俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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家出テレポート最強説

 

 

 

 移動に使うテレポートは技の特性上、技を発動するポケモンかトレーナーが行った事のある場所にしか遠距離のテレポートはできない。

 そんな訳で家出して最初に選んだテレポート先は、俺が行った事のある一番遠い場所。

 まだ両親がそこまでクソじゃなかった頃にデパートに買い物にきた事がある、都会のタマムシシティだ。

 

 ……さて、別にあの家に心残りはないが、あまり感傷に浸ってもいられない。

 異変を察知したクソ親父が恥知らずにも家に戻ってきて、俺を連れ戻そうとするタケシ兄さんに年の功からくる余計な知恵を授けないとも限らない。

 ポケモン世界の法的には旅に出て問題ない年齢だから、ジュンサーさん達に無理矢理とっ捕まって連れ戻される様な事はないんだろうけど、家出してる身だから色々と説明が面倒くさい。

 

 ここからはスピード勝負を言う事で、さっさとタマムシシティのポケモンセンターに足を運ぶ。

 ここでの目的はユンゲラーをフーディンに進化させて、テレポートする為のエスパーパワーを底上げする為だ。

 と言う訳でゴーリキーを連れて歩いているトレーナーがいたので、サクッと交渉して交換に移る。

 

「フゥーディン!」「リッキー!」

 

 お互いに進化し終わったらまた交換して……ハイ、完了。

 じゃあまたね、名も知らぬトレーナーさん。

 多分、もう会う事はないんだろうけど。

 

 夕飯も食べる時間も惜しんで、ポケモンセンターの影になっているところでボールからフーディンを出す。

 

「フーディン、俺はあのクソみたいな両親の家に戻りたくない。力を貸してくれるか?」

 

 俺の言葉にコクンと頷いてくれるフーディン。

 

「なら、俺はここよりもっと遠くに行きたい。でも俺はこの街よりも遠い場所に行った事がないから、お前が前のトレーナーと行った事のある場所を、エスパーパワーで俺に見せてくれ」

 

 そう言うと、頭の中に流れてくる幾つかの脳内映像。

 ふむ……カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウか……結構、色んな地方に行ってたんだな。

 最後の脳内映像には、ヤンヤンマが飛んでいる見慣れない田園風景にお祭りの様子……いやこれ、キタカミの里やないかい! マジか! 

 

 ダウンロードコンテンツをプレイする前に死んじまってたから、この選択肢は嬉し過ぎる! 

 確か考察かなんかだと東北地方の北の地域がモデルになってた筈だから、キタカミを中継すれば北海道がモデルのシンオウ地方にも、フーディンの負担が少なく行きやすくなるかもしれない! 

 

 よし! そうと決まったら! さっそく! 

 

「フーディン! キタカミの里まで頼む!」

「フゥー!」

 

 フーディンと一緒に、グニャリと空間ごと捻じ曲がる感覚。

 そのままヒュンッと飛ぶ様な感覚の後、ズシリと感じる重力。

 

 周りを見渡すと、殆ど街灯のない田園風景に、スッカスカの時刻表! 

 間違いない! キタカミの里だ! 

 You○ubeの実況プレイ動画で観たからね! 知ってますとも!! 

 

 くっそー! せめて、自分でプレイしてから死にたかった! 

 

 ……いや、切り替えて行こう。

 まずは、長距離テレポートしてくれたフーディンを、ボールで休ませないと。

 

「ありがとうフーディン。ゆっくり休んで」

 

 ボールから出る赤い光と共にフーディンがボールに戻っていく。

 さて、問題はここからどうするか……。

 

 無難にテントを張って朝を迎えると言う選択肢もあるけど、時間的にはまだ晩ごはんの時間帯。

 なら、挑戦あるのみでしょ……名付けて「田舎に泊まりましょう」! 

 善は急げ、レッツゴー! 

 

 ○

 

「ごめんねぇー、ウチは今日私達の食べる分しか作ってないのよ〜」

「いえいえ! こちらこそ、夜分遅くに失礼しました」

 

 うーん、これで三件目……中々難しいな〜。

 一応まだ子供の顔だし、よほどブサイクって訳でもないし、イけると思ったんだけどなー。

 時間的に、次ダメだったら野宿するかー。

 

「ごめんくださーい! どなたかいらっしゃいませんかー?」

 

 さて、どうだ? 

 

「はいはーい、どちら様ですかな?」

「夜分遅くに申し訳ありません。私、テンゴと申します。ポケモントレーナーとして旅をしている者でして……」

「おやおや、こんな田舎まで大変だったでしょう。特にこの辺りはポケモンセンターもありませんし……」

「ええ……それでですね、ポケモン達を休ませる為にも、どこか一泊させてもらえるところを探していまして……」

「なんと、そうでしたか! ふむふむ、若いのにしっかりしていらっしゃる。うーむ……ウチで良ければ泊まっていかれませんか? 大したおもてなしは出来ませんが……」

「! 良いんですか!? とても助かります!」

 

 よっし! ミッションコンプリート! 

 飯付き宿屋、ゲットだぜ! 

 

「あー! よそ者が村にいるー!」

 

 ………………あ? 

 

「こら! ゼイユ! お客様に失礼であろうが!」

「じーちゃん! だって、よそ者がスイリョクタウンにいるんだもん!」

 

 え? なに? このガキンチョが碧の仮面に出てきたゼイユ?! ちっちゃ! 

 

「ウチに泊まる気なら、あたしとポケモン勝負しなきゃダメー!」

「……気を悪くされたら、申し訳ありません。すぐにこの子には言って聞かせるので……」

「いや、良いですよ? ポケモン勝負」

「! げんちとったからね! お庭で待ってるから、早くきなさいよー!」

「あの、本当に申し訳ない……ゼイユに付き合ってもらって、よろしいのですか?」

「ええ、もちろんです! それに、ポケモントレーナーとしてバトルを申し込まれたなら、受けて立つのが礼儀と言うものです。じゃあ、バトルにお庭を借りさせていただきますね」

 

 

 ……さーて、生意気なロリっ子を分からせてやるとしますか。

 

 




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