俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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6vs2・2・2

 

 

「生憎だが、俺は三人と連続でフルバトルできるほどのポケモンを持っていなし、何より強い相手としかバトルする気はない。時間の無駄だ」

「ああ、違う違う。俺達は三人でひとチーム。だから、6vs2・2・2って感じかな?」

「……ふざけているのか?」

「……生憎と、超絶大真面目に言ってる」

 

 眼光鋭くツカツカと詰め寄ってくるシンジ君。

 あ、怖い。めっちゃ怖い。

 腕っぷしに自信なんてないし荒事の経験なんてないから、この地獄みたいな空気を俺の言葉だけでどうにかしないといけない。

 そして、前世の記憶で彼の抱えるものを一方的に知ってる身としては、どーしてもここで引く訳にはいかない。

 そうじゃないと、後でゲットするヒコザルが虐待ルート一直線になってしまう……!

 

 回れ、そして頑張れ、俺の二枚舌……! 

 

「なぁシンジ。お前今、なんか焦ってるんだろ?」

「……! 何を根拠に……!」

「分かるよ、だってポケモントレーナーだもん。バトルすれば、お互いの事くらいね」

 

 分かりません、普通に嘘です。

 前世の曖昧なアニメ知識です。

 

「シンジは俺とのフルバトルをお望みみたいだけど、多分それじゃあシンジの求めるものは出てこないよ。普通にどっちが強い弱いの白黒がついて、それでお終い」

「俺の求めるものは『強さ』だ! それで答えが出るなら……」

「じゃあまた、強いオーガポンと戦えばよかったんじゃない? 勝つまでさ」

「それは……………………」

「……たまにはさ、アプローチを変えて見るのも悪くないと思うけど? 案外、それまで見えてなかったモノ、見ようとしてこなかったモノが見えてきたりね」

 

 見えないモノを見ようとするなら、望遠鏡でも覗き込んでおけば良いと思います。

 

「見えてなかったモノ、見ようとしてこなかったモノか………………お前の連れのあの二人は、どれくらい強い?」

「うーん……具体的には、俺と本気のフルバトルして1対0で負けるくらいには強いかな?」

 

 嘘は言ってない。嘘は。

 

「………………いいだろう。その口車に乗ってやる」

 

 おおー! YES! やったぜ! 

 シンジ君の説得に成功したぜ! 

 ぶっちゃけフルバトルって、長いし疲れるんだよね〜。

 これでこっちの疲労は三分割! 

 と、言う訳でさっそく………………。

 

 ○

 

「これより、シンジ対テンゴ・ゼイユ・スグリによる変則バトルを始めます! 使用ポケモンは合計6体、相手の全てのポケモンを戦闘不能にした方が勝ち! なお、勝ち抜き戦とし交代は禁止ですが、技による交代は認めます! そしてテンゴ・ゼイユ・スグリチームは、一人2体ずつポケモンを選出する事とします!」

 

 再度レイジさんに審判をお願いして、もう一度シンジ君と向き合う。

 

 本当ならシンジ君の抱えるものは、これからの旅でサトシ君達とかと交流して行く事でゆっくりと解決していく物の筈だ……この世界にいるか分からないけど。

 でも、俺の目の前に現れてしまったのなら、できるだけ目の前の俺が力になってあげたい。

 

 うん、やはりただの自己満足ですね。

 

 まぁ後の理由は、ただ「ぬるいな」とか「使えないな」とか人やポケモンに言ってるシンジ君をこの先あんまり見たくないって言う……俺の我儘的な? 

 俺は別にファンとして原作を守ろうなんて硬い意志はぶっちゃけない。

 何故なら俺は、硬くなくていーわな男だから。

 

「ゼイユ、一番手を頼めるか?」

「もっちろん! 強くなったあたし達の力、見せつけてあげるわ!」

 

 ゼイユは自信満々にそう言うと、一歩前にでる。

 俺とスグリは逆に、一歩下がる。

 オーガポンは俺達の後ろで、ぽにぽに言いながらバトルを応援してくれている。可愛い。

 

「それでは、両者ポケモンを!」

 

「ハリテヤマ、バトルスタンバイ!」

「行きなさい、ミロカロス!」

 

 お、最初のマッチアップは水タイプvs格闘タイプか……。

 さて、どうなっていくかな……? 

 

「ふん、一気に決めてやる……! ハリテヤマ! 『はらだいこ』!」

 

 おお、シンジ君が最大体力の半分を消費して、攻撃ランクを一気に最大まで上げる『はらだいこ』をキメてきた……! 

 シンジ君、これは本気だ……! 

 

「ミロカロス! 『ドラゴンテール』!」

「なんだと?!」

「ねーちゃんナイス!」

「うそぉ!」

 

 うわ、えぐ! マジか! 

『ドラゴンテール』の効果で、強制的に交代させられるハリテヤマ。

 ちなみに、戦闘中に上がったり下がったりする能力ランクは『バトンタッチ』なんかの例外を除いて、交代すると初期化されてしまう。

 つまり今の状況は、ハリテヤマは体力を半分に減ってしまった状態で何も出来ずに強制的に交代されられた事になる。

 また、強制的に交代されられると言う事は、次のポケモンが強制的にランダム選出でフィールドに出てくる事だ。

 

 出てきたのはヤミカラスだった。

 多分アニメ版でドンカラスに進化する個体だな……。

 

「チッ! 『つばめがえし』だ!」

「迎え撃って! 『れいとうビーム』!」

 

『つばめがえし』で攻撃しようと近づいてきたヤミカラスを、ミロカロスが『れいとうビーム』で迎撃し撃ち落とした。

『つばめがえし』は必ず相手に当たる物理技ではあるが、逆に言えば必ず相手に当たりに来てくれる物理技でもある。

 おまけに飛行タイプを持つヤミカラスに、氷タイプ技の『れいとうビーム』は効果抜群だ。

 

「ヤミカラス、戦闘不能! ミロカロスの勝ち!」

 

 シンジ君がヤミカラスをボールに戻す。

 本来の辛辣なシンジ君なら、たいして活躍できなかったポケモンのヤミカラスに対して「使えないな」と言う暴言を吐く場面だが、そんな様子は見られない。

 きっと、さっきの俺の口八丁でそれっぽく言った言葉が効いているんだろう。

 

「マリルリ、バトルスタンバイ!」

 

 シンジ君の二番手は水・フェアリータイプのマリルリだ。

 ハリテヤマの事があったからか、今度のシンジ君は慎重にゼイユの出方を見ている。

 睨み合う両者、ゼイユを応援するスグリ、それを応援するオーガポン。

 

 さぁ、まだまだ勝負はこれからだ。

 




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