俺は、強くて硬くなくていーわな男   作:なんちゃってアルゴン

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藍の円盤、楽しみ過ぎる!!



vsカエデ

 

 

 きっかけはゼイユのちょっとした一言だった。

 

 それはスパイスをゲットした帰り道、ミライドンに乗りながらゆっくりと帰路についていた俺達がセルクルタウンに差し掛かった時の事。

 

「ねぇテンゴ、ペパー。今日はこのままアカデミーに帰るんでしょう? だったら、ちょっと寄り道とかしていかない?」

「「寄り道?」」

「そう! セルクルタウンに、すっごく美味しいお菓子屋さんがあるんですって! スパイスゲットのお祝いに、ちょっと寄ってみない?」

「……もしかして『パティスリー・ムクロジ』の事か?」

「! 正解よ! さっすがペパー! 食べ物に関しての知識は一流ね!」

「そりゃどーも。マフィティフの治療法を調べてる時にポロックやらポフィンやら、ポケモンに効果のあるお菓子を研究してた事があってな。ポケモンも食べられるお菓子を扱ってるってんで少し、な」

 

 ペパーの反応から、スパイスにたどり着くまでに本当に色んな事を試してきた事が窺える。

 きっとマフィティフを治すと決めたその日から、めちゃくちゃ努力してきたんだろうなぁ。

 

 ん? そう言えばセルクルタウンってジムもあったよな。

 これはちょうど良いな。

 ジムに挑戦するのにも、良いタイミングなのかもしれない。

 

「よし! マフィティフの回復一歩前進のお祝いに、そのお菓子屋さんによって行くか!」

「ありがとうテンゴ! 大好き!」

「ああ、俺もだ!」

「あ、いや俺は……」

「……ペパー。急ぐ気持ちだってもちろん分かるけど、急いでばっかりだとガス欠になっちまうぞ? 切り替えの一環だと思って、ちょっと寄って行こうぜ?」

「そうよペパー! マフィティフが元気になった時に備えて、美味しいお菓子をリサーチしておかなくちゃ!」

「……ああ、そうだな。じゃあいくか! 『パティスリー・ムクロジ』!」

「よーし! ミライドン、進路変更! 『パティスリー・ムクロジ』へ、レッツゴー!」

「アギャス!」

 

 ◯

 

「いらっしゃいませ〜『パティスリー・ムクロジ』へようこそ〜」

 

「おおー……こりゃすごいな」

「わああ! すっごい! どれも美味しそう! ねぇテンゴ、どれにする?!」

「えー! こんなのどれ選んでも超美味いの確定じゃん! ……めっちゃ迷う!!」

 

「うふふ、どうぞゆっくり選んでくださいね〜。本日のおすすめは、きのみたっぷりのタルトです〜」

 

 そんな訳で、無事に『パティスリー・ムクロジ』に到着した俺達は、店内に陳列された輝く様なお菓子にテンションがぶち上がっていた。

 目に入る全てのお菓子がめちゃくちゃ美味しそうで、何を買おうか真剣に迷ってしまう。

 

「うふふ。店内でお召し上がりの場合は、テラス席からジム戦の鑑賞もできますので〜」

「ああ、そうなんですね……え?」

「ジム戦に来られたんですよね? アカデミー特待生のテンゴさん?」

 

 え、なんでこの人、俺の名前と特待生の事知ってんの……? 

