世界を歩むうちはのハンター   作:ノワールキャット

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第4話 ハンター試験④_二次試験

ポンズを抱えながらカムイは湿原を駆けていた。深い霧に覆われた森の中を気配の強い方へ駆けていた。ドクドクと心臓の鼓動に合わせ、手から血が滴り落ちた。

 

ヒソカとの戦闘で手を負傷したカムイはヒソカのオーラで気絶してしまったポンズを抱えながら二次試験会場へ向かっていた。写輪眼の開眼者の中で限られた者のみが持つ写輪眼の上位種、【万華鏡写輪眼(まんげきょうしゃりんがん)】でヒソカを殺そうとしたが失敗に終わった。

 

万華鏡写輪眼は写輪眼をあらゆる面で上回り、開眼することで固有の術も扱える強力な眼だ。カムイの万華鏡写輪眼の左眼に宿る瞳術は【御稜威(みいつ)】と呼ばれる固有瞳術だ。御稜威は御稜威に宿る空間と現実の空間を繋げ、自身を含む物体、生命体の転送を可能にする強力な瞳術である。強力な分、身体に掛かる負担も大きく、転送する物体が大きい、もしくは物体の量が多いとそれに比例して身体への負担も大きくなるのだ。

 

走り始めてから30分近く経ち、人の気配が強くなって来たことをカムイは感じ取った。足跡がちらほら見え、鬱蒼とした森を抜けると体育館の様な建物が一つ建てられている開きに出た。そこには試験官含め、先に到着していた受験生達が居た。

 

「着いたか」

 

二次試験会場に到着したカムイは近くの木陰にポンズを寝かせ、被っていた帽子を取り、羽織っていたコートを掛ける。

 

(さっきよりも心身は安定しているな。これならすぐにでも目は覚めるだろう)

 

ポンズの容態を確認するとカムイは自身の傷の手当てを始めた。

 

(完全に貫通してる。骨が傷付かなかったのは不幸中の幸いだったな。ギリギリ骨と骨の間を通ったのか?)

 

ヒソカに負わされた傷を確認し、オーラで自己治癒力を強化する。無事な細胞を活性化させ、結合させる。

傷の治癒なら強化系が最も適しているが残念ながらカムイに強化系の適正はない。完治させることも出来なくはないが面倒な上に受験生が居るこの場で使い情報が漏れるのを危惧し、オーラのみで止血を行う。

流れ出ていた血が止まり、一つの線が走った傷跡が出来た状態になる。完璧に治ったわけではないので傷口を消毒し、ガーゼで抑えると包帯を巻く。

 

(だいぶ適当かもしれないがこれで十分だろう。この程度の傷ならば後は自然治癒でも完璧に治る)

 

手を握ったり、開いたりを繰り返し、神経に異常がないかを確認する。

 

(ちゃんと動くな。これなら今後も問題はない。後は...)

 

「薬膳でも作るか」

 

カムイは腰に取り付けているポーチから薬を取り出す。土遁で簡単な容器を作り、水遁で水を操り、地下水を汲み上げる。細菌のことも考え、火で水を炙り、煮沸消毒をする。水の殺菌が終わったらそこにリラックス効果のある薬を溶かす。水がほんのりとした鮮やかな黄色に変わったら完成である。

 

「ほんとに師匠(せんせい)が作ってくれたこの薬は便利だな」

 

今も尊敬してやまないカムイの師匠は体術、剣術、忍術とたくさんの技術を教えてくれた。この薬を調薬してくれたのもカムイの師匠である。

 

「う、うーん?」

 

「目が覚めたか」

 

「あっ...カム...イ。此処は?それに私は一体どうして...そうだ!ヒソカ!ヒソカはどうなったの!?」

 

「一回落ち着け。ほら、これでも飲め」

 

「えっと...これは?」

 

「リラックス効果のある薬だ。これで少しは落ち着くだろ」

 

「あ、ありがとう」

 

カムイからコップを渡されたポンズはゆっくりと薬を飲み込んだ。口の中に甘酸っぱい味が広がり、波を立てていた心が落ち着いて行く。

 

「落ち着いたか?」

 

「えぇ」

 

「ふぅ...それでまずはヒソカだったな。ヒソカを仕留めるチャンスはあったが、お前を囮に使われて逃げられた。ヒソカの持つ保険を見逃していた俺のミスだ」

 

「そう...」

 

結果的に気絶してしまったポンズだが、カムイとヒソカの戦闘は次元が違った。ボクシングや空手とはまるで話が違う。互いの命を狩り取る本当の殺し合い。姿を捉えることは出来ず、通った後の砂埃と吹き荒れた風がその場に2人が居ることを証明していた。

