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朽木の祠の激闘の後、宝探しの報告の為にすぐさまアカデミーに戻った俺は、夕食を摂るのも後回しにしてレホール先生を探していた。
「おや? テンゴじゃないか。災いの宝は見つかったか?」
「……えぇ、とびっきりのが見つかりましたよ」
「ほう! ……よろしい、ならば場所を変えようか」
レホール先生はそう言うとグラウンドの方に向かっていく様なので、俺もそれに続いていく。
「あれ? テンゴ? レホール先生と、どこに行くのかしら……?」
「………………ワタシヲサシオイテ」
「ウッヒョー! 興味深い! これが災いの木簡、チオンジェンか! 好奇心が溢れんばかりだ!!」
誰もいない夜のグラウンドの片隅、捕獲したチオンジェンをボールから出してレホール先生に見せると、レホール先生は奇声を発しながらチオンジェンに近づいていく。
そして素早くペンとメモ帳を取り出したかと思うと、チオンジェンの周りをグルグルとまわりながら、ブツブツと呟きながら、すごい勢いでメモ帳に殴る様に走り書いていっている。
そして、時にはチオンジェンもお構い無しに身体や木簡部分に触りながら、観察を続けていく。
「これほど………………木簡とは………………! 出土する…………大体が……………………それでも、当時を知れる………………! 読み取れないが…………物語? …………呪いの言葉か? 文字が薄れて………………! 王の興味を……………………! どんな文章が………………!」
すごい。前世のゲームでいっぺん見てるセリフの筈なのに、何を言ってるかぜんぜん聞き取れない。
それだけレホール先生の熱量が半端ないって事か……。
て言うか、レホール先生の奇行に動じずにチオンジェンが大人しくしてくれるポケモンでよかった〜。
例えばこれが、気性の荒そうなパオジアンとかだったら大怪我じゃ済まないところだったぞ。
「謎は深まるばかり……ああ、知識欲が満たされていく……!」
「それはよかったです。先生、俺の宝探しはお役に立ちそうですか?」
「ああ、素晴らしい成果だ……! 礼を言うぞ、テンゴ。実物を見られてよかった!」
よしよし、中々の好感触だ……!
俺が災いの宝を収集する代わりに、レホール先生には宝探しのレポート作成を手伝ってもらわないといけないからな。
この調子で行けば、快くレポート作成を手伝ってもらえるだろう。
ただ、それは引き続き俺が残りの災厄ポケモン達を捕獲してこれた場合だ。
実際、大きな危険を伴う宝探しではあるし、改めて気を引き締めて行かないとな……。
「よし、夕食の時間もある事だし、今日はこのくらいにしておくとしようか……」
「はい……あ、そうだ! レホール先生、今後の成果の共有の為に、連絡先とかってお聞きしても大丈夫ですか?」
「ふむ、教師と生徒の間柄ではあまり好ましいとは言えないが……まぁ良いだろう。……私に安易に近づこうと、悪用してくれるなよ?」
「いや、しませんよ……レホール先生の俺へのイメージってそんな感じなんですか?」
「ふっ、ほんの冗談さ。ただまぁ……あまり女を振りまわすような言動や行動には気をつける事だ。では、私はこれで失礼する」
スマホロトムで連絡先を登録しあったレホール先生は颯爽とその場を去っていってしまった。
……ん? どう言う事だ? 振り回す? 誰を?
「テンゴ」
「うわぁ! びっくりしたー! ……あ、ゼイユか。いきなりどうしたんだ?」
「ねぇテンゴ、レホール先生と何を話してたの? 今なんで連絡先を交換したの? レホール先生とどんな関係? あと、そのポケモンは何?」
「いやぁ、えぇっと……」
「カ、カキシルス……」
あれ? これって……ヤンデレモードなゼイユになってない?
心なしかゼイユの目のハイライトが消えてる気がするし、雰囲気がなんかこう……ヤバイ。
なんだか災厄ポケモンの筈のチオンジェンさえも、ゼイユにビビってるし……。
「早く、話してよテンゴ。なに? ここじゃ話せない事なの? ……だったらあたしの部屋でオハナシしようか。全部話してくれるまで……ニガサナイから」
◯
そのままゼイユの部屋まで連行された俺は、洗いざらい全てをゼイユに話していた。
宝探しが始まった時、アカデミーに特待生として入学した身としては、一般的な生徒の宝探しとそのレポート内容が被る様では、特待生として不足があると考えた事。
そんな時レホール先生から教えられたパルデアのおとぎ話を歴史的観点から紐解いた結果、おとぎ話に登場する四匹の災厄ポケモンが実在すると教えられた事。
これだ! と思って、宝探しのテーマをそのおとぎ話に関係するポケモンに決めた事。
レホール先生にレポートの作成を手伝ってもらう代わりに、俺が災いの宝と呼ばれるポケモン達の収集をすると言う約束をした事。
さっきグラウンドで見せていたのが、その内の一匹と言う事。
レホール先生と連絡先を交換したのはその一環であって、決して、一切やましい気持ちは持っていない事。
そんな内容の事をとにかく繰り返し、ゆっくり丁寧に説明し続ける事で、何とか事なきを得た。
今は俺がベッドの上に深めに腰掛けて、ゼイユが足の間に座ると言う形で落ち着いている。
いや、ゼイユの温度とか髪の匂いとかで、ぶっちゃけ全く落ち着かない。
「……ごめんね、テンゴ。テンゴにも色々考えてる事とかやろうとしてる事があったのに、あたし、出しゃばっちゃって……」
「いや、良いよ。それだけ俺の事を考えてくれてるって事だろ? さすが、俺の未来のお嫁さんだ」
「……うん」
……あれ? おかしいぞ?
いつも大体このフレーズに関係ある言葉とかタイミングで、機嫌がよくなる筈なのに……。
…………もしかして、俺への熱が冷めたとか?
うーん、正直ぜんぜんあり得る可能性だけど、そう言うのだけじゃない気がする。
こう言う時ってどうしたら良いんだ……?
前世で多少の経験はあったけど、多少過ぎて参考にならないぞ!
落ち着け……最近あった恋愛系の出来事……そうだ、スグリとボタンのサンドウィッチデートだ!
あっちの結果報告も気になるけど、今はこっちだ!
「な、なぁゼイユ?」
「……なに?」
あ、やっばい。めっちゃ緊張する。
俺もスグリの事、馬鹿にできないわ。
でも、言わなきゃ。ゼイユの気持ちを確かめる為に!
「明日さ、俺とデート……してくれないか?」
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