曇らせ好きTS少女の自業自得   作:すっごい性癖

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クズ女の方が早かったです。

これ書けばモル大集合会のキャラも増えて、展開も書きやすいしね

作品内に設定をかけなさそうなので外見のみココに書いておきます

アリア

赤髪に黒いメッシュを入れている。
左耳にピアスを3つ程つけ、舌ピアス、臍ピアスをしている。
舌は長く、伸ばせば鼻先に余裕でつくほど。
長身で細身。腕と脇腹、そして胸元にタトゥー有り。
指などは長く、白魚の様。

詳しい設定は設定集に書き足します

このルートのモルは激レアです

田舎の村に転生し、かつ曇らせしようと思いつかないという極めて低い確率で生まれます


IF ガチ恋乙女 モル

オレは生涯をかけても理解することはでいないだろう。

 

「うっす、モル。今日も金くれ。大体5万くらいでいいわ」

 

なんでオレがこんなクズ女に、心底惚れてしまったのだかなんて。

 

「なぁ、いいだろ?可愛い幼馴染兼彼女のお願いだぜ?」

 

本当に、自分自身のことなのにわかるようになる気がしない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目の前では悪びれる様子もなく、金を無心する女の姿。

 

「……今度は何?博打?借金?」

 

普通、そんなのは無視してしまえばいいのかもしれないが、オレは財布に手を伸ばしてしまう。

 

「いや、今日は女だよ。この間いい感じの娼婦を見つけてよ、それが結構いい値段すんだわ」

 

ぴくっ、と財布から金を抜こうとしていた手が止まる。

 

「……女?お前、この間、女はオレだけでいいっていてたよな」

 

先日の目の前の女との行為中、確かにそう言っていたはずなのだが。柄にもなく、心の底からうれしかったのに。

 

「あ~、そんなことも言ったけなぁ。まぁ、ワタシにとっての1番はずっとモルだよ。ホントホント。……ただ、たまにはもっとデカい女も抱きたくなるし。タッパがあって、胸と尻もボンッて感じの」

 

チラリ、とこちらを見たかと思ったら

 

「感じてる時のお前の反応は最高に可愛いけど、ちょっと柔らかさにかけんだよな」

 

「サイテーだな、おい」

 

人から金を借りようという時に、でここまでクズさ100%でこれる人間もそうそういないだろう。

 

「……ハァ。まぁ良いよ」

 

コイツがこういう人間であることは昔っから知ってるし、今更特別な感情も沸いてこない。

 

諦めて財布から5万を取り出し手渡す。

 

「ありがとよ。やっぱモルだわ、ワタシには。……そのうち返すよ、手持ちがあったら」

 

「期待しないで待っておくよ」

 

そう言って返してくれたことないし。けど、

 

「ただし、こんど買い物に付き合えよ。お前、力強いんだから荷物持ちでな」

 

「あ?またかよ。メンドッ「なんか言ったか?」――なんでもねえよ」

 

「よし」

 

そもそも対価もなしに人から大金をもらえると思うなよ。あげてないけど。貸しただけだし。

 

「んじゃ、やるか」

 

「やるかって、何を?」

 

彼女としては受け入れがたいが、女を抱きに行くと言っていただろうに。

 

「……ちょっと」

 

目の前の女はオレの方に近づいてきたかと思ったら、急に正面に立ちながら尻を揉みだした。

 

「こんな貧相な身体には飽きたんだろ、――ッ」

 

「怒んなよ。お前を見てたら抱きたくなっちまったんだよ。夜まで相手してくれよ」

 

コイツ、夜までオレを抱いて時間を潰してから娼館に行く気だ。

 

「お前、マジで最低だな。彼女のことをなんだと思ってんだよ」

 

都合の良いATM兼、ラブドールだとでも思っているのではないか。そもそもコイツの方から告白してきて付き合い始めたというのに、なんでこっちが割を食ってんだよ。

 

