俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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最終決戦

 

 

 キタカミもちの影響で巨大化したともっこサイド三匹。

 そんな強敵達に俺達サイドも三人と一匹となって、改めて向かい合う。

 

「良いか? 奴らのタイプは、あのイヌ面が毒・格闘。サル面が毒・エスパー。トリ面が毒・フェアリーだ」

「あれが……ともっこのイイネイヌ、マシマシラ、キチキギスって訳ね」

「で、でもアイツらさっきより、わやデッカくなってねぇか?!」

「ぽ、ぽにぃ……!」

「……どうやらスパイスたっぷりのキタカミもちをバカ食いした影響で、一時的に巨大化してるみたいだ」

 

 まったく、もちにスパイス使ったらこんな影響が出るとかどうなってんだよ。

 どんなふざけた郷土料理なんだよ、キタカミもちってのは……! 

 そんな面白現象が起こるスパイスなんて、パルデアにしかない秘伝スパイスぐらいしか心当たりがないぞ。

 …………いやでも、確かゲームではキタカミの里のテラレイドバトルでも報酬で秘伝スパイスとかをゲット出来てたよな? 

 ……いよいよオーガポンと一緒にキタカミの里にきた男ってやつが、スカーレットorバイオレットブックの著者でエリアゼロ観測隊のヘザー説が濃厚な気がしてきやがった。若しくは観測隊の関係者か。

 

 いや、それより今は目の前の事だ。

 このクソ三獣士の蛮行をここで食い止めないとキタカミセンターだけじゃなく、キタカミの里の方にまで被害が拡大してしまう可能性がある。

 あれだけ世話になったゼイユやスグリの家だってあるんだ。

 それだけは、絶対に阻止しないと……! 

 

「ゼイユ・スグリ・オーガポン。とにかくアイツらを弱らせて、捕獲か戦闘不能まで持っていきたい。情けなくて申し訳ないけど改めて、俺と一緒に戦ってほしい」

「もちろんだ! おれたちで、今度こそ悪者のともっこをやっつけてやんだ!」

「ぽに! がおー!」

「とーぜんよ! キタカミ探検隊の底力をともっこ達に見せつけてあげるわ!」

「頼もしいな……。なら、キタカミ探検隊の参謀として、作戦を伝える」

「……さんぼーってなに?」

「作戦とかの計画を立てる人の事だよ。まぁ一応年長者だしな、俺」

「……さんぼー、かっこいいべ……!」

「……ふん! まぁ良いわ! で? キタカミ探検隊さんぼーさん? アイツらをボコボコにする作戦は?」

「……チームワークだ」

 

 ゼイユとスグリがズルっとずっこけた後、ジットリとした目線を向けてくる。

 いやすまん。このセリフ、ア○ンジャーズでキャ○テン・ア○リカが言ってたヤツ、一度言ってみたかったんだ。

 オーガポンだけは「ぽに?」と首を傾げている。可愛い。

 

「ま、まぁアイツらをどうにかする為の作戦会議は必要だ。と言う訳でフーディン、アイツらから隠れられて距離がとれるくらいの場所まで、テレポートを頼む」

「…………フゥー」

 

 心なしかフーディンからの視線も冷たくなったが、とりあえず作戦を立てる為に、まずはこの場を離脱した。

 

 ○

 

 数分後。

 ともっこ達をどうにかする作戦会議を終えた俺達は、またフーディンのテレポートで先程の場所近くまで戻ってきていた。

 

「何度もすまんなフーディン、いつも助かる」

「フゥー、ディン」

「じゃあ行こうか。みんな、作戦は頭に入ってるな?」

「もちろん!」「んだ!」「ぽに!」

「よし、それじゃあ行くぞ! 作戦名『各個撃破でガンガンいこうぜ!』スタートだ!」

「……ねぇ、作戦の名前……変えない?」「んだ……」「ぽに……」

 

 変えません。

 

 俺達が近くに現れた事で、イイネイヌが鼻をひくつかせる。

 イヌ面の分、鼻が利きやすいんだろうよ。

 そぉら、きたきた! 

 

「ヌンダフル!」「マシッキャー!」「キチチチチ!」

「作戦その一! 判断力を奪ってばらけさせるぞ! オドシシ『あやしいひかり』!」

「ヤバソチャ『いかりのこな』!」

「カミッチュ! イイネイヌ以外に『みずあめボム』!」

「ヌ、ヌンダフール!!」「マシー?!」「キチー?!」

 

 よしよし! 狙い通りイイネイヌ以外を足止めできた! 

 ここから一気に体力を削り切って、まずはイイネイヌを倒す! 

