についての、劇を行なっております。純粋な子供たちに夢を持たせる為の場所。それ故に、私達従業員でも上層部の者にしかその内容を伝えられていないのです」

「そうなのですね。ごめんなさいね。あなた達に詰め寄ったりしてしまって……」

「いえいえ、不安になるのも分かります。子供が親の元を離れていってしまうのは、心苦しくなるものですものね」

「それにしても、意外でした。あなたの様な従業員さんもいるのですね。ここの従業員、何か不気味?なんですよね。何かこう、会話が強制的に終わらせられてしまって」

「……」

「あ、あぁ。いえ、クレームと言うわけではなくて」

「すみません!うちの従業員が失礼な対応をしてしまって。しっかり指導をしているつもりなのですが……これかれはもっと注意深く指導していきます故」

「あ!い、いえ。そんな。謝らないで下さい。私もつい、口が滑って」

 

マターと子供の母親の会話がしばらく続き、俺は蚊帳の外状態だったが、正直この方が気が楽だ。暫くした後、マターが俺の元に帰ってきたため、それを迎える。

 

「……ふぅ、ようやく終わった」

「長かったな」

「君がぶっきらぼうすぎるからだよ!接客なんだからちゃんとお客様第一で接しないと駄目じゃないか」

「接客なんてした事ねぇし。急にやれって言われたってそうなるだろ」

「それは……ごめん、確かに僕が悪かった。それよりも、内部がどうなっているか早速確認しよう。遠隔カメラ遠隔カメラっと」

 

映し出された映像は軽快な音楽と共に人形達が踊っている物が流れている。ステージ中央には真っ白の肌で真っ白なロリータ服に身を包んだちょうど子供サイズの人形が歩いたり、飛んだりと激しく動いている。

映像内の人形に目を向けていると、視線が合う。真っ白な眼が俺を捉える。それを何度も逸らそうとしても何故か視線が合ってしまう。するの音楽が止まり、映像が乱れる。

 

ザザーーーッ

 

画面が砂嵐で埋め尽くされる。

 

「なっ、どうした!?ラミィ、ジョート!?」

 

俺がマターからスマホをひったくる様に取ると、砂嵐の画面か

ら声が聞こえてきた。

 

「あっ、ちょっと僕のスマh」

「……みーつけた」

「っ!?誰だ!?」

「あっはははは!!まさか ここで あえるなんてね。ねぇ わたしと あそぼうよ ナガレ!!」

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