皆が大輪に圧倒されている合間、小人のハクメイは飄々と話を向けてきた。
「そうだ。獣人の旅人さん。あんたらの名前、聞いてなかったな。改めまして、私はハクメイ」
ライスシャワーの頭の上で、こてんと腰を降ろしながら自己紹介をするハクメイ。
「ライスは、ライスシャワーっていうんだ」
「ウララはね、ハルウララ!!」
「おー、覚えやすい名前だな。ウララ。ライス。よろしくなー」
キングヘイローやセイウンスカイ、ノボジャック、カレンは互いに顔を見合わせてから、自己紹介を始めた。
「セイちゃんはセイウンスカイっていうんですよ~」
「ノボジャック」
「カレンはね、カレンチャンっていうの♪」
「キングヘイロー。一流のウマ娘よ! お~ほっほっほ!」
ハクメイはうんうんと頷いていたが、キングヘイローが名乗った後、少し首を傾げた。
「キング? どこぞの王族か?」
と、少し期待するような声色でキングヘイローに訊ねてきた。
「え、えーっと」
「そういう事にしちゃえばー?」
二ヒヒと笑うセイウンスカイ。困ったように視線を泳がせるキングヘイロー。
――あー、今回のウマレーターのゲーム内では出身などは自由に決めていいぞ。あくまでフレーバー要素だけど。
セイウンスカイ『あー、じゃあ、今回はそういう事にしちゃいます? 決定権はキングにあるけど』
キングヘイロー『…………うーん、そうね。じゃあ、そうしようかしら』
ハルウララ『じゃあ、ウララ達はキングちゃんの家来辺りかな? 騎士とかカッコよさそ~!!』
――ウララは似合わな……いや、ステータスと一話の活躍が……ありか……?
セイウンスカイ『じゃあ、セイちゃんはその配下一の知恵者辺りで~』
キングヘイロー『……辺り、って割には図々しいわね』
「えぇ、お忍びで諸国を旅する偉大なる王族、キングヘイローよ!」
キングヘイローはノリでそう名乗った。
それを聞いたハクメイは、目をぱちくりさせた。
「おぉ! じゃあ、エルムルドの王にお目見え出来るかもな!!」
そう言ってから、ハクメイは珍しいモノを見つめるような目で見てきた。
「エルムルドの王?」
ライスシャワーは頭の上で語るハクメイを落とさないように気をつけながら、そう訊ねる。
ハクメイは頷く。
「あぁ、エルムルドの王。人徳深き善王様だ」
「へぇ……どんな人なのかなっ?」
「カレンも。聞きたい聞きた~いっ」
興味津々と言ったように返事をするライスシャワーとカレンチャン。
ハクメイは、その王の言葉を語る風にモノマネ調で語り始めた。
皆の注意は、その言葉の方に向いた。
???????王 : 「小人の売買? あー、なしなし。そういう物騒なの」
???????王 : 「どーせならさー、もっと楽しい事やろうぜ」
???????王 : 「あの二つの月を目指してバベルの塔立てるとかさ」
セイウンスカイ『魔王ゴルシちゃんだコレェーッッ!!!』
キングヘイロー『なんか……配役に奇妙な縁を感じるわね……』
(GM注釈:アプリのウマネスト参照)
ハルウララ『??????王? 一体だれなんだろー?』
カレンチャン『ゴルシ王……一体何者なんだ……』
ライスシャワー『ご、ゴールドシップさんなら悪い王様じゃない……かな? えっと、善王……?』
ヤケに具体的なモノマネに誰かは想像ついた者が多数だが、それはともかく。
「善王様がそう言ってるのに人さらいが横行してるの?」
と、セイウンスカイが目敏くハクメイに聞いた。
ハクメイは頷きつつも、そして、こう続けた。
「王は遠征に出かけているんだ。祭りが大盛り上がりの今日の夕方か夜頃帰ってくるって話」
セイウンスカイが天を仰ぐ。朝か夜かなどは分かりにくい空模様だが……少なくともそういう時間的概念はあるのだろう。
「なるほど。その善王がいない間に、人さらいが横行している。と」
「そうだ! さすが配下一の知恵者」
話が早いとばかりに、うんうんと頷くハクメイ。しかしキングヘイローは不思議そうに腕を組んだ。
「手伝う前提で言うのだけど、その善王様に任せればいいのではなくて? 国と旅人ではあまりにも」
それが当然とばかりに言うキングヘイロー。確かに一国を治める者に任せれば人攫いの問題はあっさりと解決するように思える。
「……王様が帰ってくる時は、街中を警備する兵士も巻き込んでパレード騒ぎみたいな感じになるからな。そん時に、人攫いの逃げ時」
そう呟いたハクメイ。周囲も「なるほど」と納得する。
「ま、セイちゃん達にどれほど手伝えるかわかりませんけど。要は、その時間までに小人のお仲間さんを助けちゃえ、って事ね」
そうセイウンスカイがまとめる。皆もその言葉に静かに頷いた。
――そんなわけで、エルムルドへの道を征く一行。今回は戦闘偏重でやるので、改めてシステム的な事をプレイヤーに向けて解説する。
(クイックスタートの戦闘ルールとハウスルールについて改めてプレイヤーに解説。近接武器はSTR。投射物などはDEXで判定など)
そうして、貴方達は港がある都市にたどり着きました。
町並みは中世かルネッサンス時代の様相といいましょうか。ファンタジーによく出てくる装いですね。
街の真ん中には丘があり、そこには神殿らしきものが立ち並んでいます。また。そこから更に高い丘には王様が住む様な宮殿が建っていました。
その周囲を取り囲む様にして街が広がっている、といったカンジですね。
セイウンスカイ『規定描写と思われる部分の文体が子供に語りかける感じなのが結構好き』
――……まー、メタ事情言えば3本とも描写の雰囲気がっつり変える予定だったんだが。(プレイ当時の描写の転写が多いとリプレイとの兼ね合いが……)
キングヘイロー『2話との温度差がすごいわ……』
さて、城壁の外に居る形ですが。中に入ってみますか。
「いかにも中世な町だねぇ~」
「うわぁ~、絵本に出てきそうな町だねっ!」
セイウンスカイとライスシャワーは興味深げに城門から入っていく。
では、みんなで城壁の中へ入っていくと、大人の人に呼び止められます。
「おい」
「?」
キングヘイローは呼び止められた方に振り返る。
――ダダン、ダンダダン……。
――ダダン、ダンダダン……。
(オンラインセッションの機能で、唐突に某映画風のフリー素材BGMが流れ始める)
to be continued....