IS 灰色兎は高く飛ぶ   作:グラタンサイダー

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33.いざ嵐の中へ

 くじ引きには当たりとはずれ、言い換えれば1か0しかない。

 ピットにて機体をカタパルトに固定する少女にとって、この結果は1ではなく0でもなくマイナスだった。

 学年別タッグトーナメント第1試合。彼女の対戦相手はパートナーの心を戦地に赴く前から折ってしまった。

 

――更識・汀ペア――

 

 こんな事ならもっとマシなパートナーを選ぶべきだったと少女は後悔する。いっそパートナーも抽選に任せれば良かったかもしれない。

 タッグとはいえISの基本は単機での戦闘。1対1が2ヶ所で展開されるだけ。今回は自分がそれを2回連続で行えばいい、いや、1機落とせば数的優位で勝てるのだとパートナーを奮い立たせる。

 そう、自分の相手を迅速に撃墜すればいいのだ。

(コバンザメ程度なら、真っ先に落とせばいい)

 あの女、今度は更識のネームタグにこびり付きやがったと少女は毒突く。図らずも少女の手で食堂にてあれだけ惨めな目に遭わされて以降、食堂に顔を見せないと思えば吸い付いていた連中が出られないと知って即座に他に飛びついていた。その厚顔無恥には尊敬するばかりだ。

(学園最強、IS学園生徒会長の妹)

 織斑 一夏を取り巻く専用機持ちに隠れて代表候補生の資格を持つ、会長の妹。

 噂では今回のトーナメントで試作機のテストを任されているというが、試作機が量産機より強いという事実は存在しない。所詮はロマンとフィクション、空想の産物だ。

 真っ先に汀を倒し、2対1となれば簡単にカタがつく。

(コバンザメ程度、速攻で落とす)

 少女にはその自信とそれを裏付ける実力があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリーナは大の字がつく盛況。各国の要人は別の場所に専用の観覧スペースが存在するが、外部からの選ばれた観客、関係者たちが生徒とは別に詰め掛けている。それを狙って一部の生徒が物売りをしていたりと、完全に祭の様相だ。

 そんな中にIS男子操縦者が独りで居たとすればどうなるか。

「一夏、大丈夫だった?」

「ああ。でも凄いな、押しつぶされるかと思った」

 いつも以上の人数が学園に押しかけ、その連中に二人の事を知らない人間など居らず、むしろ近づいて利益のあるような連中が大挙する。

 一夏も「そろそろみんなと合流するか」などと軽い気持ちで単独行動していれば……。

「一夏さんはもっとご自身の立場を理解した方がよろしいかと」

 1組全員が頷く。

「一夏も皆と一緒に来れば良かったのに」

「そうしたかったんだけどな」

 シャルルの遅い提案に一夏は沈んだ面持ちになる。その場にいる全員が分かっていた。

「……箒さんとは会えなかったのですね」

 一夏は頷いた。

 ラウラの一件以来、一夏と箒の間に会話がなくなった。いや正しくはあるにはある。一夏から投げかければ「ああ」とか「そうだな」と一言で返し、会話を切られてしまう。続かない。目も合わない。

 彼女からの会話が無い日など学園入学以来一度として無かったのだ。それが突然に途切れてしまいクラスメイトも驚いたが最も驚いていたのは当人である一夏だった。

 静穂にも勿論話を聞いた。一夏に次いで彼女と親しく、また相川と共に豹変の現場を目撃した筈の人間からも「分からない」としか帰って来なかった。

『――さあお集まりの紳士淑女の皆さん! 大変長らくお待たせいたしました!』

 アリーナに響く実況音声が一夏の思考をかき消した。

「一夏」

「大丈夫だ、シャルル」目先の物事に切り替えていく。「今は静穂の応援だろ?」

 各々がクラスマッチの時に作った応援グッズを片手に掛け声を合わせる

「フレーッ! フレーッ! み・ぎ・わ!」

「かんちゃーん! みぎー! がんばれ~!」

 

