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セルクルタウンを超えて、更に北西へ。
ミライドンにライドしてテーブルシティを出発した俺達は、まずは巨大な岩が落ちてくると言う件の岩山の麓に向かった。
ミライドンの快適な乗り心地やスピードのおかげもあって、あっという間に岩山に到着したのは良いのだが……。
「う、うわぁ……」
「う、うわぁ……」
「う、うわぁ……」
岩山から転がり落ちてくる岩のあまりの多さと巨大さに、三人揃ってちょっと引いていた。
いや、むしろ恐怖を覚えるレベルだった。
「……ゼイユ、ペパー、あとミライドン。一旦集合、作戦会議だ」
「う、うん」
「……おう」
「アギャス」
さてと……これは、どうしたもんかねぇ。
ゲームだとミライドンに乗ってれば、岩に当たっても吹っ飛ばされることなく踏ん張れるって感じだったけど、現実のあの大岩に関しては踏ん張れる、踏ん張れないの話じゃない事は一目瞭然だ。
当たったらただじゃ済まない、一発でアウトだ。
その事が俺と一緒でわかったのか、ゼイユもペパーも表情が硬くなっている。
ちなみにミライドンの表情は、特に変わっていない。
多分、これからデンジャラスな岩山登山が始まるだなんて、考えてもいないんだろう。
「でっけぇ岩が転がってきて危ないちゃんなんだとは聞いていたけど、まさかここまでとは……すまん二人共、俺の見通しが甘かった……」
「いや、こればっかりは実際に見てみないとわからないからしょうがない。気にすんなよ、ペパー」
「テンゴの言う通りよ。それにペパーはスパイスとかヌシポケモンのすみかとか、もう色々リサーチしてくれてるでしょ? 充分過ぎるくらいよ」
「アギャァス」
「……悪いな。そう言ってもらえて、すげぇ助かる」
そう言うペパーの顔は、まだ少し暗いままだ。
いやでも、実際のところペパーは悪くない。
何せ、前世の記憶から事前にある程度ハードな攻略になる予想はしてた俺でも、このレベルは想定してできなかった。
ゲームと違って、当たれば一発でペシャンコになって怪我じゃあ済まない。
間違いなく、超ハードモードの攻略だ。
でも、それがどうした?
こちとらハードモードな状況くらい、これまで何度も乗り越えてきとるわ!
「さ、切り替えていこうぜ、ペパー! スパイス全部集めて、マフィティフを元気にするんだろ?」
「……おう! サンキュー、テンゴ! そうだ、こんな所で躓いていられないぜ!」
ほっぺたを両手でパンッと叩いて、気合いを入れ直すペパー。
よしよし、ペパーのモチベーションも戻ってきた。
作戦会議はこっからだ!
「じゃあ実際に、あの大岩が転がってくる岩山を登っていく方法を考えていこうぜ。まずは……ミライドン。あの転がってくる大岩の合間を縫って、岩山の頂上まで走っていけそうか?」
「……アギャァ?!」
「うん、無理そうだな」
さすがに、ゲームと一緒の攻略法って訳にはいかないか……。
それにゲームと違って、今日の俺達は三人乗り。
万が一の事態に無茶なライディングでもして、ゼイユやペパーが振り落とされでもしたら一大事だ。
「……それならもういっそのこと、正面からあの岩を突破していくのとかどうかしら? あたしのラムパルドとか、テンゴのポケモン達なら『いわくだき』で岩を砕いていけるんじゃない?」
「うーん、正面突破か……。それはナイスなアイデアかもしれないけど、少し危なくないか? 砕く岩だって大きいし、もしも破片がゼイユやペパーに当たったらって考えると怖いしな……ペパーもだけど、ゼイユの綺麗な身体に傷なんて付けたくないし……」
「も、もう! いきなり何言ってるのよ! ……あたしだって、テンゴに傷付いてなんてほしくないわ」
「ゼイユ……」「テンゴ……」
「……もしかしてこれからスパイス探しの度に、このバカップルちゃん達のイチャつきを見せ付けられるのか俺は……。ただ、確かにあのレベルの大岩を砕いたら、散らばる破片だって結構な大きさになるだろうしな……」
うーん、何かないものか。
転がってくる大岩をどうにかできて、危険も少なくヌシオトシドリにたどり着けるスペシャルな方法が………………。
「ん? そう言えばテンゴって、プテラに乗って空飛べたよな?」
「ん? ああ、飛べるぞ。確か最初にペパーに会った時も、プテラに乗ってたっけな」
「……テンゴがプテラに乗って先行してヌシを引きつけてくれたら、安全に行けるんじゃねぇか?」
「……ペパー! お前最高! 天才だわ!」
「お、おう?! そうか?!」
「おう! そうとも! じゃあ、善は急げだ。さっそく頼むぞ、プテラ!」
プテラをモンスターボールから出して、ライドする為に素早く近づく……前に、ゼイユに手を掴まれた。
「ちょっとテンゴ、忘れもの!」
「……忘れもの? 忘れてるものなんて何かあったか?」
「あるわよ! ちょっと屈んで!」
「屈む? なんで??」
「いいから!」
そう言われて素直に屈むと、ほっぺに押し付けられたのは柔らかい感触。
驚いてゼイユを見ると、イタズラに成功した様な笑みを浮かべていた。
「いってらっしゃいのキスよ! 忘れちゃダメじゃないのよ!」
「……ありがとう。じゃあ俺も、ゼイユに忘れもの」
そう言って俺は素早く、いってきますのキスをゼイユのほっぺに渡す。
ゼイユも驚いた様だが、俺と一緒で満更でもなさそうだ。
「……俺は今日、何度ごちそうさまを言えばいいんだ?」
すまんなペパー。これが愛の力ってやつだ、諦めてくれ。
ゼイユが渡してくれた「忘れもの」のおかげで、やる気が身体と心に満ちていくのを感じる。
今なら、空だって飛んでいけそうだ。
……まぁプテラに乗って飛んでいくんだけどな。
今行くから待ってろよ、大空のヌシ!
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