Suguru May Cry   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ビブラスラップっていいよね


Mission14 衝撃

傑と悟の史上最大級の喧嘩から暫くの時が経った。

 

悟は高専の教師に、硝子は高専所属の医師になり、傑はフリーの術師として日本各地を飛び回っていた。

 

自分が呪術師でもあるが、それ以前にデビルハンターとしてのプライドも持ち合わせている。その為、ダンテに許可を取りデビルメイクライ日本支店という名称で活動している。

 

表向きは探偵として猫探しから浮気調査などをしているが、メインの仕事は呪霊の討伐、呪詛師の撃退と才能ある者のスカウトだ。

 

傑はスカウト業の一環でとある高校に来ていた。

 

 

「自分を虐めた生徒を纏めてロッカーにぶち込むなんてロックな事するもんだからもっと派手な子かと思ってたけど………………」

 

 

傑の目の前には学生服を着た少年が座り込んでいた。少年の周りには倒れた術師が数人おり、中には傑でも知っている一級術師もいた。

 

 

「すみません、すみません、すみません………僕に近づいちゃ駄目です、理香ちゃんが‼︎」

 

 

少年が叫ぶと少年の背後から白い化け物が現れた。

 

 

「ダンスの誘いにしてはロックが過ぎるんじゃないかい、お嬢さん?」

 

 

化け物の拳をアラストルで受け止める傑。傑は後輩で補助監督をしている伊地知から一級術師が複数人でチームを組み、少年の捕獲に出るという話を聞き出した。

 

一級術師は悟や傑のような例外を除けば間違い無く呪術界の最高戦力。基本的にはチームアップなどせず、単独で任務に駆り出される。

 

そんな訳で気になった傑はバレないよう術師達を追跡した。術師達の呪力反応が途絶えた事を感知した傑が慌てて教室に飛び込んで今に至る。

 

 

「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」

 

 

「少年………いや、乙骨憂太君だったね。今から彼女にはちょっと痛い目にあってもらうよ。そしたら着いてきてほしい所があるんだ」

 

 

「いや、でも………理香ちゃんは………」

 

 

「大丈夫。私、最強だから」

 

 

アラストルをケルベロスに変化させ、白い怪物………理香を殴りつける傑。傑が殴りつけた箇所から徐々に氷が広がり理香の動きを封じる。

 

そして、里香に掌を向ける。それと同時に氷が砕け、怒り狂った里香が傑に遅いかかる。

 

 

「〈極ノ番・うずまき〉」

 

 

飲み込んだ呪霊を一つの塊としてぶつける呪霊操術の奥義。術師として経験を積んだ傑はうずまきで打ち出す呪霊の数を制限出来る様になっていた。

 

打ち出す呪霊の数は出来るだけ少なくし、その分の余力を呪力による強化に回し、打ち出す。

 

一級術師すら退ける程の存在相手には決定打にならないが、怯ませる程度の威力は出る。

 

正面からうずまきを受けた里香は数メートル後方へ下がってしまう。

 

 

「これでチェックメイトだ」

 

 

「◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!」

 

 

「落ち着いて、里香ちゃん‼︎」

 

怒りによるものなのか、もう一段階ギアが上がる里香。再び傑に襲い掛かる。

 

傑が手を翳すと里香は防御する姿勢を見せる。

 

その瞬間、傑の背後に1匹の呪霊が現れる。その呪霊は乙骨に息を吹きかける。

 

 

「り………か………」

 

 

息を吹きかけられた乙骨は糸が切れた人形のように倒れ込んでしまう。それに合わせて里香はドロドロと溶けるように消えていった。

 

式神使いの術師、若しくは似たタイプの術師の弱点は術者本体である。如何に式神が強かろうと本体が弱ければ意味が無い。

 

式神タイプと戦う時は、本体を狙うのが鉄則なのだ。

 

 

「乙骨君の意識が里香ちゃんとやらに向いていて助かった。いや、呪術に対する知識の無さ故か」

 

 

傑が呼び出した呪霊は息を吹きかけた対象の意識を刈り取る。しかし、呪霊自体は弱いのもあり呪力で簡単に防ぐ事が出来る。

 

等級の低い術師でも簡単に防ぐ。だが、今の乙骨には知識も経験も無い。

 

 

「スペックだけなら悟や私と並ぶかもな」

 

 

そんな知識も経験も無い子供が一級術師を含む複数人の術師を返り討ちにしているのだ。持っている才能は相当なものがあるだろう。

 

 

「兎にも角にも、色々と仕込んでおかなきゃいけないな。とりあえず悟に連絡して、後の事は伊地知に丸投げするとしようか」

 

 

