吾輩はアトラル・カである。アトラル・ネセトになる予定はまだ無い   作:美味しいラムネ

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白龍「やっぱこの蟲面白いいわ。玩具取られない様にしなきゃ…」

黒龍(そもそも認知していない、というか今それどころじゃない)

煌黒龍(そもそも認知していない、というか認知していても別に自分の仕事じゃないし…)




初投稿です。







吾輩はアトラル・カである。多分人間達に勘違いされている気がするけど吾輩はただの一般的な蟲であるよ。

 

 

 

 

 

「ピギャアアアア(むにゃ…)」

 

頭を鳥に突かれて目が覚める。ふわふわ、もふもふの感触がするのである。かわいい。フワフワクイナ…あ、飛んでいった。

半ばからちぎれた右腕で、フワフワクイナの飛んでいった軌跡を追う。無いはずの腕が痛む。というか全身が痛い。滅茶苦茶痛いぞ、なんだこれ!?

もふもふの感触の残る頭を振り、痛む体を起き上がらせる。

 

「ピギャアアアア(もふもふ…)」

 

秘薬を飲み干す。多少は体の痛みが楽になった気がした。

 

朝日が登りつつある。

まだ霜の残る平原と、氷漬けになるようにして倒れ伏す2体の幻獣の死骸を眺める。あぁ、そうか。吾輩は生き残ったのか。

涙が出そうなほど、朝日が綺麗だ。

 

あぁ、暖かい。陽の光が、瞳の中できらきらと煌めく。瞳の中の宝石に、思わず手を伸ばす。

激しく、痛いほどに苛烈なあの雷鳴とは違う、柔らかい光だ。

 

そうか、そうか…

一瞬だけ、二度と目覚めることはできないと思った。意識が暗くなる中で、死んだかと思った。それでも、吾輩は生き残った!

あたりに散らばる武装とキリン達の死骸、そして黒龍外装を仕舞い、この場を後にする。黒龍外装とか人間達に見られたら不味いからな。

 

今日の朝ごはんは何にしようか。

死地を越えたんだ、少しぐらい贅沢したって構わないだろう。

キリンってどうやって料理したら美味しいんだろうか?定番は馬刺しだろうが…ステーキ、いやハンバーグにしてもいいかもしれない。

 

光の方へ進む。あぁ、今日はいい日だ。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンスターの闊歩する森の中でお茶会って、なかなか凄いことしてるんじゃないの?」

 

「ピギャアアアア(ちなみにその椅子とテーブルも吾輩の自作であるよ。)」

 

吾輩である。全力で吾輩を殺しにきている大自然から無事勝利をもぎとった吾輩である。二度とやりたく無い。そんな吾輩は今、久しぶりに会った師匠と森の中で秘密のお茶会と洒落込んでいるのである。あ、この師匠が持ってきたクッキー美味であるな。自分で焼いた…わけではなさそうだなぁ。

トロピーチのピーチティー入りのポットと百年くるみ入りのパウンドケーキ、そしてクッキーの置かれたテーブルを挟んで、師匠と吾輩が座っている。

師匠が座った椅子は吾輩のお手製であるよ。吾輩が座れる大きさの椅子は流石に無理があるので、吾輩が座っているのは座布団である。それでも座高の差はあるので吾輩が見下ろす形だ。

 

「ピギャアアアア(あったかい外で飲む冷たい飲み物は素晴らしいだろう!)」

 

元々、アイテムボックスのような何かの中に詰め込んだ雪のお陰で冷えた飲食物をいつでも用意できる吾輩であるが、今回はそのなんちゃって冷蔵庫は使っていない。キリンの角を誤って食べた影響か、多少冷気を操れるようになったので、その力を操ったのであるよ!

ちなみに冷気はちょっとモノを冷やしたり、肉を凍らせて冷凍保存したりできる程度のもので、戦闘の上ではなんの役にも立たない!目眩しにすらならないぞ!QOLが少し上がっただけである!

