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四樹(しき)さん、ストーリー作成協力ありがとうございました! ID:440268
『守りきれませんでした……そろそろボスの出番です!』
超巨大な改造車『スターモービル』に乗って、お目当てのメロコが現れた。
メロコは『スターモービル』の台の上から、俺達に睨みをきかせている。
おそらく、団ラッシュのスグリの無双っぷりに警戒度を高めているんだろう。
「……テメーか、オレらにケンカ売ってんのは」
「違う! おれは、あんたにこの人達と話してほしくて……!」
スグリは必死にボタンとボウジロウをメロコに引き合わせようと必死に言葉を尽くしているが、メロコの反応は芳しくない。
「細けぇ事はどうでもいい、ケンカ売られたら買う……それだけの話だ」
取り付く島もないとはこの事か。
そちらには話し合うつもりはないと……ならば、こちらにも考えがある。
「スグリ、こう言う状況の時に打ってつけの言葉がある事を知ってるか?」
「え? うーん……『実力行使』とか『力こそパワー』みたいな?」
「何で全部パワーで解決する系なんだよ……この場合は『論より証拠』だな。頼むフーディン、出てこい!」
「『論より証拠』? にーちゃん、フーディンで何する気?」
「こうするのさ! フーディン! あのデカブツの上にいる女の子のところまで、テレポート頼む!」
毎度テレポートでお馴染みのフーディンに、またテレポートをお願いする。
すぐさま意図を理解してくれたフーディンが、テレポートで俺達をメロコの元まで送り届けてくれる。
本当に、いつもありがとうな、フーディン。
「爆ぜろや……うわ! な、なんだテメーらは!?」
「ボウ! ボウボウ!」
「カルボウ? いや、お前は……ボウジロウか! お前どうしてここに?! ……おい! てか狭いんだよ!」
「ミスった! ここ意外と狭いんだな! 全員でテレポートするんじゃなかった! すまんフーディン、一旦ボールに戻ってくれ!」
いや、それでもマジでキッツい! いけるかと思ったんだけど、ぜんぜん余裕無いわ!
「ちょっ、にーちゃん何してんの?! あ、ボタンさん足元危ない!」
「へ? うわ! うわわわわ!」
急なテレポートに驚いたのか、ボタンはバランスを崩してしまい、今にもスターモービルの台の上から足を踏み外しそうになっている。
「ボタン!」「ボタンさん!」「ちぃ!」「ボウ!」
俺とスグリ、そしてメロコとボウジロウがみんな一斉に手を伸ばして、ボタンの身体を支えた。
「あ、ありがとうみんな……ボウジロウも、メロちゃんも……」
「ああ………………待て、『メロちゃん』だと?」
「あ、いきなりごめん! ……えーと……その……」
何だ? メロコの様子が……。
「テメー………………もしかして、マジボスなのか?」
「……えぇっ!? な、なんで急に!? うち、まだ何も……」
「うるせえ! オレをそうやって呼ぶのはビワ姉以外にマジボスしかいねえんだよ!!」
そう言ってすぐさまスマホロトムを呼び出したメロコは、他のボスに向けてグループ通話を繋げた。
《もしもし、こちらチーム・セギンのピーニャです。メロコ、どうした?》
《こちら、チーム・シーのシュウメイでござる。メロコ殿がグループ通話とは珍しい……》
《オレ、今からピアノの時間なんだけど? 何? 何かあったの?》
《メロちゃん大丈夫?! もし何かあったなら、私、すぐに助けに行くからね!》
《いいかテメーら、空飛ぶタクシーでも何でも使って、今すぐチーム・シェダルのアジトにきやがれ! マジボスが……帰ってきたぞ!!!》
その後、チーム・シェダルのアジトにそれぞれのボスが全員集合していた。
「マジボスちゃん! やっと会えたね、すっごく心配してたんだよ!」
「……ビワ姉」
「えーと、本名ボタンだっけ? ……元気にしてたの?」
「……オルくん」
「初めて見るマジボス……いや、ボタン殿のご尊顔。誠に眼福でござるな」
「……シュウメイ」
「まったく、カチコミがあったと思ったらボウジロウも連れてきて……とんだ初めましてだぜ」
「……メロちゃん」
「まぁとりあえず……久しぶりだな、マジボス!」
「……ピーちゃん」
「よし! じゃあ、せーので……」
「「「「「お疲れさまでスター!」」」」」
「お、お疲れさまでスター!」
◯
無事に感動? の再会を果たしたスター団のボスの面々。
今はチーム・シェダルのアジトの一角の居住スペースに各々座って、ボタンを中心に和気藹々と話し込んでいる。
まぁ一年以上も離ればなれになっていたんだから、当然か。
