俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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ついに50話に到達する事ができました!

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四樹(しき)さん、ストーリー作成協力ありがとうございました! ID:440268


スターライト大作戦

 

 

「よしっ、アカデミーのメールサーバーのハッキングもできた! あとは、アカデミーのみんなに向けてメールを送信すればOK! ……そんで残りは、作戦当日に向けて準備するだけ!」

「キーボードとかカタカタやってたと思ったら、あっという間にアカデミー中のみんなにメールを送る準備ができちまった! やっぱり、ボタンさんはすごい人だべ!」

「い、いや……こんなの、勉強すれば誰だって出来る様になるし……」

「でも、それが出来る様になるようにボタンさんはいっぱい頑張ったんだろ? なら、やっぱりボタンさんはすごいべ! おれ、ボタンさんがおれの宝物になってくれて嬉しい!」

「いやその……宝物とか意味分かんないし……それに、うちなんかより……もっと良い物が……」

「いーや! おれの宝物は、ボタンさんだべ! すごくて、強くて、かっこよくて……もう、ボタンさん以外考えらんねぇ!」

「い、いきなりそんな事…………えっとえっと…………あぅ……」

 

 

 

「いやー甘酸っぱいねぇ。これはコーヒーが欲しくなる甘さだね、もちろんブラックで」

「ボタンのヤツ、あの調子で大丈夫か? 真っ赤になっちまって、作戦前にぶっ倒れるんじゃないだろうな……?」

「赤面するボタン殿、誠に眼福でござるな……デートの際のコーディネートは、ぜひとも拙者にお任せいただきたいところ……」

「なんて言うか、あのスグリってのも悪い奴じゃなさそうだし……まぁよかったんじゃない?」

「ね! ボタンちゃんもスグリ君も、二人ともすっごく可愛いよね! 何だか私、キュンキュンしちゃう!」

 

 宝物認定してグイグイいくスグリにボタンが真っ赤になって照れているのを、少し離れた場所でボス達が暖かい目で見守ると言う謎の構図が出来上がっていた。

 一時はどうなるかと思った二人の関係だが、思ったより変な方向に行かなそうでひと安心だ。

 

「……おいピーニャ、招集かけたスター団の団員達、これだけ人数がいれば全員集まったんじゃないか?」

「おっと、サンキューテンゴ。そろそろ時間かな? それじゃあみんな、全てのボスと団員が集まった初の集会。スター大集会のスタートといこうか!」

 

 かくして、スター団全員が参加した初めての「スター大集会」は開かれた。

 進行役は、スター団まとめ役のピーニャだ。

 今回のスター大集会の目的の一つはズバリ「スター団とは何か」と言う事を、スター団全体へ共有する事だ。

 ピーニャはスター団の結成理由、その背景、かつてあった「スター大作戦」についてなど、全て包み隠さずに団員全員に真摯に、誠実に話した。

 ピーニャのスター団内の人徳もあってか、皆神妙な面持ちで聞いている。

 最後まで話し終えて一呼吸置いたピーニャは、それまで真面目だった声色をガラッと変えて続けた。

 

「僕達泣く子も笑うスター団が不良のレッテル貼られたまんまって言うのは、それこそ底辺みたいな扱いじゃない? そこで提案なんだけど、今までスター団が迷惑をかけたお詫びと本当の僕達を知ってもらうために、スター団でアカデミーのみんなに星が輝く様な楽しい夜をプレゼントするなんて言うのはどうだろう!? 名付けて『スターライト大作戦』!!」

 

 これが俺達で話し合って考えついた、スター団の良いところを証明する為の方法だった。

 普通にやってもダメなら派手に、劇的に、思いっきり! 

