ライネルに転生、尚、ハイラルでは無い模様   作:山吹色ノ大妖精

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一ヶ月ぶりの更新、遅れてすみませんでした。しかし、ペースはマイペースで行かせていただきます


同胞

 フェルズについて行ってから体感で2時間は経過した。道行く間に魔物に襲われるかと考えていたが、フェルズの能力故か気付かれなかった。そしてこのライネルの肉体も戦闘を通して動かしたことで完全に適応した。そう考えている時にフェルズは洞窟の広間で停止した。周りにはクォーツが辺りに生えている。

 

「着いたぞ」

 

「・・・・・・ここには誰もいないではないか、まさか隠し扉があるとでも?」

 

「・・・・・・そのまさかだ」

 

 

 フェルズが一回り大きいクォーツに触れると、横にズレて大きな横穴になった。直感で言ったが、正直言ってこの直感は馬鹿に出来ない代物だ。今後も活用していきたいところだ。フェルズが横穴に入っていくので追従する。そこに居たのは、やはりハイラルにはいない魔物たちだ。彼らは理性的な眼差しでこちらを見ていた。

 

 

「みんな!新たな同胞を連れてきたぞ!」

 

「おう!来たか、フェルズ!えーっと・・・・・・初めて見る同胞だな!俺はリド、よろしくな!」

 

 赤い鱗を持ったリザルフォス?に歓迎され、握手をする。

 

 

「そうか、よろしく頼む。先ずは幾つか質問がしたい。よろしいだろうか」

 

「いいだろう。して、何を聞きたい?」

 

「ここはハイラルだろうか?」

 

「ハイラル・・・・・・?」

 

 

 やはり、ここはハイラルが存在しない別世界らしい。向こうは知らないのでここは自分の情報を出すべきだろう。

 

 

「先ずは自己紹介を、私はライネルと呼ばれる魔物だ。こことは別世界の魔王の魔力により生まれるはずだった。」

 

「イヤ待て!?待ってくれ!?貴様、別世界と言ったか!?いきなり話のスケールを飛ばさないでくれ!」

 

 せめてワンクッション入れてくれ・・・・・・と悩ましげに言うフェルズ。何のことか分からないようで首を傾げる同胞にはもう少しわかりやすく説明する。

 

 

「本来私はこの洞窟には存在しない魔物というわけだ」

 

「なるほど!」

 

 

 納得してくれたようだ。そして復帰したフェルズは話を聞こうと意識をこちらに向ける。

 

 

「話を続けよう。私は別世界のハイラルと呼ばれる国で魔王の出現により、その魔力で誕生するはずだったが・・・・・・」

 

「この世界のダンジョンに異端児(ゼノス)として誕生したわけか。それ故か、この世界の常識は全く知らないのか」

 

「そうなるな」

 

 

 知らない単語が出てきたが、ここは一旦スルーする。その間に深く思考するフェルズ。その隙を突いてリドは質問する。

 

 

「なあ、ライネルはモンスター名だろ?なら名前は何だ?」

 

「個を表す方の名前か?うむ・・・・・・」

 

 

 私は30秒ほど熟考して思いついた名前をつぶやく。

 

 

「ライドウ。ライネルのライドウだ」

 

「ライドウか!よろしくな!ライドっち!」

 

「うむ、改めてよろしく頼む」

 

 

 こうして再び握手した後に、フェルズから人とモンスターの関係、そして私がスルーした単語であり、私を含む同胞の異端児について説明を受けた。

 

 

「ふむ、モンスターは人と理性なきモンスターと長きに渡る戦争によって人にとっての絶対悪となり、そして理性のあるモンスターである私たちは超極秘の存在というわけか」

 

「そうだ。よって行動も制限される。狭苦しい思いをさせるのは申し訳ない」

 

「ならば人目につかないところならば自由に行動しても良いのか?」

 

「・・・・・・それならいいだろう。しかし、それに該当しうる場所はこのダンジョンの深層と呼ばれるかなり危険な場所だ。しかし高位冒険者は遠征で深層にまで来る。必ず見つからないとは断言できない」

 

 

 さらに、異端児はフェルズの所属するギルドの隠し戦力であるため、身勝手な行動は本来許さないのだという。

 

「質問だ。フェルズ、私はこの世界でどれくらい強い?」

 

「中層でレベル2を推奨されるミノタウロスを一瞬で屠っているのであれば、冒険者であれば高く見積もってレベル4くらいだ」

 

 

 レベル4相当ならば下層に行ける強さらしい。ちなみにライネルは髪の色によって強さが変わる。今の私は最弱の赤髪のライネルだ。であるならばだ・・・・・・

 

 

「ふむ、準備が出来次第、修行に出たい。良いだろうか?」

 

「回復手段はどうするのだ?」

 

「モンスターの魔石を取り込み、己を強化して自然治癒能力を高める」

 

 

 この問答を通してフェルズは判断が難しいのか、深く考えていて唸っている。そこに翼を携えた少女の異端児が質問する。

 

 

「武器はどうなさるのですか?いくらあなたが強くても、手ぶらで行くのは無謀かと・・・・・・」

 

「問題無い」

 

 

 フェルズの説明によれば、モンスターは傷ついたり、破損した部分は生存していれば再生する。その特性を利用する。私は静かに手を角に伸ばして、根本からへし折った。

 

 

『えぇ!?』

 

 

 この突然の行動に流石にみんなは目を点にして驚かれた。私はこの2本の角をフェルズに差し出す。

 

 

「フェルズ、この角に取っ手をつけてくれ。これだけで武器にできる」

 

 

 角を受け取ったフェルズは『そうか・・・・・・』と言って、踵を返す。

 

 

「なるべく手早く終わらせる。それまで君はみんなと一緒にここで待機だ。わかったな?」

 

「承知した。感謝する」

 

 

 フェルズがそう言って隠れ里を抜ける。彼?が見えなくなる前に私は感謝の言葉を伝えた。そしてフェルズが戻ってくるまでは、私は同胞と親睦を深めた。例えば──

 

 

「なあ、ライドっち、ハイラルってどんな所なんだ?」

 

「この世界のことを知らないゆえに、ハイラルとの違いが何であるのかは知らないが・・・・・・そうだな、ハイラルに自生している植物やキノコには、何かしらの力を上昇させるものがある。例えば力、速さ、持久力、様々だな」

 

 この話は特に同胞たちに受けていた。彼らは外の世界を知らない故に、こうも引き込まれたのだろう。ちなみに質問は私もした。

 

 

「グロスよ、この世界の人間はどんな感じなのだ?」

 

「どうも何も、アイツらは全員害悪だ!奴らに何度裏切られたことか・・・・・・!」

 

 

 どうやら、彼らに人間の話は良くないみたいだった。以後、気をつけよう。

 

 そんな僅かに知見を深めた日々を過ごした後にフェルズが戻ってきた。依頼通りに私の角の武器を持ってきてくれた。オマケに武器のホルダーも作ってくれたようだ。

 

 

「お前の言った通りに、角に取っ手をくっつけただけだが、これならば武器として十分働くだろう」

 

「ありがとう。それじゃあ、行ってくる」

 

 

 ベルト性のホルダーを体に巻き付けて武器を納刀する。準備が完全に終了した私は、事前に聞いていたルートに向かって歩き出す。

 

 

「無事でな、ライドっち!」

 

「頑張ってねー!」

 

 背後から受けた声援を糧に私はダンジョンの下層へ走り出した。

『時を渡る道化師』を入れてアーディ生存イイっすか?(あくまでも参考程度に)

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