「愛しい愛しい彼女だと思ってんよ。それに……、お前だって期待してんじゃん?乳首、勃ってんぞ」

 

「……ん」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「んじゃあ、ワタシは行くわ」

 

「―――ッ♡んぁッ、ぉお゛ッ♡」

 

昼間の1件から5時間、ぶっ続けで彼女、アリアに可愛がられてしまった。

 

長時間の行為により、オレの頭は正常に働かず、身体も言うことを聞かない。

 

ベッドの上で腰をガクガクと震わせながら、嬌声を漏らすことしかできないオレに、アリアはそう言い残し、部屋を出て行った。

 

 

 

結局、オレが立ち上がれるようになったのは30分後の後であった。

 

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ガチャリ

 

玄関から音がした。

 

しばらくするとリビングの戸が開き、長身の女が入ってくる。アリアだ。

 

「遅い。今何時だと思ってんだ」

 

「ん?起きてたのか。寝りゃよかったのに。……で?なんだよ。なんか用か?」

 

「別に。……起きてちゃ悪い?オレがいつ寝ようが勝手だろ」

 

そう言って椅子から立ち上がる。

 

そのままキッチンに向かい

 

「温かい飯と、冷たい飯。どっちが食いたい?……たまたまオレが起きてたんだ。選ばせてやんよ」

 

そう言うとアリアはハトが豆鉄砲を食らったような顔をして、少ししたら笑い出す。

 

「んだよ?」

 

「いや、ハハッ。たまたまね。――せっかくだし温かい方が良いな」

 

「了解」

 

キッチンに置いているエプロンを身に着け、適当な野菜を切る。

 

根菜、葉菜、キノコを切り分け、鍋で煮ること30分。

 

「ん。……熱いから、気をつけろよ」

 

コトリ、とさらに移した簡易スープをアリアの前に置く。

 

アリアはフーッ、フーッと息で冷まし、少しづつ食べ始める。

 

オレはそれを横目に、対面の椅子に座る。

 

「――なぁ?」

 

「ん?どした?」

 

スプーン片手に、スープを飲みながら返事をするアリア。

 

「で、今日抱いた娼婦はどうだったんだよ。オレの金で言ったんだから、キリキリ話せよ」

 

「……お前、昼は不機嫌になったのになんで自分から聞いてくんだよ」

 

ジッ、と話せという念を込めて見つめると彼女は観念したのか話し出す。

 

「良い女だったよ。ツラが良くて、抱き心地良くて、感度もよかったし。ただ、まぁ」

 

彼女もこちらの方を見つめ

 

「昼に抱いたお前の方が万倍良かったよ。……あんないい女抱いても満足できないようになるなんてな」

 

と言ってくるアリア。

 

「……そうかよ」

 

お前の方がよかった。

 

この言葉に心から喜んでしまうオレは頭のどこか、いや、すべてがイカレてしまっているようだ。

 

口角が勝手に上がってしまう。

 

コイツは結局のところ、彼女に金を集って風俗に言ったようなクズなのに。

 

アリアの1番であることに幸福を感じてしまっている。

 

「じゃあ、もう女は買わないのか?」

 

「それはそれだろ。お前にはない抱き心地が感じたい時だってあるし。まあ、当分はいらねえけど」

 

……このクズは。

 

少しすると、目の前の女はスープを飲み干した。

 

皿を洗い、寝室に向かおうとすると、

 

「なぁ、デザートが欲しいんだけど」

 

何を言っているのだ、この女は。

 

「あるわけないだろ、んなの。バカじゃねえのか」

 

そう言いいながら、彼女の方を向けば

 

「あるだろ、飛び切りのが」

 

そう言って、こちらを肉食獣のような瞳で見てくる女。

 

「お前、昼と夜に2人も抱いたろ」

 

「最上級の女が目の前にいるんだ。それにさっきの会話で思い出しちまったし」

 

この絶倫女。

 

アリアも椅子から立ち上がり、こちらに近寄ってくる。

 

「今夜は寝かせねぇぞ」

 

