俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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一時帰宅に向けて

 

 

 オモダカさんの提案によって、アカデミー入学の同意をクソ両親に得る為に一度クソ実家に戻る事になった。

 ……正直、不安しかない。

 あそこまでお互い好き勝手やってた自己中心人間達が、自分達の思い通りにならなかった息子の事をすんなり容認するとは思えない。

 そもそも家に帰って来ているかも分からないし、怪しいところだ。

 ……まぁ、その場合はニビシティの近くで今もウジウジしているであろうクソ親父をぶん殴って引っ張ってくるだけだけど。

 いや、フーディンの『サイコキネシス』の方が確実か……。

 

「と言う訳で急な話なんだけど……みんなはどうしたい?」

 

 俺の都合に巻き込んで本当に申し訳ないけど、このままだと俺とオモダカさんは、一度カントーのニビシティに行く事になってしまう。

 尚且つ、ゼイユとスグリは俺がアカデミーに入学する選択をして保護者役がいなくなってしまった場合、キタカミの里に戻らなければいけなくなってしまう。

 情け無い事に俺の方から一緒に旅がしたいって頼んだ身なのに本当に申し訳ないが、二人のお爺さんお婆さんから保護者役として二人とオーガポンを託された身としては、いい加減な対応はしたくない。

 まぁシンジは一度カントー地方に行った事あるらしいから、目新しい物もなくて退屈だろうけど……。

 

 ちびっ子二人が沈んだ表情になる中、シンジが口を開いた。

 

「仮にですがオモダカさん、今の時期は特待生でなくても、アカデミーに入学は可能ですか?」

「……えぇ、可能です。我がグレープアカデミーでは老若男女あらゆる方を受け入れているので、入学に年齢制限などもありませんよ」

 

 そう言いながら、カバンからアカデミーのパンフレットを、四人分手渡してくる。

 

「……スグリ、今すぐにでもキタカミに帰るわよ」

「……うん、ねーちゃん」

「「アカデミーに通う為に、じーちゃん達を説得しないと!!」」

「……マジかよ」

 

 いや旅とかブルーベリー学園は?! 

 あーいや、そもそも二人が俺とキタカミを出たり、シンジが一緒だったりと、原作なんてあってない様なものだったわ。

 

「……二人とも、良いのか? 旅の事はともかく、通う場所の事を簡単に決めちゃって……」

「えへへ……実は、にーちゃんと一緒にいたい口実? みたいな感じだったし……」

「未来のお嫁さんが未来の旦那さんの側にいるのは当然でしょ? 『あんたから離れたくない!』って、あたし言ったじゃない」

 

 いや、君たち怖いもん無しか! 

 

「……シンジもアカデミーに入るつもり?」

「ああ、これまでの俺は旅によって自分の求める強さを目指していた。だが、このアカデミーに入る事で新たな自分だけの強さを見つけて、さらにそれに近づけるかもしれない」

「……話はまとまった様ですね」

 

 オモダカさんはスッと姿勢を正す。

 

「皆さんはどうやってこちらに?」

「ああ、俺のフーディンの長距離テレポートで……でもトバリシティ、キタカミの里、ニビシティってなると、フーディンの負担があまりにも……」

「俺は徒歩で構わない。道中で新しいポケモンもゲットしておきたいしな」

「ふむ、私のポケモンにエスパータイプが何匹がいます。この仔達にエスパーパワーを分けてもらえば、充分テレポートは可能かと」

 

 

「じゃあみんな、短い別れになる事を祈って! 解散!」

 

 

 ◯

 

 そこから俺・ゼイユ・スグリ・オモダカさんの四人は、キタカミの里にシンオウ地方から長距離テレポートした。

 突然帰ってきた俺達にお爺さんとお婆さんは驚いた様子だったが、事情を説明すると納得してくれた。

 

 フーディンを休ませている間驚いたのは、オモダカさんの営業トーク術だ。

 初対面にも関わらずお爺さんとお婆さんに好印象を持たれて、最終的にアカデミーへの入学についても前向きな返事をもらっていた。

 ゲームでもこれで、ポピーちゃんの親御さんに四天王就任の許可とかもらってたんだろうな〜。

 

 そんな事を思いながら過ごしていると時間的にも遅い時間になってきたので、今日はこの家でまたお世話になる事になった。

 ただ、勝手知ったるこの家でまた過ごせる事が素直に嬉しい。

 どうやら俺は、本当にこの家を実家の様に感じてるみたいだ。

 

 久しぶりのお婆さんのごはんを食べて、スグリと風呂に入ってあったまった。

 さすがにもう、ゼイユと一緒に入るのはやめておいた。

 何と言うかその……健全な青少年の育成の為に。

 そして湯上がりのオモダカさんは……とてもよかった。

 

 そして寝る時間になると、お馴染みのポジションで布団に入った。

 寝相の良いスグリ、ダイナミックなオーガポン、そして……。

 

「アタシダッテ、セイチョウスレバアレクライ……」

 

 うん、いつも通りのゼイユ。

 さすがに何か可哀想だったのでスグリ側の手が空いた隙に、空いてる手で頭を寝るまですいてあげた。

 

「……お嫁さんになれるまで、ちゃんとまってるから」

 

 

 供給されたエスパーパワーのおかげか差し入れのキタカミ餅のおかげか、フーディンはすっかり元気になっていた。

 

「じゃあゼイユ・スグリ、またアカデミーで!」

「……テンゴ、ちょっとかがんで」

「ん? どうしたゼイユ」

 

 チュッ

 

「……へ?」

「えへへ、いってらっしゃい……あなた」

「……ああ、ゼイユ、いってきます」

 

 

 そうして、オモダカさんと一緒にフーディンの元へ向かう俺達。

 オモダカさん、お願いだからクスクス笑うのやめてください! 

 こっちは顔から火が出そうなくらい恥ずかしいんだから! 

 

 あーもう! ゼイユめ! 大人になったら覚えとけよ!! 

 

 




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