 

「仕留めるチャンスはあった」とカムイは言った。自分がいなければ仕留めることが出来た、足手纏いになったと思ったポンズは気分を落とした。

 

「そう気に病むな。あれは相当の手練れでも無理だ。お前の反応は普通のことなんだ」

 

「...でも、私が力不足だったのは事実よ。カムイにも怪我させちゃったわけだし」

 

「気にすることはない。怪我を負ったのも俺がそう言う作戦にしたからだ。それに...もし、足手纏いが嫌だったらそれを払拭する良い方法があるぞ」

 

「それって?」

 

「強くなる」

 

「...へっ?」

 

「いや、だから強くなるんだよ」

 

足手纏いにならない手っ取り早い方法、それは強くなること。至極単純なことだが、そう簡単に強くなれるなら苦労はしない。しかし、ポンズは半端だが既にある物(・・・)を会得している。

 

(念能力を会得しているし、誤差の範疇だがオーラも扱えてる。精孔(しょうこう)も完璧ではないが開いている。素地は十分、これならすぐにオーラを扱えるようになる)

 

オーラで肉体を強化するだけでも劇的なパワーアップが見込める。オーラを手に集中させれば大岩を最も簡単に砕き、脚部に集中させれば僅かな力で俊足を実現し、体全体にオーラを纏えば銃弾を容易に防ぐ。

 

「強くなるって一体どうやって...」

 

「そうだな...まずは【(ねん)】からやってみよう」

 

「燃?」

 

「端的に言えば心を磨く技術だ。【(てん)】で目標を定め、【(ぜつ)】で目標を言葉にする。【(れん)】でその意思を高め、【(はつ)】で実際に行動に移す。ポンズ、お前には技術を教える前にこれで心を鍛えて欲しい」

 

「心を?」

 

「どんな力を扱うにしろそれには不屈の精神力が必要だ。心が弱ければ自身の持つ力でむしろ身体を壊すことになる。何も難しいことを言ってるわけじゃない、要は『行動に移すまでにその意思を固めろ』ってことだ」

 

「なるほどね...分かったわ。やってみる」

 

「いいか。決して焦ることはないんだ。適当に覚えた力は付け焼き刃にしかならない。本当の力と言うのは崩れることのない基礎を固めた盤石な力のことだ」

 

これはカムイの師による言葉だ。念を会得するにあたってまずは心を鍛えるように教わり、それを実行してから念の習得は非常にスピーディーに行えたのだ。

 

「あっ!カムイ!ポンズ!」

 

名前を呼ばれたカムイとポンズは読んだ声の主の方を向くとゴンが手を振りながらクラピカと共に此方に走って来ていた。

 

「ゴンにクラピカか」

 

「やっぱり先に着いていたか。途中から姿が見えなかったからもしかしてとは思ったんだが」

 

「こっちも特に問題はない、とは言えないな」

 

「そのようだな」

 

「ねぇ、カムイ。その手どうしたの?それにポンズも...」

 

「あー、そのことは後で話してやる。それよりもレオリオはどうした?一緒じゃないのか?」

 

「実は...」

 

ゴンとクラピカは二次試験会場までのことを話した。

 

「ヒソカと戦った!?お前らよく生き残ったな...」

 

「レオリオはよくあの狂人に木の棒で挑もうと思ったわね」

 

掻い摘んで話すとヒソカの襲撃に遭ったと言う話だった。クラピカ、レオリオを含め30以上は居た受験生達はヒソカに全滅させられ、生き残った男の作戦で散り散りに逃げたがそれに納得いかなかったレオリオがヒソカに攻撃を仕掛けたが簡単に避けられ、斬られる前にゴンの釣竿が命中し、ことなきを得たらしい。その後は言わずとも展開は目に見えた。まず、レオリオは頬に強烈なパンチをもらったらしく、気絶したらしい。ゴンはヒソカに気に入られたらしく、ことなきを得たとのことでヒソカはそのままレオリオを連れて行ったらしい。

 

「レオリオも含め色々と言いたいことがあるがまぁ、生き残った分だけ良いだろう」

 

「それでカムイの手はどうしたんだ?」

 

「これは...ヒソカと交戦した時に負った傷だ」

 

「「!?」」

 