その後あらゆる雑務を後輩で補助監督をしている伊地知に丸投げした傑。

 

悟経由で聞かされた時は傑と悟担当補助監督と言われる伊地知も流石に白目を剥いた。

 

結果的に、乙骨憂太は秘匿処刑を回避する事になり高専へと編入する事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乙骨が高専に編入して暫くが経った頃、乙骨は狗巻棘と任務に出ていた。

 

ハピナ商店街に確認された低級呪霊の群れを祓うという難易度の低い任務だった。

 

しかし、謎の帳と現れた準一級相当の呪霊が現れた。乙骨と狗巻は軽度の負傷ながらも呪霊を祓い事なきを得た。

 

傑と悟は補助監督に連れられ現場の視察に来ていた。一般的には事故として処理されているが、現場にはこれでもかと呪力の残穢が残されていた。

 

 

「傑、コレってさ………………」

 

 

「あぁ、やってくれたね。なにが準一級相当の呪霊だよ……………」

 

 

残された残穢は普通の術師からすれば、多少違和感がある程度のものなのだが、六眼を持つ悟と日本唯一の専門家である傑にはその正体が悪魔のものであると分かった。

 

 

「ここまで派手に残穢を残してるって事は、私達に対する挑発………………いや、宣戦布告のつもりなのかな」

 

 

「悪魔の残穢もそうだけど、この帳の方の残穢が気になる。中にいた優太と棘が悪魔が出現するまで異常に気付かなかったってのもおかしい。そもそも、帳を貼った伊地知が感知出来ないで帳を貼り直された、若しくは乗っ取られたってのも気になる」

 

 

伊地知は術式を持たず、戦闘の才能も無い。どう頑張っても三級呪霊をなんとか祓える程度の実力しかない。

 

しかし、結界術の精度とその真面目さにおいては悟も目を掛けており悟が呪術界で信用している数少ない人間の一人だ。

 

その伊地知の結界を誰にも感知されずに好き勝手出来る存在は日本には殆どいない。

 

 

「あのクソハゲは協力者がどうのって言ってた。余程結界術に長けた呪詛師がいるんだろうね」

 

 

かつて星奨体護衛任務の際に傑が戦っていた男、アーカムは協力者の存在をちらつかせていた。

 

 

「悟、あの任務の後の盤星教と術師全体の任務報告を調べられないか?私は知り合いに聞いてみる」

 

 

「了解、とりあえずこっちは伊地知に調べさせとく」

 

 

近年、呪霊の発生報告が低下していた。繁忙期や都会での目撃数も減っており、呪術界は謎の現象に困惑していた。

 

しかし、このタイミングで現れたかつての敵アーカム。彼が協力者と共に何処かに隠れていたのだとしたら、そこには何かしらの団体が関わっていると見て然るべきである。

 

そこで信者数がそれなりの数いて、金もある盤星教という組織は良い隠れ蓑になる。解散した宗教団体ともなればマークは俄然緩くなる。

 

敵の足取りを掴む為にも分かる範囲から調べていかなくてはいけないのだ。

 

 

「………っと、硝子から電話だ」

 

 

「珍しいね」

 

 

傑の携帯に硝子から着信が入った。仕事中に連絡してくる事が無い硝子からの連絡で何か緊急事態でも起きたのかと疑問に思いながら傑は通話ボタンを押す。

 

 

『もしもし、夏油?そっちに五条はいる?』

 

 

「あぁ、二人とも一緒だ。それで、何か揉め事かい?」

 

 

『なら、丁度良い。スピーカーにしてくれ』

 

 

何があったのだろうと不思議に思う傑だが、とりあえず言われるがままスピーカーにして悟にも聞こえるようにする。

 

 

「仕事中に連絡してくるなんて珍しいじゃん、どったの?結婚でもすんの?」

 

 

「悟、流石にそれは無い。こんな酒に溺れたアラサーを相手に出来るのは私達以外居ないだろ」

 

 

『黙って聞けカス共。あと私はまだ26だし、お前らも同い年だろ』

 

 

「それで?要件ってのは?」

 

 

『どっちでも良いから私の彼氏になれ』

 

 

「「はぁ?」」

 

 

それだけを言い残すと硝子は通話を切った。

 

かつての敵、新たな脅威、そんなものを吹き飛ばす程の衝撃が最強の二人を襲ったのだった。




実は金ちゃんと絡ませる、東堂と絡ませる、伏黒恵と絡ませるという三択で迷った結果乙骨のスカウトは傑が行った事にしました。

次回からのエピソードどうしますか!?

  • 呪術廻戦0、乙骨くん編突入!!
  • デビルメイクライ4編(悟を出すかは未定)
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