 

『――さあお集まりの紳士淑女の皆さん! 大変長らくお待たせいたしました! ただ今よりIS学園学年別トーナメント1年の部を開催いたします! 実況は私IS学園2年、新聞部副部長にして放送部も兼任。学園内の情報は私の物だ! 黛 薫子と』

『同じく2年で警備主任、同じ轍は2度も踏まないイリーナ・シャヘトでお送りしまーす!』

 淹れたてのコーヒーを山田先生に振舞いつつ、千冬は実況のお調子者共がと嘆く。

 管制室から眺める観客席はクラスマッチ以上の人数が詰め込まれている。今回ばかりは()に出て来て欲しくないものだ。一度パニックでも起これば将棋倒しで死傷者が出る。

『以前の1年クラス対抗戦では不慮の()()()()()()により中止となってしまいましたが今回はもう心配いりません。なので観客の皆さんには安心して初々しい1年生の艶姿をまじまじと――』

『ストップ薫子それはダメー!』

 シャヘト、よく止めた。

 そして山田先生は何を思案しているのか。

「山田先生、どうかしましたか」

「あ、いえ、その」

 どうにも歯切れが悪い。体の具合でも悪いのか、汀でもあるまいし。

「汀さんは大丈夫でしょうか」

(……まったく)

 本当に彼女は優しすぎる。

『今年の1年はホントに大波乱! 学年別最多の国家代表候補生入学人数に加え世界初の男子操縦者も入学! それに押し上げられたのか全体のレベルも急上昇!』

『去年に負けず劣らずの熱闘激闘大乱闘をお約束しまーす!』

「山田先生。奴が怪我をする可能性はありえません。逆はあっても、ですが」

 常時ISに守られている人間をどうやって傷つけられるというのか。

「ですが織斑先生。汀さんは今回のトーナメントにラビットを使わないと言っていました。授業では問題ありませんでした、ですが実戦ではどんな影響があるかわからないじゃないですか」

 何を考えているのでしょうかと言って山田先生は砂糖ミルク多めのコーヒーに口をつけた。

 そんな事を言っていたのかと、千冬は初めて聞いた事実に驚く。

 だがそれも合点がいった。世界中に自身の貴重性を曝すような真似を奴は好まないだろうと容易に想像がつく。

(奴が何を考えているのか、か……)

 あくまでISスーツ。自身の素肌と素性を隠すに留め、試合には使わない。話の通りならシールドも切っている事だろう。自分の首に成り代わっているISを余程調べた事だろう。

 学生らしく勤勉なのはいいが随分と実直が過ぎる。才能云々を補うためには少しくらいはグレーゾーンに足を踏み入れてみてもいいのではないか。

 別に犯罪を推奨しているのではない。清濁併せ呑むまでいかずとも善悪の区別を判断し逡巡する様が在って許されるのが少年少女の時分ではないのか。

(まあ、それならそれでいい)

 実弟より手が掛からないのは面倒が省けて良い。それに正々堂々とやろうとしているのなら、ただ見ているのも教師の務めだろう。

「問題はありません。汀は既に二度、ああなってからの実戦を経験しています」

 一度目は山田先生自身が相手だった。

「そうでしょうか……」

「それに山田先生のデビュー時のようなこともないでしょう」

「織斑先生!?」

「始まりますよ」

 一気に騒がしくなった山田先生を受け流し、実況に耳を傾ける。

『それではAブロック第1試合! 選手入場です!』

『出てこいやー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女のデビュー戦でもあるこの試合は悉くをあのコバンザメに引っ掻き回されるようだ。

「……ねえ、アンタ」

 わたし? とコバンザメはとぼけやがる。

「どこまでふざければ気が済むわけ?」

 少女の堪忍袋は限界だった。開始の号令が出る前に飛び掛ってしまいそうだ。

 汀 静穂はメイルシュトロームの上から制服に似たボロ布を纏っていた。いや、ハイパーセンサーを凝らすと擦り切れや穴の縁はしっかりと繕われている。

「そんな布切れで目を惹くとか、恥ずかしいと思わない? そんなにアピールしたいなら実力で表現しなさいよ」

「……」言われた汀は少し考えた素振りで、「わたしとしては矜持のつもりなんだよ」

 矜持?

