ソードアートオンライン 好きな世界に転生したらキャラ達から頼られてました 作:ヤストモ
第5話 想定外と涙と宣言と勇者
ディアベル「皆!!今日は呼びかけに応じてくれてありがとう!俺はディアベル!気分的にナイトやってます!!」
と言う原作通りの発言で笑いが起き、攻略会議が始まった。
始まったのだがディアベル達の声を聞きながらも僕は少し混乱していた。
その理由は存在すると思っていたキバオウがいない事と「このSAO」には存在しないと思っていたミトがいた事だ。
キバオウの方は多分、僕が今ここにいるのが原因だと思う。
僕は「フェイタル・バレット」の主人公に憑依すると言う形で転生している。
そしてその「主人公」つまりプレイヤーがSAOサバイバーで無い事は分かっていたので、本来ログインする筈だったプレイヤーの「ナーブギア」を言い方は悪いが横取りする形で手に入れたのだろうと思ってはいた。
さすがに主要キャラの「ナーブギア」では無いと思っていたが、まさかキバオウとは……………。
個人的に言えばあまり好きなキャラではなかった。彼はキリトが「ビーター」と呼ばれなければならなくなったキッカケを作った人物だから。
軽いと思われるかもしれないが、キバオウの事はこれ以上考えても仕方ないのでこれ以上はやめておく。
代わりと言ってはなんだが、この先、彼の独断で犠牲になる筈だったプレイヤーの命を救う事で罪滅ぼしさせてもらおう。
長々と話してしまったが、むしろもう片方が今の本命と言っていいと思う。
何故ミトがここにいるのだろう?
今、僕がいる「このSAO」は「プログレッシブ」ては無いので彼女は存在する筈がないと思っていた。
可能性があるとすれば………………混じったのかな?
僕が考えついた答えは「ホロウ・フラグメント」から始まるifルートを主軸とした世界に「星なき夜のアリア」の要素が少し混じったのではないか?と言うモノだ。
神様にそういう事を頼んだ覚えは無いが、粋な計らいと言うヤツだろうか?
まあなんにせよ嬉しいから良いや。
それからは僕やキリトが提供した第一層の攻略情報を元に会議が進められた。
この時点で原作と違うと思うが、この後ディアベルの爽やか野郎くんがとんでもない事を言い出してくれやがる。
ディアベル「そして最後になるけど、これまで話した情報のほとんどは「勇者」の彼が提供してくれたモノだ。僕が全て仕切るのは違うと思うし、この会議の発案者だって彼なんだ」
え…………いやいやいや!!何言ってくれちゃってんの!?もう君が終わらせていい流れじゃん!!
ディアベル「だからせめて最後は君に締めてもらいたい。頼むよ、ユウ」
茅場といいディアベルといい………………どうしてこう原作違いな事をするのかなぁ…………ガクッ。
???side
私はもう生きるのも死ぬのもどうでも良くなりかけてた。
それはこのデスゲームの中で唯一の友達に見捨てられたかもしれなかったから。
ひたすらモンスターを倒して、レベルを上げる。そんな日々をしばらく繰り返していた時、ネズミみたいなヒゲのある情報屋さんに出会った。
その人は攻略に役立つ物をくれた。
βテストで判明した28層までのモンスター、フィールド、ボス等の情報を初心者にでも分かりやすくまとめた本をコルと交換してくれたのだ。
その本は凄かった。少し読んだだけで自分がやってきた攻略にどれだけの無駄があったか思い知った。
私は思わず情報屋さんに聞いた。「この攻略本を作ったのはあなたなの?」と。
返ってきた答えは「イエスでもあってノーでもあるナ」って言うとても曖昧なモノだった。
でも続けて「確かに作ったのはオレッちだけどこの本を作るように依頼したのと情報を提供したヤツは違うゾ。ヒントは「初日」ダ」と言っていた。
初日と聞いて思い出した。このゲームを作った茅場晶彦がこのソードアート・オンラインの真実を発言し、このゲームのプレイヤーも私も絶望していた中こんな事を言っていた。
「君たちプレイヤーの中にβテストにて、28層までの道をたった一人で切り開いたまさにソードアート・オンラインにおいての「勇者」と呼ぶべき存在がいる」と。
まさかその人が?噂は少し耳にした事がある。だけど本当かどうかなんて確かめる余裕もなかったし、βテスターだった友達に聞いても「私もβテストの時に少し見かけたかも?ってぐらいで実際に会った事は無いんだよ」と言っていた。
……………いるの?本当に………「勇者」が………………。
私は本当にいるなら会いたくなった。その噂にすがりたくなった。
情報屋さんが最後に「この日に第一層の攻略会議があるから行ってみナ。本当かどうかがわかるからサ」と言う情報を頼りに攻略会議に来た。
たくさんの人がいて、どの人が「勇者」なのか分からない。
別れた友達はいたが、今は顔を合わせたくなかったので話しかけなかった。
今、中心で話しているディアベルって言う人が「勇者」なのかと一瞬思ったけどすぐにその考えを自分で否定する。
根拠は無いけれど、違うとわかった。
そして会議も終盤に差し掛かった時、ディアベルさんが「勇者」がこの会議で話した情報を提供してくれた事を話した。そして「彼」にこの会議を締めて欲しいとも。
そして一人のプレイヤーが立ち上がった。
もしかして…………彼が?
ユウ「わかったよ、ディアベル。……………顔見知りもちらほらいるけど改めてユウだ。皆、一つだけ聞きたい事がある。……………怖いか?」
その人は軽い自己紹介をした後、突然私たちを見渡し聞いてきた。
………怖い?
その言葉をはっきりと意識して気づいた。
そっか………私………怖かったんだ。
この世界は現実じゃないのに、自分の目から涙が出てきた。
他の皆もそれぞれが顔に恐怖の色があった。
ユウ「皆、自分の本当の命が懸かっているんだ。怖いのは当たり前だと思う。別に僕は皆を怖がらせる為に聞いたんじゃない。一つだけ安心して欲しい事があったからなんだ」
安心?
ユウ「この戦いでもこれからの戦いでも、一人も死者は出ない」
………………え?
死者が…………出ない?一人も?
どうしてそんな事が言えるの?
今の言葉か声に出ていたのか、彼がこちらを見た。
そして笑顔で………
ユウ「僕が守る!!ニッ」
…………そっか……………この人は……………。
「勇者」なんだ……………。
見てくれてありがとうございます!!