ちなみに雷も多少操れるようにはなったのであるが、具体的にいうと微弱な電流を流して全身マッサージできる程度のものである。戦闘の上では(以下略)

多少耐性は上がった気がするのであるが、それでも相変わらず実験中に事故って雷電袋を暴発させたら相変わらず死にかけるのである。-20が-15になったとか、そのぐらいな気がするのである。殆ど誤差の範疇である。

 

キリンとの戦いが終わった後、吾輩は全身に秘薬ですら癒しきれない傷が残っていたため、今まで以上にハンターとモンスターに気をつけながら放浪していた。その中でくしゃみをしようとしたらなんか雷と冷気が出たのでこの力に気づいたのである。

ちなみに戦闘では碌に使えそうに無いこの能力であるが、他の素材や外装と組み合わせる事で色々なことができるのである。

例えば、微弱な電流で人形の動きをより細かく操作したり、などである。瞬間凍結袋と冷気、キリン亜種の素材を組み合わせる事でベリオロスのアイスサイクロンみたいなこともできる様になったのである。

 

あとは、キリンの素材とライゼクスやジンオウガの素材、雷電袋を組み合わせて作った砲身に、吾輩が電流を流すことで起動できるレールガン的な何かも作れたのである。そう、レールガン。ロマン砲である!レールガンの威力はって?速度はある。音速の4倍ぐらいは出ているんじゃ無いか?マッハ4で飛んでくる劇毒と睡眠毒入りの貫通弾である。恐怖。

でも威力はそこまでではなかったのである。その電力ライトニングブレードに回した方が多分威力は出る。でもかっこいいからいいじゃないかレールガン!…でもこれどちらかと言うと対ハンター向きの性能しているんだよな。封印しとこ…

あとは残った素材を使って吾輩の普段使いのゲネルセルタス型外装も改良したのである。雷と氷属性への耐性が飛躍的に向上したキリン装備風ゲネルセルタス外装である。バルファルクの龍気と合わせれば雷と氷は8割は遮断できるんじゃないだろうか?ちなみに残りの2割で殺してくるのが古龍で、全く通じなくても技術で押し切ってくるのがハンターである。怖い。

 

ちなみにキリン達の馬刺しは大変美味であった。残った肉はジャーキーにして時々齧っているのである。古龍を食すなんて、イビルジョーでもそうそうできる体験ではないぞ。大自然でハントしたモンスターを食す、これがMonster Hunter Wilds

 

閑話休題。そんなこんなで傷を癒しつつ、また戦いがあった時に備えて色々な兵器を作っていたら、師匠に見つかって今に至ると言うわけである。まぁ師匠にしかわからない様な目印は置いていたし、元々こっちの方角へ行くつもりだったとは前回会った時に伝えていたからそろそろ見つかってもおかしくないなぁ、とは思ってはいたが、この大自然の中でちっぽけな蟲1匹見つけ出すとかハンターはやはり凄いのである。いや怖いわ。

 

「一家に1匹いたら便利そうね、貴女。それにしても…その右腕、酷くやられたわね。痛くない?いにしえの秘薬ならあるけど」

 

「ピギャアアアア(んな高価なもん出そうとするんじゃありません!まぁ、幻肢痛も治ってきたし、再結合は無理であったが、まぁそもそも吾輩ほとんど手は使ってなかったからノーダメージであるよ。)」

 

「そう…」

 

師匠の手が吾輩の右腕に触れる。

 

「ピギャアアアア(ひゃん!く、くすぐったいであるよ…腕が吹き飛んだからといって触覚が吹き飛んだわけではないのであるよ…)」

 

「あ、ごめん…。……そういえば、義手とかは作らないの?私たちの中でも、戦闘で四肢を失うことはそこそこあるし、義肢に変える狩人はいない訳じゃないけど。まぁ戦闘向きではないから基本引退することにはなるけどね。一部は隻腕になっても古龍と殺り合う超人もいるけど」

 

「ピギャアアアア(いや貴女どちらかというとその超人側でしょう。)」

 

