~前回の続き~
「ゾーイさんにお話を聞きにいこう!!! エヴァのお母さんだっていうなら、きっとゾーイさんも力になってくれるはず!」
(……GM、『ゾーイに直接会いに行く』と実質宣言されて完全に宇宙猫顔状態)
ハルウララ『って、事で。ゾーイに会いたいんだけどどういう風にすれば会えるかな?!』
(GM独白:…………怖いホラーあり版の資料だと、諸事情で絶対会える機会無いから、そこら辺の処理書いてないけど……あぁ、うん、この世界観だと生きてるから会える可能性は、あるな確かに……しかし資料に全く想定されてない処理で……こっちとしても用意してたのは完全にゾーイの手記だけ……)
セイウンスカイ『そうだね、入院してるなら場所は限定されてるから、もしかしたら会えるかもしれないね』
キングヘイロー『その手があったわね! とてもいい案よ! ウララさん!!』
ハルウララ『えへへ~……♪』
(GM独白:……あぁ、他のプレイヤーまで乗り気になっちゃった。これで「いやソレ無理ッス」って言うのはなんだか憚れるし……視点変えて考えてみると実際良い案だから採用してあげたいなぁ……でも見ず知らずで、地位の高いプログラマー……入院中……接触する方法……待って、今考えるからちょっと待って……)
カレンチャン『……GMがなんか急に黙り込んで反応ないね。すごい考え込んでる?』
ライスシャワー『き、きっとこの後すごい怖い展開が待ってるんだ……ら、らいす……緊張する……』
――うむ。実に良い案だ!! 私としても、もちろんプレイヤーのその行動を想定している。(※大嘘) ゾーイと接触するには、仕事依頼や何かしらの用件がある時に連絡する公開メールアドレスを使うか、あるいは他の手段などもプレイヤーの提案次第で採用出来るかもしれない!(意訳:SNSの公開メールアドレスくらいしか思いつきませんでしたごめんなさい)
セイウンスカイ『おー、やっぱり想定されてたルートだ。やるねーウララ。それじゃあまずは手堅く公開メールアドレスでも使おうかな?』
――当然、私は完璧なGMだからな。(GM独白:ホントごめんなさい想定してませんでした許してください)……では……メール内容を考える事にまずはEDU。それによってボーナスペナルティダイスを決めてからINTかな。
セイウンスカイ:CC<=80 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 69 > 69 > レギュラー成功
セイウンスカイ:CC1<=70 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[1] > 28, 88 > 28 > ハード成功
――成功だな。ここは参謀型ステータスの面目躍如といったところか。
セイウンスカイ『いやぁ、目指した役割と結果がハマると気持ちがいいねぇ』
では、セイウンスカイは「Eveというアプリに対する取材」という体で面会を申し込んだのかもしれない。
それについてはやはり入院中という事で一旦断られそうになったが、頭の良いセイウンスカイはその最中に「EVE(エヴァ)」という単語を出す機会を思いついたのだろう。その単語を出した途端、ゾーイはすぐに断るのをやめた。
『取材には応じます。ですが、電話でもメールでも事の内容を話す事は出来ません。直接病院までご足労願います。場所は――』
……少々遠い病院に行くハメになりそうだ。多めに時間を消費するから、トレセン学園やその周辺地域でやりたい事があるならばやっておいた方がいいかもしれない。
(GM独白:あぁ、無難な処理に落ち着いて色々と助かった……)
セイウンスカイ『アリスおばあちゃんにマロリーボットの悪事の証拠渡しておく? 私達が全滅する可能性もありそうだし……」
カレンチャン『え、えっと! それについては後でお願いできるかな? すごく、個人的にやりたい事があるの……!!』
――……。
セイウンスカイ『……というと?』
カレンチャン『詳しい内容は、後でちゃんと決めたいんだけど…………カレン。マロリーボットの事はキャラクター視点でも、「赦す」と判断する為の機会がほしいの……』
キングヘイロー『許すの? あれを? …………最後の動画の事を踏まえれば、二つ返事で同意は出来ないわ』