ゲームでは、リアルで話すのは苦手だと言っていたボタンだけど今はそんなの関係なく、本当に楽しそうに話している。
ちなみに、俺やスグリはお邪魔だろうからこっそりとタイミングを見つけておつかれさまでスターしようとしていたら、きっかけをくれた貴方達もぜひ! とボスの皆さん達から、アジトの中に招かれてしまった。
今は俺とスグリもボタンを中心とした輪の中に入れてもらっている。
ゲームではボス達との交流よりゲーム主人公やペパーやネモとの交流がフォーカスされていた印象があったから、こんな風にボタンとスター団のボス達で楽しそうに話しているのを見るのは、けっこう涙腺にくるものがあるな……。
スグリの方は嬉しい気持ちの方が勝っているのか、ニコニコと満面の笑みを浮かべている。
「それでね……うち、スター団はやっぱり……解散した方が良いと思うん」
ボタンがゆっくりと、口を開いた。
当然、他のボス達は解散なんて嫌だと言う。
せっかくマジボスが帰ってきたのに……スター団は自分達の宝物なのに……と。
でも……とボタンは続ける。
周囲に迷惑をかけている今のスター団に解散要望が出ていると言う現状、解散しなければボスのみんなが退学になってしまうと言う現実。
それらを踏まえて、これ以上自分達のスター団が周囲に悪い影響を与えない為にも解散した方が良いと言うボタンの言葉に、みんな黙っている事しかできなかった……約一名を除いて。
「そんなの、おかしいべ!!」
立ち上がって声を上げたのはスグリだった。
硬く握った拳を震わせ、声を震わせ、それでもボタンの方を真っ直ぐに見ている。
「……おかしくない、これが最善。みんなに迷惑をかける様な悪い組織は……なくなって当然だし……」
「おれの知ってるスター団は、そんな悪い組織じゃない!」
「っ! あなたが……スター団の何を知ってるの?!」
「知ってる! ここに来る前、ボタンさんが教えてくれた! 仲間の為に一人一人力を合わせてイジメに立ち向かった、すごいかっこいい人達だって! 悪い組織なんかじゃない!」
「で、でも! みんなに迷惑をかけるスター団を解散しないと、校長からの勧告でみんなが退学に……!」
「なら、おれが校長に直接言ってきてやる! ボタンさんが作った本当のスター団は、そんなんじゃないって! アカデミーのみんなにもだ!」
スグリがそのまま走ってアジトから出て行こうとしたから、慌てて腕を掴んでその場に引き留める。
スグリ……お前、そこまでボタンって言うか、スター団の事を思ってたのか……。
「にーちゃん! 離してくれ! おれ、今すぐ校長先生の所さ行かねぇと!!」
「落ち着けスグリ! 仮に校長先生に言いに行っても、そもそも信じてもらえるか……」
「ぽにおー!!」
「え? 何だこのポケモン! 初めて見たぞ!」
「お面着けてるの? 可愛いー!」
「ふーん……ま、オレには負けるけどな」
なんだぁ?! スグリにつられて、オーガポンまで出てきた?!
でも……そうか、オーガポンか……。
「スグリお前……今回のスター団に起こった事とオーガポンに起こった事、ちょっと重ねてるな?」
「っ!」
「オーガポン? それって、この仔の名前?」
「お面に結晶をあしらった前衛的なデザイン……ビューティフォーでござる」
辛そうな表情を滲ませるスグリ……どうやら、図星みたいだな。
「……その仔、オーガポンに起こった事って……?」
ボタンがオーガポンについて聞いてきたから、オーガポンが誤解を受けて悪者にされて、本当に悪いポケモンが長いことスグリの村で祀られていた事をかいつまんで説明してやる。
そして、スグリはとても優しい子だ。
きっと、オーガポンと同じ様に誤解されたまま周りにどうにかされてしまうボタン達の状況を、見過ごす事なんてできなかったんだろう。
「ただなぁスグリ。今のお前のやろうとしてる事は、唯一オーガポンの真実を知っていたお前のご先祖様と一緒だ。周りから異端扱いされて、下手すりゃ今度はお前が迫害される事になるぞ」
「でも……でも! ボタンさんがおれの宝な様に、スター団だっておれの宝だ! かっこいいスター団が悪い組織だなんて誤解されたまま、解散なんてしてほしくない!!」
「……それは俺も同じ想いだ。暴走だの好き勝手やってる馬鹿共はともかく、本来のスター団の事はみんなに知ってもらうべきだ」
……ん? ならもういっそ、そうしちゃえば良くね?
「なぁボタン、それにボスのみんな。手遅れだとか取り返しのつかない様な事って色々あると思うけど、それって別に今じゃないよな? ……本当のスター団の姿、今からでも他の奴らに見せ付けてやらないか?」
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