ヨコシマなヒーロー   作:ソウクイ

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第7話

 

横島が逃げた。

 

それはもう見事な逃げっぷり。

 

二人が呆気に取られてる内に部屋に現れた黒い虫を彷彿される素早さで峰田をさらったまま視界から消えた。ホモに売るとかなんとか言いながら逃げた…模擬戦闘なので考えるまでもなくホモ云々は嘘だとはわかる。どう考えても逃げる為の適当な言葉…。

 

 

何で逃げた??

 

取り残された二人は顔を見合わせる。人質を盾に戦闘を挑んでくると思ったのに拍子抜け、逃げたのは…なんだろうか。逃げても模擬戦闘に勝てない。ヴィラン側の勝利条件はヒーローの確保か。時間が制限時間を経過すること。

 

「なんで逃げた。時間稼ぎか?」

 

「…私達を追わせて時間稼ぎが狙い…という事でしょうか」

 

「…それ以外には考えられない…な。相手の思惑に乗る必要もない。峰田を放置して核の方を狙えば良いだけだな」

 

「え、救援には行かないのですか…」

 

「あぁ核の脅威を考えれば仲間の救出を後回しにしてもいいだろ…捕まったのはヒーローだ」

 

「…確かに…確かにそうですわね。捕まったのが一般人役ならともかく、捕まったのは同じヒーロー役。ヒーローを助ける為に核を後回しには出来ませんわよね……」

 

八百万は自分に言い聞かせるようにそう言った。

 

「…そう言うことだ。オレは峰田を見捨てて核の方に行くべきだと判断する」

 

「……私も同じ判断をしますわ。峰田さんには悪いのですが」

 

決して峰田だから見捨てても良いやと思ったわけでない。 ヴィランのホモ云々の発言で人質を殺すきはない。後から助けられると判断できる。死ぬより悲惨な目に合いそうな気もするが………

 

しかし悲惨な目にはあうが、命の保証みたいな事を態々口にだしたのはなんだろうか。ここまで考えて轟は自分のだした答えの時間稼ぎであってるのか疑問を感じた。

 

「…前言の撤回になるが、本当に時間稼ぎ狙いか?」

 

「どういうことですか?」

 

「今回の条件なら俺達が人質を後回しにして核を優先しても可笑しくねぇよな。俺達が核を優先すると考えねぇか…いや仮に人質を助けるにしても、両方が助けに向う必要もない。片方が救出に向かって片方が無防備な核に触れば良いだけだ……」

 

轟は言葉に出していくと時間稼ぎなのか疑問は強くなる。横島が何も考えてなかったとは思え ない。…横島の顔を思い出してなにも考えてない気もしたが考えてると思うことにした。

 

「…切島さんの救出に向かったのでは…」

 

「…切島を?…無いとも言えねぇが…自分が無事なの知らせるリスクを作ってまで切島の救出の前に峰田を拐ったのは?」

 

「轟さんの凍結を警戒してでは、切島さんを助けてもまた轟さんの凍結の餌食となっては意味が有りませんし」

「……もし切島の救助狙いなら問題ねぇ。熱を使う個性でもなきゃ模擬戦の時間で解放はできねぇぐらいには凍ってる筈だ。…あの二人の個性は知らないが熱が関係したのは使って無かった…よな?」

 

今の轟は殆ど他人に意識を向けてないが、熱に関わる個性なら昨日の個性テストの時に反応してると自分では思っている。念のために八百万に聞いた。

 

「判りませんわ。横島さんの個性は正確には不明ですので」

 

「…そうか、不明か……熱が使えない個性でも救出できる可能性はあるか……」

 

八百万の予想通りに横島は救助に向かったのかどうか。横島は建物の入り口とは違う方向に逃げた事を思い出す。

 

「……アイツは向こうに逃げたよな」

 

「ええですがグルッと回って別の所から建物の中に入る事はできると思います」

 

「…アイツが建物に入ったとして、今からまた凍結を使えば今度こそ仕留められる……峰田ごと凍結させて良いと思うか?」

 

「流石に仲間ごと攻撃は出来れば避けたいですが……」

 

八百万は気が進まない様子だが強くは否定はしない。実際に攻撃することに成る轟に選択肢を委ねるように見た。

 

