Suguru May Cry 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
老人の呪詛師を縛り上げた傑。急いで次の気配の元へと向かう。気配の主は黒井と対峙したのだが、悟と天内が学校を出て行ったのを確認すると何処かへ消えてしまったのだ。
天内の事は悟に任せるとして、とりあえずは黒井と合流すべきと判断した傑。
「黒井さんに付けていた呪霊が祓われた?」
護衛用に付けていた呪霊である為、視界の共有が出来ない。
どういう状況なのか分からないが、少なくとも雑魚では無い為、戦闘を始めた事すら察知出来ずに祓われるという事はあり得ない筈だった。
慌てて、黒井が居た場所へ向かうと黒井は両手足を縛られ、黒いワゴン車へと運び込まれている最中だった。
「待て‼︎その人をどうするつもりだ⁉︎」
「今手持ちが足りなくてな。五条悟が来てたら終わってたが、お前で助かったよ」
「ふざ………け………」
一瞬の事だった。黒井を助けようと、ワゴン車に近づいた瞬間、黒井を車に乗せていた男が気配も無く近づいてきて、傑の腹に一撃を入れたのだ。
不意をつかれた傑は意識を手放してしまい、そのまま倒れてしまった。
暫くして、傑が目を覚ますと目の前には悟と天内がいた。
「すまない、悟。黒井さんが攫われたようだ」
「みたいだな。夜蛾先生から聞いた。沖縄で人質交換だとよ」
「沖縄……………時間稼ぎのつもりか?」
「だろうな。どうする?とりあえず、天内を高専に預けて硝子に影武者になってもらうか」
「それが無難だね。七海と灰原が空いてる筈だから手伝ってもらおうか」
黒井が攫われてしまったが、相手としては天内を手に入れたい為、交渉の立場的に有利なのは高専側だ。
取引場所さえ決まれば、傑と悟の2人で強襲をかけ、力づくで解決出来る。
「私が行く‼︎まだ黒井ともお別れ出来てないのに………………これで終わりにしたくない‼︎」
「とまぁ…………こんな感じで天内が自分が助けに行くって五月蝿くてな。どうするよ、傑」
「連れていってあげようじゃないか。さっさと助けて沖縄観光でもしよう」
「りょーかい。おい、お前を連れてくことで黒井さんの生存率が下がるようなら置いてくからな。分かったか、クソガキ」
「それで良い」
涙を拭いながら力強く頷く天内。それを見た悟はやれやれと言いながら手配を済ませていく。
傑もまだ痛む腹を摩りながら、高専に報告をしようと携帯を開く。
「ふっ……………流石モリソンだ」
情報屋としてダンテに仕事を斡旋していたモリソンから、今回の任務に関する情報が送られてきたのだった。
簡潔に纏められた情報、報酬額と振り込む為の口座番号が記されており、メールの最後にはちょっとした恨み言と心配するメッセージがついていた。
アメリカにいた時のやりとりを思い出し、少し懐かしくなった傑は高専へと報告を済ませて、モリソンからの情報を整理し始めた。
任務開始から2日目。人質の交換場所が指定され、傑達は沖縄にある廃倉庫の前に来ていた。
「さて、理子ちゃん。我々は全力で君を守るけど、ここから先は何があるか分からない。もしかしたら君が危ない事になるかもしれない。それでもよいかい?」
「くどいわ‼︎妾の覚悟はとっくに出来ておる‼︎」
「傑、中の様子はどんなだ?」
「中には縛られた黒井さんがいるだけみたいだ。怪我をしてる様子は無いが……………」
「罠だな。気持ち悪い呪力が倉庫全体に纏わりついてる感じだ。でも、黒井さんは偽物とかじゃねぇ」
あからさまに誘っている状況、念のために悟もサングラスを外し、視覚的な情報以外のものを確認する。
悟の六眼は呪力の流れを読み取る。故に呪力を用いたトラップは通用しない。
「まぁ黒井さんが本物なら助けるしかないだろうね。理子ちゃんは悟の側から離れないように」
