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まったく、ゼイユのやつめ……日に日に破壊力が増している気がするぞ。
まったく……これからクソ両親に会わないといけないってのに、顔が熱いままだ。
本当、向こうはどこまで本気でいてくれるのやら……。
「ふふ、ずいぶんと可愛らしいフィアンセがいらっしゃるのですね」
「まぁそうなんですかね……向こうは大人になったらプロポーズしてくれるみたいですけど」
「おや、それは素晴らしい……テンゴさんからのプロポーズのご予定はないのですか?」
「うーん。何しろ、まだまだ子供ですからね。それ以外の事で手いっぱいですよ」
実際、これからクソ親とのアカデミーの話し合いとか色々あるし。
時刻は大体、朝食の時間を過ぎて少したった時間体。
キタカミの里からフーディンの長距離テレポートによって実家であるニビジム前へと、オモダカさんと帰ってきた。
「いつもありがとうフーディン。あとでまた一仕事あるかもしれないけど、あと少しだけよろしく頼む」
そう言ってフーディンをボールに戻す。
さて、本当に久しぶりの実家だ。
……こう言う時って、普通に「ただいまー」で良いのか?
「テ、テンゴ……か?」
「あ、タケシ……兄さん」
振り返ると、そこには驚愕の表情を浮かべるタケシ兄さんがいた。
多分、朝の鍛錬か何かから帰ってきたんだろう。
「……ただいま。お恥ずかしながら、勝手に帰ってきちゃいました」
「テンゴ……テンゴォ!」
正直、一発くらいぶん殴られる覚悟でいた。
でも、タケシ兄さんは泣きながら俺を抱きしめてくれた。
「すまない……本当にすまないテンゴ! 俺が、もっとしっかりしていなかったばっかりに、お前を家出なんてさせてしまった……! ごめん、ダメな兄さんで本当にごめんよ!」
「……謝らないでくれよ、一番頑張ってたのはタケシ兄さんだろ? ジムリーダーやりながら、俺達下の弟妹達の面倒も見てくれてさ。タケシ兄さんがいなかったら、俺達きっと生きていけなかったよ。今まで本当にありがとう。あと、急に家出して、心配かけてごめんなさい」
ああ、くそ。
泣かないつもりだったのに、タケシ兄さんのせいでもらい泣きしちまうじゃねえかよ……。
「はじめまして、カントー地方ニビジムのジムリーダーのタケシさん。私、パルデア地方でトップチャンピオンを務めてさせていただいているオモダカと申します」
「パルデア地方のトップチャンピオン?!」
玄関先で一通りのやり取りが済んだ後、俺はタケシ兄さんにオモダカさんを紹介した。
さすがに女性に弱いタケシ兄さんも内容と状況的に、オモダカさんにアプローチを仕掛ける様な事はなかった。
そして今後の俺の希望……アカデミーへの入学についても話したところ、理解をしてくれた。
ただ、その為にはクソ両親……最低でも片方の親の同意が必要だと言う話もした。
どうやら俺が家出してからもサトシ君はニビジムには来ていない為、タケシ兄さんが旅立つ流れにはなっていないらしい。
つまりは、その期間両親は一度たりとも家に帰っていないと言う事になる。
いや、なんて言うか……親としてどうなんだ?
一人はジムリーダーとして働ける子供がいたとしても、俺を入れて十人の子供達を放っておいて旅に出るって頭沸いてんのか?
子供作ったら、後は自分らで勝手に育てってか?
………………ふざけんじゃねぇぞ。
クソ両親への苛つきにいよいよ我慢が出来なくなった俺は、手始めにクソ親父から確保する事にした。
「フーディン『サイコキネシス』」
「ぬわ! な、なんだ!」
アニメ版の知識を利用して、ニビシティの外れで石売りの真似事をしていたクソ親父を、フーディンの『サイコキネシス』で家まで強制連行する。
「や、やめろテンゴ! 俺は……」
「うるせぇよ。ただでさえクソでウチの恥なのに、これ以上恥ずかしい真似を晒してんじゃねぇよクソ親父」
その後はワーワーギャーギャー喚くクソ親父を、とりあえず家の中のテーブルの前まで移動させてから『サイコキネシス』を解く。
ちなみに下の弟妹達は、話が片付くまでジムスペースの方で俺のポケモン達と遊ばせている。
「はじめまして、ムノーさん。私、パルデア地方でトップチャンピオンを務めてさせていただいているオモダカと申します。本日はテンゴさんを、我がアカデミーの特待生としてスカウトに参りました」
「パルデア地方のトップチャンピオン?! アカデミー?! スカウト?!」
そこからはオモダカさんの営業トークが炸裂した。
パルデア地方の事、アカデミーの事、特待生としてスカウトした経緯、そして最後に、入学には親の同意が必要である事などを分かりやすく説明してくれた。
「……ダメだダメだ! 勝手に家出した上に、海外のアカデミーにいきたいだと?! そんな事、許す筈ないだろう!」
散々勝手してきたお前が言うな。
「……そうですか、それでは仕方ありませんね」
反論するでもなく、オモダカさんはにっこりと笑みを浮かべている。
何故だろう、すごく綺麗な笑顔の筈なのにすごく怖い……!
「では、私はこの辺りで失礼します。カントーのポケモンリーグにもよってみたくなりましたので」
「ポ、ポケモンリーグにですか?」
「えぇ、我がパルデアのポケモンリーグではジムリーダーの私生活を保障するのも、大切な事だと考えておりまして……カントーのリーグ委員長にニビジムの現状について、ご意見を伺ってみたくなったのです。私、パルデアのリーグ委員長も兼任しておりますので」
クソ親父の顔色が悪くなったのが分かった。
さすがのクソ親父も、今のニビジムの現状をそのまま伝えられるのはまずいと思ったらしい。
「わ、分かった! 分かりました!」
「分かった……とは?」
「テンゴのアカデミーへの入学を認める! だから、この事はリーグには……」
「それはそれは……理解ある判断を嬉しく思います。ではこちらの書類に目を通してから、サインをお願いします」
オモダカさんがカバンから取り出した書類に、クソ親父はすごい勢いでサインをした。
「さて、用事は済みましたのでお暇しますね。ムノーさん、お時間をありがとうございました」
そう言って足早に立ち去るオモダカさん。
一方、俺は遊ばせていたポケモン達を回収してから、今一度クソ親父に向き直る。
そして思いっきり、顔面に一発入れてやった。
「タケシ兄さんはやらなそうだから、俺がやっといた。今度家族を蔑ろにしてみろ。こんなもんじゃ済まさないからな、クソ親父。クソお袋にもお前から話しておけよ」
最後に、タケシ兄さんに向き直る。
「色々迷惑かけてごめん。俺はパルデアに行くけど、今度はちゃんとマメに連絡する様にするよ」
「……ああ、気をつけて。いってらっしゃい、テンゴ」
「! ああっ! いってきます!」
そう言って、俺はオモダカさんを追いかけた。
これが俺達がパルデアで再会する、数ヶ月前の出来事だ。
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