そう言って、パウンドケーキを齧る。うん、今回は上手くいった。初めて作った時は何故かコンクリートみたいに硬くなったからなぁ。

 

「私は本当に致命的なダメージは喰らわないわよ?脇腹持ってかれたことはあるけど」

 

「ピギャアアアアアアア!(いやそこが超人なんだよ。…一応義手は制作途中であるな。せっかくだし色々機能を詰め込もうとしたら、時間がかかりすぎて。)」

 

ゴトン、と音を立てて義手を取り出す。

竜の頭部を模した金属製の小型の大砲。デザインは昔勝ち目がなさすぎて逃げるしかなかったクシャルダオラの頭部を模した装置である。噛み付いてよし、内部に組み込まれたヘビィボウガンの機構から竜撃弾を撃ち続けるのもよし、である。素材は潤沢にあるし、吾輩に持ち込み制限とかは関係ないので、弾帯から弾丸を送り込む機構を組み込めば竜撃弾の連射も可能である!流石にここまで連射するとガンランスの様に冷却が必要にはなるが、そこは冷やす手段なら沢山あるので問題ない。反動は糸で無理やり押さえ込めば問題ない!ゆくゆくは風圧を生み出す機構とかも埋め込みたいと思っているのである。これをつけるとビジュアルは完全に接ぎ木のなんちゃらさんである。

 

「あ、その繋ぎ方だと多分暴発して砲身吹き飛ぶわよ」

 

「ピギャアアアア(…まじで?そういえばなんか変な音するなー、とは思っていたのであるが…というか加工屋でもないのによく分かるなぁ)」

 

「まぁ一応私の主武器ヘビィボウガンだし。ボウガン使いは最低限オプションパーツの付け替えとか、ライトミドルヘビィの組み替えぐらいはできないとお話にならないのよ」

 

アドバイスを受けながら、義手を調整していく。

そういえば師匠のメイン武器って別に大剣って訳じゃないんだよな。

 

「あー、それでいいわね。って違う違う、別にこれ手伝いにきたわけじゃないわよ私。」

 

「ピギャアアアア(そうなのか)」

 

「生存確認と…あと、少し忠告しにきたのよ。今貴女今まで以上にハンターに狙われてるから気をつけた方がいいわよ?後、ちょっとその関係でしばらく会えなくなるわね。…まぁ、こっちはこっちで上手くやるから、貴女も気をつけなさいな。」

 

「ピギャアアアア(狙…!?え、吾輩何か狙われる様な悪いことしたっけ?)」

 

まぁ、でも狙われてるって言っても今までなかった吾輩の討伐クエストが張り出されたとか、そんな感じであろう。いや十分不味い出来事ではあるが、ハンター相手に逃げ切る手段はいくつも持っているのであるよ。あとは、一箇所に留まらなければそもそも接敵もせずに済むであろうし。

 

「ピギャアアアア(そういえば、あの娘は今どうしているのであるか?)」

 

作業もひと段落し、残っていたピーチティーを飲み干す。

 

「元気にやってるみたいよ。というか元気すぎてあの歳でもう上位ハンターの仲間入りしてるわよ。」

 

「ピギャアアアア(ほえー…あ、そうだ。昇進祝いに、この吾輩の吹き飛んだ右鎌とかどうであろうか?金色で縁起もいいし、別に吾輩に使い道ないし)」

 

「多分あの子卒倒するわよ」

 

「ピギャアアアア(じゃあこのもふもふジンオウガ人形でも…)」

 

そう、吾輩はこの師匠の忠告をもっと真剣に受け止めるべきだったのである。

狙われている、とはいってもまさかハンターの大軍が襲ってくるなんてことはないだろうと吾輩は高を括っていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはりんご飴片手に散歩していたある朝のことである。

 

何かが急に飛び出してきた。小型モンスターほどの大きさ、しかし感じる気配は、何故この瞬間まで気づかなかったのかと思うほど強い。

千里眼の薬にも引っ掛からなかった人型が複数人。ハンターである。

あぁ、こいつら全員隠れ身の装衣着てたんだなぁ…あと、明らかに4人以上いるなぁー……

 

一つ言わせてくれ。数、多くね?