 

「ゼイユ、一緒に頼むぞ! スグリとオーガポンはそのまま足止め頼む!」

「了解!」「わ、わかった!」「ぽにお!」

「フーディンは『リフレクター』からの『サイコキネシス』! サイホーン『ドリルライナー』! オドシシは『さいみんじゅつ』で、イワークは『すなじごく』で足止めの援護!」

「キュウコンは『おにび』からの『かえんほうしゃ』! ヤバソチャは『たたりめ』!」

 

 これで倒れてくれたら御の字なんだけど…………クソッ削り切れない! 流石に、クソでも準伝説クラスか! 

 でも続けるしかない! 弱点は突いて攻撃は通ってるし、足止めだってちゃんと機能してる! あとはコイツが倒れるまで、ひたすら嵌め倒すだけだ!

 

 

 ……ん? なんだ? イイネイヌのヤツ、なにをニヤニヤ笑ってやがる? 

 ?! 違う! コイツは最初っから俺達なんて眼中にないんだ! 

 コイツの狙いは、自分が嵌められた振りをして無防備になった相手を後ろから攻撃する事! 嵌められたのは、俺達の方だ! 

 つまり、この状況で狙われるのは……。

 

「スグリー! 逃げろー!」

「ヌヌヌ、ヌーンダフール!!!」

 

 

 世界が、スローモーションになった様に静かになった。

 人にはデカすぎる屋台の残骸が、スグリに向かって投げられ飛んでいく。

 手を伸ばせば届きそうなのに、足が動けば助けに行けそうなのに、水の中にいるみたいに身体が動かない。

 そのままスグリに吸い込まれていくように、ゆっくりと屋台の残骸が……………………。

 

 

 

 

「ぽにおー!!!」

 

 

 

 

 スグリに当たる筈だった屋台の残骸は、オーガポンによって防がれた。

 正確にはオーガポンの着けた碧のお面が巨大化して、スグリを残骸から守ったんだ。

 すげぇ……これがオーガポンのお面によって引き出される力、お面のテラスタルか! 

 

「すごい……オーガポンありがとう! 助かった!」

「ぽにお!」

「サンキュー、オーガポン! そのままスグリの護衛も頼む! ……ん?」

 

 なんだなんだ?! オーガポンから借りて着けてるお面が熱を帯びてるぞ!? 

 驚いてお面を外してみると、いつもキラキラしているお面の宝石部分が眩いほどの強い光を放っていた。

 どうやら、ゼイユとスグリの持つお面にも同じ事が起こっているようだ……もしかして! 

 

「ゼイユ! スグリ! 説明は省く! けど、今から俺がする事と同じ事を、キュウコンとカミッチュにそれぞれ真似してやるんだ! いいな!」

「はぁ?! なに言って……」

「にーちゃん、何を……」

 

 イワークに向けて、いしずえのお面を思いっきり投げる。

 そうすると、投げられたお面はイワークに当たる事なく光となって、イワークを包んでいく。

 やっぱり、思った通りだ! 

 オーガポンが気を利かせて、俺達に貸してくれてるお面の力も引き出してくれたんだ。

 ありがたく借りさせてもらうぞ、オーガポン! 

 

「イワーク『テラスタル』!」

「えぇ!」「なんだぁ?!」「ぽにおー♪」

「……ほら! お前らも!」

「え、えっと…。キュウコン『テラスタル』!」

「カ、カミッチュ『テラスタル』!」

「ぽにぽにおー♪」

 

 よし! ここで一気に勝負を決める! 

 

「フーディン『サイコキネシス』! サイホーン『ドリルライナー』!」

「ヌンダー!?」

 

 一旦引き離してたイイネイヌを足止めしてるヤツらの方までぶっ飛ばして、再度一纏めにする。

 

「ゼイユ・スグリ! 『テラバースト』を指示しろ! 一気に決めるぞ!」

「も、もうこうなったらヤケよ! キュウコン『テラバースト』!」

「イワーク頼む! 『テラバースト』!」

「カミッチュ! テ、『テラバースト』!」

 

「ヌンダー?!」「マキャー?!」「キチー?!」

 

 よし! 大ダメージが入った! 

 仕上げはお前だ! 諸々の想い、全部丸ごと引っくるめてぶっ飛ばしてやれ! 

 

「決めてやれ、オーガポン! 『ツタこんぼう』!!」

「がおおお、ぽにおー!!!」

 

「ヌンダフォー?!」「マシキャー?!」「キチチー?!」

 

 空の彼方へとふっ飛んでいくともっこクソ三獣士。

 飛んで、飛んで、飛びに飛んで、最後はそれぞれキランと星になるほど遠くへ飛んでいった。

 

 これぞ、逆転サヨナラホームラン! 

 ……とにかくこれで、俺達の勝利だ! 

 

 




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