Rozen Maiden ―Alice in Desire Grand Prix― 作:水銀党員
「アトロポス面白い者を見つけましたわ」
「なんだい?。ラケシス」
「ガッチャード以外の『仮面ライダー』を見つけましたの。名はシロー、バッファ、ギーツ。中でも私の推しのギーツは本人曰く人を化かす事が得意なようです」
黒いドレスの女性は嬉しそうにアトロポスに伝えた。
「ふ~ん。錬金術士じゃない『仮面ライダー』の存在か、面白いね。錬金術とはまた違う力がこの世界にはあるようだ」
「ありがとうございます」
「毎度ありー」
真紅が戻って早一週間。
ジュンは不登校から見事に立ち上がり毎日欠かさず学校ヘ行っていた。
間違いなく
家まであと少しと言うところでジュンに災いは起きた。
「お前……。平凡な見た目の割にはあの伝説の錬金術士のオーラを感じるな」
「………え?」
後ろから低い女の声がした。
振り返ると半面に表情を擬えたようなフェイスベールをあしらえもじゃもじゃに盛り上がった髪に全体的に真っ黒な装いの一目で危険そうな見た目の女が歩いて近づいてきていた。
「一体どう言うことなんだ?伝説の錬金術士ローゼンはお前如きに力を託したってのか。だがお前からローゼンの力を感じるって事はローゼンメイデンに近しいまたはお前はそいつらのマスターって事だよなぁ?」
フェイスベールを取り女は高揚した様子で話す。
ヤバい。この女は危険だ。とジュンの本能が告げた。
「あ、貴女は一体誰なんだ!。真紅達に関係あるのか!」
ジュンが強く言うと女は嗤う。
「ふん、錬金術に携わるもので伝説の錬金術士ローゼンの名を知らない者はいない。お前のその力、ケミーを集めるのに役立ちそうだな」
「ケミー……?」
一体それは何なのだろう。
聞いたこともない………。
だが間違いなくこの女は強烈な悪意を放っている。
「さぁ、来い!」
「…嫌だ!」
「おいお前、こんなガキ相手に大人気ないぞ」
ジュンの身体に女が触れる寸前で明るい茶髪の男性が女を制止した。
「誰だお前……。そのベルトは!?」
女は男性が巻いてるベルトを凝視するがすぐため息を吐き舌打ちをした。
「チッ、ガッチャードライバーじゃないのか」
「ガッチャードライバー?。ふん。これはデザイアドライバーだ。デザグラに参加するライダーのベルトにはまだ種類があったのか?」
「デザグラ?。何だそりゃ。人間達の考える事はマジ分からねぇな。あーあ何か萎えた。おいそこのガキ」
「な、何ですか……?」
「今日のところはひいてやるが私はお前に興味を持ったぞ」
『またな』
周囲に言葉だけ響かせ女は消えた。
礼を言おうと当たりを見回すと男性は遠くに行っていた。
「あのありがとうございました!」
「礼を言ってる場合か?………。ここはゲームエリアだ精々気をつけろ」
「は、はぁ……」
女性も分けがわからない人だったがこの男性も中々に意味不明な人のようだ。
助けて貰っただけマシだが。
たまにはこう言う日もあるだろうと思いジュンは気を取り直し帰路に着く。
家で待つ皆の為にいちご大福と紅茶のパックを買った。
「小さなアクシデント何てもう気にしない。また戻って来たこの日常を壊さないようにしなきゃ」
改めて小さな幸せを守る事を決意した。
「ゲームマスター今日も黒衣の女性がデザイアグランプリを見ていました」
「報告感謝するよ。ツムリ……。今回のデザグラが始まってから常にゲームを監視してるこの女は何者だ?警備隊ライダー達ですら捉える事も出来ないなんて、万一……創世の女神を嗅ぎつけられたら厄介だな」
ゲームマスターギロリはヴィジョンドライバーに手を触れた。