カムイの言葉にゴンとクラピカは驚きの表情を浮かべる。その後、カムイとポンズの話を聞き、驚愕の声を上げる。ヒソカの実力はそんじょそこらの受験生を大きく凌ぐ。そんな男と互角に戦い、剰え傷を負わせたことに2人は驚愕は隠せなかった。特にクラピカは自身の同胞を皆殺しにしたA級首の盗賊集団、【幻影旅団(げんえいりょだん)】を捕らえることを目的としている。熟練のハンターでも迂闊に手が出せない存在である奴らを捕らえることは至難の業だ。ヒソカの動きを目で追うことも出来ない今、幻影旅団を捕らえるのは雲を掴む話だ。

 

「さて、お互いの事情も把握したことだし、レオリオを探すか」

 

「そうね」

 

「ゴン、レオリオは何処に居る?」

 

「うーんとね...こっち!」

 

「そうか」

 

「あれ?何でゴンはレオリオの場所が分かったの?」

 

「えーとっね、レオリオって独特な香水を付けてるから分かりやすいんだよね!」

 

「こ、香水...」

 

「匂いを辿ってここまで来たのか...」

 

不可能ではないが犬並みかそれ以上の嗅覚がなければまず出来ない芸当だ。五感が発達しているカムイでも匂いで探すことなんて出来ない。と言うのもカムイは視覚と聴覚が五感の中で最も発達しているので嗅覚で探るなんて考えたこともなかった。

 

ゴンの案内の下、レオリオを探していると薄気味悪い視線を感じ、4人は後ろを振り返った。そこには木に体を預けながらこちらを見ているヒソカが居た。ヒソカは指を指し、その先にはレオリオが居た。

 

「レオリオ!」

 

「う...いてててて、ゴン?クラピカにカムイ、ポンズまで...それに此処は?」

 

「此処は二次試験会場だ。此処に来るまでの間何があったか覚えているか?」

 

「いや、それが湿原に入ったことは覚えているんだが、どーもその後の記憶が曖昧でよ。あと、俺の顔はどうなってんだ?」

 

「...いや、特に問題はない」

 

「えぇ!全然いつも通りよ!」

 

「特に変わった様子はないから安心しろ」

 

「そ、そうか?」

 

どうやらレオリオはヒソカに殴られたことで一部の記憶が欠落していたが、思い出させないほうがいいと思ったクラピカ、カムイ、ポンズは「問題ない」と言い切り、その様子にゴンは苦笑いを浮かべていた。

 

「ゴン!」

 

「キルア!」

 

「お前よくここまで辿り着いたな!もう無理だと思ってたぜ」

 

「レオリオの香水の匂いを辿って来たんだ!」

 

「匂い!?それだけ!?お前...やっぱ相当変わってんな」

 

キルアが合流し、ゴンが二次試験会場まで辿り着いた方法を聞き、やはり驚愕していた。

 

「皆さん、お疲れ様でした。此処、【ビスカ森林公園】が二次試験会場となります。では、私はこれで。皆さんの健闘をお祈りします」

 

どうやら此処、【ビスカ森林公園】が二次試験会場らしく、労いの言葉を残すとそのままスタスタと歩いて行ってしまった。

 

(約150人...一次で2桁くらいに減ってしまうと思っていたのですが...今年の受験生は豊作ですなァ)

 

二次試験会場から離れて行く中、サトツは受験生達のことを考えていた。今年の受験生は過去に類を見ないほど優秀な者達が集まっていた。試験内容にもよるが3桁の人数が残るのは非常に珍しいことだ。しかも今年はそれに加え、念を会得しているのが既に3人おり、全員がプロハンターの中でも上位に食い込むほどの規格外な実力をしているのだから今年のハンター試験は異例中の異例だ。

 

「それだけに惜しい。二次試験があのメンチとブハラだったとは。ここでもしかしたら50人...いや、課題次第では10人以下になってしまうかもしれませんな。...気になります。しばらく様子を見ていきますか」

 

サトツは木の上に跳び乗るとこれからの二次試験を見届けるのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「なんで中には入らないの?」

 

「見ての通りさ」

 

キルアの指差す先には『本日正午二次試験スタート』と書かれている。建物からは「ガオオオオ」、「ゲオオオオ」と獣のような唸り声が聞こえて来るが上記の通り、建物に入れるのは12時からでその間にも受験生達には再び緊張の波が押し寄せていた。

 

「変な唸り声するけど全然出てくる気配はないし...まぁ、待つしかないんだろうな」

 

「もうすぐだね」

 

「うん」

 

二次試験開始まで3分を切り、受験生達は再び身構える。長針と短針が12時で止まると大きな音を立てて扉が開いた。

 

中に居たのは3mはあるだろう太った巨漢の男と足を組んでソファーに座る五方向に髪を束ねた奇抜な髪型をした勝ち気のある女性。予想していたこと違ったのか辺りには何とも言えない微妙な空気が流れていた。