既に仲間の救助より核を優先したが……ヒーローが仲間を巻き添えで攻撃をして良いのかどうか。避けるべきだろうが勝つためなら仕方ない筈だ。他に手段がないなら仕方ない。そう他に手段がないなら……轟には其処まで追い詰められた状況と思えなかった。

 

「…………いや、このまま建物の中に入る」

「わかりましたわ」

 

轟の選択に八百万は安心した様に頷いた。

 

「行くぞ」

 

轟と八百万は凍った建物の中に入る。見回すと入り口とは別に入れる所があった。

 

「向こうから入れるな…」

 

「やはり横島さんは中にいるのでしょうか」

 

「あぁ入ってると考えた方がいい」

 

「そうですわね。こうしてみると隠れる死角も多く有りますわ。峰田さんを浚った時の様に奇襲してくるかもしれません気を付けましょう」

 

「…」

 

無言で頷く轟。

上の階に続く階段を見つける。

轟が階段に近付いた。

 

八百万は周りの警戒をし轟は更に階段に近づく。横島が奇襲してくる様子は………

 

ベチャ

何かを踏んだと轟は足を上げる。

 

「それは…ネズミ取り…でしょうか」

 

凍った階段の手前に粘着式のネズミ取りが置いてあった。凍った後に置かれた…

 

「………確実に居るな。しかし…」

 

ネズミ取りが靴にくっついてるが足はうごく。

付いたままだと少し動きづらいがネズミ取りを靴から剥がせば何の問題もない。何の意味もない様に思えた。

 

意味がないようにしか見えない。しかし根が真面目な二人だからこそ深読みしてしまう。

 

「何かしら薬品でも塗られてるかもしれねぇ。下手に触るのは危険か?」

 

「危険性の低い薬品ならあり得ない事もないですわね。代わりの靴を造りますわ」

 

「…わかった。靴ごと脱ぐ」

 

轟は八百万に新しく靴を作ってもらい靴を変える。靴ごとネズミ取りを置いてから階段を再度登る。ネズミ取りはおとりで本命の罠があると警戒。横島の奇襲があるのかと警戒をし……特に何もなく拍子抜けをさせられた。

 

階段を登りきり次。

 

「…まだあるのか」

 

今度は階段の上にネズミ取りが置いてある。

しかも多い。これを見つけない方が難しい。

 

ネズミ取りは地面には接着されてないので、八百万の作った棒でネズミ取りを退かせられる。ネズミ取りに何の意味もない。何かしらネズミ取りに仕掛けられてるか、注意を逸らせて今度こそ奇襲をしてくるつもりかと、棒でネズミ取りを退かせながら奇襲も警戒しながら注意をして階段を上が……

 

スコーン!

 

ネズミ取りに気を取られ下と周りばかり警戒していると、退かせたネズミ取りに糸が、糸の先は上、糸に吊るされた何かが上から落ちてきた。二人とも油断はしてなかったが罠の作りが上手かった。意識の隙間をついて落ちてきて轟の額に当たり軽い感じの気持ちいい音を鳴らした。

 

「と、轟さん大丈夫ですか」

 

「ああ…ダメージはねぇ…さっきのはなんだ」

 

「空き缶ですわね」

 

吊るされた缶がブラブラしている。

叩くとカンカンと軽い音。

中身が空っぽな音だ。

ただの空き缶でちょっと痛いぐらいか。

なんの為の罠なのか。

「轟さん!」

 

また何かが上から来ている!時間差の二段構えの罠か!!降ってきたのはさっきと同じ缶だが中身が入ってるのか速度も早い!今度が本命か!しかし轟はそんなのにまた当たるかとばかりに軽く避けた。空き缶は横を通り抜け…壁にぶつかり

 

ベチャ

 

今度の空き缶の中には泥みたいなのが入っていた。空き缶の中身が轟の服と顔にベチャッと掛かる。顔と服が汚れた。汚したモノは掛かると不味い薬品の様でもない。毒性などは皆無。ただの水っぽい泥だ。ただ汚れただけだ。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「……何の問題もない。ただの泥水だ」

 

轟にダメージは無い。

無いが轟はイライラしていた。

 

「何か落ちてきて!…いきましたね」

 

三階、ビー玉がジャラジャラ流れてくる。なんの意味もなくビー玉は階段を流れ落ちていった。

 

同じ階、階段の真ん前になにかある。

 