「りょ、了解なのじゃ」
「んじゃ、とつげーき」
悟の気抜けた掛け声で倉庫の中に入ると、事前に傑が見ていた通り、中には縛られた黒井がいるだけだった。明らかに怪しい雰囲気だが、呪力の残穢などは見受けられなかった。
倉庫の中に入った瞬間、傑は顔を強ばらせた。
「悟、黒井さんを確保したら外に出ててくれないか?」
「なるほど、そーいう感じね。了解」
傑の一言で察した悟はどういう事か分からず困惑する天内をさしおいて黒井の縄を解く。
「お、おい!!様子が変じゃぞ、夏油!!どうしたのじゃ!?」
天内の言葉がトリガーとなったのか、呪霊とはまた違った化け物。
黒い頭巾を被った正に死神といった風貌の悪魔、ヘル=プライドが十数匹、その上位種といった風貌のヘル=バンガードが数匹現れた。
「悪いね、理子ちゃん。悟と黒井さんと一緒に外へ出ててくれないかな?」
「何を言っておる!?この数、お主1人では危険じゃろ‼︎五条が手伝ってやらんと危ないじゃろ⁉︎」
「ほら、傑の邪魔になるから行くぞ」
黒井を担いだ悟が、暴れる天内を抱き抱え倉庫をでようとする。
悟としても、一緒に戦った方が早いが、天内と黒井の安全を考えるとよろしくない。そしてなにより、今の傑の邪魔だけはしていけないと悟ったのだった。
ただでさえ、責任感が重くのし掛かるじゅうような任務に加え、結果的とはいえ傑の過失で黒井が拉致されてしまい任務に支障をきたしている。
ただでさえストレスは溜まっているのに加え、日本には存在しない筈の悪魔が大量に現れるという事象。
ストレスの限界値はとっくに超えていた。
「悪いね、理子ちゃん。ここからはR指定だ」
傑は何処からとも無く取り出した黒鉄の銃、ショーグンを天井に向け構え、引き金を引く。
すると、放たれた弾丸によって照明器具やクレーンなどが落ちてきて、悟達と傑の間に簡易的なバリケードを作る。
傑の呪力が割と本気で怒っている時のものだと知っている悟は、下手に刺激して傑に怒られるのを避ける為、そそくさと倉庫を後にするのだった。
悟達が倉庫を出たのを確認した傑はもう一つの銃、白金の銃ブシドーを取り出す。
「さて…………君達には申し訳無いんだけど、八つ当たりさせてもらうよ」
「◼️◼️◼️◼️◼️‼︎」
「お前らを呼び出したクソッタレにも一言文句を言わなきゃいけないし、やる事が多くて参っちゃうよ」
傑は素早い動きで両手に握った銃で周囲に群がる悪魔を片っ端から撃ち抜く。
縦に横に、正に縦横無尽に二つの方向を撃ち抜く技、ダンテ直伝の技であるトゥーサムタイムを駆使して悪魔達に弾丸の雨を降らせる。
そして、ジャンプして空中から真下の敵に向かって弾丸を放つ、レインストーム。倒れた悪魔を下敷きににして、銃を乱射した後に蹴り飛ばすワイルドスタンプを駆使して殲滅していく。
「「◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!」」
傑を挟んで攻撃してくる2匹のヘル=バンガード。大きな鎌に臆する事なく、ケルベロスを取り出し、自身を中心に氷塊を出現させる技、アイスエイジで自身を守りつつ、襲ってきた2匹を倒す。
ケルベロスを振り回しながら確実にヘル=プライド達の頭を潰す傑。
「私しか居ないのは少し寂しいが、これを言わないと締まらないからね」
ケルベロスを仕舞い、ブシドーとショーグンを再び取り出す。生き残っていたヘル=バンガードとプライドに銃口を剥ける。
「jack pot」
アメリカに居た頃から仕事の締めに言い続けてきた台詞。
特に思い入れがあるわけでは無いのだが、相手が悪魔ということもあり、 アメリカに居た時の事を思い出したのもあって少し懐かしくなったのだ。