 

「ピギャアアアア(ひゃあこいつら何蟲相手にマジになってんだよ!)」

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

 

「ピギャアアアア(おいおい、この脚、滅茶苦茶重いんだけどな…!)」

 

男ハンターは、右脚の踏みつけを盾で受け止め、そのまま弾き返しランスを突き上げる。

逆にそれを大剣で打ち払うと、よろけた隙に撃龍槍を突き刺そうとするが、あえて小タル爆弾で自爆する事で、男は刺突を回避する。

 

後方の3名のハンターによるヘビィボウガンの速射を盾で防ぎ、懐に潜り込もうとする大剣使いを蹴り飛ばし距離を離す。

盾の表面を弾丸でガリガリと削られる音が怖い。こう、本能的な恐怖のようなものを感じる。蹴り飛ばした大剣使いも、直撃はちゃんと防いで一瞬で戦線復帰してくるしマジで逃げる隙がねえ!

 

「ピギャアアアア(ひゃあ大岩が飛んできたぁ!?お前それ人間が持てる大きさの石じゃねえだろ!)」

 

小山ほどの大きさはある大岩が弾丸の如き速さで吾輩目掛けて飛んでくる。それを投げたのが人間だというから驚きだ。

それをなんとか避けたと思ったらその上に乗っていたハンマー使いのハンターが飛び出してくる。砕け散った岩石を足場に吾輩目掛けて回転しつつ叩きつけを放とうとするのを、大砲の速射で撃墜する。ハンターが大砲の直撃程度で怪我するわけないから多分大丈夫!

 

うん。完全に4人以上いるね。なんだろうね。吾輩はマム・タロトかラヴィエンテかな?いや、にしても同時に同じ場所に4人以上いるのはおかしいよ、え、密猟者でもないのに何故?まさか偶々近くにハンターの修練場的な場所があったとかか?そんな訳ないですねこれピンポイントに吾輩狙って殺しにきてますねこれ。誰か助けて!

接近してきたハンターをドボルベルクを地面に叩きつける事でよろめかせ、その隙にライトニングブレードで吹き飛ばす。ちょっとした小型モンスターぐらいならこれだけでこんがり肉になるんだが、ハンターなら数秒もすれば間違いなく復帰するという確信がある。多少威力は弱めたとはいえ明らかに大したダメージになってないもんこれ。

 

吹き飛ばされて起きあがろうとするところ目掛けて今度は麻痺毒と混乱毒を配合した睡眠ガスを送る。

起き攻めだよ起き攻め。ハメてないと吾輩嬲り殺しにされちゃうよ!ガンナー連中?今頃後ろでマガイマガドとナルガクルガの人形と楽しくやってるよ!師匠に「これぐらいならもうギルドにバレてるよ」って教えてもらったからもう遠慮はない!

 

元気ドリンコを飲もうとしている相手は瓶に持ち替えた隙に糸でぐるぐる巻きにして、運良く避けた相手はボウガンとバリスタの物量で封殺して…あれ、この避けたやつだけやけに強くないか?吾輩の弾丸全部双剣の乱舞で弾いてないか?1人だけスペックが違くないか?なんか吾輩目掛けて鬼人突進連斬しようとしてないか?待てハンターはやまるなその両手に持った剣で何をしようというんだまさか吾輩を殺そうとしているんじゃないよなまさか吾輩を殺そうとしているわけじゃないよな!

 

「ピギャアアアア(うおあっぶね!背中の装甲に粘菌塗るのが数秒遅れてたら即死だった…)」

 

連斬の初撃に臨界した粘菌をぶつける事でそれ以上の追撃をされる前に攻撃をキャンセルさせる。

本当に僅かにだが、何かに切られた感触がある。薄皮一枚にも満たないほどに薄い傷。当たった瞬間に無理やり攻撃を中断させたはずなのに、それでもなお狩人の斬撃は届いていた。怖っ。

しかも普通なら体勢を崩しているところを、着地直後にそのまま再度攻勢に移ろうとするとは。殺意が高い。明らかに体勢の制御が不能なタイミングで吹き飛ばされた筈なのに空中で無理やり体勢を立て直しやがった。

とはいえ、流石に無理があったのか僅かに体幹がブレているようだ。ならばそこを突く!

