進歩のないクオリティで皆さまに暇つぶしに提供する「一発芸でレベル7になった男。」略して『一発男』の時間です。
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正直ここまで皆さんに読んで貰えるとは思っていませんでした。
ダンまちってすごい。
とりあえず息切れするまで投稿頑張ります。
今回はスキルとかの説明回ですので内容薄めです。
ファミリアの主神であるロキの部屋は、槍衾のようにいくつもの塔が集合したホームの中でも中央、さらにその最上階にある。
扉の前まできたナズナは、ここで待つのも帰るのもめんどくさいから他の団員がいませんようにと、思いながら扉をノックする。
「入ってええよー」
ロキの声に導かれるようにして、ナズナは扉を開けた。
「……相変わらず汚えな」
思わず漏れたナズナの呟きの通り、ロキの部屋は雑多な物品で溢れ返っていた。
まず目に入るのは大量の酒、そしてなにに使うのかわからないアイテム達だ。
七色のクリスタルや帽子に鞄、山積みになった分厚い書物に使いもしない短剣。
そして、容量オーバーで閉まらなくなっているクローゼットからは、ロキがいつか女性団員に着せたいと考えているバニー服や水着、ドレスなんかがシワにならないように配慮されながらも、溢れるくらい詰め込まれている。
途中で昔ロキに着せられた小さいメイド服が目に入ったナズナは、そこでロキの部屋の観察をやめた。
「今日の最後はナズナかぁ。アイズとかが終わるの見計らってたん?」
「別に??」
「またまたあ、そういうてあんまりアイズに腐っても一級冒険者である自分のステータスを見せて焦らせるのもな、とか思ってるんやろ?ん?ほれほれ、そこんとこどうなんや?んー?」
「だぁーっ肩を組むな、足を絡めるな、さりげなく尻を揉むな!…ああそうだよなんか最近思い詰めてるしちょっと気になってたよ!これで満足か!?」
赤面して涙目になるナズナを見て、ロキは相好を崩した。
うちの眷族チョッロ、という表情を隠そうともしない。
「いやぁ、ふひひ。ナズナはかわいいなぁ」
「うっさいなあ!?黙って更新してくれよもう!」
「ほいほい、任せてなー」
「…クソ、こいつがもう邪神だろ。誰か滅ぼしてくんないかなマジで」
神の前では嘘をつけない。
自身の不利を悟ったナズナはロキに一声かけてから、誤魔化すようにベッドでうつ伏せになった。
「……ロキの匂いがする」
「え、なに?そんなエロいこと言うなんて、うちのこと誘ってる?」
「違うんだよなぁ…」
顔をロキの枕に埋めたまま雑に対応するナズナが拗ねたように鼻を鳴らした辺りでテンションを落ち着けたロキは、一本の針を取り出す。
服を脱いだことで露になったナズナの傷だらけの背中に、針で浮かび上がらせた自分の血を一滴垂らし、ステータスの更新を開始するのだった。
●
「はい、終わりー。紙に書くから待っててな?」
「んぁー」
ほどなくしてステータスを更新し終えたロキは、再びロックを施し、さらさらと羊皮紙に共通語の文字でステイタスの概要を記していく。
これがアイズやベートなんかなら、早く見せろとせがむのかもしれないが、ナズナは特に急かす様子もない。
大人の余裕とか強者の余裕ではもちろんない。
そんなものナズナにはない。
眠気の限界だ。
うつらうつらとしながら、ロキの枕に頭を埋めたまま完全に脱力している姿は、まさに子供。
ナイトキャップでも被れば、さぞ似合うことだろう。
「ほい、できた」
寝そべった状態からのろのろと這うようにして体を起こし、ロキに後ろから抱き締められるような形で支えてもらいながらナズナは自分のステータスを確認する。
●ナズナ・スカディ
Lv.7
力 C 643→651
耐久 A 878→889
器用 H 107→109
敏捷 E 435→441
魔力 C 654→662
魔防 E
耐異常 E
堅守 F
治力 G
精癒 H
「…うーんいつも通り」
耐久の伸びが一番よくて、力と魔力の部分が次に伸びている。
いつもより少しだけ敏捷の値が伸びているのは、たぶん50階層での流星アタックのお陰だろう。
レベル7にしては伸びている方だが、深層で新種のモンスター、それも大型のものとの戦闘ともなればある程度経験値も入るというもの。
予想通りの伸び方をしていたステータスを一通り見たナズナは、続いて魔法やスキルの方へと目を移す。
●魔法
・マド・ドール
付与魔法。
土属性。
付与される岩の強度はすべての補正を含めた『耐久』を参照し、物理・魔法のダメージを大きく減少させる。
鎧を形成するとき、発動速度と防御力に補正。
鎧は精神汚染、呪詛、異常魔法を遮断。
詠唱式【エメス】
爆散鍵【バースト】
●スキル
・
土精霊の魔法が使えるようになる。