横に立ち、こちらに手を伸ばしてくるアリア。それを、

 

「寝るわ、バカ」

 

パシッ、と叩き落し拒絶する。

 

「お前、明日の予定忘れたのかよ」

 

「明日って。……なんかあったっけ?」

 

マジで忘れたのか、うーん?と悩んでいる。

 

「明日はレイラのとこに行く日だろ、このバカ」

 

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オレの格好は、世間一般ではあまり好まれないものだろう。

 

少なくとも好意的に受け取られないのは確定だ。

 

黒髪の一部はアリアと同じ赤い色が混ざっている。

 

地毛じゃない、染めたものだ。

 

片耳にはアイツと揃いのピアス。舌ピと臍ピは怖いから断った。

 

今日会いに行くレイラはタトゥーの彫り師だ。

 

舌と首、左腕にタトゥーをこれまでに彫ってもらっている。

 

柄はサソリに蝶に、頭蓋骨。

 

これらはすべてアイツの好み。付き合いだしてから1年たった半年前、オレに彫ってくれないかと言われたのがきっかけだ。

 

そして今日は背中に入れる予定である。

 

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「んじゃあ、ワタシはカジノ行ってくるわ」

 

ん、と手をこちらに向けてくるアリア。

 

「なんだよ。金なら貸さねえぞ」

 

「え~ッ!?いいじゃんかよぅ!待ってる時は暇なんだよ!」

 

コイツ、オレから昨日5万借りたのを忘れているのだろうか。

 

「じゃあカジノ行くなよ。……そもそも、お前。金持ってんだろ」

 

ピクリ。

 

彼女の動きが止まる。

 

「何言ってんだよ。昨日貰った金なら女買って使い「切ってるわけねえだろ」……」

 

「お前、オレの前職忘れたのかよ。あそこで2時間くらい女を買って大体どのくらいの金額かだなんてわかってんだよ」

 

アイツが返ってきた時間と移動時間からの計算で、コイツが娼婦を買っている時間は長くても2時間。

 

あの辺りの歓楽街で2時間の相場は3万ほど。

 

少なくとも1万は着服しているはずだ。

 

アリアは観念したのかブツクサ言いながらカジノの方へと歩いていった。

 

「んじゃ、まぁ。レイラんとこ行くか」

 

そう独り言をこぼし、店の中へと入っていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「レイラ~、来たぞ~」

 

奥へ向かって歩いていくと

 

「うッ……」

 

ムワァ、と甘い匂いが奥からしてくる。

 

この匂いの元が合法なモノか、違法なモノか。

 

気にはなるが、コレまでで身体に異変は生まれなかったため気にしないことにしている。

 

しているのだが、やはり慣れない。

 

あと10分ほどすれば、鼻も慣れてくれるだろう。それまでの我慢だ。

 

「……ハァ~イ♡」

 

奥の方から匂いに負けないほどに甘い声が聞こえてくる。

 

トッ、トッ、トッ!

 

奥から小走りでやってくる女。

 

「来たよ、レイラ。おはよう」

 

「いらっしゃ~い♡」

 

彫り師のレイラだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、今日はどこだったっけ♡」

 

「背中だよ。背中に茨がイイんだと」

 

「……ふーん。背中に薔薇……いっちょ前にマーキングのつもりかしら」

 

普段からは想像できないほどに低い声で呟くレイラ。どうしたのか、と声をかけると

 

「ううん、何でもないよッ♡モルちゃんに薔薇、きっと似合う♡さっ、奥に行きましょう♡」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

奥の部屋に行き、いつもの場所に座るオレ。

 

部屋の奥からノートブックを持ってきたレイラは、サラサラと下書きを描いていく。

 

「前彫ったスカルはどう~♡」

 

とか

 

「モルちゃん、元気してた~♡」

 

などと世間話をしながらも、下書きにいろいろオーダーを足していき、30分ほどで完成した。

 