 

糸に引っ張られ飛び出したのは、コツコツと集めていた発掘装備と密猟者から剥ぎ取った質の低い武器が多数。その数合わせて百を越える。

それら全てを砲弾の様に撃ち放つ。

 

それを防いだのは、大剣──崩剣ウェンカムルバスを抱えたハンター。大剣をスコップの様にして岩盤をめくりあげたかと思うと、盾の様にして武器の雨を防ぐ。

攻撃を防ぎ切った大剣使い目掛けて、大砲から龍属性の光線と砲弾を同時に放ち、ディノバルドの剣尾を薙ぎ払うようにして放つ。

同時に吾輩は身を翻し、自身の周囲360°全体に鬼火を纏った泡を放ち、それを避けようと跳んだ双剣使いには、跳んだ瞬間目掛けてアイスサイクロンを放つ。

 

絶対近寄らせないよ、多分お前らが主戦力だろ!2人だけ動き違うもん!だったらお前ら封殺すればそれで終わり…ではなさそうであるな…

大剣使いは、自身の数倍はある剣尾を、衝突の瞬間に溜め切りを当てる事で叩き落とす。

勿論、それぐらい出来て当然だとは思っていたので、大砲と光線で妨害していたのであるが、砲弾は全て弓による狙撃によって撃ち落とされ、龍属性の光線は、別のハンターによって防がれる。

弓──なぐるやの遠弓の真弦を構えるのは、天眼装備のハンター──距離が遠すぎて性別はわからない──で、龍属性の光線を防いだのは、ゴアマガラっぽい装備をきた女ハンターである。

 

あ、なんか急に破壊衝動が…ってこいつ狂竜症戦術に組み込んでるタイプかよ!

 

「ピギャアアアア(不死鳥の息吹!…いや、ハンター怖っ)」

 

太刀──カオスorロウの斬撃を瓦礫の盾で防ぎ、そのままもう一つの盾で挟み込むようにして拘束しようとするが、滑り込んだ大剣使いの真溜め切りに盾が弾かれる。

異なる重さの斬撃が舞う。隙を少しでも見せれば脳天を穿たんと矢が降り注ぎ、吾輩も負けじと複数のボウガンから弾丸を放つ。

 

流石に数が多いぞ!こいつら4人の対処でも見るところが多いのに、後方からは別のハンターからの援護射撃があるし、捉えたと思ったら割り込んだこれまたマークしてなかった別のハンターに防がれるし!

 

まぁ、でも…大体わかった。

吾輩の視線や体の動き、予備動作を見て行動を先読みし、攻撃を避け続け、時には受け止め、自分の手番が回ってきたと感じればここぞとばかりに強烈な攻撃を放つ。時にはカウンターも狙う。まぁ、そうやって自分より圧倒的に格上なモンスターを越えてきたのであろうな。

 

吾輩が一般的なモンスターであればそれでよかったのだろう。

 

兜割を鉄骨で弾き、大量の大タル爆弾を糸で束ね、一気に放つ。

爆風を潜り抜けた大剣使いの薙ぎ払いを粘菌の爆発で打ち消す。そして、周囲に十分散らばった粘菌を一気に同時に爆発させる。

 

──言っておくが、わざと視線を向けた先にしか攻撃しなかったり、予備行動らしきものを行っただけで、その気になれば吾輩は予備行動もなしに、視線も向けずに攻撃できるぞ?

