俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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vsコルサ

 

 

「実に芸術的なバトルであった!」

 

 パチパチパチと拍手をしながら現れたのは、ボウルタウンジムリーダーのコルサさんだった。

 ……え、コルサさん?! いきなり?! 

 

「チャンピオンランクのネモに勝利する実力もさる事ながら、先程の摩訶不思議なイワークとのコンビネーション! 実にアヴァンギャルド!」

 

 ……えーと、これ褒められてるって認識で大丈夫だよね? 

 前世では勉強はダメダメだったけど、英語は特にダメダメだったからなぁ。

「アヴァンギャルド」の意味が未だにわからん。そもそも英語で合ってる? 

 

「そして、そこの審判の少年。貴様からも感じるぞ、並々ならぬアヴァンギャルドを! その顔付き、その佇まい、並のトレーナーではあるまい?! 貴様も、ジムチャレンジャーだな?」

「はい、シンジと言います。この後、受付をしてジムテストを……」

「その必要はない!」

 

 コルサさんは目をカッと開くと、両手を広げて天を仰いだ。

 

「ああ、今日と言う日はなんて素晴らしい日なんだ! いるかどうかなど私の知った事ではないが、芸術の神に感謝したいくらいだ! これほどまでに芸術的な素材が同時に現れるとは! 変則的ではあるが、チャンピオンネモとのバトルの結果をもってジムテストはクリアとする! 今すぐポケモンを回復させてこい! 本気の私達で、最高の合作アートを創るのだ!!」

 

 ◯

 

「これより、ジムリーダーコルサとチャレンジャーテンゴ・シンジによるジム戦を始めます! 使用ポケモンは六対六のダブルバトル! なお、チャレンジャーは三体ずつの選出とし、交代はチャレンジャーのみ認めます」

 

「……テンゴはともかく、俺は良いのか?」

「ジムリーダーが良いって言ってるんだから良いんじゃない? 一応、ジムテストのバトルには審判の形とは言え関わったんだし」

「何をぶつくさ言っているか! 芸術とは破壊と創造! 養分にならぬよう足掻くことだ!」

「シンジー! テンゴー! 頑張れー!」

 

 ネモも応援してくれている。

 ……かっこ悪いところは、見せられないなっ! 

 

 

「……それでは、両者ポケモンを出して下さい!」

 

 

「ゆけ! ドレディア達!」

「でぃでぃ……!」

「れでぃあ……!」

 

 ヒスイドレディア&ドレディアだと?! 

 なんだこの夢の共演は?! 

 

「グライオン! バトルスタンバイ!」

 

 おっと、いかんいかん。

 バトルに集中しないと。

 

「頼むぞ、バサギリ!」

「……テンゴ、作戦を伝えておく」

「ん? 作戦?」

「『好きにやる』それだけだ」

「……良いね、俺らに似合ってる」

 

 なんて言うか、シンジもこう言う事言ってくれる様になったんだなぁ。

 アニメ版のシンジとえらい違いだ。

 

「あと、シンジ。足の長い方のドレディアは格闘タイプ入ってるから、気をつけて」

「……ああ、わかった」

 

 ほら、こんな風にアドバイス聞いてくれたりするし。

 

「では、バトル開始!」

 

「いくぞ! ヒスイドレディア『しょうりのまい』! ドレディア『ちょうのまい』!」

 

 いや、マジか! 

 

『しょうりのまい』は舞を激しく踊って攻撃と防御と素早さを上げる技。

『ちょうのまい』は舞を軽やかに踊って特攻と特防と素早さを上げる技だ。

 コイツら、物理と特殊で完全に役割分担してる! おまけに素早さまで上がってるし! 

 

「……グライオン! 『おいかぜ』からドレディアに『ダブルウイング』だ!」

「! バサギリ! グライオンに続け! ドレディアに『シザークロス』!」

 

『おいかぜ』に乗ってこっちのポケモンの素早さが二段階上がって、素早さでは向こうにも負けないレベルになった。

 さらにこの攻撃が入れば、効果抜群の技を二発くらってドレディアはダウンする筈だ! 

 

「ドレディア達よ! それぞれ『はなふぶき』で敵の目を眩ませるのだ!」

 

 二体のドレディアが巻き起こす『はなふぶき』で、こちらの視界が完全に遮られる。

 流石ジムリーダー、技の使い方が絶妙だ。

 だが、それならこっちだって負けてない。

 

「グライオン!」「バサギリ!」

「「『つばめがえし』!」!」

 

『つばめがえし』は必ず当たる技だ。

 いくら目眩ししようが関係ない! 

 草タイプに飛行タイプの技は、効果抜群だ! 

 

「ドレディア、戦闘不能!」

 

 二匹による『つばめがえし』を当てた事で、ドレディアを無事に倒す事が出来た。

 まずは一勝だ。

 

「ふ、中々やるではないか。では次はどうかな? キノガッサ!」

 

 げぇ! キノガッサ! 

 まずいって。眠らせてくる『きのこのほうし』とかの対策とかしてないって……! 

 

「……はぁ。戻れ、グライオン」

 

 ん? 飛行タイプを持ってて有利な筈のグライオンを、このタイミングで戻した? 

 

「エレキブル、バトルスタンバイ!」

 

 あ…………うおおおおお!!! シンジ君のエレキブルだ!!! 

 アニメ版を観ていたファンとしてはたまらないよ、これは! すげー! 本物だー! 

 

「……俺のエレキブルがどうかしたか?」

「あ、ごめん。エレキブルかっこいいなーって思って……」

「おい、バトル中だぞ。集中しろ!」

 

 いや、マジで本当にごめん。

 だけどファンにはマジでたまらないんだって!! 

 

「バトル再開!」

 

「エレキブル! 『エレキフィールド』!」

「ほう、そうくるか」

「……へ?」

 

『エレキフィールド』が発動している間、電気タイプの技の威力が上がる。

 そして『エレキフィールド』の影響を受けてるポケモンは、ねむり状態やねむけ状態にならない。

 つまり、キノガッサの『きのこのほうし』の効果を受けない! 

 

「これなら草タイプにはタイプ相性的に半減のエレキブルの電気技も、多少は通る様になる。それに、どこかの誰かさんは『きのこのほうし』や『ねむりごな』などの対策なんてしていないと思ったからな」

 

 シンジ……いや、シンジさま!! 

 

「ありがとうシンジ! マジで愛してる!」

「……おい、妙な寒気を感じたから今すぐやめろ。万が一ゼイユに聞かれたら、何が起こるかわからないぞ」

 

 そ、それは確かに……。

 でも、ゼイユはスパイス探してるみたいだし、大丈夫でしょ! 

 

 

 よーし! 『きのこのほうし』も怖くなくなったし、こっからガンガン攻めていくぞー! 

 




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