「うんうん♡じゃあ、背中から右腕にかけてのタトゥーだから♡服、脱いで♡」

 

言われた通りに上に着たものを脱いでいく。下絵を描くのには邪魔だろう。

 

「相変わらずきれいな肌だね~♡まるで雪みたい♡昔と変わらないね~♡」

 

「昔って、2年以上前の話じゃん」

 

2年前、オレがまだ娼婦であった頃の話。

 

客として来ていたレイラと、嬢としてのオレの話だ。

 

「傷は……無いみたいだね♡」

 

「んッ」

 

ペタペタ、とオレの背中を確かめるように触るレイラ。

 

傷付けないために優しく触られ、思わずくすぐったくて声が漏れる。

 

「可愛い声♡ソコも昔と変わらない♡」

 

次第に触り方が変化していく。

 

背中をさすっていた手が、前へ、前へ、と。

 

スッ、と彼女の手を掴み遠ざける。

 

「何すんだよ。オレはもうウリはしてねえんだ。それに……、オレにはアリアがいる」

 

「……そうだね、ごめん。悪ふざけが過ぎたよ」

 

手を引いていくレイラ。だが、

 

「けどさ。アリアで良いの?アイツ、お金遣いは荒いし、女の子は買い漁るし、賭け事だってどんなに負けても繰り返す。人間のクズだよ。良いところなんて、それこそ顔くらい」

 

真剣な顔でそう言うレイラ。

 

オレへの心配からそう言ってくれているのがわかる。実際、オレはアイツに貢いでいるバカ女に見えるだろう。

 

アイツの歴代の女だって、アイツに惚れこんでは搾り取られて捨てられてきたという。

 

だが、それはオレのせいでもある。

 

「心配はありがたいけど……、お前よりもオレの方がアイツのことはわかってるよ。オレはアイツの幼馴染で彼女なんだから」

 

「そっか。……重ねてごめんね。私――」

 

「気にすんなよ。アイツがクズなのは客観的事実で、そんなアイツに惚れちまったオレもそれ以上のバカなのは間違い用の無い事実なんだから。――ほら、下絵、書いてくれよ。オレ、お前のデザインが好きなんだよ。最初はタトゥー入れるのもアイツの頼みだからでイヤイヤだったけど、お前のおかげで今は結構好きなんだ」

 

「わかったよ。……でも、アイツがモルちゃんを泣かせるようなことがあったら絶対に言ってよ♡地獄の底に叩き落してやるから♡」

 

「ハハッ、そりゃあ頼もしいな!」

 

レイラはオレの背中に下絵を描き始めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オレとアリアは同じ村に生まれた。

 

幼い頃のアリアは今ほど豪胆でなく、むしろ弱気な方でいつもオレの後ろに隠れるような奴だった。

 

年代の近い同性ということで、常に一緒に居たものだ。

 

一緒に森へ行ったり、山へ行ったり、川へ行ったり。

 

良く転んで泣き出すアリアを泣き止ませるのがオレの役割であった。

 

ある時。

 

「モルちゃんはどうしてそんなに堂々としてられるの?どうしてそんなに強いの?」

 

そうアリアが聞いてきた。

 

オレは返答に困り、適当に

 

「あ~。アリアがいるから、かな?お前と一緒にオレまで泣いちまったら、何もできないだろ?だからオレは堂々としようって頑張れんだよ」

 

そっか、と呟きアリアは

 

「じゃあ、ワタシもモルちゃんの為に頑張る!このままじゃモルちゃんは泣けないし、それじゃあどこかで壊れちゃうもん!!」

 

ッハ。

 

思わず失笑し

 

「んじゃあまずは、泣き虫なのからなんとかしような~」

 

ワシワシッ、とアリアの頭を撫でまわす。

 

のどかな村で幼馴染とゆったりとした異世界生活。

 

死後の余暇としては十分のモノだと思えた。

 

 

これがいつまでも続いてほしかった。

 

だが、

 

 

夢にはきちんと終わりが用意されていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えッ?」

 

