リアルの方が落ち着いてきたのでやっと投稿できました(短いですが)
R-18版のヤツを書いている時に思い付き、息抜きに書いたものです
そっちは今日の夜予定
時系列としては、カルトとは友達以上、恋人未満の学生時代
モルに人生を折り曲げられ、情緒を完全粉砕されたモブの話
「きょっ、今日はっ!貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございますッ!!」
バッ、と目の前で椅子に座る彼女に向かって私は深々と、頭を下げた。緊張気味で紡いだ言葉は途中突っかかってしまい、恥ずかしくてカッ、と顔が熱くなる。
(うぅっ、やっぱり私……)
こんな簡単なお礼も十分に言えないなんて。こんなんじゃあ、きっと……。
いや、こんな自分をなんとかしたいから、今日、先輩に時間を作ってもらったのだ。ビシッとしなきゃ!
「よろしくお願いしますっ、モル先輩ッ!!」
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「で、相談って何?何が聞きたいの?」
モル先輩はカリッ、と手に持つお菓子を齧りながらそう聞いてきた。
私は、実は……と今回の要請の理由を話す。
「実は、今度学会で発表することになって……、私、人見知りで……。大勢の前で数十分も一人で話すなんてきっと無理で……。それで……」
ふぅん、と私の話を聞きながらお菓子を食べ続ける彼女。なんとなく、話が通じたようだ。
「つまりはあれか?これまで何回もその手の経験をしてきたオレに、アガらないためのアドバイスを聞きに来たと?」
「あっ、はいっ。そっ、そうなんですっ!!」
彼女は私の相談内容を把握すると、齧っていたお菓子を口の端に咥え、目を閉じ集中しだす。
そのまま時にして、数十秒。
徐に彼女は口を開き、
「うん、相談相手、ミスってんね」
「え゛っ゛?!」
ニコリ、とほほ笑みながら、そう言った。そして、続けざま
「いや、オレ、緊張とか端っから無いし。和らげる方法とか、誤魔化す方法とか要らなかったしなぁ。ーーうん、完全にオレに聞く問題じゃないね。一回も緊張とかしなかったし」
と、つまりは、先輩は学会発表なんかでは緊張なぞしない、鋼の心臓持ちなのだと言われてしまった。
「……そ、そんなぁ」
がくり、と思わず肩が落ちる。きっと場数を踏んできた先輩からは、素晴らしい方法を教えてもらえると思っていたのに、緊張したことないって。
「でっ、でもッ!先輩、国際的に一線級の発表会にも出席してますよねっ?!さすがに緊張したことないってことは……」
「無いね、一切。……コレばっかは生まれつきだからなぁ、教えるとかも無いし」
再度ガクっ、と肩を落とす。救いは無いようだ。
「……そ、そうですか。すみません、せっかく時間を割いていただいて。今日はありがーー」
そう始まってすぐだが、感謝の句を伝え、解散しようとすると
「ん、なんだ、帰るのか?もうちょっと、ゆっくりしてけよ。アドバイスは無いが、何も手が無いわけじゃないぞ?」
ガリっ、と今日一番、ひと際大きな音を立てながら、先輩は私を押しとどめた。
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…………。
「ーーえッ?今、なんて……」
「ん?だから、何も手が無いわけじゃないって。要するに、緊張しなくなればいいんだろ?」
あー、ん。と、先輩は新たなお菓子を箱から足りだし、口に含みながらそう言った。
「でっ、でもっ、緊張したことが無いってっ!?」
「んー?たしかに学会で緊張したことないけどさぁ。ーー」
お前のあがり症の克服なら、なんとかなるかもだぞ?
ニヤリ、と口の端を歪めながらそう話す先輩。
私はその情報に飛び掛かり、上半身を目の前の先輩に乗り出し、聞き出そうとすると
「えっ、それってどうやっーー、んっ!?」
ザッ、と至近距離まで近づいてきた先輩の顔。すぐさま唇に感じる、フニっ、とした肉の感触と熱、吐き出される熱い吐息。
私は先輩に唇を奪われた。
「~~~~~ッ?!」
バッ、と訳も分からないまま顔を先輩の前から遠ざける。なんなのだ、急にっ?!まさか先輩、そういう趣味が?!