「お猿さん…ですね」

 

凍らされたシンバルを持った猿のオモチャが、何か紙がシンバルの間に紙が挟まっている…

 

「何か挟んでありますわね」

 

「……確認しみてる」

 

轟が解凍するとキーキーシンバルを五月蝿く鳴らす。シンバルにはアホが見ると書かれた張り紙が…おサルさんはまた轟によって凍らされた。

 

「……なんなんだ」

 

「何かしらの意味があったのでしょうか」

ネズミ取り。空き缶、泥要り缶、ビー玉、猿のオモチャのラインナップ…ダメージ皆無の罠。罠なのか?何か意味があるのかと深読みし、真面目な二人は真面目に考える。峰田ならなんの意味もないと直ぐに思ったろう。

 

「時間稼ぎ…か?」

 

「…でしょうか」

 

疑問はあるが時間もないと階段を再び上る。

 

「隠されていたのはこの上辺りだったが……」

 

そして4階、二人が無言で登っていくと声が聞こえくる。横島の声?上は外から見えないように細工されてた階だ。

 

「切島まだまったく動けへんのか!」

 

やはり横島の声、ユックリと物音を極力出さずに声が聞こえてくる方向に向かうと壁の向こうから声が聞こえる。轟は壁際からコッソリと中を見た。

横島がいる。

横島の近くには核のハリボテもある。

 

それと…ハリボテの近くには人の形に膨らんだ工事によくある青いシート。何処からか調達したシートか。形からいってシートの中身は切島と思える。横島は暖める様に足元を必死にシートを擦っている。あの罠みたいなのは救助するまでの時間稼ぎか?

 

横島に気付いてる様子はない。

音は聞こえなかった?

 

轟は直ぐさま攻撃したいと思ったが、捕獲テープだけでなく更に簀巻きにされた峰田(人質)が足元にいる。何の為なのか頭に被せていた袋の代わりに口にガムテープが、轟の氷ではどうやっても峰田が攻撃の巻き添えになる。巻き添えになるだけならいいが、地面に寝転んだ状態では凍らせると鼻等も塞いでしまい命が危険だ。

 

「…八百万ちょっといいか」

 

轟は八百万に目を向け小声で居る事を伝え横島だけを攻撃できるかきく。八百万は轟と場所を代わり横島を見る。八百万は少し考えた後、轟にスタングレネードを創造して見せる。それを見て轟はなにかを提案する。提案に賛同したのか八百万は頷いた。

 

「切島まだアカンのかぁ」

 

横島は文句を言いながらシートでゴシゴシと下の方を拭いている。切島が中に居て少しでも温度を上げるためにシートを被せ、擦って摩擦熱を発生させて溶かそうとしているんだろうが…

 

「あーーもう!!あのイケメンどんだけカッチカチに凍られてるんや!」

 

「おい」

 

轟は隠れるのをやめ一人で堂々と横島の前に出る。

 

「な!もう来たんか!冷血イケメン…ひとり?」

 

横島は今気付いたとばかりにドタバタと慌てた様子を見せる。そして直ぐに落ち着くとひとり足りない事を指摘する。

 

「八百万は……人質を助ける必要がって言ってな」

 

議論をしてた時の発言の一部で助けに行ったとは言ってない。

 

「くくく、やっぱりヒーロー様には人質が有効なんやな。なら!!これでお前も動けんやろ!!」

 

足元の峰田をなんの葛藤した様子もなく盾にする様につきだす。轟はコイツ本当にヒーローを目指してるのかと思う。

 

「うう!!!うんん!!!」

 

峰田の口は塞がれている。何かを必死で訴えかけてる。助けてくれと言っている?いや、こうみえて峰田もヒーローの卵だ。ヒーローなら自分を見捨てて攻撃しろと言ってるんだろうか。違う。

 

「へ、へへ、此方には人質がいるんや!ヒーローなら攻撃でけへんやろ!」

そう言って峰田を人質に…さらにそれだけでなく、足はその場から動かしてないが、切島が中にいると思えるシートの柱の後ろに身体を隠して居る。動けない味方まで盾にしている。チンピラヴィランでももう少しマシだろう。ヒーロー候補にあるまじき、いや人としても最低すぎる姿に轟は引いた。再度ヒーローを目指してるのかと心底疑問に思う。

 