ふと、アメリカにいる友人が自堕落な生活をしていないか、借金はちゃんと返しているのか、他の友人に迷惑をかけていないかと気になった傑だが、突如現れた気配の方向へと銃口を向け、威嚇する。
「お〜っとっとぉ〜⁉︎いきなり銃とはご挨拶じゃないか傑チャン?」
紫っぽい色の衣装を着た道化が銃口の先に現れる。
「たかだか日本の呪詛師がここまでの戦力を用意する事はあり得ない。答えろ、お前は何だ?」
「お前は夏休みの宿題を答えから見るタイプか?いきなりバラしちゃ面白味が無いだろうよ」
「生憎と私は宿題に関して、コツコツとやるタイプなんでね。お前を雇った人物を吐くか、鼻の穴をもう一つ増やすか選べ」
「鼻の穴を増やすのも、雇い主をゲロるのも勘弁!!今日の所は傑チャンの顔を見にきただけなんだゼ!!また会おうな、ベイビー!!」
道化は銃に臆する事なく、ケタケタと君の悪い笑みを浮かべると何処かへ消えていった。
「ダンテが居ない日本なら好きにやれると思われてるのかな…………………舐められたものだ」
海外で呪霊の発生が少ないように、日本では悪魔の発生は無い。傑にとって、それを態々日本で呼び出すという事は、最強のデビルハンターであるダンテがいるアメリカでは何も出来ないが、日本ならば好きに出来ると挑発されたようなのである。
「匿名術師だったか?必ず後悔させてやる」
モリソンの情報にあった、盤星教とQを繋ぎ、機密情報である天内の情報を漏らした人物、匿名術師。
狙いは天元の同化阻止なのか、悪魔をチラつかせてダンテを呼び出す事なのか、それ以外なのか検討はつかないが、日本という戦場において傑が脅威と見做されず、居ないものとして扱われている事に怒りが湧いてくる傑。
怒りが収まらない傑は呪力を乗せた拳を地面へと叩きつけ、巨大なクレーターを作り、外で待っている悟達と合流する事にしたのだった。
まぁ、本当は居ないはずのあの人がとあるメロンパンの力を借りて呪術に参戦です。
もっとスタイリッシュにしたいけど中々難しい。
という訳で、DMC用語の解説コーナ!!
・ヘル=プライド
所謂雑魚敵。スライムやら序盤草むらポケモンの如く蹴散らせなければ話にならない感じのやつ。コンボの練習とか、スタイルの熟練度アップでお世話になるやつ。モンハンで言うところのクック先生的ポジション。
・ヘル=バンガード
最初に出てくる中ボス。初めて戦った時はどうしてそこまで苦戦したのか分からなくなるくらい終盤ではいい感じの練習台になるやつ。個人的には敬意を込めて師匠と呼んでいる。
・モリソン
呪術廻戦で言うところの伊地知さん枠。ストロベリーサンデーピザ借金マンの気分を巧みに操りその気にさせて、仕事をさせる情報屋の鑑のような男。
悪魔関係の情報からテレビの修理までなんでも出来ちゃうDMCの便利枠。
便利過ぎて何処でもつっこめちゃうから怖い。
今作の傑に関して: 聞き分けが良いし、仕事はちゃんとやるし、真面目なのは評価ポイントだが変なところでダンテの影響を受けたせいなのか無茶振りをしてくる奴。ダンテが受けない仕事を処理してくれるのはありがたいが、その分無茶振りしてくるので仕事を振るのは少し慎重になる。
ポーカーとかブラックジャックでは傑の圧勝。傑の胡散臭さからくる女運の無さに関しては少し哀れだなと思っている。
・スタイルについて
DMCといえばと言った感じの名物システム。回避能力に優れたトリックスター、近接メインのソーダマスター、銃火器などの中・遠距離向けメインのガンスリンガー、クイックシルバー、ロイヤルガード、ドッペルゲンガーと色々なスタイルを駆使する訳ですが、アクションに自信の無い人はトリックスターで回避しながら頑張りましょう。
今作の傑はソードマスター、ガンスリンガー、トリックスターという3つのスタイルと呪霊を操りながら本人が暴れるスタイルの4種と思ってもらえれば良いです。