「せっ、先輩っ?!何するんですかっ?!」
これが家族以外との初めてのキスであった私は、若干の怒り、戸惑い、それ以外の感情ももろもろを込めて糾弾する。が、先輩は、んー?と先ほどと変わらない様子で答えだす。
「何っ、てキスだけど?ほかに何だと思ったんだ?」
「そんなことはわかっていますッ!!なぜ急にキスをしたのかという話でっ!!」
「何故も何も言っただろ?あがり症の克服だって?」
「……は?」
次々かわす質疑応答。その終わりはあっけなく、すぐさま到来した。
何を言っているのか、と理解が追い付かないままぼーっ、としている私の前で先輩はツラツラと自身の考えを述べ始める。
「お前、人の前で話すのが苦手なんだろ?それはこれまでの会話でもわかるし。……んで、その原因はおそらく過度な人間関係の欠如が原因。多分これまで友達とかいなかったろ?要は人と話すのに慣れていないからアガるんだよ。だから一番の対処法は無理矢理人と話させること。とはいっても学会まで時間もないから会話に慣れろ、というのは土台無理な話だ。ーーだから、」
「会話は飛ばして、その上のものに慣れさせる」
「時間が足りないなら、その分、質で補えばイイ。1かける100も、100かける1も結果はおんなじだ。他人にキスできるようになった奴が、会話でアガって困る、なんてことにもならんだろ」
ーーつまりは先輩は、私のこの緊張は人との会話の経験値が十分に足りてないことに起因していて、それを期限までに治すためにより強い衝撃に慣れさせようとしているのか。
「でっ、でも!!先輩は良いんですかっ?!そんな方法、女の子同士でキスなんて!!私のためって言ったって!」
「ん?別にオレ、恋人がいるわけじゃないし、女同士だからって気にしないし。ーーなんだ、気にするのか?」
「気にするに決まってるじゃないですかっ!!何を言っているんですかっ?!」
キスって言うのはそもそも、恋人どうしになった男女がするもので。女の子同士でするなんて、そんな、まさか。
「それにっ、こんなことで話せるようになるわけッ「なってるじゃん」ーーあっ、……えっ?」
「なってるぞ、話せるように。さっきみたいにドモってないし」
スッ
先輩はそう言うと座っていた椅子から立ち上がり、後ろに下がった私の目の前に立つ。
とはいっても、先輩は小柄なため、下を向いていた構図は変わらないが。精々、顔が近づいただけ。
「で、効果は確かめられたようだけど。続き……するか?どうする、お前に委ねるよ」
「……」
突然迫られる選択肢。学会を取るか、それとも……。
(だけど、先輩がここまで身を削ってくださっているのに無碍にするというのも。それに、学会は成功させなきゃだし。ーー別に、変な意味があるわけじゃないから。うん、ただ、アガり症の克服を……手伝ってもらっているだけ。それだけ、だからーーー)
意は決した。それが本当に自身の本音からの決断であったのか、どうなのか。そんなことからは目を逸らして。
ーー先輩の唇、柔らかかったな
キュッ、と目を強く閉じ、身体の震えを何とか堪える。
今度は私が、先輩の唇に自身のモノを重ねさせた。
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ぷはッ、と息が持たなくなった私は重ねていた唇を遠ざける。
無酸素からか、緊張からか。ぜー、はーッ、と息を荒げながら、そっ、と指先を自身の唇に添わせる。
(ーーやっぱり先輩の唇、柔らかかったな)
そんな風に先ほどまでのキスを思い返してボーっとしていると、
「なぁ?」
と先輩が声かけてきた。どうしたのだろう、と思っていると、先輩はそのまま続けて
「お前、何、目ぇ閉じてんだよ。開けとけよ、そっちの方が効果的だろうし」
「ーーすいません」
はーッ、と先輩はそのままため息を吐き、重ねて
「それと、唇重ねるだけって子供かよ?もっと大胆に、舌とか使わなきゃアガり克服にならんだろ。言っただろ、量よりも質を取るって?」
と言う。って、えぇッ?!