しかしこうもあからさまにされると、ヒーロー的に人質を無視する事も出来ないので有効ではある。

 

「………取引をしよう」

 

轟は少しづつ横島の方に歩きながらそう言う。轟の身体で横島には入り口が見え辛くなっていた。

 

「…おっとそれ以上近付くなよ!」

 

轟は足を止める。

 

「で、取引ってなんや。人質を離せって取引ならどんな交換条件でも応じる気は受けるきはないぞ!……まぁ…可愛い女の子を紹介してくれるなら検討してもええかもしれんけどな!」

 

最後のは冗談だろう。

物凄く期待した様な目をしてるが。

 

「…紹介してもいいぞ」

 

「な、なに!!女の子を紹介してくれんの!?」

 

「…ああ紹介してやる…八百万!」

 

「おお!八百万さんを!!…え、八百万さん??」

 

轟は目を閉じて腕でもガード、入り口にポイとなにかが投げ込まれた。金属製の何かが床に落ちた。横島は何だと反射的に落ちたものに視線を向けると…強烈な閃光が発生!!

 

「ぎゃあああ!!!目がぁ!目があああ!!」

某大佐の様な叫び声をあげる横島

 

「フンヌオオオ!!?」

 

あと横島の巻き添えで峰田も悶えていた。

 

相当に強烈な光だったのか目を閉じていた轟の目まで少し眩んでフラつくが、問題なく動くことはできる。轟は走って横島の方に向かう。核の確保か。横島の確保か。峰田の救助…はないか。

 

轟は走った。

捕獲テープを手に持っていた。

横島の確保を先にするつもりか。

油断をしてないのか罠への恨みか。

 

「ああぁぁあ!!目があああ!!」

 

目の前まで来たのに横島が苦しそうにまだ叫んで…横島が目を押さえて転がりだした!

 

ゴロゴロ転がって核のハリボテから離れている。完全に無防備な核のハリボテ、絶好の機会。転がった横島は捕獲…今なら簡単に氷で拘束する事も出来るが、そんな手間をかける必要もない。轟は横島の捕獲よりも核の確保をすることにした。

 

轟の頭に高速で何かがぶつかってきた。

 

「ふおおお!!?」

 

峰田だ。

 

横島は転がる前に峰田を上に投げていた。落ちてきた峰田が轟に張り付いてきた。峰田を拘束したテープにモギモギが複数付けられていた。

 

峰田を拘束するときにテープについたのか?峰田のモギモギの部分が轟にぶつかってくっついている。横島が目の痛みで反射的に投げ飛ばしたのが偶々轟にぶつかってきたのか。どんな偶然か。

 

「むうう!!!むぐうう!!」

 

「…少し待ってろ後で外す」

 

「むうう!!!」

 

視界が殆ど防がれ邪魔だが後は目の前にある筈の核のハリボテを触るだけ、轟は峰田を外すのを後回しにする。鬱陶しいが完全に勝ったと思える状態でも勝利する目前で僅かにでも余計な時間をかけるのはダメだと考える。本来なら正しい。

 

「ぬうう!!ふぁふなぁ!」

 

峰田が何か訴えかけてるのは早く解放してくれと言ってるだけだと軽視。轟は核の確保をすることにする。今度こそは勝ったと確信しながら核のハリボテに手を伸ばす!

 

核までもう少し。

 

「ふおう!!!!!」

 

スタングレネードの余波と峰田のせいで視界がほぼ見えなくて前がちゃんと見えていない。一度勝利を逃してからの今度こそ勝利したという油断、煩い峰田の声、グニュと何かを踏む。足元に峰田のモギモギ!!

 

「っ!!」

 

そこは横島が立っていた場所の近くだ。横島の身体で隠れていたのか。なんでこんな場所に、轟なら凍結で直ぐにモギモギを破壊はできる。バサリと何かが落ちた音。何かが来たのに気付くが…同学年の重石が頭にくっつき片方の足が不自由な状態では!!

 

何かが背中から押し倒してくる。片足が不自由な状態では踏ん張る事もできない!轟は倒れる。そしてグニュリ、テープに付いた峰田のモギモギが今度は地面にくっついた。峰田にくっついた轟も地面にくっつく事になる。轟の両腕は掴まれ背後に回される。完全に捕獲された

 

「……」

 

地面に倒れた轟は呆然とした心地でいた。

 

横島…?横島の声は離れた所から聞こえる。横島はちがう。なら誰が?テープを巻いてくるのは横島だけ…切島は初めの凍結で動けなくなり横島以外に敵は居ないは…いや、切島?