 

「どお?お腹は大分すいてきた?」

 

「聞いての通り、もーペコペコだよ」

 

「そんなわけで二次試験は料理よ!美食ハンターのあたし達2人を満足させる食事を用意して頂戴!」

 

「「「料理!?」」」

 

「料理ねぇ...ポンズ、お前はどのくらい出来る?」

 

「わ、私!?ひ、一通りは出来ると思うけど...カムイは?」

 

「...出来なくはないが...料理によるな」

 

料理と言う言葉に受験生達は戸惑いを浮かべる。誰もがハンター試験で料理を作らされるとは思わなかったからだ。

 

「あたしが二次試験試験官のメンチよ」

 

「同じくブハラ」

 

女性はメンチ、男性の方はブハラと名乗り、2人で二次試験を行うようである。

 

「まずは俺の指定する料理を作ってもらい...」

 

「そこで合格した者だけがあたしの指定する料理を作れるってわけよ。つまり、あたし達2人が美味しいと言えば晴れて二次試験合格! 試験はあたし達が満腹になった時点で終了よ」

 

メンチの説明に全員が険しい顔をする。ブハラはともかく、メンチは人並みにしか食べられそうになく、メニューによっては10人以下、それ以上にまで減る可能性がある。その事実に受験生達の緊張感は嫌でも高まっていく。

 

(男の方はともかく、あの女はあんまり食べそうにねーぞ)

 

(これでかなり人数が限られるな)

 

(しかし、まさか料理とは)

 

「くそォ、料理なんて作ったことねーぜ」

 

「こんな試験があるとはな」

 

(((一体...どんな料理を作らせる気だ!?)))

 

「俺のメニューは...豚の丸焼き!俺の大好物!」

 

告げられた料理に唖然とする受験生達。

 

「森林公園に生息する豚なら種類は自由。それじゃ...二次試験スタート!」

 

ブハラの合図と共に受験生は一斉に森に入って行く。

 

二次試験 前半

ブハラのメニュー

参加人数 148人

 

「いやー正直ほっとしたぜ!簡単な料理でよ」

 

「豚捕まえて焼くだけだもんね」

 

「しかし、早く捕まえねばな。あの体格とはいえ、食べる量には限界がある」

 

「それに、仮にもハンター試験だ。そう単縦ではないだろう」

 

「そうね。豚の指定はなかったけど、そもそも豚が一種類しかなかったりするかもしれないわよ」

 

「そもそもこんなに広い森林で豚を見つけるのは至難の業だ。俺はこの土地の生き物の生息域なんて知らないし、何処に居るのか見当もつかん」

 

それもその筈、このビスカ森林公園はヌメーレ湿原を含め、非常に広大な森林だと広く知られている。しかも、この森に生息するのはポンズが考えた通り、一種類のみである。その唯一の豚も【グレイトスタンプ】と呼ばれる豚だけである。しかも、このグレイトスタンプは世界で一番凶暴な豚とも呼ばれており、並の肉食動物を軽く凌駕するほどの危険性を持っているのだ。

 

「あ」

 

「豚だ!」

 

「...ポンズ」

 

「...言いたいことは何となく分かってるけど...何?」

 

「心配は杞憂だったな」

 

「...そうね」

 

坂を滑り降りた場所に受験生が探していた豚は居た。食用の為に飼育されている豚とは違い、その豚は5mはあるのではないかと思えるほど巨大で音を鳴らしながら骨を食べる豚の群れが居た。

 

─────ポキッ!

 

「おい...骨食ってるぞ」

 

「まさか、肉食!?」

 

「ブオオオオオ!」

 

─────ドドドドド!

 

「マジか」

 

「うおおお!?」

 

一斉に叫び、大きな足音を立てながら息ぴったりに猛烈な勢いでグレイトスタンプは突進を仕掛けて来た。ゴン、クラピカ、レオリオは驚きながら慌ててその場を離れた。ポンズは涙目になりながら必死に逃げており、カムイは冷静にグレイトスタンプを分析していた。

 

「ポンズ!」

 

「えっ、きゃあ!?」

 

カムイが慌ててポンズの腕を引っ張ると風を切るようにグレイトスタンプが通り過ぎた。その勢いは殺されることなく目の前にあった木に衝突した。ベキベキと音を立てながら木は根本から倒れた。

 

「あ、あの突進に当たったら一溜りもないわよ!」

 

「下手な武器よりもよっぽど強力じゃないか」

 

グレイトスタンプが世界で最も凶暴な豚だと言よばれる所以はその獰猛さと脅威的な突進力だ。グレイトスタンプ特有の大きな鼻で獲物を圧し潰してから食べる肉食の豚なのだ。

 

(ゴン達は大丈夫か?)