精神力消費の効率化。
『耐久』に超高補正。
幼子の姿から成長しなくなる。
・
任意発動。
自身へ敵意を集中させる。
階位が高い相手ほど効果減少。
精神力を消費することで効果増大。
『耐久』に超高補正。
・
鉱石を食べることで体力と精神力を回復する。
回復量は鉱石の質に依存。
『耐久』に超高補正。
・
デコイスキル発動中に同恩恵を持つ者の遠距離攻撃によって傷付かない。
スキルの効果範囲内にいる同恩恵を持つ者に対するあらゆる攻撃の威力を減衰させる。
『耐久』に超高補正。
「───こっちも変わらず、と…。今日も新しいスキルなしかぁ。可能性を引き出すとか言うなら俺のまだ見ぬ可能性も引き出してほしい」
攻撃系スキルとか。
「いやいや四つもあるって普通やないんやで?」
「そうは言うけど全部ほとんど同じみたいなもんだろ。全部に『耐久に超高補正』って書いてあるし」
そもそも超ってなんだよ超って。
具体的にどれくらいだよ、とゲンナリした顔を隠そうともしないナズナは、半裸でロキに後ろから抱き締められ、頭を撫でられているというのに自然体だ。
よく躾けられた飼い犬が飼い主の手を振りほどかないのと同じように。
彼は基本的にロキだけでなく、他の団員に触られていても大人しい。
「うちに言われてもなぁ」
ロキは、お触りし放題やうひょーという内心を多少隠しつつ、手つきは特に遠慮なく体をなで回している。
若干その手つきに感じるものがあったのか、甘えるようにロキに体を預けていたナズナが少し体を離す。
だが、首の下を撫でられた瞬間、体が弛緩し再びロキに抱えられる姿勢に戻った。
ナズナが自分が思っている以上に、ロキの手管に落ちているのをロキだけが知っている。
ナズナは抵抗を諦めたのか、ロキに抱き締められながら話を続けた。
「それにさぁ、フィンとかリヴェリアとかさ。なんか華があるだろ効果とか名前とか…!ああいうのが俺も欲しい!」
あえてファミリア内でも華のある二人を比較対象に選んでいるとはいえ、ナズナのスキルに比べれば二人のそれはまさに歴戦の冒険者といった格好のいいスキル達だ。
有り体にいうなら英雄っぽい。
「うんうん、わかるで?」
割りとナズナもチートやけどなぁ、とは愚痴る本人の手前口にはしないロキだったが、実際本当に完成されたスキル構成をしている。
味方から注意をそらし囮になるデコイスキルに、回復スキル、前衛なら誰もが欲しがる味方の遠距離攻撃に巻き込まれないスキル。
さらに、この土霊血統という
とはいえ、この血筋のせいで幼い頃は苦労することになったことを考えれば、素直に喜びづらいというナズナの気持ちもロキはしっかり理解していた。
「…ま、もうよっぽどのことがない限り変わらないか。そろそろ身長伸ばしたいんだけど」
「いやいやナズナは小さいからエエんやで?」
ノームの血が流れる体はいまだに小さいままだ。
エルフの血と混じった影響なのか、小さな老人ではなく、小さな子供の容姿で固定されているのは喜ぶべきか、悲しむべきか。
少し大きめの碧眼に、美しい山吹色の髪。
あどけないその顔は、少年よりも少女に見える愛くるしさだ。
少なくとも、ナズナがその手の愛好家が大歓喜する容姿なのは間違いない。
その顔をうんざりした表情で歪めながら、ナズナはロキへと口を尖らせた。
「そうかそうか、さすが小さいどころか無いやつはいうことがちげーな!」
「あんまり胸のこといじると無乳でしか興奮できひんようにするで?」
「こわ」
結局のところ、防御系のスキルオンリーなのはナズナの過去が原因だとロキは考えている。
他の何よりも防御系のものだけが彼の恩恵として引き出されるのは、それだけ彼が過去、傷つけられてきたということでもある。
だからこそ彼は、誰よりも硬さを求めている。
二度と傷つけられないように。
二度と誰かが傷つけられないように。
そんな健気な覚悟を持つ自分の眷属を、ロキは愛おしいものを見るような目で眺めながらナズナの話に付き合うのだった。
「ん、そうや。ガレスに聞いたで?なんかお金の話あるんやっけ?」
「あぁー、んー。その」
話が一段落したそのタイミングで聞かれたその質問に、ナズナは少しだけ躊躇するような素振りとともに、言葉を続けた。
「ロキって俺のこといくらで買う?」
「どぇへぇ!?」
最後まで読んでくださって誠にありがとうございます。
この小説は健全なのでなにも起こりません。
ただ、ナズナの名前の元ネタになった巨人のスカジはロキと一度関係を持ってたりします。
でもまぁやっぱりなにも起こりません。
絶対オラリオのどっかでは神にいいようにされてる眷族がいると思うんですけどね。
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