俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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本当の歴史が知られる時

 

 

 無事にお面を修理する素材の『けっしょうのかけら』を手に入れた俺達は、足元に気をつけながらも急いで鬼が山を下山してお面職人のお爺さんの待つスイリョクタウンへと向かっていた。

 俺達が鬼が山の麓の先、キタカミセンターにたどり着いた頃には日は既に傾き、オモテ祭りの祭り囃子が聞こえていた。

 ところが、お祭りがどんなものかと思って見てみると、賑わっていると思ったオモテ祭りには小さな子供が数人ばかりいるだけで、大人の姿が殆どない。

 ゼイユとスグリに確認してみると、オモテ祭りのこんな寂しい状態は初めて見たと不思議がっていた。

 これはどうなっているのかと、近くにいた数少ない大人に声をかけてみる。

 

「あのーすみません。今日ってお祭りの日ですよね? 他の大人の方々はどちらかに行かれてるか分かりますか?」

「ん? おお、君達か! てらす池から帰ってきたんだろ? お疲れ様! みんな君達の家の前にいる筈だから、急いで行ってあげなさい!」

「……あれ? なんで俺達がてらす池に行ってたって知ってるんですか?」

「そんな事は今はいいから! とにかく、早くお爺さんのところに行ってあげなさい!」

 

 色々と腑に落ちないものの早く帰らないといけない事は確かなので、大人の人に礼を言って足早にその場を後にした。

 

 

「うわ! すごい人! みんなウチに用事かな?」

 

 ゼイユが驚くのも無理がないほどの数の人達が、家の前に集まっていた。

 スグリはあまりの大勢の人達が少し怖いのか俺の後ろにピッタリくっついている。

 驚きながらもゆっくり近づいていくと、俺達に気づいた人達が騒めきだす。

 

「おい、三人が帰ってきたぞ! 道を開けてやれ!」

 

 左右に分かれる人々の波。まるで、モーセにでもなった気分だ。

 とりあえず人の間を通って家に入ると、客間にはお爺さんお婆さんの他にも人がいた。

 殆ど知らない顔だったけど、ゲームに出てきてたからか公民館の管理人のおじさんの顔はだけはすぐに分かった。

 そしてもう一人、格好的におそらくキタカミセンターの住職さんらしき人もいた。

 

「じーちゃん! みんなどうしたの? とりあえず『けっしょうのかけら』ちゃんと取ってきたよ!」

 

 ゼイユが言うと「おおー!」とか「よくやった!」と言う大人達の歓声が聞こえてきた。

 ……マジでどうなってんだ? 

 

 座っているお爺さんに目を向けると、何やら複雑そうな表情を浮かべている。

 

「あの、すみません。皆さんはこれが何に使われるのか、もうご存知って事で良いんですかね?」

「ああ、鬼さまのお面を直すのに使うんだろ? こんな子供達が……よく頑張ってくれたなぁ」

 

 んん? 目的を知っているにしては、いやに好意的な反応だ。

 不思議に思っていると、住職さんが口を開いた。

 

「私は健康の為に早起きを心がけていてね? 今朝も境内の掃除をしようとしていたら、鬼が山の方から大きな声が聞こえてきたんだよ」

 

 ん? 

 

「耳を傾けてみると子供達の声だと分かった。最初は気にしない様にしようとしたんだが……」

 

 あ。

 

 

「鬼さま……いや、オーガポンさまに全てのお面を返すとか、ともっこが奪った三つのお面ともう一つのお面を持ち主であるオーガポンに返す、なんて聞こえてきたからびっくりしてしまってね?」

 

 oh……。

 

「急いでお面職人のお爺さんに話を聞きに行ったら秘密にされていた本当の歴史を聞かされてね……その上この家の蔵にあった当時の事を伝える資料まで出てきて、みんなでもうこれは……ってなってね」

「それで、村中の皆さんがオーガポンの真実を知る事になったと……」

 

 ゲームでスグリがどうやって村人の誤解を解いたか気にはなってたけど、まさかこの世界ではキタカミ探検隊の大声が原因で誤解が解けるとは……。

 

「とにかく、お爺さんはお面の修理をお願いします。唯一の宝物がなくなって悲しんでいるであろうオーガポンに、一刻も早くお面を返してあげたいんです」

「ああ、もちろんだ。少し待っていなさい」

「……我々も準備をしないとな。祭りはもちろん、オーガポンさまに残りの三つのお面を返さなければ」

 

 そう言って家にいた他の人達も、それぞれの持ち場に帰っていく。

 

「……やった、やったわ! みんなわかってくれたわ! ぽにこは悪くないって!」

「んだ! それに、キタカミセンターの三つのお面もみーんなオーガポンに返せる!」

「……とりあえず、一件落着って事でいいのかな?」

 

 ○

 

「ゼイユ、キュウコンの『おにび』助かるわ、ありがとう」

「べ、別にテンゴの為にやってるんじゃないんだからね! みんなの安全の為なんだから!」

 

 辺りがすっかり暗くなった頃。

 懐中電灯の灯りとキュウコンの『おにび』を頼りに、俺達はオーガポンの住処の恐れ穴に向かって歩いていた。

 恐れ穴の場所はスグリが詳しいらしい。

 なんでも、鬼さまに会いたくてよく一人で遊びにきてたんだとか……アグレッシブ過ぎないか? 

 さて、そんな俺達だが今回はたくさんのお土産を持ってやってきた。

 

「おーい! オーガポン、お面さ持ってきたべー!」

「ぽにこー! いるんでしょー! お願い、出てきてー!」

「他の三つのお面も村の人から返してもらってきたぞー! 出てきてくれー!」

 

 

「ぽに……?」

 




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