 学則破りやら暴走行為やらで、アカデミーに多大な迷惑かけたと言う事実は消えない。

 でも謝って、これから償っていく事は出来る。

 この「スターライト大作戦」は、その為の一歩目だ。

 

 団員達の反応は劇的なものだった。

 みんながピーニャの言葉に一斉に盛り上がり、まるで一つのライブを観ている気分になった。

 そしてそれはスター団が、真の意味で一つになった瞬間だったと思う。

 

「オーケー! それじゃあ、さっそく作戦開始! 星が輝くような、最高の夜にしようぜ!」

 

 ◯

 

「……これが、スター団のボスの皆さんからの返答だと言う事で間違いないのですね? イヌガヤさん、それにテンゴ君」

「はい、先生」「その通りです、クラベル校長」

 

 俺と前校長のイヌガヤさんがいるのは、アカデミーの校長室の中。

 校長室の机に向かっているクラベル校長は、スマホロトムに送られてきた「あるメール」を何度も見返している。

 

 

 

 

『拝啓 アカデミーの皆様、宝探しの調子はいかがでしょうか? 素敵な宝物は見つかりましたか? 

 急なお便りで驚かせてしまう事をお許しください。

 まずは、我々スター団団員が様々な場所でご迷惑をおかけした事を謝らせてください。本当に申し訳ありません。

 でも僕達、私達は本当はそんなことを望んではいません。

 言葉で伝えるには無理のあることだとは重々理解しています。

 ですので皆様に楽しい夜をお届けして、お詫びの気持ちと本当の僕達、私達の姿を見ていただきたいと思います。

 明後日の夜、グラウンドにてお待ちしています。

 僕達、私達の宝探しの成果を、どうか見に来てください。

 そして願わくば、この夜があなたの宝物にもなりますように。

 敬具 スター団ボス一同』

 

 

 

 

 ボタンがアカデミーのメールサーバーをハッキングして、アカデミー中の人間に一斉送信した「招待状」

 その説明とグラウンドの使用許可を得る為に、前校長でオルティガの教育係のイヌガヤさんと、特待生として校長と面識のある俺が抜擢された。

 ゲーム内において、イヌガヤさんは主人公達にスター団の真実を語ると言うけっこう重要な役割を持つキャラクターだが、この場では多くを語らなかった。

 ただ「本当の彼らを見ていただきたいのです」とだけ言って。

 それに倣って、俺も多くを語る事はやめておいた。

 ただ「宝探しの成果を発表する為に、グラウンドの使用許可を下さい」と言うだけに留めておいた。

 

 クラベル校長は目を瞑って、深く考えこんでいる様子だ。

 そりゃあそうだろう。

 今まで退学するかしないかの状態にいた生徒達から、急に「宝探しの成果」を見てほしいなんてメールが来たんだから。

 

 そんな中、校長室の扉が強めにノックされた。

 校長が入室を促すと入ってきたのは多数の先生達だ。

 その中には、ジニア先生・レホール先生・タイム先生・サワロ先生・キハダ先生・ミモザ先生・ハッサク先生・セイジ先生と言った前世のゲームでお世話になった先生達もいた。

 うんうん、報連相は大事ですよね。わかるわかる。

 ……やべぇ、迫力がやべぇよ……。

 

「校長先生! 私達や生徒のスマホロトムやパソコンに、スター団からと思われるメールが!」

「………………その様ですね」

 

 校長が、椅子からゆっくりと立ち上がる。

 

「テンゴ君、明後日の夜のグラウンドの使用を許可します。宝探しの成果、楽しみにしていますよ」

 

 クラベル校長は、笑顔で言ってくれた。

 

「……はい!」

「こ、校長先生?! 良いんですか?! グラウンドを使用するのは、あのスター団なんですよね?!」

「えぇ。しかし、彼らは課外授業である宝探しの成果を見てほしいと言っています。教師として、許可を出さないなんて理由がありましょうか?」

 

 反論が無い事を確認すると、校長は俺に向き直った。

 

「ではテンゴ君、申請を受理する為には職員室にある書類に使用目的などを記入してもらう必要があるので、記入した書類を持ってきてもらってもよろしいですか?」

「わっかりました! 今すぐ書いて持ってきます!」

 

 

 よしよし! とにかくこれで「スターライト大作戦」の下準備が整った! 

 あとは、本番に向けて準備を進めるだけだ! 

 

 さぁ、大作戦を始めよう! 

 

 

「……あぁ、廊下は走らないようにして下さい!」

 

 




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