絶対この3人(?)を出したいのだ!
「死んでしまうにはまだ早いと思うなぁ、新人くん。」
大きく口を開けた大鳥の前に座り込む新人職員の襟首を掴み、後ろに引っ張った。…若干苦しそうな声をしていたが、命は助けたのだし問題なし!
「(うっっわあっぶなぁぁぁ…エレベーター使おうとしたら動いていなかくてベントゴリ押し移動やってなんとか間に合ったぁ〜。)」
かっこよく言い切ったけれども、心の中ではとんでもなく動揺していて…。
そんな素振りは一切見せずに話しかける。
「君、怪我は…ぱっと見なさそうだね。初出勤で中々に災難だったねっ(ギィ、ギィィ)てコラコラ待ってってば。」
私が勝手に話しかけていると大鳥が頭突きをして来た。大鳥に構わずに新人職員に話しかけている事を嫉妬してしまったらしい…カワイイナァモウ。
「あはは…ごめんねー大鳥は甘えん坊だから…」
こちらの様子を唖然として振り向く新人職員は、顔が涙と鼻水で汚れていて、下半身も…あ〜ハンカチ貸した方がいいか。
「さて、此処じゃアレだし、一旦移動s「…どうして!」へっ⁉︎」
「…貴方は平気なんだ。今、人が死んだんだぞ!」
急にこちらに怒鳴って来た新人職員。
まぁ…確かに、私も最初は動揺したけど、でもね
「じゃあなんで君は此処に入ったの」
「…なんでって、それは…」
「君はもう此処の職員なんだ。入ろうと決めたのは君でしょ?ならばさ、続けてみるのが筋じゃないのかなぁ。」
私に縋り付いてくる大鳥を撫でてから、新人職員の側でしゃがみ込み、涙と鼻水で汚れた顔をハンカチで優しく拭う。
「此処は死と隣り合わせだけど、こういう時の為に備えがあるんだ。困ったらいつでも私達…『ネコチーム』に頼ってよ!」
「ようこそ、『Lobotomy Corporation 』へ。歓迎するよ、新人くん。」
「よぉ〜し、終わった終わった!。」
あの後、緊張が切れたのか気絶してしまった新人職員を他の職員に預けて、私はルームに戻る。
まだ夜勤の時間まで少しあるから一眠りでもしようかなぁ。
「あっ、まだティラミス食べてないっけ。」
おやつタイムの最中に呼ばれてしまったから、ロイヤルミルクティーは冷めてしまっているだろうが温め直せばいいし、ティラミスは冷蔵庫に入れているから直ぐに食べよう!
「フン〜〜♪、フフン〜〜〜♫。」
スキップしていると、ルームの前にネコチームのメンバーであるルークとクロムの2人が立っていた。
「ヤッホー、ルークとクロム。そっか、君たちもう出社する時間だっけ。」
「ああ…、お疲れ様です。リーダー」
「…ウッス。」
あれ、2人と顔が悪い…どうしたんだろうか。
そういえば、制服に着替えていないしなぜ2人はルームに入らないのだろう。
「君たち、なぜルームに入らないの?まだ着替えてないでしょ。」
「…えっと、どうしましょうかクロム。」
「…リーダー、あれ。」
2人で顔を見合わせ、クロムが私にルームを指差した。
まさか…また"彼"が…ここに来ているのか…。
「っ!」
急いでカードをかざしてルームの扉を開けた。
そこに居たのは…
「…おや、遅かったなシズク。」
そこに居たのは…、"私のマグカップ"を勝手に使い、"私のまだ一口も食べていないティラミス"を食べている、"黒い体に青いマントを身につけたアブノーマリティ"が優雅にソファに座って居たのだった。
「…………ああああああ!私のティラミスがぁ〜〜!何勝手に食べてるの、魔弾の射手!」
私はムンクの顔の如く、悲鳴をあげて、彼が手に持つ食べかけのティラミスを取り返そうとした。
しかし彼…魔弾の射手は身長が大体2mあり、私の身長と差が結構あるから、立ち上がってしまえば全く届かないのだ…
"許すまじ…"と魔弾の射手の胸あたりを叩きまくるも、全く効果がなさそう…。
この高身長お化けめ…
何笑っているんだコイツ…。
後ろでルークとクラムが"あちゃ〜"という顔でルームの外からこちらを眺めている。
2人とも、見ているくらいならばこっち援護してほしい…
「ところで、コーヒーはないのか」
「図々しいなぁ!…あるよ、入れてくればいいんでしょ‼︎」
コイツ本当に図々しい…謝るならともかくコーヒーを要求するなんて、塩でも入れてやろうか。
まぁ彼の性格を考えると私が大人の対応をしてやるしかないのか…
「そういえばシズク、まだお前に言っていないことがあったな。」
「…?」
「…お前のティラミス、美味かったぞ。」ニヤ
「うあぁぁぁぁぁぁぁこの高身長お化けめーーーー!」
この日、施設全体にもう一度、私の悲鳴が響き渡ることとなったのだった…