 

カムイは目の前のグレイトスタンプの警戒も怠らずに辺りを見渡すと真正面から相対するゴンを発見する。しかし様子が変だ。豚の周りには幾つかの果実が転がっており、グレイトスタンプは弱っているようにも見える。状況から考えると果実がグレイトスタンプの何処か脆い部分に当たったのではないかと考えた。そしてそれを証明するかの如く、ゴンが飛び上がり、手に持っていた釣竿で力一杯、グレイトスタンプの額を叩き付けた。

 

「ブオオオオオ!」

 

グレイトスタンプが叫び声を上げるとそのまま倒れ、動かなくなる。その様子を見ていたクラピカとレオリオ、カムイ、ポンズもグレイトスタンプの倒し方を把握する。

 

「なるほど...額が弱点ね」

 

「巨大で硬い鼻は脆い額をガードするための進化というわけだ」

 

「弱点さえ分かればやりようはいくらでもある。これで問題なく仕留められる」

 

弱点が分かるやいなやクラピカ、レオリオ、カムイ、ポンズの4人は次々と仕留めて行く。他の受験生もグレイトスタンプの弱点に気付くと瞬く間に仕留めて行く。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

グレイトスタンプを狩りに出掛けた受験生達を待っていたメンチとブハラは遠方からグレイトスタンプを捕獲した受験生達を目にする。試験会場に着くとグレイトスタンプを火で炙り、丸焼きにする。試験内容が簡単だった事が功をそうした。これだけ巨大と調理も一苦労だからだ。

 

数十分後には焼き上がったグレイトスタンプがブハラの前に大量に積み重ねられていた。

 

「うひゃあ〜」

 

「あらま大漁だこと。テスト生舐めてたわ」

 

 メンチは目を開いて、積み重ねられた豚の丸焼きを見上げる。ブハラはもう我慢出来ないとばかりに出来上がった豚の丸焼きに早速齧り付いた。

 

─────ガツガツ

 

「うん、美味しい!」

 

─────ムシャムシャ

 

「これも美味い!」

 

─────ボリボリ

 

「うんうんイケる」

 

─────バクバク

 

「これも美味」

 

次々と豚の丸焼きを食べ尽くして行くブハラ。その勢いは衰える事なく用意された70頭もの豚の丸焼きを食べ尽くし、骨の山が積み上がった。大きなゲップを吐くと服がはだけるほどまで膨れ上がった腹を満足そうに撫でた。

 

「あ〜食った食った。もーお腹いっぱい!」

 

─────ゴオォオン!

 

ブハラが満腹の宣言をするとメンチは用意していた銅鑼を思い切っり、叩いて終了の合図をする。

 

「しゅう〜りょ〜!」

 

(((豚の丸焼き70頭!バケモンだ!)))

 

この場に受験生が同じ感想を抱いた。

 

「どうやったらあんな量を食えるんだよ」

 

「私は見てるだけで胃もたれしそうよ...」

 

70頭の豚を食べ尽くしたブハラに受験生は慄くか、呆れるしかなかった。ゴンのように純粋に凄いと思ったり、クラピカのように明らかに食べた体積の方が多いことに真剣に悩んでいた。

 

「あんたねー、結局食べた豚全部美味しかったって言うの? 審査になんないじゃないのよ」

 

「まーいいじゃん。それなりに人数は絞れたし。細かい味を審査するテストじゃないしさー」

 

「甘いわねーあんた。美食ハンターたる者、自分の味覚には正直に生きなきゃだめよ。まぁ、仕方ないわね」

 

メンチは再び銅鑼を鳴らす。

 

「豚の丸焼き料理審査!70名が通過!」

 

「あたしはブハラと違ってカラ党よ!審査も厳しくいくわよー」

 

ごくりと唾を飲み込む受験生。ブハラと違いあまり食べれそうにないメンチは出された料理を全て食べ切れるとは考えられないからだ。後半の試験は早い者勝ちの可能性が非常に高い。

 

「二次試験後半、あたしのメニューは...スシよ!」

 

(((スシ!?スシとは!?)))

 

告げられた料理にまたしても困惑する受験生達。予想外だったのは聞いたこともない料理だった(・・・・・・・・・・・・・)ことである。




個人的に思うんですけど瞬身の術や飛雷神の術の適正って何でしょうね?もし、分かる方が居ればコメントで教えてください!お願いします!
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