セイウンスカイ『そうだね。そこはキングと同意見。実際に彼女がEVEの攻撃対象になった時には助ける事に全面的な同意はしたけど、悪質な虐め行為を無罪放免で見過ごすのは違うと思う』
ライスシャワー『………………ら、らいすも。詳しい事は。見てないけど……すっごく悪い事だから、何かある前に、アリスおばあさんや学園にはすぐにでも渡した方が……』
カレンチャン『………………』
――カレン。
カレンチャン『はい』
――この手の事は大概、多数決で決まる。だから、「自分がそうしたい理由」を話すのは大事だ。
「カレンは……マロリーボットちゃんの事を、ちゃんと判断したいと思ってる……」
ゾーイとの面会交渉が終わって移動の支度中に、カレンはそのように皆に打ち明けた。
「判断? あれを!? 私達が判断するまでもなく『どうしようもない邪悪そのもの』だったじゃない!!」
キングヘイローですらそう言い切り、セイウンスカイもそれについては擁護しない。するつもりもない。
普段はこういった話題においては他人を庇い立てるライスシャワーも、それについては及び腰のようだ。ハルウララも、皆の雰囲気を鑑みて「自分は口を出さない方がいい」と思ったのか事態を見守っている。
「……人之性悪、其善者偽也」
「? 外国の言葉……?」
ハルウララが首を傾げた。
「――今人之性、生而有好利焉。『彼女は何か理由があってあんな悪人になった。理由があったから仕方ない』……とでも言いたいの?」
比較的教養のあるキングヘイローが、それを理解し言葉を返す。
「あったとしても、"あれ"は許されるべき事ではない! 貴女だって、最後の動画は見たでしょう!?」
キングヘイローは断罪感情からそう言いのけた。もはや威圧に近かった。キングヘイローが仲間に対してこのような態度を取るのは普段からは考えられないが……それだけ、あのマロリーボットの所業に怒りを覚えているのだろう。
だが、カレンチャンはそれに臆する事無く……いや、むしろキングヘイローの怒りを正面から受け止めた上で自分の意見を主張する事を続けた。
「確かに、許されるべきじゃない。カレンもそれはわかってる。手放しに『彼女の事を許してあげよう』なんて無垢な考えは、とてもじゃないけどカレンも思ってない。でも、だからこそ……」
カレンチャンは、そこで一度言葉を切った。
まとめサイトを思い返す。ファストヴィクティムを何も知らぬ者達が、彼女に罵詈雑言を浴びせ、死すらを願い、喜ぶ薄気味悪いあの惨状。
…………ファストヴィクティムとマロリーボットでは程度が違う。片方は清廉潔白な冤罪で、もう片方は真っ黒なカルマに塗りつぶされたような存在だ。
それを全て認めた上で、カレンはこう思った。
「マロリーボットちゃんがどういう事があってあんな行為に身を貶したのか、ちゃんと全部把握してあげた上で彼女の事を裁きたい」
あくまで考え無しに許すつもりはない。それを皆に示すように、カレンチャンは言い切った。
「それは……」
マロリーボットは断罪されるべき事をしたのだからそんなの知る必要もない……とまではキングヘイローも言い切れなかった。
話が一旦落ち着いたのをみて、セイウンスカイが間に入ってくる。
「……ま、そりゃあ、妥当な物言いですよね。大人達に任せるべき案件かもしれないけど」
スカイとて、マロリーボットを許すといった方向性にはあまり納得していない。だからこそ訊ねたかった。
「どうやって把握するの? 彼女の心情を事細かに知ってるヒトなんて、いないと思うよ。動機はともかくさ。お父さんやお母さんにも内心隠してそうだし、トヴィ――ファストヴィクティムだってさ。心情知ってないからあぁいう事になって――」
「……一人……いや、一体だけ居る」
カレンチャンは、聞く宛については既に検討がついていた。キングヘイローもセイウンスカイも、その言い方を聞いてすぐに思い至ったようだ。……顔を歪める。
「だ、だれに聞くの? まさか、重要な情報をまだ知り合ってない新しいヒトとか、思いついたの……?」
カレンはふるふると首を振る。それでハルウララは何か理解したようで、目を輝かせていた。
「EVEちゃんと協力するんだね!」
カレンはそれに頷いた。
(GM、シナリオに無い処理を予感して再び宇宙猫顔)