加茂家の超エリート術師に転生しました 作:君よ気高くあれ
ギャリック砲と断末魔の誤用の指摘があったので修正しました。歯ァ食いしばれ
額に傷のある謎の男から加茂篝の話を聞いた漏瑚は、陀艮に自分たち呪霊が生まれた世界を見せるため、篝を呼び寄せた。
「死ねぇ!」
自分の実力に自信のある漏瑚は術式を用いて、篝へと攻撃を仕掛ける。
「おい」
「な……ッ」
「いいか、不意打ちってのはこうやるんだ……はぁッ!」
「ぬぁッ!?」
しかし、漏瑚の想定以上に篝の実力は高く……。
「ぐ、うおおおッ! ふっ……! …………なっ……!」
「次は?」
漏瑚の攻撃は容易く篝に受け止められ、逆に篝の攻撃を漏瑚は避けることができず、口元から血が滴る。
「血が出ているぞ。拭けよ。間抜け面」
「嘗めるなよ小童!!! そのニヤケ面ごと呑み込んでくれるわァアアアッッッ!!!!!」
自身の渾身の攻撃が通じず、さらには格下であるはずの人間に煽られた漏瑚の怒りは爆発する。
「領域展開……『蓋棺鉄囲山』」
篝を絶対に殺す。
呪術戦の極意、領域展開により火山地帯を超え、火山の中を思わせる心象風景へと誘ってきた漏瑚に、篝は一体どうするというのか……?
並の術師ならば、引き摺り込んだ時点で焼き切れるはずの漏瑚の領域内において、篝はその身体を焦がすこともなく腕を組んで立っていた。
(只者ではない。認めたくないが、認識を改める必要があるようだな……)
領域展開。
自身の生得領域を、術式を付与して呪力で構築する呪術の奥義。
領域を展開することで得られるメリットは主に2つ。
1つは、環境要因による自身のステータスを向上させること。
術者自身が最も行動しやすい言わばホームグラウンドのような環境になっており、より洗練された自身の能力を遺憾なく発揮できる。
2つ目は領域内で発動した術式は絶対に当たる。術式が付与された領域の中にいるという事は"既に術式が当たっている"という事になり、領域内での術式に基づく攻撃は必ず命中する。
それで相手を倒せるとは限らないが。
「ちっ……!」
(攻撃は当たっているはずなのに傷1つつかんとはどういう事だ……? 呪力で防御しているのは間違いないだろうが……)
その他のメリットとして敵の防御に使用されている術式や、敵の領域の中和作用があるのだが、漏瑚が飛ばしたマグマや火山岩に飛ばしても、それを篝には防がれ、ダメージは見られない。
(だがこのまま攻撃を当て続ければ先に死ぬのは奴……!)
必中の領域展開内での攻撃の対策は、呪術で受けるというものが挙げられる。
マグマや火山岩を飛ばすような単純な攻撃に対しては有効だが、必中効果自体が消える訳ではない。そのため、本人の呪力出力以上の呪力や物量にものを言わせた攻撃で畳みかければ、勝つのは領域を展開している側となる。
他にも領域展開に対して、こちらも領域展開をすることで、必中効果を中和したり、呪力量や相性によっては上塗りして優位を逆転することも可能である。
しかし、それができるのであれば篝は既に行動に移しているだろう。先程から漏瑚の執拗な攻撃に腕を解いて迎撃し始めてはいるが、あくまで防御姿勢であり攻撃に転じている様子は見られない。
(救援を待っているのか……?)
領域はより"閉じ込める"事に特化している結界であるため、逆に外から侵入する事は比較的容易である。
仮にこの状況を察知し、篝を助けに他の術師が来たとしても、篝のように呪力量が高い、またはマグマなどの高熱に耐性、防御手段のある術式を持たぬものが入ってきても、焼き切れるだけだ。
「ふぅ……」
漏瑚が絶え間なく攻撃を続けていると、篝が息を吐く。
「なんだ? もう音を上げるか?」
流石にあれだけの攻撃を捌くには骨が折れたかと漏瑚が笑う。
「ふん……まさか。だが、いい運動になったぜ」
そう言って篝は構えを解く。
「どういう意味だ?」
それに合わせて漏瑚も術式の使用をやめる。篝を殺すことを諦めたわけではないが、迎撃体勢を解いたことからなにかしかけてきそうだと警戒を顕にする。
「貴様、俺が領域を展開してこないのを見て、このままなら自分が勝つ。そう思っているんじゃないか?」
「は……痴れたこと」
当然ではないかと鼻で笑う漏瑚に、篝もまた鼻で笑う。
「楽しませてもらった礼だ……特別に見せてやるぜ」
そう言うと篝は身を少し屈めて、手の甲同士を向い合わせて、左肩を引く。
(まさかやつも領域を……?)