親に言われたことが理解できず、聞き返してしまう。

 

「モル、お前には都に出稼ぎに行ってもらうことになった。すべてはこの男が手引きしてくれる」

 

隣の男に眼をやる父親。

 

そちらに眼を向ければ、禿げあがった頭がまぶしい50ほどの男が座っている。

 

「お嬢ちゃんならかなり稼げるはずだよ。ご家族の為にも頑張ると思って、さ」

 

この年は酷い不作であった。

 

村の農産物が例年の半分も取れなく、村の全ての家計は火の車であったのだ。

 

父親は出稼ぎと言ってはいるが、要は身売りだ。オレはこの男に売られたのだろう。

 

行先は……まあ、風俗だろう。女のオレを1番高く買い取ってくれるところだ。

 

オレはこの家で末っ子。

 

労働力として見込める上の兄姉よりも使えないオレを切り捨てるということだ。

 

そもそもオレに拒否権などは無い。親がオレをこの男に売った。その時点でオレはコイツについていくしかない。

 

オレは都の娼館に売り払われた。

 

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娼婦となって5年。

 

娼婦としての名はメーテリア。

 

基本的に男、稀に女の相手をしていたオレは一端の娼婦として生計を立てられるようになっていた。

 

オレの顔は整っていて高値で抱こうとする奴らが後を絶たず、今では都でも上位の娼館のトップ嬢となっていた。

 

父とあの男が結んだ契約によって手持ちの貯金は相当のモノ。

 

オレに娼婦として支払われる給金の4割が手元に、残りがあの男のもとに行くのだ。

 

娼婦には前世のように身請けの制度もあるが、契約の1部にオレはオレを身請けできないことになっているため無駄な貯金だ。

 

今日は珍しく女の客。大体週に1人いるかどうかだ。しかもその筋では有名な遊び人らしく、至る所の娼婦を抱き漁っているらしい。

 

「……行くか」

 

オレは重い腰を持ち上げて部屋へと向かった。

 

今日も知らないヒトに抱かれに。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「本日お相手させていただく、メーテリアと……えッ?」

 

手から荷物を落してしまう。しかし、それに値する事態が起きたのだ。

 

そこにいたのは

 

「やっと、……見つけた」

 

成長したアリアであったのだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうしてここに?それに、……どうやって」

 

目の前のアリアに尋ねる。

 

「どうやっててのは、まあ、モルが娼婦になったって聞いたから手当たり次第に娼館に行きまくった。どうしてってのは」

 

「ワタシはお前の為に頑張るって……約束しただろ」

 

驚き、あきれる。

 

子供のころの適当な約束を本気で守ったのか。

 

「んじゃあ、まあ。行くか」

 

行くって、

 

「どこに?」

 

「そりゃあ、決まってんだろ。外だよ、外」

 

出来るわけがない。そんなことをしたら契約違反と法律違反で仲良く犯罪者だ。

 

オレがここを出て行けるのは、身請けしてもらえたときだけ……ッ?!

 

「お前ッ?!」

 

「金ならある。明日からはスッカラカンだの文無しだが」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すんなりとオレは彼女の金で、5年務めた娼館から出ることができた。

 

その後は2人で都に住むこととなった。

 

何でも彼女はオレの兄と家の付き合いで結婚させられそうになっていたが、オレに逢いに行くから村を出る。結婚はしないと拒絶したため絶縁状態らしい。

 

「なぁ。今日も金貸してくれよ」

 

言葉の通り文無しになった彼女は、ことあるごとにオレに無心してくる。

 

オレも、娼婦時代の金なら大量にあるため、あまり気にせず貸し出す。

 

ちなみに、彼女が文無しになった原因のオレの身請け金は自身の貯金からかなり色を付けて返した。おおよそ3倍にして。

 

コレは1月持たずに消え去ったが。

 

コイツ、オレがいない間に何があったのか話し方は昔のオレそっくりだし、金遣いは荒いは、ギャンブルはするは、酒は飲みまくるは、女は買いまくるは、とろくでもないヤツになりやがった。