 

思い出すのは視界が塞がれた時に聞こえたバサリと何かが落ちた音。あんな音がするのは切島の被っていたシート、僅かに残った視界で自分を拘束する相手を見た。

 

「切、島?」

 

見えたのは複雑そうな顔をした切島。足が凍ってろくに身動きが取れなかった筈…

 

身体を隠していたシートが無くなって見えた切島の身体…凍結していた筈の切島には、身体には…凍結したような痕跡が一切ない。横島が溶かしたのかと思ったが、霜焼けや溶けた氷の水滴もないのは…つまり解凍されたという事ですらなく…

 

「おまえ…初めから凍ってなかったのか」

 

「あ、ああ…建物凍らされた時には外に居たからな」

 

初めから凍結してないなら切島の救助なんて必要がなかった。なのに横島は切島を救助する様な行動をしていた……いや…轟たちに"そう思わせた"…なら、初めのアレは峰田を狙いに来たのだけでなく切島が行動不能だと思わせるためか?……横島が転がって核が無防備になったのも、轟に核を狙わせて切島に確保させるため…峰田が口を塞がれていたのは切島の事を隠すため?…あの時、峰田がくっついた時に、峰田の口が塞がれてたのを外せば切島が無事なのは判ったかもしれない…自分なら後回しにすると見切られた…轟は負けたと思い失敗した所を思い出す。

 

これはチーム戦

まだ戦闘は終わってない。

 

「目がぁああ」

 

そんな轟の耳には叫んでる横島の声がずっと聞こえていた。横島から聞こえる呻く声は入り口の方に向かっている。八百万がいる入り口の方向に…真っ直ぐに…??

 

「八百万!!!横島に注意しろ!!」

 

轟は叫んだ。

 

「と、轟さん、切島さん!?…まだ!横島さんを捕まえれば一対一になりますわ!!」

 

八百万は凍結した筈の切島に捕獲された轟の姿を見て驚愕。……三対二だったのが残るは自分だけ、理解した後に足元で目を押さえて無防備に見える横島がいる。都合が良すぎると不安は感じる。注意しろとも言われたのも聞こえていた…しかし絶好のチャンスだと逃すことも出来ない。急いで捕獲テープを巻こうとした。

 

切島が全く慌てた様子を見せない。

まるでピンチだと思ってないように…

それをみて轟は確信した。

「罠だ!!!!」

 

「…言うの遅かったな」

 

轟の叫びが聞こえる前に横島に対して八百万の捕獲テープをもった手が伸びていた。

 

目を押さえてる叫んでいた横島の口がニヤリと笑う。手が横島に触れようとした瞬間!横島はギュルン!と高速で回転!八百万の手を避けた!八百万の更に足元に更に横島が巻き付く足元にくっついた!それは!巨大な芋虫がくっついた様な光景か!

 

「きゃああぁあああ!!」

 

八百万は悲鳴をあげる。痴漢にあった悲鳴にしか聞こえない。間違ってないか。

 

「そりゃあ!!」

 

「きゃあ!?」

 

横島にバランスを崩され倒れる八百万。

そして倒れた八百万を見下ろす横島が!!

八百万(露出した少女)に向かい手をワキワキさせる横島(変態)が!!

 

どうみてもそう言う場面にしか見えない!!

 

「よ、横島さん!?」

 

「これは訓練、合法!合法!!」

 

横島は八百万の両手を素早く押さえる!!そして!!危ないことを口走りながら横島は鼻息荒く倒れ動けない八百万を…

 

『そこまで!!そこまで!!!!!勝負あり!ヴィラン組の勝ち!横島少年!ストップ!ストップ!!切島少年!!轟少年!!早急に横島少年を止めて!!』

 

慌てて制止するオールマイト!!

模擬戦は終了。

横島は八百万からなかなか離れない!!!

 

「ちょ!!なにするんや!切島!?」

 

大急ぎで向かってきた切島と後から動けるようになった轟から拘束される。横島は峰田を縛ったテープでグルグルにされてから連行された。

 

…勝者の姿だろうか?

 

 

 

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