掌印を結んでいるように見えた漏瑚はそうはさせまいとマグマ、火山岩、さらには火炎弾を用意し、篝へと浴びせようとする。
「ん……!?」
だが、篝から発せられる膨大な呪力量に思わず動きが止まる。
ゴゴゴ……と漏瑚の意図しない噴火が起き、領域が揺れ、呪力の圧に気圧される。
「領域の対処法は大きく分けて3つ。さっきのように呪力で防ぐか、領域を展開して中和する。そして……」
「ま、まさか……!?」
驚く漏瑚に、篝は自身の呪力を両手に向けて溜め込み始める。奇妙な構えと共に呪力の奔流が圧縮され、夥しい量の呪力が漏瑚の視覚、触覚、そして本能的に感じ取ることができた。あれはマズいと。
「この領域を内側からぶっ壊すことだ」
「ぬぅうううう! 『隕』ッッッ!!!」
領域外へ脱出すれば領域の効果は全く意味を成さなくなる。 さらには、領域を解除した、または領域が消滅した直後は術者の術式が焼き切れてしまい、一定時間術式の使用が困難になってしまう。デメリットが存在する。
ただし、領域は閉じ込める事に特化した結界術としての側面を持つため、内側から領域の壁を壊す事は不可能に近い。そのため、領域を内側から破壊することは、領域への対策としてはあまり現実的ではない。だが、それは破壊することができるならば現実味を帯びることとなる。
「よけられるものならよけてみろ!! 貴様は助かっても領域はコナゴナだ──っ!!!」
巨大な火山弾を隕石のように降らせて応戦する漏瑚だったが、必中であるはずの攻撃が莫大な呪力で弾かれ離散する。さらに、篝の攻撃を止めることに気を取られたがあまり、彼には回避という選択肢が既に残されていなかった。
「領域崩天・ギャリック砲───────ッ!!!」
呪力で練り上げられ紫色のエネルギー波が隕の炎をも飲み込み、漏瑚の領域の台地を抉る。
「ばっ、ばかなぁぁぁぁぁっっっっ!!!?」
放たられた篝の呪力は漏瑚を呑み込み、触れていないはずの溶岩や火山をも吹き飛ばし、領域の壁へとぶち当たる。
「ぎゃああああああっ!!」
漏瑚の叫び声と共に、領域の壁は崩れ去り、篝を取り囲んでいた漏瑚の領域は消え失せる。
「あ……ッ、がぁっ……ぐ……っ」
「ほぉ……」
ギャリック砲をまともに受け、漏瑚は首から下が塵芥となっていたが、まだ辛うじて息があった。
「どうやら灰になるのは貴様の方だったらしいな」
「ぐふっ……小童ァ……ッ」
決着は着き、もはや勝敗は決した。
残った頭部をグリグリと踏みつけ、忌々しく自分のことを見上げてくる漏瑚を嘲笑う篝は、漏瑚へと問いかける。
「それで? 誰から俺の事を聞きやがった」
偶然、漏瑚が篝を見つけたというのならこの質問はしない。呪力を放出して呼びつける手段を取ったということは、篝の能力を知っていた、つまりは篝を知る誰かから聞いたことに他ならない。
「い、言うものか……!」
「そうか」
もし、この時尋問しているのが五条悟ならばどうせ漏瑚は死に、漏瑚の背後にいる者も全員殺すから無駄な頑張りはやめろとでも言っていただろう。
「なら貴様に用はない」
「ッ!!」
篝は漏瑚の頭に置いた足に力を込め、残った漏瑚という存在を完全に消去しようとする。己の死を悟り、漏瑚が覚悟を決めると、突然コンクリートに花が咲き始めた。
「ん……?」
突如起きた異変に篝の動きが止まる。草木が芽吹き、花が咲く。篝と漏瑚を取り囲むように瞬く間に周囲に咲き乱れていく。
「……ちっ!」
草木の影響か、気が安らぎ、殺意が遠ざかっていくという不快さを感じた篝は、漏瑚から離れると辺りを警戒する。
「呪力を感じなかったぞ……! どこにいやがる……!」
遠くにいるのか、あるいは微量な呪力だけで済ませたのかは分からない。ただ、自分が気付けなかったという事実に篝は警戒を強める。
しかし、花木に気を取られ、無意識的に漏瑚のことを二の次にしていた篝は、いつの間にか消え去っていた漏瑚には気づけないのだった。
花御の術式に気づけなかったのは呪力を計測する機械でもつけてないと分からないくらいの呪力量で、術式を行使されたため。あとは花畑のせい。
領域崩天
その名の通り領域を崩すことに特化した呪力解放攻撃。漏瑚のような必中であっても、必殺では無い領域を破壊するのに用いられる。無量空処のような特殊な条件下で使用できない。
ギャリック砲
相手の領域を破壊するのに用いる篝の呪力解放技。呪力を手の甲に集めて圧縮し、それを直線上に放つ。領域外でも使用できる。
ネタバレの範囲(DBはドラゴンボールの略)
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呪術DB本誌含め全てOK
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呪術DB単行本化してるとこまで
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呪術DBアニメ放映分まで