 

オレに会えたんだから娼館に行かなくてもいいだろ、と言ったら女を抱くのがオレを探している間に趣味になったのだとか。

 

ギャンブル、酒、薬なんかはオレを身請けするために金を稼ぐときに、違法な手口を使ったのだとかで、その関係で味を覚えさせられやめられないらしい。

 

結局のところ、オレを助けようとした結果として生まれた習慣のため、あまり強く言えずに金を貸している。そもそも、オレに関係ないところでギャンブルにはまったから金を貸せと言われたところで貸す……には貸すだろうが、それでもこんなにたくさんは貸さない。

 

カジノで大穴当てた金がオレの身請け代だったのだとか。

 

そもそも、カジノや娼館巡りに使った金はどうしたのかと聞いたら

 

『そこら辺のテキトーな女抱いて、財布にしてた』

 

などというこれ以上ないほどのクズ回答が返ってきたことは、記憶に新しい。

 

オレが原因で生まれたクズさだと思っていたが、コレは生来のモノな気もする。

 

その人たちに返せる限り、お金は返したいが……、今は皆、どこにいるのかわからないらしい。

 

恐ろしいことだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一緒に生活し始めて1年。

 

オレは自身の財産で生活し、稀に服なんかを作っては売って、小金稼ぎをしていた。

 

アリアの方は、オレに金を借りては散財する生活を送っており、自身の中のアリアの評価もオレのせいでクズになった女から、生粋のクズにランクダウン。

 

そんなある日、彼女はオレに告白してきたのだ。

 

オレとアリアは週に4回から5回ほどのペースでヤッていた。

 

娼婦として働き、別に拒否感の無いオレと、女をとりあえず抱きたいというアイツ。

 

恩だってあるし、そもそも身請けした相手の夜の相手をするなんていうのは結構ある、というか大体それが目的で行われるものだ。

 

だからオレもアイツに誘われる度に、相手をしていた。

 

のだが、

 

「なぁ。ワタシと付き合わないか。モル」

 

ある晩、ヤり終わった後、ベッドでピロートークを行っていた時に唐突に言ってきやがったのだ。

 

オレは別に拒絶する理由も、受け入れる理由も特になかったので答えに困ったが

 

「うん」

 

と、心とは裏腹に了承の意を伝えていた。

 

その時、オレは気づいたのだ。

 

 

(あッ、オレ。アリアにマジになっちゃってる)

 

 

自身がアリアに惚れていることに。

 

 

 

一緒に過ごして体感していた筈なのに。こいつがどんなにクズで、カスで、バカなのか。

 

それでも、オレはこいつと過ごしている間に惚れてしまったというのだ。

 

人の心というモノは本当にわからない。

 

だけど、その時のオレは数年ぶりに心の底から幸せで

 

涙を抑えることができなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「――んんッ」

 

「あ、起きたねぇ♡もうちょっとで彫り終わるよ♡」

 

意識が覚醒してきて、背中に走る小さな痛みに気づく。

 

「慣れたねぇ♡最初に彫った時は泣いてたのに♡」

 

思い出す、恥ずかしい記憶。

 

「あれはッ!……あれは、まさか客にこんなとこで会うなんて思ってなかったから動転してただけで。……何も無かったら泣いてなかったし」

 

恥ずかしくて無理な言い訳をする。

 

「あの時は驚いたねぇ♡急に店を辞めちゃったモルちゃんもとい、メーテリアちゃんが来たんだもん♡」

 

オレも外に出てから客に会ったのは初めてですごい驚いた。ウチは結構な高級店であったため、客層も金がある奴らが多かったが、そのうちの1人が都でも有名な彫り師であったわけだ。

 

それから10分ほどし、

 

「はい出来た♡スッゴイ可愛いよ♡」

 

オレの彫りが終わった。

 

「じゃあ、アイツが来るまでお話『ガラガラッ』チッ!!」

 