「マジすか?」
「マジ、マジ」
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先ほどと同じ、先輩の前に立つ構図。身長差10センチほどで、顔を下に向ける必要がある。
「いッ、いきますよ?……いいんですね、やりますよ?」
「良いっていってんだろーに」
クイッ、と先輩の両頬に手を添えて上を向かせる。
「……ッ」
今度は目を閉じない様に、と念じ続けると、視界に移るのは、一杯の先輩の顔。
(あっ、やっぱり先輩って、すっごい可愛い。ーーまつ毛なっがいし、鼻筋も綺麗。肌も陶器みたいだし。それに……)
先ほどまで重ね合っていた唇に視線が奪われる。
健康的な色に、見るだけで分かる瑞々しさに、柔らかさ。その隙間からは、チロッ、と舌先が見えていて、今からアレと、その、私のが……。
「……まだ?」
コテン、と顔を軽く横に倒し、私を見上げる先輩。
ポキッ
その時、確かに感じた。それまで、女の子同士だから、とか、男の人と、とか考えていた自身のこれまでの常識の柱が折れた感覚を。
心を射抜かれた感覚だった。
そんなものよりも、この柔らかく、甘く、蕩けそうな魅力の塊が欲しくて、溜まらなくて。
ーー後になって思うが、この時私の性の対象はねじ曲がったのだと思う。かわいらしく、魅力的な先輩の姿に、脳を焼かれたのだ。
もう私に迷い、戸惑いはない。
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(おまけ:本編に入れて大丈夫な描写か判断が難しい内容だったので、怒られたら消します、ここ)
「んッ、ーーっふ、ぇろッーーちゅるッ……んぁ」
タガが外されたかのように、先輩の口内をむさぼり続ける。先輩の小さな唇に自身のモノを強く押し当て、形を崩し、舌先を唾液を混ぜ合わせるように絡みつかせる。
先輩の可愛らしい舌を舐めとり、咥え、思うが儘に蹂躙するその姿はまさに獣。遠慮なんてものは無い。
頬に添えていた手はそのままに、けれども込める力は万倍に。逃がすつもりは毛頭ない。
次第に息が持たなくなり、苦しくなったのか、先輩は両腕を私の後ろに回しギュッ、と服を掴み抗議してくる。
だけど、まだ。まだ、先輩を味わいたい。
意識がだんだん真っ白になり出し、キス以外のことが考えられないようになる。
無酸素特有のフワフワ感が、心地いい。
んちゅっ、ちゅるるるっーーー、んぁあ、ぺろっ、んちゅっ。
ーーぷはっ。
しかし何事にも限界は来る。意識を失いそうになる一歩手前でさすがに、唇同士を離せば、何分もかけて練り合った私と先輩の唾液が、ねとぉ、と舌先の間に橋を架けている。
はぁっ、はぁっ
息はこれ以上なく荒く、白い吐息が二人の顔の間を上がっていき、温かい。先輩の、甘い匂いがする。
はぁーー、はぁーー
先輩も意識がもうろうとしているのかぼぅ、としている。目はトロンと蕩けきり、頬と耳を赤く染め上げて、口の端からは唾液が洩れている。
ギュッ、そんな先輩の可愛らしい姿に堪えきれず、思いきり抱き締める。と、感じるのは小さな、だけど確かな女性の身体。
僅かな胸のふくらみと、腰の括れ。柔らかな肉付きからは、普段の気丈な先輩からは感じられない物があった。
ーー、ーー。
息が整ってきた。呼吸は万全。
私は再度先輩の頬に手を伸ばし。
「んっ」
唇を重ねた。
この後彼女のあがり症は克服、学会も無事成功
ノンケの女の子をその気にしたモルは、そのまま勝手にカルトと結婚し
その娘はモルに捻じ曲げられたその性癖を抱えていくこととなるのでした
めでたし、めでたし
〈本編とはまったく関係のない雑談〉
X(旧Twitter)初めて見ました。ご感想で話題に上がった時から気になってたので……。
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