「いや、ね。この外套? クラスの皆が作ってくれたのだけど、ちょっとした理由でボロボロにしちゃって。丁度いいし初めての公式戦で折角だから着て出ようかと……ってどうかした?」

「もういい……」

 1組の無駄な連帯感、それにどっぷりと浸かった人間の思考はこうも理解できないものかと少女は頭を痛める。プレッシャーはないのか。

 ……パートナーと簡単な打ち合わせをした後、少女達の待ち望んだ合図が来る。

『開始5秒前! 5! 4!』

 ブザーに合わせた実況の声が響く。

 少女が息を吐く。緊張感を楽しんでいる自分がいる。

 全力で臨む。奴の実力は代表候補生と遣り合った事実から理解しているつもりだ。

『3! 2!』

 だから外套などの、実力以外で目立つ彼女が許せない。実力があるのに小手先に走る相手が許せない。

 少女は純然たる闘争を渇望していた。

『1! 試合開始!!』

「っ!」

 ブザーとほぼ同時に少女は突撃した。搭乗した打鉄は動作に応えてくれている。

 その突撃に真向から向かってくるのは、

(更識!? 速い!)

 少女の打鉄を超える速度で向かってくる彼女に対し、こちらも速度を落とさず葵を抜く。更識の薙刀と火花を散らし、接点を芯とした半円を描いて軌道は本来の標的へ。更識は大きく軌道が逸れパートナーが追っていく。

 残心をしている余裕はない。開始位置から動いていない汀に視線を移す。

 そして見てしまった。汀がはためく外套を擡げて背中から腕へ展開する、

 

――25mm7連砲身ガトリング砲を――

 

「――ごめんね」

「----------!」

「空転時間の都合上、隠さないと警戒されるからッ!」

 砲身が火を放つ。外套が翻り、メイルシュトロームのプリンセスドレス型増設推進器が反動を抑えるべく出力を増す。

 瞬時加速で避けられない少女に次々と着弾。著しくシールドを損耗させ続ける。

 ――それでも少女は止まらない。

 それどころか笑みまで浮かべ葵を突き出し速度を上げる。

「汀ぁあああっ!!」

 彼女は予想を超えていた。全てが最善の選択だった。

 最初から展開、装備していたガトリングを隠すための外套だった。

 少女の渇きを満たしてくれる相手だった。

(ああ、)

 汀が腰撓めに半身を切って放つ弾幕の中から少女は放り出されていく。

「最っ高よ、アンタ……」

 

 

『なんという隠し球! 汀選手、高機動機体のメイルシュトロームに追加ブースターを装備し高速戦闘に持ち込むかと思いきやその推進力で強引にガトリングの反動を押さえ込み弾幕の雨あられ! 2対1に持ち込んで早期決着か!?』

『完全に足を止めて、これじゃ対空砲ですよ!? 相手の好戦的性格も考慮した上でのセッティングでしょうか!?』

 歓声の中で一夏と代表候補生達が何ともつかない感情を抱く。

「凄いのは分かるけど、あんなのありか?」

「無くはないですが無謀というか無茶苦茶ですわ。まさかメイルシュトロームであのような重火器を扱うなんて、機体の持ち味を完全に殺していますもの」

「前にクアッド・ファランクスを使ったことがあるって聞いたけど、あの1門だけでも相当の反動だよ。推進力を増やしてまでメイルシュトロームを選んだのは照準性能で命中率を確保して最速で一機落とすためだと思う。力技だけど静穂は機体特性を理解してるよ」