 

龍気を活性化させ、雷電袋から取り出した電気を龍属性に変換して、それを一気に解放して地面に叩きつける。

そしてそれと同時に、視界の外にいる天眼装備の弓使いに、糸から伝わる触覚を頼りにレールガンを放つ。

 

当たった。

起き上がる気配は…ない、気絶した!ならば、いける。

竜属性の爆発を避けるために後方へ飛びのいたハンターたちが、吹き飛ばされた弓使いに一瞬気を取られている隙に一気に地面を駆ける。

 

ここは平地だ、吾輩は逃げさせてもらう!

吾輩特製の麻痺毒ケムリ玉を地面に叩きつけ、視界不良に陥った隙に全力で逃走する。

この前もこんなことがあったなぁ、キリンほど速い訳じゃないし逃げ切れるだろう、などと思いながら両足の裏の粘菌を爆破させ、バルファルクの翼脚から龍気を噴出させて加速する。

後ろからボウガンの弾丸が迫るが、それぐらいならば外装で弾ける。

 

「ピギャアアアア(よっしゃ隙ができた、こんなところにいられるか吾輩は逃げるぞ!)」

 

加速し、空へ飛び立とうとした瞬間、上空から何か──とても恐ろしいものが落ちてくるのを感じる。

 

「…仕損じたか」

 

落ちてきたのは、逆手に太刀を持ったレイア装備のハンター…って、ソードマスターじゃねえか!?え、どこから落ちてきたの!?…嘘だろ、豆粒ぐらいにしか見えない飛行船から、か!?人間じゃねえ!?

 

咄嗟に取り出した、盾代わりの三体の金属で何重にも補強されたバサルモス人形。その全てが一刀の元に切り裂かれている。しかし、微妙なカーブの入った盾で斬撃が逸れ、ギリギリ吾輩の体に刃は触れなかった。それでも斬撃波だけで結構ザックリ持ってかれてるんだけどな!でも切り口が綺麗すぎて逆にあんまり痛くないな。盾がなければ即死だった…

 

「ピギャアアアア(こんな人外魔境で戦ってられるか!吾輩は逃げるぞ!)」

 

ハンターでは決して追いつけない速さまで加速した吾輩は、全力で逃げる、逃げる、逃げる!

 

「ピギャアアアア(やっぱハンター怖ええええ!!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











「「うーん、なんか狩ってて妙な感じがするんだよなぁ」」

「そうよね」

「腹に当たった弾は滅茶苦茶痛いが、殺しに来てる威力ではなかったしな」

「というか、悪い相手ではない気がするんだよなぁ。古龍みたいな理不尽な奴らというよりかは、俺たちと似た感じがするというか…」

「んにゃ。俺もそう思うわ。爺さんも、そんな感じのこと言ってたしな。そういえばソードマスターの爺さんはどうした?」

「あぁ、上に呼ばれたらしいよ」






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感想、評価などありがとうございます!

ジンオウガとタマミツネ、どっちも人気だしどっちも出そうかな?ただ戦うだけじゃなくて百竜夜行だから大分難易度上がるけど…

多分このソードマスターさんは本編終了後に鍛え直したから今ならイヴェルカーナ相手に不覚を取ることは無いと思う。本当に偶々現大陸に一瞬だけ帰還していたため、ハンターズギルドから声がかかった。多分もう新大陸に帰ってる。


最初書いてた時はもうちょっとハンター側に個性持ってたけど、それだとどっちが主人公かわからなくなるので没にした。
力を解放しすぎたハンターとか、双剣(素手)な、力みが、足りねえか!とか言ってきそうなハンターとか。

今回のハンターは、大部分が上位ハンター、一部の主力がG級(MR)。本気出したらもう少し強い。
大討伐戦の慣らしと、アトラル・カの実際の強さを測るための威力偵察の意味合いが高いためである。というか初めから何がなんでもここで終わらせるつもりならソードマスターはもっと早い段階で投入されていました。なんなら青い星が呼ばれたり、猛き炎が呼ばれたりしたかもしれません。まぁ、蟲1匹に全戦力を集中できるほどこの世界に余裕はないわけなのでそうはならないのですが。

次の番外編で使うかもしれない(エイプリルフールでつかうかも)

  • 掲示板if②
  • 擬人化if
  • vsアルバトリオン
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