 

「あの……なんで俺の事を?」

「ポケモンリーグのオモダカ委員長から通達があったんですよ〜。『テンゴと言う特待生の生徒がジムに来たら、ジムテストは抜きにして全力でバトルをする様に』って」

「えっ」

「うふふ、普段はお菓子の様に甘ーく戦う様に言われてるけど、こう言った本気出せる機会だと高まっちゃうわ〜。さあ、お友達がお菓子を選び終わったら、さっそくバトルコートに向かいましょ〜」

 

 

 

「これより、ジムリーダーカエデとチャレンジャーテンゴによるジム戦を始めます! 使用ポケモンは六対六のシングルバトル! なお、交代はチャレンジャーのみ認めます」

 

「テンゴー! 頑張ってー!」

「お前なら勝てるぞー! 自信持っていけー!」

 

 テラス席に座った二人からの声援が聞こえる。

 ちょっとした急展開に追いついていけてなかったけど、バトルとなれば話は別だ。

 力を貸してくれるポケモン達の為にも、応援してくれるゼイユとペパーの為にも、無様な姿は晒せない。

 

「あらあら〜、素敵なお友達ね〜」

「ありがとうございます。あと一応訂正しておくと、女の子の方……ゼイユは俺のお嫁さんです」

「……まあ〜! とっても素敵ね〜! もし結婚式をするなら、ウエディングケーキは私に作らせてほしいわ〜!」

「……その時は、ぜひ」

 

「……それでは、両者ポケモンを出して下さい!」

 

「お願いね〜、エクスレッグちゃん〜!」

「頼むぞ、バサギリ!」

 

 初手はエクスレッグか……。

 相手のカエデさんは虫タイプ使い、タイプ相性的には岩タイプのこっちが有利ではある。

 でも相手は本気のジムリーダーだ、気は抜けない。

 

「では、バトル開始!」

 

「エクスレッグちゃん『とびかかる』よ〜!」

「バサギリ『がんせきアックス』!」

 

 エクスレッグの『とびかかる』を受けた事で、その効果で攻撃ランクが一段落下がる。

 しかし、そんなのお構い無しにバサギリが『がんせきアックス』を振り下ろし、エクスレッグを吹き飛ばした。

 そして『がんせきアックス』の効果で、フィールドが『ステルスロック』状態になる。

 

「あらあら〜、エクスレッグちゃん大丈夫〜?」

 

 その言葉にエクスレッグは素早く起き上がると、ファイティングポーズをとってくる。

 

『とびかかる』を受けて攻撃ランクが一段落下がってたとは言え、効果抜群の『がんせきアックス』を受けて易々と起き上がるってどんだけだよ……。

 やっぱり強いな、ジムリーダーのポケモン達は。

 

「エクスレッグちゃん『とびはねる』よ〜」

 

 背中の方に畳まれた第三の脚を利用して飛び上がったエクスレッグは、そのまま重力に従って落下してくる。

 下手に受け損なえば、まひ状態になる『とびはねる』は非常に厄介な技だ。

 ……なら、正面から迎撃するまで! 

 

「『つばめがえし』だ! 迎え撃て!」

 

 落下してくるエクスレッグに『つばめがえし』で突っ込んでいくバサギリ。

 攻撃ランクが下がっていて威力に不安はあるが、下手に躱したり攻撃するよりも良い筈だ。

 何よりバサギリってポケモンの攻撃力、舐めてもらっちゃ困る! 

 

「エクスレッグちゃん、今よ〜! 『かかとおとし』!」

「なっ?!」

 

 それまで『とびはねる』の自由落下でしかなかったエクスレッグが第三の脚を展開する事で、威力をさらに上げた『かかとおとし』の為のコンボに変わった。

 そして、バサギリは相手に必ず当たる『つばめがえし』を発動してしまっているから、エクスレッグの『かかとおとし』を躱す事ができない。

 

「バサギリ……!」

「バサギリ、戦闘不能! エクスレッグの勝ち!」

 

 す、すげえ……。

 技のコンボ、その使い時、どこをとっても一級品だった。

 これが本気のジムリーダーか……! 

 

「うふふ、今日はビターにいきますよ〜! 負けても泣かないで下さいね〜!」

 

 上等じゃんか、こんちくしょう……! 

 

「……ビター上等! 勝負はまだまだ始まったばかりです!!」

 

 さあ、次はお前だ! 頼むぞ! 

 

 




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