「みぎー撃て~! かんちゃん突っ込め~!」

 アリーナでは静穂が相手の進行方向を塞ぐように弾をばら撒き更識 簪が距離を詰める展開が続いている。

 それでも観客の心は掴んだのか歓声は耳が痛くなる程だ。

「俺もセシリアの指導を受ければああなってたのかな?」

「わたくしのせいですか!?」一夏の言葉にセシリアは過敏な反応を示す。「わたくしは常に優雅な飛び方を指導しています! 一夏さんでも今の言葉は聞き捨てなりませんわ!」

「いや別に貶してる訳じゃなくてだな!?」

「……きっと静穂は」

「シャルル?」

「シャルルさん?」

 一夏とセシリアが痴話げんかに発展しそうな所をシャルルは考えを述べていく。

「更識さんに合わせているんじゃないかな。最初の接触時も相手の女子は最小の動きで本来の軌道に戻っていたけど更識さんは大きく逸れた。それも作戦のうちかもしれないけど、もしも更識さんがまだ機体の制御に不慣れだとしたら」

 慣れない機体、それも高機動仕様と来れば操縦に支障が出る行為は致命的だ。速度の合わない他者との連携も集中を乱すだけで終わり、最悪、仲間同士で衝突する危険も。

 シャルルの推測にセシリアもどこか納得した様子で、

「いち早く相手を倒して数的優位を確保し以後は後方から火力支援。火力を見せ付けて注意を惹き、」

 パートナーの習熟を促す。

 更識 簪の機体は彼女の専用機だ。癖を知るだけでも操縦はとても楽になり、練習機と違い機体も経験を蓄積できる。今後の運用にも確実に影響があるはずだ。

「もちろん相手を甘く見ている訳じゃない。でも将来を見据えた選択をしているのだとしたら」

 一夏が言葉を継ぐ。「強敵だな」

 歓声が強まる。更識が相手にとどめの一撃を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピットに戻ってハイタッチ。

「初戦突破ぁ!」

「突破……!」

 静穂と簪の策は万事が上手く行った。二人は知らないが概ね観客席の予想通りだ。

 予想と異なる箇所としては将来を見据えた、という所か。他にも所々。

 確かに簪は今の専用機・打鉄弐式に慣れていない。それも全て静穂のせいだ。

 簪は()()打鉄弐式に慣れていない。

 簪は弐式を受け取るにあたり事前に倉持技研にて訓練を受けていた。その感覚と今の弐式とは全く異なっている。簪も完成後に訓練こそしているが、どうしても仮想シムの感覚に引っ張られる現状。

 巡航速度以外はシムと遥かに劣る推進器、逆にトルクの桁がトリプルスコア近く異なるPIC。武装も外しバランスの『バ』の字もあったものでない。唯一使用可能な薙刀の超振動機構も未完成、威力が著しく劣る。

 とにかく飛べるだけの急造品。満足な習熟訓練もなしに戦闘機動が出来る方がおかしい。代表候補生の、更識 簪の技量の高さを垣間見た。

 静穂の方も違うといえば違う。

 簪の支援をするつもりではあった。だが最初はラファールを使う予定だったのだ。

 数日前、整備科の上級生数人からこんな通達があった。

 

――ごめん! 汀さんの使う筈だったラファール、壊しちゃった!――

 

 ……何でも、整備の授業中に意見の食い違いが生じたらしい。

 その時に使われたのが静穂の使う予定だったラファールだそうで、何をどうしてそうなったのかは隠されたがメーカー修理とまでは行かずとも静穂の機体は使用不能。

 トーナメント中、各生徒はそれぞれ練習機を宛がわれる。一時的にだが専用機持ちのように自分の機体を手に入れ、各々が自分達に合わせた調整を行う。

 静穂はそのアドバンテージを殺された状態で戦わなければならない。

 今回使用したメイルシュトロームも誰かの擬似専用機だ。装備を外した後、本来の搭乗者の下に戻る。

 機体をハンガーに固定し降りると待機していた上級生に任せる。

「お疲れ様! 改めて見ると凄いねあれ、普段からあんなの考えてるわけ?」

「どうもです。次は誰のどの機体ですか」

 静穂が言うと上級生はリストに目を通す。

 このトーナメントにおいて静穂の機体は存在しない。静穂をジプシーにした張本人達が試合時間までに静穂の要望通りに調整し、試合が終われば機体を元の持ち主の仕様に戻す。試合の工程と損傷度合によっては地獄を見る強行軍。織斑先生曰く因果応報。