入口の方から音がした。

 

少しすれば

 

「おー、良い感じだな。ちょうど終わった感じか?なら、ま、行こうぜ」

 

アリアに手を握られ、引っ張られる。

 

「……まだお金払ってないんだけど」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ありがとうございましたぁ♡次のご利用もお待ちしていまぁす♡できればモルちゃん1人がイイでぇす♡」

 

お金を支払った後、2人で外を歩く。

 

「で?今日の収支は?マイナスいくらよ」

 

隣を歩くアリアに尋ねる。

 

「なんでマイナスで聞くんだよ。勝ったかもしれねぇのに。……まぁ負けたけど」

 

 

コイツの負け分イコール、昨日の着服金額だ。

 

気にもなる。

 

「12万」

 

「はぁッ?!」

 

12万て、昨日風俗行ってなかったとしても5万だろ。

 

「お前、その金どこで用意したんだよ」

 

「……前の財布がいたから声かけて集った。そしたら10万寄こしてきて、『もう関わらないで』だとよ。……ワタシ、アイツに逆ナンされたからヒモになったていうのに……。関わるなって、わかんねー」

 

オレはお前の脳の構造がわからんわ。

 

「で、その人今どこにいるかわかるか?お金、返しに行かないと」

 

「関わんなって言ってんだから、もういいんじゃねえか?行っても追い返されるだけだろ。それより腹減った。早く帰ろうぜ」

 

そういうや否や、こいつは握ったオレの手を更に強くつかみ、家へと向かっていく。

 

「あッ、オイ!」

 

そうやって、彼女に手を握られただけで鼓動が早くなる自身が嫌になる。生娘という訳でもないのに。様々と、オレがアイツに惚れているのだと見せつけられているようで。

 

(そのうち会えるだろ、今日だって会えたらしいし)

 

だから今日は、

 

 

コイツに引かれるまま、家に帰ることにしよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕飯時。

 

モルが作ったハンバーグを食べる。

 

「にしても、お前のその口調どうしたんだよ」

 

「なんだよ、急に」

 

ここ数年聞いてこなかった癖に。

 

「まぁ、なんとなく」

 

適当に答える。

 

「ほんとかぁ?昔のオレの話し方に憧れちゃったんじゃねえの?」

 

図星だ。

 

ワタシにとって、1番力強い、折れない人間こそ、モルであった。

 

彼女を探しに都に来て、早々に折れてしまいそうだった過去のワタシは、彼女の模倣をすることで何とか強くいたいと思ったのだ。

 

最初の頃なんか、自身のことをオレとも言っていた。

 

まぁ、ワタシがこんな感じになってからはワタシに戻したが。

 

ギャンブルや女、酒なんかにハマる弱いワタシは彼女と同じでいていいはずがないのだから。

 

「んなこと言ったら、モルだってそうだろ。そんな、娼婦然とした話し方になって」

 

痛いところを突かれたから話を変える。

 

「コレは、まぁ。何年も娼婦してたらそうなりもするよ」

 

だけど、ワタシは知っている。

 

喋り方が変わっても、その精神性は変わっていない。

 

強く、堂々とした彼女のまま。

 

本心を奥に隠し、泣き虫な自分を追いやったワタシ。

 

そんなワタシの前に立ち、泣かせてくれるモル。

 

ワタシは弱いから、殻に籠って逃げに走ってきたけど。

 

「愛してるよ、モル」

 

それだけはホント。

 

嘘をついてココまで来たワタシだけど。

 

「んだよ、明日は嵐か?」

 

 

彼女がいるおかげで、ワタシは立っていられるのだ。




純愛モノが好きな私ですが、純愛モノはかけないというジレンマ

需要に供給がなされていないですね

見えざる手はお休み中のようです

そろそろベルのところのもるが書きたいですね

1番傷ついてくれるので、物理的に

自分の手でモルにアリアのマーキングを掘らされるレイラ

1番好みです
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