ライネルに転生、尚、ハイラルでは無い模様   作:山吹色ノ大妖精

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ハンドシェイク

「帰ってきたぞ!」

 

『おかえり!ライドウ!』

 

 

 骸竜との闘争を終え隠れ里に帰還したところをみんなが暖かく迎え入れてくれた・・・・・・が、例外として怒気を纏っているフェルズは除いた。私には心当たりがあるので、みんなに手を振っておき、フェルズと向かい合った。

 

 

「ライドウ、貴様、人目も憚らずに戦闘をしたな?しかも人前で流暢に喋っていたそうだなァ!!」

 

「むぅ・・・すまない、つい興奮していた」

 

「こんのッ饒舌になる戦闘狂め!!何がハッピーバースデイ!!ッだァ!!?」

 

 

 一通り怒鳴ったことで少しずつ冷静になってきたフェルズは説明を始めた。

 

 

「お前が介入した二勢力はアストレア・ファミリアと闇派閥だ。片方の闇派閥の仕掛けた100個の火炎石の爆発でダンジョンに複数の階層に穴が空いた程のダメージを与えられたことによって条件が揃ったのだろう。謎のモンスターが産まれた」

 

 

 あの骸竜の出現条件は階層の大破壊・・・・・・手間が掛かる上に目立つから再戦は暫く無さそうだな・・・・・・

 

 

「が、それをお前が単騎で討伐した。これによって秩序側のアストレア・ファミリアは命拾いしたが、お前の存在を知ってしまったのだ。よって今からお前から分かる範囲のあのモンスターの詳細を聞いて情報を整理出来次第、そのあとウラノスがアストレアに説明をするそうだ」

 

 

 これは流石に大事になったようだ。フェルズにはとても世話になっているので申し訳なく感じた私は、自主的に謹慎しようと考えた。

 

 

「あい分かった。それでは連絡があるまで私は謹慎していよう。その前に彼奴について話そう」

 

 

 自分の知っている情報と言っても、印象に残っているのは、核である魔石が存在しない。故に短命であることと、青髪の私の耐久なら簡単にバラバラにされたであろう殺生力のある爪、そして自分の攻撃なら十秒で倒せる低い耐久。これらを聞いたフェルズは頷いた。

 

 

「うむ、詳細は把握した。して話を変えるがみんなはお前の祝勝会の準備をしていたんだが・・・・・・お前が謹慎すると言うのであれば、そうしてくれ。今から私はウラノスのもとに行かねばならない」

 

「そうか、道中には気をつけてくれ」

 

「あぁ」

 

 

 そう言ってフェルズは足早に隠れ里を後にした。私はフェルズに自ら謹慎することを話して私の祝勝会を延期してもらうことになった。そしてフェルズの連絡が来るまで自分のスペースで今までの熱を思い出さないよう冷静になって待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 ギルドの地下にあるウラノスの祈祷の間にて、間の主人であるウラノスのもとに正義を司る女神であるアストレアがやってきた。

 

 

「ウラノス、話ってあの子たちが遭遇した二体のモンスターのことかしら」

 

「そうだ。しかしこのことは他言無用で頼む」

 

 

 アストレアが切り出した話題にウラノスは説明する。片方は未だ情報不足ではあるが、ダンジョンの過剰な破壊によって産み出される禁忌の怪物の『ジャガーノート』と名付けられたモンスター。そしてもう片方は一部の神々を除いてウラノスやその側近のフェルズしか知らないド級の未知『異端児』とその最高戦力にして新種『ライネル(ライドウ)

 それらを聞いた女神アストレアは頭を痛そうに抑えながら顔を顰めた。更にウラノスはギルドの主神としてアストレアにこう言った。

 

 

「そしてこれよりアストレア・ファミリアに強制任務(ミッション)を命ずる。内容は異端児との接触である」

 

 

 

 

 

 

 フェルズが隠れ里に戻ってきた。異端児全員呼び集められ、このあと来る客について話された。

 

 

「私が介入した片方の者たちが来るのか、思い切ったな」

 

「フザケルナ!何度モ人間ニ騙サレテオイテマタ人間ヲ信用シロト!?」

 

「落ち着けグロス、これはウラノスが女神アストレアの神格とその眷属の性質を保証してのことだ」

 

 

 グロスの激昂を窘めるフェルズを見ながら考える。事実上、私たち異端児のトップであるウラノスの判断であるならば、仕方ないかもしれない。

 

 

「しかし、秩序を重んじる人間であるならば、モンスターである私たちのことを敵視する可能性は十分あるだろう」

 

 

 かなり思い切った判断だ。これで彼女たちが秩序を守る故に私たちを攻撃するのであれば

 

 

「その時は私が全員返り討ちにすればいいだけだ。だからここは引いてくれ、グロス」

 

「グゥ・・・・・・言ッタカラニハ、ヤッテモラウカラナ!」

 

「承知した。それでは私は謹慎に戻る」

 

 

 グロスは渋々引き下がってくれた。話は纏まったので、私は自分のスペースに戻って心を冷やして謹慎を再開することにした。そこにレイがやってきた。

 

 

「もう十分よろしいのではないでしょうか・・・・・・」

 

 

 レイはここまで謹慎する自分に疑問を呈したらしい、後ろには他の同胞もいる。その疑問には答えるべきだろう。

 

 

「これは私の辛抱弱さが招いた事態だ、それによってグロスのような人間を信用できない同胞の心の傷を刺激してしまったのだ。もしこれから来る人間たちが私たちに敵対することになったら、その者たちは私たちのことを言いふらかすだろう。そうならないために、私は人を殺さなければならない。これは私の責任なのだ」

 

 

 これが私一人の問題であるのであれば良かった。しかしそうじゃない、さっきのもしもが起こるのであれば、私は責任を取って、手に人間(同族)の血を染めよう。

 

 

 

 

 

 

 そろそろ件の人間たちが来る時間帯になった。私は同胞たちの先頭に立って、来客を待つ・・・・・・足音が聴こえる。靴が擦れる音、人間の足音だ。そして現れた人間の少女たちに相見えた。私は静かに言葉を発す。

 

 

「はじめまして。私はライドウ、貴女方の名前は?」

 

 

 リーダーであろう赤い髪の少女は目を輝かせた。そして声高々に名乗った。

 

 

「私はアストレア・ファミリアのアリーゼ・ローヴェル!よろしくね!」

 

「・・・・・・案外、悪くない出会いになるかもしれない。よろしく頼もう」

 

 

 一歩踏み出したアリーゼの差し出された手に私は迷わず掴んだ。歴史で初めて怪物と人間のハンドシェイクに、同胞たちはワッと湧き上がった。

 

 

「私も握手したい!」

 

「私も!」

 

「キュキュ!」

 

 

 温和な同胞たちはアリーゼを囲んで好意的に話しかけている。そこから目を離して彼女の仲間に目を向ける。その中に一人見覚えのある少女がいた。その少女は私が投げたビッグブーメランで守られたであろう少女だった。試しにビッグブーメランを見せてみる。

 

 

「あの武器・・・・・・マリューを庇った武器!?」

 

 

 どうやら覚えてくれていたようだ。少女たちに話しかける

 

 

「私としても、人間との交流は手探りだ。お手柔らかに頼もう」




(今世での)人間との交流は手探りだ・・・・・・嘘は言ってないな!

『時を渡る道化師』を入れてアーディ生存イイっすか?(あくまでも参考程度に)

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