 彼女らとしては静穂が負けても織斑先生から手抜きとして罰を受けるし勝っても仕事が増えて悲鳴が上がる。敗者の分だけ機体に余裕が出来るのだが彼女達も静穂も気づいていない。

「3組の子のテンペスタだね。今使われてるから、午後の2回戦にはなんとか間に合わせる」

 1学年丸々のトーナメント戦。タッグマッチとなり対戦数は半分に減ったがそれでも日程によっては日に2試合を消化する必要も出てくる。

「でもいいの?」

「何がですか」

「機体の選択。駄目にしたのはこっちの責任なんだから、好き勝手に選んでくれていいのよ? 私達が何とかするから」

 うぅん、と静穂は少し唸って。

「初期設定に戻してもらえたら装備も含めて皆一緒ですから。後はお願いします」

 そう言うと静穂は急ぎピットを出て行く。

 次の試合で対戦相手が決まるのだ。簪は弐式の調整がある。始まる前に観客席に着いておく必要があった。

 ……静穂が居なくなったピットで、上級生は簪に話しかける。

「彼女、ホントに何考えてるの?」

「勝つ方法です」

 

 

 静穂が制服の上着に袖を通しつつ進むと、

「汀 静穂」

 ラウラ・ボーデヴィッヒがそこに居た。

「見事だった」

「ありがと」

 それを言うためにこの場に居たのでは無いだろう。彼女の試合も近いのだ。

 つまりそのパートナーもこの場に。

「……箒ちゃん」

 何を言う訳でもなく彼女はそこに立っていた。

「ボーデヴィッヒ、私は先に行く」

 ボーデヴィッヒの返事も聞かず箒は静穂の横を通り過ぎた。

 静穂は振り向いて何かを言おうとする。そこで止まった。

 言っても無駄なのだ。嘗ての彼女はそうだった。

 さほど親しい訳ではないのかもしれない。直近の彼女を知っているだけで。

 言っても無駄、火に油。

「貴様と戦うのが楽しみだ」

 ボーデヴィッヒもまた静穂の横を通り過ぎていく。

「負けるな。私と戦うまで」

「…………」

 負けるな、と来た。

(そんなに戦いたいの? ……箒ちゃんも?)

 彼女もまた中学の時と同じなのか。憂さ晴らしで剣道大会に出たように。耐えられないほどに溜まっているのか、憤っているのか。

 ……ボーデヴィッヒの背を一瞥し、行く道を進む。

 取捨選択。静穂に解決できる事柄ではない。

 それが堪らなく息苦しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 静穂達の勝利は1組の面々を奮い立たせた。

 

「一夏、準備はいい!?」

「ああ! 負けてられないからな!」

 

「篠ノ之 箒。貴様は何もしなくていい。私だけで終わる」

「いや、私にも一人寄越せ」

 

 

『学年別タッグトーナメント1年の部! 1日目が終了しましたが皆さんいかがでしたでしょうか!?』

『事前予想調査の通り各代表候補生ペアが1回戦を突破、早い所では第1試合の更識・汀ペアが3回戦への進出を決めています!』

『ですが一番の人気は織斑・デュノアの男子ペア! 登場時の熱狂はアリーナのバリアが揺れたほど!』

『ですが他のペアも要注目! どの試合も見逃さないでー!』

『それでは本日はこの辺で! 実況は私黛 薫子と!』

『イリーナ・シャヘトでお送りいたしましたー!』

「……もう少しまともにやれんのか、黛共は」




 戦闘回は難産。今後何回も言うと思います。2巻分が終わるまでどれだけ苦しむつもりなのか。
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